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- 電池の種類が多すぎて、何がどう違うのか整理できない
- 一次電池・二次電池・燃料電池の違いをひと言で言えない
- 電験三種の正誤問題で、電解液や温度を入れかえたひっかけに迷う
- 電池の種類の全体像(化学電池と物理電池)
- 一次電池・二次電池・燃料電池それぞれの電圧・電解液・用途
- 電験三種で狙われるひっかけポイント
- 必要な本数と使える時間の計算ツール
電池の種類は、大きく「化学電池」と「物理電池」に分かれます。化学電池には、使い切りの一次電池(マンガン・アルカリ乾電池、リチウム電池など)、充電してくり返し使える二次電池(鉛蓄電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、NAS電池など)、燃料を外から補給して発電する燃料電池があります。物理電池の代表は、光を電気に変える太陽電池です。

電池の種類の全体像|化学電池と物理電池
電池は「何から電気をつくるか」で2つ、化学電池は「使い終わったらどうするか」でさらに3つに分かれます。
| 分類 | しくみ | たとえ | 例 |
|---|---|---|---|
| 一次電池 | 化学反応が一方通行。使い切り | 使い捨てカイロ | マンガン・アルカリ乾電池、ボタン電池 |
| 二次電池(蓄電池) | 反応を逆に戻せる。充電してくり返し使う | 充電式カイロ | 鉛蓄電池、リチウムイオン電池 |
| 燃料電池 | 水素などの燃料を外から補給して発電し続ける | ガスストーブ | エネファーム、燃料電池自動車 |
| 物理電池 | 化学反応を使わず、光や熱を直接電気に変える | 光で回る水車 | 太陽電池 |
燃料電池は、名前に「電池」とつきますが、ためた電気を出すのではなく、燃料がある限り発電する「発電装置」です。一次電池でも二次電池でもない、第3のグループとして覚えます。化学電池が電気を出す仕組み(化学反応)は、別の記事でくわしく解説しています。
電池はなぜ電気を出せる?化学反応の仕組み

一次電池の種類|使い切りの電池
| 電池 | 電圧 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| マンガン乾電池 | 1.5V | 安い。休ませると少し回復。電解液は塩化亜鉛 | リモコン、時計 |
| アルカリ乾電池 | 1.5V | 大きな電流に強く長持ち。電解液は水酸化カリウム | おもちゃ、懐中電灯 |
| リチウム電池(一次) | 3V | 電圧が高く、長期保存に強い。充電は不可 | コイン形(CR2032など)、カメラ、メーター |
| 酸化銀電池 | 1.55V | 電圧が最後まで安定 | 腕時計(SR形のボタン電池) |
| 空気亜鉛電池 | 1.4V | 空気中の酸素を使うので小さくて大容量。シールをはがすと使い始め | 補聴器(PR形) |
マンガンとアルカリは同じ1.5Vですが、電解液がちがいます。「アルカリ」の名前は、電解液がアルカリ性の水酸化カリウムだからです。一次電池は充電できないので、充電器に入れると液もれや破裂のおそれがあります。
電池のしくみと、容量mAh・Wh、劣化の理由

二次電池の種類|充電してくり返し使える電池
| 電池 | 電圧/セル | 正極・負極 | 電解液(質) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 鉛蓄電池 | 2.0V | PbO₂・Pb | 希硫酸 | 自動車のバッテリー、UPS、非常用電源 |
| ニッケル水素電池 | 1.2V | NiOOH・水素吸蔵合金 | 水酸化カリウム水溶液 | 充電式の単3電池、ハイブリッド車 |
| ニカド電池 | 1.2V | NiOOH・Cd | 水酸化カリウム水溶液 | 電動工具(今はニッケル水素などに置きかわりつつある) |
| リチウムイオン電池 | 3.6〜3.7V | リチウム金属酸化物・炭素 | 有機溶媒(水を使わない) | スマホ、ノートPC、電気自動車 |
| NAS電池 | 約2V | 硫黄・ナトリウム(どちらも溶けた液体) | βアルミナ(固体) | 電力系統の大型蓄電(約300℃で運転) |
鉛蓄電池|放電すると電解液が薄くなる
放電すると、正極の二酸化鉛も負極の鉛も、どちらも硫酸鉛(PbSO₄)に変わり、硫酸が使われて水ができます(Pb+PbO₂+2H₂SO₄ ⇄ 2PbSO₄+2H₂O)。そのため放電すると電解液の比重が下がり、充電すると元に戻ります。安くて大きな電流を出せますが、重く、放電したまま放っておくと劣化します。
リチウムイオン電池|イオンが行き来するだけ
卓球のボールのように、リチウムイオンが正極と負極のあいだを行ったり来たりして充放電します。極板そのものが大きく変化しないので長持ちし、電圧が高く軽いのが強みです。一方で、過充電・過放電や高温に弱く、保護回路が欠かせません。電解液に水を使わない「非水系」です。
NAS電池|電極が液体、電解質が固体
ナトリウム(Na)と硫黄(S)を約300℃で溶かした状態で使う、大型の電力貯蔵用電池です。ふつうの電池とは逆に、電極が液体で、電解質が固体(βアルミナ)です。夜にためて昼に使う「負荷平準化」に使われます。

