「管理図で異常を見つけたけど、次に何をすればいいの?」
「UCLを超えたら不良品なの?それとも違うの?」
管理図の「見方」は分かったけど、「使い方」が分からない…という方は多いですよね。
でも大丈夫。この記事を読めば、管理図を「現場で使える武器」にできます。
📌 この記事で分かること
- 管理図を読む「目的」は何か
- 異常を見つけたら「何をすべきか」(5ステップ)
- 現場での管理図の活用法(実例付き)
- QC検定で問われる「管理図の活用」ポイント
管理図は、「異常を見つけるため」ではなく「異常に対処するため」にあります。
この記事では、「病院の健康診断」という身近な例を使って、管理図の活用法をイメージで理解していきましょう!
目次
🏥 管理図を読む「目的」を理解しよう
まず、大事なことを確認しましょう。
管理図を読む目的は、「異常を見つけること」ではありません。
え?と思うかもしれませんが、本当の目的は…
「異常が起きる前に、工程を正常に保つこと」
これが管理図の本当の目的です。
🔹 たとえ話:健康診断で考えよう
あなたは毎年、会社の健康診断を受けていますよね。
健康診断の目的は何でしょうか?
🏥 健康診断の目的
❌ 「病気を見つけること」が目的?
⭕ 「病気になる前に、異変に気づいて対処すること」が目的!
血圧が少し高めになってきたら、
→ 塩分を控える、運動する、など早めに対策を打つ
これで、将来の「脳卒中」や「心臓病」を予防できる。
管理図も、まったく同じです。
📊 管理図の目的
❌ 「不良品を見つけること」が目的?
⭕ 「不良品が出る前に、工程の異変に気づいて対処すること」が目的!
データが少しずつ上昇してきたら、
→ 原因を調査して、早めに対策を打つ
これで、将来の「大量不良」や「ライン停止」を予防できる。
⚠️ ここで超重要な注意!
管理限界(UCL・LCL)を超えた ≠ 不良品
管理図は「製品の合否」ではなく、「工程の状態」を見ています。
UCLを超えても、製品は規格内なら「良品」です。
でも、「工程に何か問題が起きているかも」という警告サインなのです。

🚨 異常を見つけたらどうする?|5ステップで対応
管理図で異常を見つけたら、この5ステップで対応します。
これはQC検定でも問われる内容なので、しっかり覚えましょう!
異常を「発見」する
管理図を見て、UCL/LCLを超えた点や、異常パターンを見つける
現場を「確認」する
その時、現場で何が起きていたかを確認する
(作業者、材料、設備、環境など)
原因を「特定」する
なぜ異常が起きたのか、原因を突き止める
(特性要因図、なぜなぜ分析などを活用)
対策を「実施」する
原因を取り除く対策を実行する
(応急処置 → 恒久対策の順で)
効果を「確認」する
対策後、管理図で効果を確認する
(異常が再発しないか、しばらく監視する)
💡 覚え方のコツ
「発・現・原・対・効」で覚えましょう!
発見 → 現場確認 → 原因特定 → 対策実施 → 効果確認
「発現原対効(はつげんげんたいこう)」と呪文のように唱えると覚えやすいです!
🔹 健康診断でたとえると…
この5ステップを、健康診断に置き換えてみましょう。
| STEP | 工場の場合 | 健康診断の場合 |
|---|---|---|
| 1. 発見 | 管理図でUCLを超えた | 血圧が高めだった |
| 2. 確認 | その日の作業記録を確認 | 最近の生活習慣を振り返る |
| 3. 特定 | 材料ロットが変わっていた | 塩分の取りすぎが原因 |
| 4. 対策 | 材料の受入検査を強化 | 減塩メニューに変更 |
| 5. 効果確認 | その後の管理図で異常なし | 次回の健診で血圧が下がった |
このように、管理図の活用は「異常を見つけて終わり」ではなく、「対策して効果を確認するまで」がワンセットです。

