📊 この記事を読んでいるあなたへ
「X̄-R管理図って、計算が多くて難しそう…」
「UCLとかLCLとか、どうやって求めるの?」
「例題を見ても、何をやってるかわからない…」
大丈夫です。この記事では、お弁当工場の唐揚げの重さを例に、小学生でもわかる計算手順で解説します!
目次
🎯 この記事でわかること
✅ X̄-R管理図が何を管理するものか
✅ X̄(エックスバー)とR(アール)の計算方法
✅ UCL・CL・LCLの求め方と公式
✅ 係数表(A₂・D₃・D₄)の使い方
✅ 例題を使った実践的な作り方
📍 シリーズ全体像|今ここ!
管理図シリーズ(全12記事)
① ロードマップ → ② バラつき入門 → ③ 管理図とは → ④ 種類一覧 → ⑤ 異常判定ルール → ⑥ 読み方・活用法
⑦ X̄-R管理図 ← 今ここ!
→ ⑧ その他計量値 → ⑨ np・p管理図 → ⑩ c・u管理図 → ⑪ Cp・Cpk → ⑫ 判定基準
💡 前の記事を読んでいない方へ
管理図の基本(UCL・CL・LCLの意味)がわからない方は、先にこちらの記事をご覧ください。

🍱 X̄-R管理図って何?
一言でいうと「平均」と「バラつき」を同時に見張る管理図
X̄-R管理図は、2つのグラフがセットになった管理図です。
📈
X̄管理図
平均値を管理
「中心がズレてないか?」
📊
R管理図
範囲を管理
「バラつきが大きくなってないか?」
🍗 唐揚げ弁当でたとえると
あなたはお弁当工場の品質管理担当です。唐揚げ弁当には「唐揚げ5個で100g」というルールがあります。
🔍 X̄(平均)で見ること
「今日作った弁当、唐揚げの平均が100gに近いか?」
→ 平均が90gや110gにズレていたら問題
🔍 R(範囲)で見ること
「弁当ごとの重さのバラつきは安定してる?」
→ 95g〜105gの範囲内ならOK、80g〜120gはバラつきすぎで問題
X̄とRの読み方
| 記号 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| X̄ | エックスバー | グループの平均値 |
| R | アール(Range) | グループの範囲(最大−最小) |
| X̿ | エックスダブルバー | 全体の平均の平均 |
| R̄ | アールバー | 範囲の平均 |
💡 覚え方のコツ
「バー(横棒)」は「平均」の印。X̄は「Xの平均」、R̄は「Rの平均」、X̿は「平均の平均」です!

🧮 STEP1:X̄とRを計算しよう
まずは、各グループ(サブグループ)ごとにX̄とRを計算します。
📝 例題データ|唐揚げ弁当の重さ(単位:g)
1時間ごとに5個の弁当を抜き取り検査しました。これを5日間続けた結果です。
| 日 | 1個目 | 2個目 | 3個目 | 4個目 | 5個目 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1日目 | 98 | 102 | 100 | 99 | 101 |
| 2日目 | 101 | 99 | 100 | 102 | 98 |
| 3日目 | 97 | 103 | 99 | 101 | 100 |
| 4日目 | 100 | 100 | 101 | 99 | 100 |
| 5日目 | 102 | 98 | 101 | 99 | 100 |
📐 X̄(平均)の計算方法
公式
X̄ = 全部足して ÷ 個数
1日目のX̄ = (98+102+100+99+101) ÷ 5 = 500 ÷ 5 = 100.0
📐 R(範囲)の計算方法
公式
R = 最大値 − 最小値
1日目のR = 102 − 98 = 4
📊 全日分の計算結果
| 日 | X̄(平均) | R(範囲) |
|---|---|---|
| 1日目 | 100.0 | 4 |
| 2日目 | 100.0 | 4 |
| 3日目 | 100.0 | 6 |
| 4日目 | 100.0 | 2 |
| 5日目 | 100.0 | 4 |
| 平均 | X̿ = 100.0 | R̄ = 4.0 |
💡 ここまでのまとめ
各日のX̄とRが出たら、最後に全体の平均(X̿とR̄)を計算します。これが中心線(CL)になります!

