部品選定

抵抗器の種類と選び方|厚膜・薄膜・金属板の違いと用途別フローチャート

抵抗器の種類と選び方。厚膜・薄膜・金属板の違いを「用途別」に

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こんな経験はありませんか?
  • 部品表(BOM)に「チップ抵抗 1kΩ 1%」としか書いていないけど、厚膜と薄膜のどっちにすればいいの?
  • 先輩に「その用途なら金属板抵抗にしろ」と言われたけど、理由がわからない…
  • DigiKeyやMouserで抵抗を検索すると種類が多すぎて、何を基準に選べばいいのか途方に暮れる
○ この記事でわかること
  • 抵抗器の全体像 ── 7種類を「ファミリーツリー」で一発整理
  • 厚膜・薄膜・金属板の決定的な違いを「製造方法」と「性能」の2軸で理解
  • パワエレ設計の6つの用途別に「結局どの抵抗を使えばいいか」を即決できるフローチャート

回路設計で最も多く使う部品は何か? ── 答えは抵抗器です。基板1枚に数十個から数百個が載るのに、「抵抗は抵抗でしょ?」と深く考えずに選定していませんか。

実は抵抗器には「厚膜」「薄膜」「金属板」「カーボン」「巻線」……と多くの種類があり、どれを選ぶかで回路の精度・ノイズ・信頼性が大きく変わります。特にパワーエレクトロニクス設計では、電流検出のシャント抵抗に厚膜を使ってしまい、温度ドリフトで電流値がズレるという失敗が後を絶ちません。

この記事では、抵抗器の全種類を「家系図」のように整理し、パワエレ設計の実務で「この用途にはこの抵抗」と即決できるようになるところまで解説します。コンデンサの種類を学ぶ際の姉妹記事と合わせて、受動部品の基礎をここで固めてしまいましょう。

結論|まず30秒でわかる答え

抵抗器は用途で選びます。電流検出などmΩオーダーの低い抵抗値なら金属板抵抗、高い精度が必要なら薄膜抵抗、それ以外の一般用途なら厚膜抵抗が基本です。種類が決まったら、抵抗値(E系列)・許容差・定格電力・TCR・チップサイズの5つで製品を絞ります。

そもそも抵抗器は回路で何をしている? ── 6つの役割

種類の話に入る前に、「抵抗が回路のどこで、何のために使われているか」を押さえておきましょう。これを知っておくだけで、後半の「用途別の選び方」がスッと入ってきます。

抵抗器の役割は、大きく分けると6つあります。

# 役割 どんな場面? 詳しい記事
① 電流制限 LEDに流す電流を20mAに抑える、突入電流を制限する 電流制限抵抗の計算方法 →
② 分圧 DC-DCコンバータの帰還(FB)電圧を作る、ADCの入力範囲に合わせる 分圧回路の計算と抵抗値の決め方 →
③ プルアップ/プルダウン デジタル信号線のHigh/Low状態を安定させる プルアップ抵抗の計算方法 →
④ 電流検出(シャント) 回路に流れる電流をオームの法則(V=IR)で電圧に変換して測る シャント抵抗の選び方 →
⑤ ゲート駆動 MOSFETのスイッチング速度を調整し、リンギングを抑える ゲート抵抗の決め方 →
⑥ ダンピング・終端 信号波形のリンギング(振動)を抑え、反射を防ぐ ダンピング抵抗・フェライトビーズ →
ポイント
抵抗器の種類を選ぶとき、まず「①〜⑥のどの役割で使うか?」を明確にしてください。役割が違えば、求められる性能(精度・発熱・ノイズ・コスト)がまったく違うからです。この記事の後半で、役割別の選定ガイドを用意しています。
抵抗器とは(ひとことで)と、チップ抵抗のサイズの目安

抵抗器とは、決まった大きさの抵抗(Ω)をもち、電流を制限したり電圧を分けたりするための部品です。回路図では四角の箱(新しいJIS)かギザギザの線で描きます。

チップのサイズ(mm)インチ表記定格電力の例(一般の厚膜品)
100504021/16W
160806031/10W
201208051/8W
321612061/4W