燃料電池と太陽電池
燃料電池|水の電気分解の逆
水素と酸素を反応させて、電気と水をつくります(2H₂+O₂→2H₂O)。燃やして熱にするのではなく、化学エネルギーを直接電気に変えるので、熱機関の効率の限界(カルノー効率)の制約を受けません。電解質の種類で4つに分かれ、運転温度がちがいます。
| 種類 | 電解質 | 運転温度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 固体高分子形(PEFC) | イオン交換膜 | 約70〜90℃ | 家庭用(エネファーム)、燃料電池自動車 |
| りん酸形(PAFC) | りん酸 | 約200℃ | ビル・病院などの業務用 |
| 溶融炭酸塩形(MCFC) | 溶融炭酸塩 | 約650℃ | 大規模発電 |
| 固体酸化物形(SOFC) | 安定化ジルコニア(セラミック) | 約700〜1,000℃ | 家庭用・業務用・発電。効率が高い |
温度の低い順は「P→P→M→S」(PEFC→PAFC→MCFC→SOFC)。温度が低いほど家庭や車向け、高いほど大規模発電向けと覚えると、用途もつながります。
その他の発電方式、地熱・バイオマス・燃料電池
太陽電池|光を直接電気に変える物理電池
半導体に光が当たると電子が動き出し、電気が生まれます(光起電力効果)。化学反応を使わないので、物理電池に分けられます。電気をためる働きはないので、夜も使うには二次電池と組み合わせます。

必要な本数と使える時間の計算ツール
電池の種類と、機器に必要な電圧・消費電流を入れてください。直列に何本(何セル)要るかと、使える時間の目安を出します。
入力すると、その場で計算し直します。容量の目安値は一般的な製品のおおよその値です。入力した数字はどこにも送信されません。
直列と並列の違い、電池はどっちが長持ち?
電池でよくある間違い|電験三種のひっかけ
電験三種の機械科目では、電池は正誤問題で出ることが多く、電解液・温度・用途を入れかえたひっかけが定番です。
| よくある間違い | 正しくは |
|---|---|
| 燃料電池は二次電池の一種 | 燃料を補給して発電する別のグループ |
| 鉛蓄電池は放電すると比重が上がる | 硫酸が使われて水ができるので、比重は下がる |
| リチウムイオン電池の電解液は水酸化カリウム | 有機溶媒(非水系)。KOHはニッケル水素電池 |
| NAS電池は常温で、電解質は液体 | 約300℃で運転し、電解質は固体(βアルミナ) |
| PEFCは高温で動く | 約70〜90℃の低温。高温はSOFC |
| 燃料電池もカルノー効率の制約を受ける | 熱機関ではないので受けない |
鉛蓄電池 → 希硫酸(酸性)/ニッケル水素電池 → 水酸化カリウム(アルカリ性)/リチウムイオン電池 → 有機溶媒(水を使わない)/NAS電池 → βアルミナ(固体)。4つとも全部ちがうので、セットで覚えます。

よくある質問
- 電池は化学電池(一次・二次・燃料)と物理電池(太陽電池)
- 一次=使い切り(乾電池1.5V、リチウム3V)
- 二次=充電式(鉛2.0V、ニッケル水素1.2V、リチウムイオン3.6〜3.7V、NAS)
- 燃料電池は温度の低い順にPEFC→PAFC→MCFC→SOFC
- 電解液は鉛=希硫酸、ニッケル水素=KOH、リチウムイオン=有機溶媒、NAS=固体

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