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- 矢印と丸が並んだアローダイアグラムが、何を表しているのかわからない
- クリティカルパス・最早・最遅の求め方がこんがらがる
- 点線のダミー作業が、なぜ必要なのかモヤモヤする
- アローダイアグラムとは何か、3つの部品と書き方
- クリティカルパスの見つけ方
- 最早・最遅・余裕の計算(例題)
- 作業を入れるだけのクリティカルパス計算ツール
アローダイアグラム(矢線図・PERT図)とは、作業の順番とかかる日数を矢印でつないで1枚の図にしたもので、新QC7つ道具の1つです。スタートからゴールまでの道のうち、いちばん日数が長い道がクリティカルパスで、その長さがプロジェクト全体の最短の日数になります。クリティカルパス上の作業は、1日遅れると全体が1日遅れる「遅れてはいけない作業」です。

アローダイアグラムとは?作業の段取りを矢印でつなぐ図
カレーを作るとき、「野菜を切る」が終わらないと「煮込む」は始められません。一方で「ごはんを炊く」は並行してできます。このような作業の順番と日数を矢印でつないで描いたのがアローダイアグラムです。新QC7つ道具の1つで、矢線図・PERT図とも呼ばれます。
| 部品 | 描き方 | 意味 |
|---|---|---|
| 作業(アロー) | 実線の矢印。上に作業名、下に日数 | 実際にやること |
| 結合点(ノード) | 番号を入れた丸 | 前の作業が終わり、次の作業が始まる区切り |
| ダミー作業 | 点線の矢印(日数0) | 前後関係だけを表すつなぎ役 |
書き方のルール
| ルール | 理由 |
|---|---|
| 結合点の番号は、矢印の向きに大きくなるようにつける | 作業の順番を番号で追えるようにする |
| 同じ2つの結合点の間に、実線の矢印を2本引かない | どちらの作業かわからなくなる。1本をダミーで分ける |
| 矢印がぐるっと元に戻る(ループ)を作らない | 終わらない作業の順番になってしまう |
新QC7つ道具の使い分け

ダミー作業とクリティカルパス
ダミー作業(点線)が必要な場面
「作業Dは、AとBの両方が終わってから」「作業Cは、Aだけ終わればよい」のように、前後関係が入り組むと、実線だけでは正しく描けないことがあります。そのとき、日数0の点線(ダミー)を足して「この作業はあの作業のあと」という約束だけを表します。ダミーは0日でも、前後関係を変えるので、クリティカルパスに影響することがあります。
クリティカルパス=いちばん長い道
友だち3人の待ち合わせで、Aさんは30分、Bさんは20分、Cさんは45分かかるなら、全員がそろうのは45分後です。いちばん時間がかかるCさんが5分遅れれば集合も5分遅れますが、Bさんが5分遅れても影響はありません。
プロジェクトも同じで、スタートからゴールまでの道のうち、いちばん日数が長い道が全体の最短の工期を決めます。この道がクリティカルパスで、上にある作業は余裕が0、つまり遅れてはいけない作業です。

例題|最早・最遅・余裕を求める
| 作業 | 日数 | 先にやる作業 |
|---|---|---|
| A | 3日 | なし |
| B | 2日 | なし |
| C | 1日 | A |
| D | 2日 | AとB |
| E | 1日 | CとD |
① 道の長さをくらべる
| 道 | 計算 | 日数 |
|---|---|---|
| A→C→E | 3+1+1 | 5日 |
| A→D→E | 3+2+1 | 6日(いちばん長い) |
| B→D→E | 2+2+1 | 5日 |
② 最早(前から足す)と最遅(後ろから引く)
| やり方 | 合流・分岐のとき | |
|---|---|---|
| 最早結合点時刻 | スタート0日から、日数を足しながら右へ | 合流する丸では大きいほう |
| 最遅結合点時刻 | ゴールの最早(6日)から、日数を引きながら左へ | 分かれる丸では小さいほう |
③ 作業ごとの余裕
| 作業 | 最早開始 | 最遅開始 | 余裕(最遅−最早) |
|---|---|---|---|
| A | 0 | 0 | 0(CP) |
| B | 0 | 1 | 1日 |
| C | 3 | 4 | 1日 |
| D | 3 | 3 | 0(CP) |
| E | 5 | 5 | 0(CP) |
余裕が0の作業をつなぐと A→D→E になり、①でくらべた「いちばん長い道」と一致します。BとCは1日まで遅れても全体の6日は変わりません。

日程を縮めたいときの考え方
全体を早く終わらせたいなら、クリティカルパス上の作業を縮めます。余裕のある作業(BやC)をいくら速くしても、全体の日数は1日も縮まりません。
| 考え方 | 中身 |
|---|---|
| クリティカルパスだけを縮める | 人や設備をふやす、外注するなどで、余裕0の作業を短くする |
| 縮めたら、もう一度計算する | ほかの道がいちばん長くなり、クリティカルパスが入れかわることがある |
| 並行にできないか考える | 前の作業が全部終わる前に、次の作業の一部を始められないか見直す |
| 余裕のある作業から人を回す | BやCの人手をクリティカルパスの作業に回す |
ガントチャートとのちがい
ガントチャートは、作業を横棒で日付の上に並べるので、いつ何をするかが一目でわかります。アローダイアグラムは、作業どうしの前後関係とクリティカルパスがわかります。計画を立てるときはアローダイアグラムで順番と急所を決め、日々の進み具合はガントチャートで見る、という使い分けがよくされます。
計画のリスクを先回りでつぶすPDPC法

クリティカルパスの計算ツール
1行に1つずつ「作業名 日数 先にやる作業」を入れてください。先にやる作業が複数なら「,」でつなぎ、なければ「-」にします(例:D 2 A,B)。
入力すると、その場で計算し直します。入力した内容は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。赤い行がクリティカルパスの作業(余裕0)です。
QC検定での出方
| 出され方 | 解き方 |
|---|---|
| 図からクリティカルパスと工期を選ぶ | すべての道の日数を足し、いちばん長い道を選ぶ |
| ある結合点の最早・最遅結合点時刻を求める | 最早は合流で大きいほう、最遅は分岐で小さいほう |
| 余裕のある作業を選ぶ | 最遅−最早が0より大きい作業 |
| ある作業を縮めたときの工期 | 縮めたあとで、もう一度いちばん長い道を探す |
アローダイアグラムのよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| いちばん短い道がクリティカルパス | いちばん長い道。その長さが全体の最短の工期 |
| 最早の合流で小さいほうをとる | 合流では大きいほう(全部終わるのを待つ) |
| 最遅の分岐で大きいほうをとる | 分岐では小さいほう |
| ダミーは0日なので無視してよい | 前後関係を変えるので、経路の数え方に入れる |
| 余裕のある作業を縮めて工期を短くする | 縮めるのはクリティカルパス上の作業 |

よくある質問
- アローダイアグラム=作業の順番と日数を矢印でつなぐ図(新QC7つ道具)
- 部品は作業(実線)・結合点(丸)・ダミー(点線、0日)
- クリティカルパス=いちばん長い道。その長さが全体の工期
- 最早は前から足して合流で大、最遅は後ろから引いて分岐で小
- 工期を縮めるなら、余裕0のクリティカルパスの作業を縮める

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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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