定格電力はメーカーとシリーズで違うので、データシートで確かめます。

抵抗器の6つの役割の回路図。電流制限、分圧、プルアップ、電流検出(シャント抵抗)、ゲート抵抗、ダンピング
抵抗器の6つの役割:電流制限・分圧・プルアップなど

抵抗器を選ぶときは、流れる電流で生まれる熱(ジュール熱)が定格電力に収まるかも確かめます。熱の計算は次の記事で。

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抵抗器の「ファミリーツリー」── 7種類を1枚で整理

抵抗器は、分類のしかたによって「素材別」「形状別」「製造法別」などさまざまに分岐します。ここでは、パワエレ設計の実務で実際に選択肢に上がる7つの種類に絞って、ファミリーツリー(家系図)として整理しました。

抵抗器(Resistor)
│
面実装(チップ)型
← 現代の主流
│
リード(スルーホール)型
← 試作・大電力で現役

面実装(チップ)型の内訳:

厚膜チップ
汎用・安価・大量
薄膜チップ
高精度・低TCR
金属板(メタルプレート)チップ
超低抵抗・電流検出

リード(スルーホール)型の内訳:

カーボン(炭素)皮膜
最安・試作・趣味
金属皮膜(キンピ)
高精度・計測
酸化金属皮膜
中電力(2〜5W)
巻線 / セメント
大電力(5W〜50W)
現場の声
量産基板のほとんどは「面実装(チップ)型」で埋め尽くされています。設計の大半は厚膜チップ・薄膜チップ・金属板チップの3種類から選ぶ作業です。リード型は試作やパワー系の一部でまだ現役ですが、メインの選定ステージはチップ型の3兄弟だと思ってください。
抵抗器の種類のツリー図。面実装(チップ)型は厚膜・薄膜・金属板、リード型はカーボン・金属皮膜・酸化金属・巻線
抵抗器の種類:チップ型とリード型の分類
おすすめの本

電気回路の基本があいまいなときは、入門書で土台を固めておくと理解が進みます。電気回路の基本を、つまずいている人向けにやさしく解説した入門書です(オーム社)。

チップ抵抗の「3兄弟」── 厚膜・薄膜・金属板を徹底比較

実務で最も悩むのが、「厚膜」「薄膜」「金属板」のどれを使うかです。3つの違いを理解するカギは「製造方法」にあります。製造方法が違うから、得意分野が違う。まずは1枚の比較表で全体像をつかんでから、それぞれの特徴を掘り下げていきましょう。

比較項目 厚膜チップ 薄膜チップ 金属板チップ
製造方法 スクリーン印刷で厚く塗る(数μm〜数十μm) 真空蒸着・スパッタで薄く成膜(数十nm〜数百nm) 金属の板(バルク材)をエッチングで加工
たとえるなら ペンキをローラーで厚く塗る 金箔をミクロン単位で貼り付ける 鉄板を型抜きして使う
許容差(精度) ±1% 〜 ±5% ±0.05% 〜 ±1% ±0.5% 〜 ±1%
TCR(温度係数) ±100 〜 ±200 ppm/℃ ±5 〜 ±25 ppm/℃ ±15 〜 ±50 ppm/℃
ノイズ 大きい(電流雑音あり) 小さい 小さい
抵抗値の範囲 1Ω 〜 10MΩ(広い) 10Ω 〜 1MΩ 0.5mΩ 〜 100mΩ(超低抵抗)
パルス耐性 強い(膜が厚い) 弱い(膜が薄くて焼けやすい) 強い(金属の塊)
コスト(目安) ◎ 最安(0.1〜0.5円/個) △ 厚膜の2〜5倍 △ 厚膜の5〜20倍
主な用途 プルアップ、LED電流制限、ゲート抵抗、分圧(汎用) オペアンプ帰還、ADC基準、精密分圧 シャント抵抗(電流検出)
一言でまとめると 安くて万能な「量産の主力」 精密回路の「スナイパー」 大電流を見張る「番人」
TCRの影響を具体的に計算してみよう
たとえば基準温度25℃で10kΩの抵抗が、60℃の環境で使われるとします。

