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- データシートを開いても、どの数字を見ればいいかわからない
- ESRとESLの違いや、なぜ大事なのかが説明できない
- 「tanδも確認して」と言われたが、何の値かわからない
- 6つのパラメータの意味(ペットボトルのたとえ)
- ESRの発熱・リップル、ESLと自己共振周波数
- tanδとESRの関係、ディレーティング
- 容量・ESR・ESLを入れるだけのインピーダンス計算ツール
コンデンサの選定で見るパラメータは、静電容量・定格電圧・ESR・ESL・tanδ・許容リップル電流の6つです。ESRは内部の抵抗で、発熱とリップル電圧の原因に、ESLは内部のインダクタンスで、自己共振周波数より上ではコンデンサがコイルのようにふるまう原因になります。tanδは損失の割合で、tanδ=ESR×2πfCの関係があります。

コンデンサの6つのパラメータ|まず全体像
| パラメータ | 意味 | たとえ | 見落とすと |
|---|---|---|---|
| 静電容量 C | 電気をためられる量 | ペットボトルの大きさ | 容量不足で電圧がふらつく |
| 定格電圧 | かけてよい最大の電圧 | ボトルの強さ | 絶縁破壊・破裂 |
| ESR | 内部の抵抗 | ストローの細さ | 発熱・リップル・寿命低下 |
| ESL | 内部のインダクタンス | ストローの長さ | 高い周波数で効かない |
| tanδ | 損失の割合 | 保温ポットの断熱の悪さ | 効率低下・発熱 |
| 許容リップル電流 | 流してよい交流の電流 | ゆらしてよい強さ | 過熱・液もれ・破裂 |
6つのうち、発熱・リップル・寿命・tanδのすべてにかかわるのがESRです。迷ったら、まずESRと許容リップル電流を確かめましょう。
DC-DCのコンデンサの決め方

静電容量と定格電圧|表示どおりとは限らない
静電容量:許容差とDCバイアスに注意
「10μF ±20%」なら、実際は8〜12μFのどこかです。さらにセラミックコンデンサ(X5R・X7Rなど)は、直流電圧をかけると容量が大きく下がります(DCバイアス特性)。10μFの部品が、使う電圧では数μFしかないこともあります。
DCバイアスで容量が減る理由
定格電圧:ディレーティングで余裕をもつ
| 種類 | 使う電圧の目安(定格に対して) | 例 |
|---|---|---|
| アルミ電解 | 80%以下 | 12Vの回路 → 16V品 |
| セラミック | 50%以下(DCバイアス対策も兼ねる) | 5Vの回路 → 10V品以上 |
| フィルム | 70〜80%以下 | 100Vの回路 → 160V品 |
これは一般的な目安で、会社の設計基準や用途(車載など)でもっと厳しくすることがあります。
ESR(等価直列抵抗)|発熱とリップルの原因
ESR(Equivalent Series Resistance)は、電極や電解液などがもつ内部の抵抗です。理想のコンデンサにはありませんが、本物には必ずあります。
| ESRが引き起こすこと | 式 | 例 |
|---|---|---|
| 発熱 | P=I²×ESR(Iはリップル電流の実効値) | 1A・0.1Ωで0.1W |
| リップル電圧 | ΔV≒I×ESR(電流の山谷の差) | 2A・0.05Ωで0.1V |
| 寿命の低下 | 発熱で内部温度が上がる | 電解は10℃上がると寿命がおよそ半分 |
| 種類 | ESRの目安 |
|---|---|
| セラミック | 数mΩ〜数十mΩ |
| 導電性高分子(ポリマー) | 数mΩ〜数十mΩ |
| アルミ電解 | 数十mΩ〜数Ω |
ESRは周波数と温度で変わります。データシートの値は「100kHz・20℃」などの条件つきなので、使う条件と合わせて読みます。アルミ電解コンデンサは低温でESRが大きく上がる点にも注意しましょう。

ESL(等価直列インダクタンス)と自己共振周波数
ESL(Equivalent Series Inductance)は、電極やリードの形がもつ小さなインダクタンスです。コンデンサの本当の姿は、C・ESR・ESLの直列回路です。
|Z|=√( ESR² + (2πf×ESL − 1/(2πf×C))² )
自己共振周波数 f₀=1 ÷ (2π√(ESL×C)) (このとき|Z|=ESR)
周波数が低いうちはCが効いて|Z|が下がりますが、f₀より上ではESLが効いて|Z|が上がり、コンデンサがコイルのようにふるまいます。グラフにするとV字のカーブです。例えば10μF・ESL 1nHなら、f₀は約1.6MHzです。
| 種類 | ESLの目安 |
|---|---|
| セラミック(チップ) | 0.5〜2nH |
| フィルム | 5〜20nH |
| アルミ電解(リード品) | 10〜50nH |
ICのそばのパスコンにセラミックを使うのは、ESLが小さく、高い周波数まで効くからです。ESLは部品だけでなく、はんだ付けのパターンやビアの長さでも増えます。
パスコンをICのそばに置く理由

tanδ(誘電正接)と許容リップル電流
tanδ:損失の割合
tanδは、充電と放電のたびに熱として失われるエネルギーの割合です。小さいほど優秀で、tanδ=ESR×2πfCの関係があります。容量のちがうコンデンサどうしを、損失で公平に比べるときに使います。
| 種類 | tanδの目安 |
|---|---|
| フィルム(PP) | 0.0001〜0.001 |
| セラミック(C0G) | 0.001前後 |
| セラミック(X7R) | 0.01〜0.025 |
| アルミ電解 | 0.05〜0.3 |
許容リップル電流:流してよい交流の電流
電源のコンデンサには、充電と放電をくり返す交流の電流(リップル電流)が流れ、I²×ESRの熱が出ます。データシートの許容値は「105℃・100kHz」などの条件つきで、周波数や温度の補正係数をかけて、使う条件での許容値を出します。超えると過熱し、アルミ電解では液もれや破裂につながります。
リップル電流と温度から寿命を計算する
コンデンサのインピーダンス計算ツール
データシートの値を入れてください。最初はセラミック10μFの例です。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。ESR・ESLは一定とみなしています。実際には周波数や温度で変わるので、データシートのグラフも確かめてください。
コンデンサ選定のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 表示の容量がそのまま使える | 許容差とDCバイアスで、実際の容量は小さくなることがある |
| 定格電圧ぎりぎりで使う | ディレーティングで余裕をもたせる |
| 容量が大きいほど高い周波数に効く | 高い周波数ではESLが効く。小さな容量・低ESLの部品を並べる |
| ESRはどの条件でも同じ | 周波数と温度で変わる。データシートの条件を確かめる |
| リップル電流の定格をそのまま比べる | 周波数と温度の補正係数をかけて比べる |

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よくある質問
- 見るのは容量・定格電圧・ESR・ESL・tanδ・リップル電流
- ESRは発熱(I²×ESR)とリップル電圧の原因
- ESLで自己共振 f₀=1/(2π√(LC))。それより上はコイル
- tanδ=ESR×2πfC
- 容量はDCバイアス、電圧はディレーティングで余裕を

データシートのESRや容量が、手元の部品で実際にどのくらいかを確かめるにはLCRメータを使います。DER EEのLCRメータ DE-5000です。インダクタンス(L)・静電容量(C)・抵抗(R)を100Hz〜100kHzの5つの周波数で測れ、ESRやD・Qも表示できます。
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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
次に読むべき記事
6つのパラメータがわかったら、コンデンサの種類ごとの特徴に戻って、用途に合う種類を選べるようにしましょう。
テーマ別に、もっと深く学ぶ
気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。