理論科目の解説

【電験三種】電気計測とは?|測定の全体像を5分で掴む入門ガイド

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 参考書で「電気計測」の章に入ったけど、そもそも何を学ぶ分野なのかわからない
  • 「計器」「測定」と言われても、何の話をしているのかイメージが湧かない
  • 直流回路や交流回路は勉強したけど、計測分野はどこから手をつけていいか迷う
✅ この記事でわかること
  • 電気計測とは「何を」「どうやって」測る分野なのか
  • 試験で問われる5つのテーマの全体像
  • 各テーマの学習順序と詳細記事へのリンク

電験三種の理論科目には、直流回路・交流回路・電磁気・電子理論——そして「電気計測」という分野があります。

直流や交流は「電気の流れ方」を学ぶ分野ですが、電気計測は「電気の測り方」を学ぶ分野です。

料理にたとえるなら、直流・交流が「食材の切り方」だとしたら、電気計測は「計量カップやはかりの使い方」。地味に思えますが、これがなければ料理(=回路設計や設備管理)は成り立ちません。

この記事では、電気計測とは何かを5分で理解できるように、全体像をコンパクトに解説します。細かい計算や暗記は後回しでOK。まずは「地図」を手に入れてください。

🔍 電気計測とは?|ひとことで言うと「電気の健康診断」

電気計測とは、回路の中を流れる「電圧」「電流」「抵抗」「電力」などの値を、計器を使って正しく測定する技術のことです。

人間に例えてみましょう。体調が悪いとき、病院に行くと「体温」「血圧」「心拍数」を測りますよね。これと同じで、電気回路の状態を知るためにも、いろいろな「数値」を測る必要があるのです。

🏥

人間の健康診断

体温 → 体温計
血圧 → 血圧計
心拍数 → 心電図

電気の健康診断

電圧 → 電圧計
電流 → 電流計
電力 → 電力計

電験三種の試験では、この「電気の健康診断」について、「どんな計器を使うのか」「計器はどんな仕組みで動くのか」「測定値にはどんな誤差が出るのか」が問われます。

💡 ポイント
電気計測 = 「電気の測り方」を学ぶ分野。測定の道具(計器)測定の方法(手法)の2つが試験の中心です。

📊 電気計測で「何を」測るのか?|4つの測定対象

電気計測で測るものは、突き詰めると4種類しかありません。

測定対象 記号・単位 たとえ(水道で言うと…) 使う計器
電圧 V [ボルト] 水圧の強さ 電圧計
電流 I [アンペア] 水の流れる量 電流計
抵抗 R [オーム] 管の細さ(流れにくさ) ブリッジ回路など
電力 P [ワット] 水車を回す力 電力計

「電圧・電流・抵抗・電力」——この4つは、直流回路や交流回路ですでに学んだ概念ですよね。電気計測は、これらを「実際にどうやって測るか?」を学ぶ分野なのです。

つまり、直流回路や交流回路で学んだ知識は、ここでそのまま活きてきます。計測は「まったく新しい分野」ではなく、すでに知っていることの「応用編」です。

🧭 電気計測で学ぶ「5つのテーマ」|試験で何が問われるのか?

電験三種の理論科目で出題される電気計測のテーマは、大きく5つに分類できます。毎年1〜3問、つまり5〜15点分が出題されます。

「たかが1〜3問」と思うかもしれませんが、計測分野は暗記で確実に取れる問題が多いのが特徴です。ここを落とすのは本当にもったいない。

テーマ① 指示電気計器の種類と動作原理

電流計や電圧計には、内部の仕組みによって7種類の計器があります。

たとえば「可動コイル形」は直流しか測れない、「可動鉄片形」は交流も直流も測れる……といった「どの計器がどんな場面で使えるか」が問われます。

これは完全に暗記で得点できる知識問題です。正誤選択で毎年のように出題されるため、最も優先すべきテーマです。

テーマ② 倍率器と分流器(測定範囲の拡大)

電流計は「最大で1Aまでしか測れない」といった制限があります。10Aを測りたいときはどうするのか?——答えは、「分流器」という抵抗を並列につなぐことで測定範囲を広げるのです。

同様に、電圧計の測定範囲を広げる「倍率器」というものもあります。

このテーマは計算問題で出題されますが、公式はシンプルで、直流回路のオームの法則と分流・分圧の知識があれば解けます。

テーマ③ 誤差率と補正率

どんな計器にも「誤差」があります。体重計に乗ったとき、実際は60.0kgなのに60.3kgと表示される——そのズレが誤差です。

電験三種では、この誤差を数値で計算する問題が出ます。公式は2つだけなので、覚えてしまえば確実に解けます。

テーマ④ 抵抗・電力の測定方法

抵抗を測る方法として有名なのが「ホイートストンブリッジ」です。4つの抵抗を菱形に組んだ回路で、未知の抵抗値を高精度に求めることができます。

また、電力を測る方法として「二電力計法」「三電圧計法」「三電流計法」といった手法があります。特に二電力計法は、三相交流の電力を2台の電力計で測定する方法で、ほぼ毎年出題される超頻出テーマです。