・厚膜(TCR = 100ppm/℃の場合):10,000 × 100 × 10-6 × (60−25) = 35Ω のズレ(0.35%)
・薄膜(TCR = 10ppm/℃の場合):10,000 × 10 × 10-6 × (60−25) = 3.5Ω のズレ(0.035%)

ズレが10倍違います。分圧回路やオペアンプの帰還抵抗で精度が求められる場所では、この差が致命的になることがあります。
チップ抵抗の厚膜・薄膜・金属板の作り方の違いの図。厚膜はスクリーン印刷(数μm)、薄膜はスパッタリング(数十nm)、金属板はエッチング加工
厚膜・薄膜・金属板チップ抵抗の作り方の違い

厚膜チップ抵抗 ── 回路の90%はコレで足りる

厚膜チップ抵抗の構造と特徴

厚膜チップ抵抗は、セラミック基板の上に金属とガラスの混合ペースト(メタルグレーズ)をスクリーン印刷して焼き付ける製造方法で作られます。印刷で作れるため、生産性が非常に高く、世界で最も多く使われている抵抗器です。

たとえて言うなら、「版画」のように一気に大量生産できるのが厚膜の強みです。ただし、印刷ゆえに抵抗体の膜厚にバラつきが生じやすく、精度やTCRは薄膜に比べて劣ります。

厚膜チップ抵抗が得意な用途

一言でいうと、「精度がそこまで重要でない場所全般」です。具体的には以下のような用途で使われます。

○ プルアップ・プルダウン
4.7kΩ〜100kΩ程度。精度は±5%で十分。
○ LED電流制限
数百Ω〜数kΩ。±10%ズレてもLEDの明るさに影響なし。
○ ゲート抵抗
数Ω〜数十Ω。パルス耐性が強いのが厚膜の利点。
○ 汎用的な分圧
DC-DCの帰還抵抗も、精度±1%で十分な場合は厚膜で対応。
注意:厚膜を避けるべき場面
オペアンプのゲイン設定抵抗や、精密ADCの基準分圧回路では、TCRの大きさが無視できません。温度変化が±20℃程度ある環境で0.1%以下の精度が必要な場合は、薄膜チップを選びましょう。また、シャント抵抗(電流検出)に厚膜を使うのも、TCRによるドリフトで検出精度が悪化するため避けるのが基本です。
厚膜チップ抵抗器の断面の構造。セラミック基板の上に厚膜の抵抗体と保護膜があり、両端にはんだめっきの端子電極
厚膜チップ抵抗:安くパルスに強いがTCRは大きい
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パワーエレクトロニクスの基本から順に学び直したいときに向いています。パワーエレクトロニクスの基本を、つまずいている人向けにやさしく解説した入門書です(オーム社)。

薄膜チップ抵抗 ── 精密回路の「スナイパー」

薄膜チップ抵抗の構造と特徴

薄膜チップ抵抗は、セラミック基板の上に真空蒸着やスパッタリングという方法で、ニッケル-クロム(Ni-Cr)合金などの金属をナノメートル単位の極薄の膜として形成します。その後、レーザーで精密にトリミング(削り)して、狙い通りの抵抗値に仕上げます。

たとえるなら、厚膜が「ペンキのローラー塗り」なら、薄膜は「金箔を一枚一枚、真空の中で丁寧に貼り付ける」イメージです。手間もコストもかかりますが、出来上がりの精度は段違い。TCR(温度係数)は厚膜の10分の1以下に抑えられます。

薄膜チップ抵抗が得意な用途

○ オペアンプのゲイン設定
ゲイン精度がそのまま出力精度に直結。TCR ±10ppm/℃以下推奨。
○ ADCの基準電圧分圧
高分解能のADCでは±0.1%前後の精度がほしくなることが多い。厚膜では力不足。
○ 精密分圧回路
電圧監視・過電圧検出など、分圧比の温度ドリフトを嫌う用途。
薄膜の弱点:パルス耐性
薄膜は膜が非常に薄い(数十nm)ため、ESDやサージなどの瞬間的な大電流で膜が焼けて断線するリスクがあります。ゲート抵抗やスナバ回路など、パルス性の大電流が流れる場所には不向きです。そのような場所には、膜が厚い「厚膜」を使いましょう。
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薄膜チップ抵抗器の構造と特徴の図。セラミック基板にNi-Cr薄膜をレーザートリミング。高精度・低TCR・低ノイズでADCやオペアンプに最適、パルスに弱い
薄膜チップ抵抗:高精度・低TCR・低ノイズ