📏 STEP2:管理限界線を計算しよう
次に、UCL(上方管理限界)とLCL(下方管理限界)を計算します。
ここで登場するのが係数表です。難しそうに見えますが、表から数字を拾うだけなので安心してください!
📋 係数表(QC検定で必ず出る!)
n = サブグループのサンプルサイズ(今回は5個)
| n | A₂ | D₃ | D₄ |
|---|---|---|---|
| 2 | 1.880 | − | 3.267 |
| 3 | 1.023 | − | 2.575 |
| 4 | 0.729 | − | 2.282 |
| 5 | 0.577 | − | 2.115 |
| 6 | 0.483 | − | 2.004 |
| 7 | 0.419 | 0.076 | 1.924 |
⚠️ ポイント
D₃が「−」の場合(n≦6)は、R管理図のLCLは「なし(0)」として扱います。範囲(R)はマイナスにならないからです!
📐 X̄管理図の公式
UCL = X̿ + A₂ × R̄
CL = X̿
LCL = X̿ − A₂ × R̄
例題での計算(n=5)
X̿ = 100.0、R̄ = 4.0、A₂ = 0.577
UCL = 100.0 + (0.577 × 4.0) = 100.0 + 2.308 = 102.31
CL = 100.00
LCL = 100.0 − (0.577 × 4.0) = 100.0 − 2.308 = 97.69
📐 R管理図の公式
UCL = D₄ × R̄
CL = R̄
LCL = D₃ × R̄(n≦6の場合は「なし」)
例題での計算(n=5)
R̄ = 4.0、D₄ = 2.115、D₃ = なし
UCL = 2.115 × 4.0 = 8.46
CL = 4.00
LCL = なし(または0)
📊 計算結果まとめ
| 管理図 | UCL | CL | LCL |
|---|---|---|---|
| X̄管理図 | 102.31 | 100.00 | 97.69 |
| R管理図 | 8.46 | 4.00 | なし |
💡 覚え方のコツ
X̄管理図は「X̿ ± A₂R̄」、R管理図は「D₄R̄とD₃R̄」。係数表の数字を当てはめるだけ!
🔗 関連記事
UCL・CL・LCLって何?という方はこちらの記事で図解しています。

📈 STEP3:グラフにしてみよう
計算した数値をグラフにプロットすると、X̄-R管理図の完成です!
X̄管理図のイメージ
UCL = 102.31 ─────────────
● ● ● ● ●
CL = 100.00 ─────────────
LCL = 97.69 ─────────────
すべての点が管理限界線の中に収まっている → 正常!
🎯 QC検定でよく出る問題パターン
パターン①:UCL・LCLを求めよ
【問題】
X̿ = 50、R̄ = 6、n = 4 のとき、X̄管理図のUCLを求めよ。
(係数表より A₂ = 0.729)
【解答】
UCL = X̿ + A₂ × R̄ = 50 + 0.729 × 6 = 50 + 4.374 = 54.37
パターン②:R̄を求めてからUCLを計算
【問題】
各群のRが 5, 4, 6, 5, 5(n=5)のとき、R管理図のUCLを求めよ。
(係数表より D₄ = 2.115)
【解答】
① R̄ = (5+4+6+5+5) ÷ 5 = 25 ÷ 5 = 5
② UCL = D₄ × R̄ = 2.115 × 5 = 10.58
パターン③:異常判定を問う
【問題】
X̄管理図でUCL=52、LCL=48のとき、ある日のX̄が53だった。この工程は正常か?
【解答】
53 > 52(UCL)なので、異常と判定する
🔗 異常判定をもっと詳しく
異常判定の8つのルールはこちらの記事で図解しています。
📝 X̄-R管理図の作り方まとめ
✨ 3ステップで完成!
STEP1: 各グループのX̄(平均)とR(範囲)を計算
STEP2: X̿とR̄を求めて、係数表でUCL・LCLを計算
STEP3: グラフにプロットして完成!
🔑 試験のコツ
係数表は問題文に必ず載っています。
落ち着いて「n」を確認し、対応する係数を使いましょう!
🗺️ シリーズ記事一覧
① 全体像
管理図と工程能力指数の完全ロードマップ② 超入門
品質管理の"バラつき"って何?③ 基礎
管理図とは?UCL・CL・LCLの意味④ 種類
管理図の種類一覧と選び方⑤ 判定
管理図の異常判定ルール8つ⑥ 活用
管理図の読み方|異常を見つけたら?⑦ 今ここ!
X̄-R管理図の作り方|計算方法を例題で完全理解
⑧ 計量値
X-Rs・Me-R・X̄-s管理図の計算方法⑨ 計数値①
np管理図・p管理図の作り方⑩ 計数値②
c管理図・u管理図の作り方⑪ 工程能力①
工程能力指数Cp・Cpkとは?⑫ 工程能力②
工程能力指数の判定基準🎉 お疲れ様でした!
X̄-R管理図の作り方をマスターしました!
次はその他の計量値管理図に進みましょう。