テーマ⑤ ディジタル計器とオシロスコープ

テーマ①〜④はアナログ(針が動く)計器の話でした。テーマ⑤では、デジタル計器オシロスコープを学びます。

デジタル計器は「A/D変換(アナログ→デジタル変換)」の仕組み、オシロスコープは「波形の読み取り方」が問われます。このテーマは知識問題として出題されることが多く、原理を理解しておけば得点しやすい分野です。

💡 5テーマまとめ
① 指示電気計器の種類と原理 → 知識問題(暗記)
② 倍率器と分流器 → 計算問題
③ 誤差率と補正率 → 計算問題
④ 抵抗・電力の測定方法 → 計算+知識
⑤ デジタル計器・オシロスコープ → 知識問題

知識と計算がバランスよく出る分野です。暗記だけで取れる問題が多いので、コスパが非常に良い分野とも言えます。

🗺️ 電気計測の学習マップ|どの順番で学べばいい?

電気計測の5つのテーマには、「この順番で学ぶとスムーズ」という流れがあります。以下のマップに沿って、ひとつずつ進めてください。

STEP 1

指示電気計器の種類と動作原理を覚える

7種類の計器の名前・記号・使える回路(直流 or 交流)を暗記します。
ここは最優先。試験で「知っていれば即答」の問題が出ます。

STEP 2

計器の三要素を理解する

駆動装置・制御装置・制動装置の3つ。STEP 1とセットで覚えると効率的。

STEP 3

倍率器と分流器の計算を練習する

オームの法則と分流・分圧がわかれば解ける計算問題。直流回路の知識を活用。

STEP 4

誤差率と補正率の計算方法を学ぶ

公式は2つだけ。例題を1〜2問解けば身につきます。

STEP 5

ブリッジ回路で抵抗測定を学ぶ

ホイートストンブリッジの平衡条件の計算。直流回路の復習にもなる。

STEP 6

電力の測定方法を学ぶ

二電力計法・三電圧計法・三電流計法。交流回路の知識を活用する応用テーマ。

STEP 7

ディジタル計器とオシロスコープ

A/D変換の仕組み、波形の読み方。知識問題として出題されるので、用語を押さえる。

📈 電気計測は「コスパ最強」の得点源

最後に、電気計測の学習に迷っている方に伝えたいことがあります。

電気計測は、理論科目の中でも最もコスパが良い分野です。理由は3つ。

理由①:暗記で取れる問題が多い

直流回路や交流回路のように「複雑な計算を組み合わせる」問題は少なく、「知っているかどうか」で決まる知識問題が中心です。計器の種類と特徴を覚えるだけで正解できる問題が、毎年1問は出ます。

理由②:出題パターンが限られている

過去問を分析すると、電気計測で出題されるテーマは驚くほどワンパターンです。「計器の種類」「倍率器・分流器」「二電力計法」「ディジタル計器」——この4つで出題の大半をカバーできます。

理由③:他の受験生が後回しにしがち

多くの受験生は、直流・交流・電磁気の勉強に時間を取られ、計測分野を「余った時間でやればいいか」と後回しにします。だからこそ、しっかり対策した人は差をつけられるのです。

🔥 電気計測の勉強時間の目安
5つのテーマすべてを一通り学ぶのに必要な時間は約10〜15時間。これで試験本番で1〜3問(5〜15点)を確保できると考えれば、非常に効率の良い投資です。

📝 まとめ|電気計測の全体像

テーマ 内容 問題タイプ 頻出度
指示電気計器 7種類の計器の動作原理・使える回路 知識 ⭐⭐⭐
倍率器・分流器 計器の測定範囲を広げる仕組みと計算 計算 ⭐⭐⭐
誤差率・補正率 測定値と真の値のズレを計算 計算 ⭐⭐
抵抗・電力測定 ブリッジ回路・二電力計法など 計算+知識 ⭐⭐⭐
デジタル計器・オシロ A/D変換・波形の読み取り 知識 ⭐⭐

電気計測は、「電気の測り方」を学ぶ分野です。測る対象は「電圧・電流・抵抗・電力」の4つだけ。学ぶテーマも5つだけ。範囲が限られている分、対策すれば確実に得点できる「おいしい分野」です。

次の記事では、各テーマの詳しい内容に入っていきます。まずは最も頻出の「指示電気計器の種類」から始めましょう。

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