金属板(メタルプレート)チップ抵抗 ── 大電流を見張る「番人」

金属板チップ抵抗の構造と特徴

金属板(メタルプレート)チップ抵抗は、厚膜や薄膜のように「膜を基板に付ける」のではなく、銅合金やマンガニンなどの金属板そのものをエッチング加工して抵抗体にするという、まったく異なるアプローチです。

たとえるなら、厚膜や薄膜が「壁にペンキを塗る」のに対して、金属板は「鉄板を切り出して使う」イメージ。金属の塊なので熱に強く、超低抵抗値(0.5mΩ〜)の領域を実現できます。

金属板チップ抵抗が「シャント抵抗」として使われる理由

パワエレ設計で金属板チップ抵抗が最も活躍するのが、電流検出(シャント抵抗)用途です。シャント抵抗には3つの条件が求められます。

条件 1

超低抵抗値(mΩオーダー)── 電力損失(I²R)を最小限にする

条件 2

低TCR(温度で抵抗値が変わらない)── 温度が上がっても検出精度を維持する

条件 3

大電流を流せる(定格電力が高い)── モーターや電源ラインの数十Aに耐える

金属板チップ抵抗は、この3つの条件を満たしやすい代表的な選択肢です。KOAの「TLRシリーズ」やROHMの「PMRシリーズ」が代表的な製品です。

金属板チップ抵抗(シャント抵抗)の構造と特徴の図。超低抵抗・低TCR・大電流OKで、電流端子と電圧端子を分けて電流センスに使う
金属板チップ抵抗:超低抵抗で電流検出に使う
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パワーエレクトロニクスの全体を、図でつかみたいときに向いています。パワーエレクトロニクスを、カラーの図解で解説した本です。

リード型抵抗の4種類 ── 「古い」けど、まだ現役の場面あり

量産基板ではチップ型が主流ですが、試作・評価・大電力用途ではリード(スルーホール)型がまだまだ活躍しています。4種類の違いをサッと押さえておきましょう。

種類 抵抗体の材質 精度 定格電力 主な用途 備考
カーボン皮膜 炭素 ±5% 1/8W〜2W 電子工作、試作、趣味 最も安い。カラーコードで抵抗値を読む
金属皮膜(キンピ) Ni-Cr合金 ±1%〜±0.1% 1/4W〜2W 計測回路、オーディオ リード型で最も精度が高い
酸化金属皮膜 酸化スズなど ±5% 1W〜5W 中電力回路 難燃性の塗装の品が多い。安全装置として使うなら専用のヒューズ抵抗を選ぶ
巻線 / セメント Ni-Cr線など ±5%〜±1% 5W〜50W 放電抵抗、ブリーダ、突入電流制限 コイル構造のためインダクタンスを持つ。高周波には不向き
ポイント:カーボンとキンピの見分け方
リード型のカーボン皮膜と金属皮膜は見た目がよく似ていますが、カラーコードの帯の本数で見分けられます。カーボン皮膜は4本(±5%)、金属皮膜は5本(±1%)が一般的です。本体の色も、カーボンは茶色系、キンピは青系であることが多いです。
リード型抵抗器の種類と用途の図。炭素皮膜抵抗器、金属皮膜抵抗器、酸化金属皮膜抵抗器、セメント抵抗器・巻線抵抗器
リード型抵抗器の種類と用途:炭素皮膜・金属皮膜など

どの抵抗器を選んでも、定格ぎりぎりでは使わず余裕をもたせます(ディレーティング)。

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用途別フローチャート ── 「結局どの抵抗?」を即決する