🔍 STEP2「現場確認」のコツ|4Mでチェック!
異常を見つけたら、まず「現場で何が起きていたか」を確認します。
このとき役立つのが「4M」という考え方です。
🔹 4Mとは?
品質に影響する4つの要素の頭文字を取ったものです。
| 4M | 意味 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| Man | 人 | 作業者が変わった?新人?体調不良? |
| Machine | 機械 | 設備の調子は?メンテナンスした?設定変えた? |
| Material | 材料 | 材料のロットが変わった?仕入れ先変更? |
| Method | 方法 | 作業手順を変えた?マニュアル通りにやった? |
🍱 お弁当工場で言うと…
管理図で「ご飯の重さ」がUCLを超えた!
Man(人):いつもの人が作った?新人さん?
Machine(機械):ご飯を盛る機械の設定は?
Material(材料):お米の銘柄が変わった?
Method(方法):盛り付けの手順は正しい?
→ 調べたら、新しいお米に変えたタイミングでバラつきが増えていた!
🔹 4Mに「1E」を加えた「4M1E」
最近は、4MにEnvironment(環境)を加えた「4M1E」もよく使われます。
🌡️ Environment(環境)とは?
・気温、湿度が変わった?
・照明の明るさは?
・季節の変わり目?
・工場内の振動や騒音は?
夏と冬で品質が変わる製品は、「環境」が原因のことが多いです。

📊 管理図の2つの使い方|「解析用」と「管理用」
実は、管理図には2つの使い方があります。
これ、QC検定でよく出るポイントです!
🔹 解析用管理図と管理用管理図
| 種類 | 目的 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 解析用 | 過去のデータを分析して、 工程が安定しているか調べる |
・新しい工程を始める前 ・工程改善の効果を確認する時 |
| 管理用 | リアルタイムで工程を監視し、 異常を早期発見する |
・日常の品質管理 ・毎日のライン監視 |
🏥 健康診断でたとえると…
解析用管理図 = 過去10年分の健康診断データを見て、
「この人は健康といえるか?」を判断する
管理用管理図 = 毎日の血圧を測って、
「今日は異常がないか?」を監視する
🔹 解析用→管理用の流れ
実務では、この順番で管理図を使います。
過去データを使って管理限界線を計算。
工程が安定しているか確認する。
異常原因を特定して対策。
安定状態になるまで繰り返す。
解析用で求めた管理限界線を使って、
毎日の工程を監視する。
💡 ポイント
解析用管理図の管理限界線 = 実線で描く
管理用管理図の管理限界線 = 破線(点線)で描く
QC検定では、線の種類を聞かれることがあります!

📝 QC検定で問われるポイント
QC検定では、管理図の「活用」に関する問題が出ます。
よく出るポイントを確認しておきましょう。
🔹 よく出る問題パターン
📋 問題例①
「管理図で点がUCLを超えた場合、次にすべきことは何か?」
✅ 答え
現場を確認し、原因を調査する
×「不良品として廃棄する」→ 管理限界超え≠不良品
×「管理限界線を広げる」→ 問題の隠蔽になる
📋 問題例②
「解析用管理図と管理用管理図の違いは何か?」
✅ 答え
解析用:過去のデータを分析して、工程が安定しているか調べる
管理用:リアルタイムで工程を監視し、異常を早期発見する
📋 問題例③
「管理限界と規格限界の違いは何か?」
✅ 答え
管理限界:工程の実力範囲(データから計算)
規格限界:製品の合格基準(顧客・設計が決定)
📝 まとめ|管理図の活用法はこれでOK!
✅ この記事のポイント
| 管理図の目的 | 異常が起きる前に、工程を正常に保つこと |
| 異常発見後の流れ | 発見→現場確認→原因特定→対策→効果確認 |
| 現場確認のコツ | 4M(人・機械・材料・方法)でチェック |
| 管理図は2種類 | 解析用(分析)と管理用(監視) |
| 超重要! | 管理限界を超えた ≠ 不良品 |
管理図は、「異常を見つけて終わり」ではなく「対策して効果を確認するまで」がワンセットです。
これで管理図の「基礎」は完了です!
次は、実際に管理図を「作る」方法を学びましょう。
🔗 このシリーズの記事一覧
📍 今ここ
管理図の読み方と活用法
📘 管理図の基礎
- ・【超入門】品質管理の"バラつき"って何?
- ・管理図とは?UCL・CL・LCLの意味を図解
- ・管理図の種類一覧と選び方
- ・管理図の異常判定ルール8つを完全図解
- ・管理図の読み方と活用法 ← 今ここ!
📗 管理図の計算方法
📙 工程能力指数
📘 全体像を確認する
管理図と工程能力指数の完全ロードマップ →