ここまでの内容を1枚のフローチャートにまとめました。回路設計で「どの種類の抵抗を使うか」迷ったら、このフローに従ってください。

抵抗器の種類選定フローチャート
Q1. 抵抗値は 1Ω 未満(mΩオーダー)ですか?
→ YES: 金属板チップ抵抗(シャント抵抗として電流検出に使用)
→ NO:次の質問へ ▼
Q2. 定格電力は 2W 以上必要ですか?
→ YES(2W〜5W): 酸化金属皮膜抵抗 or チップ型なら高電力厚膜チップ
→ YES(5W以上): 巻線抵抗 / セメント抵抗
→ NO:次の質問へ ▼
Q3. 精度 ±0.5% 以下、またはTCR ±25ppm/℃ 以下が必要ですか?
→ YES: 薄膜チップ抵抗(オペアンプ帰還、精密分圧、ADC基準)
→ NO:次の質問へ ▼
上記すべてNO →
厚膜チップ抵抗でOK!(プルアップ、LED電流制限、ゲート抵抗、汎用分圧…)
現場の声
実務では、まず基板上の全抵抗を「厚膜チップ ±1%」で仮置きしてBOMを作り、そこから精度が足りない箇所だけ薄膜に置き換え、電流検出だけ金属板に置き換えるという進め方が効率的です。最初からすべてを薄膜にするとコストが数倍に跳ね上がるので、「必要な場所だけグレードを上げる」のが設計のコツです。
Q. チップ抵抗とチップコンデンサはどう見分けますか?

A. チップ抵抗は表面が黒っぽく、抵抗値を表す数字(例:103=10kΩ)が印字されていることが多いです。積層セラミックコンデンサは茶色や灰色で、印字がないものがほとんどです。迷ったらテスターで抵抗値を測ります。

Q. スルーホール(リード)型の抵抗はどう選びますか?

A. 1/4W前後の一般用ならカーボン皮膜、精度がほしいなら金属皮膜(キンピ)、1〜3Wなら酸化金属皮膜、5W以上なら巻線・セメントが目安です。定格電力は計算した損失の2倍くらいに余裕をとります。

Q. 金属皮膜抵抗とカーボン抵抗の違いは?

A. 金属皮膜は許容差±1%前後で温度による変化も小さく、カーボン(炭素皮膜)は±5%前後で安価です。測定やオーディオには金属皮膜がよく使われます。

Q. 抵抗キットはどれを選べばよいですか?

A. E12系列かE24系列の値がそろったものが使いやすいです。値の並びはE系列とはで。

抵抗器の種類を選ぶフロー。1Ω未満なら金属板、2〜5Wは酸化金属皮膜か高電力の厚膜、5W以上は巻線・セメント、高精度なら薄膜、それ以外は厚膜チップ
抵抗器を選ぶフロー:mΩなら金属板、高精度なら薄膜

抵抗器を選ぶときの5つのチェックポイント

種類(厚膜 or 薄膜 or 金属板)が決まったら、具体的な製品をデータシートから選定します。このとき確認すべき5つのパラメータを一覧にしました。各パラメータの詳細は、次の記事で計算例付きで解説しています。

①
抵抗値
E24? E96?
→
②
許容差
±5%? ±1%? ±0.1%?
→
③
定格電力
サイズで決まる
→
④
TCR
温度で何%ズレる?
→
⑤
チップサイズ
1608? 2012?
ディレーティング(定格の何%で使うべきか)
ディレーティングとは?抵抗の定格電力の何%で使うべきか|発熱計算と信頼性設計 →
抵抗器を選ぶときの5つのチェックポイントの図。抵抗値(E系列)、許容差、定格電力、TCR、チップサイズ
抵抗器を選ぶときの5つのチェックポイント

まとめ ── 抵抗器の選び方は「3ステップ」で即決できる

ステップ1:用途を確認する
→ 電流制限?分圧?プルアップ?電流検出?ゲート駆動?ダンピング?

ステップ2:フローチャートで種類を決める
→ mΩオーダー → 金属板 / 高精度が必要 → 薄膜 / それ以外 → 厚膜

ステップ3:5つのパラメータで具体的な製品を選ぶ
→ 抵抗値(E系列)→ 許容差 → 定格電力 → TCR → チップサイズ

この記事で抵抗器の全体像をつかめたら、次は「具体的にどう選定するか」を掘り下げていきましょう。以下の記事は、すべてこの記事と連携した「抵抗器シリーズ」です。実務で必要になったものから読んでください。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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