管理図・工程指数

【QC検定】管理図の計算問題パターン総整理|UCL・LCLの求め方一覧

😣 こんな悩みはありませんか?
  • 管理図の公式が多すぎて覚えられない…
  • UCL・LCLの計算問題で、どの公式を使えばいいか分からない
  • A₂やD₄などの係数表の使い方がイマイチ理解できない
  • QC検定の過去問で管理図の計算問題が出ると手が止まる
✅ この記事でわかること
  • 全8種類の管理図のUCL・CL・LCL公式を一覧表で総整理
  • 計量値・計数値それぞれの公式の「覚え方」と「使い分け」
  • 係数表(A₂・D₃・D₄)の意味と使い方
  • QC検定頻出の計算パターンを例題で完全マスター

管理図の計算問題は、QC検定2級・3級でほぼ毎回出題される超頻出分野です。

でも、X̄-R管理図、p管理図、c管理図…と種類が多く、それぞれ公式が違うので「どれがどれだっけ?」と混乱しますよね。

この記事では、全管理図の公式を「チートシート」として1ページにまとめました。試験直前の確認や、実務での参照用としてブックマークしておくと便利です。

まずは「公式一覧表」で全体像をつかみ、その後で各管理図の詳細を確認していきましょう。

📘 前提知識

管理図の基本(UCL・CL・LCLの意味)がまだ不安な方は、先にこちらをどうぞ:

【QC検定】管理図とは?UCL・CL・LCLの意味を図解 →

【保存版】管理図の公式一覧表(チートシート)

まずは結論から。全8種類の管理図のUCL・CL・LCL公式を一覧表にまとめました。

この表を見れば、「どの管理図で、どの公式を使うか」が一目でわかります。

計量値の管理図(X̄-R系・X̄-s系)

計量値とは、長さ・重さ・時間など「測定できるデータ」のこと。連続的な数値データを扱います。

管理図 UCL(上方管理限界) CL(中心線) LCL(下方管理限界) 用途
X̄管理図 X̿ + A₂R̄ X̿ X̿ − A₂R̄ 平均値の管理
R管理図 D₄R̄ D₃R̄ 範囲の管理
X管理図 X̄ + 2.66Rs̄ X̄ − 2.66Rs̄ 個々の値
Rs管理図 3.27Rs̄ Rs̄ 0 移動範囲

計数値の管理図(p・np・c・u)

計数値とは、不良品の個数や欠点の数など「数えるデータ」のこと。離散的な数値データを扱います。

管理図 UCL(上方管理限界) CL LCL(下方管理限界) 用途
p管理図 p̄ + 3√{p̄(1−p̄)/n} p̄ − 3√{p̄(1−p̄)/n} 不適合品
np管理図 np̄ + 3√{np̄(1−p̄)} np̄ np̄ − 3√{np̄(1−p̄)} 不適合品
c管理図 c̄ + 3√c̄ c̄ − 3√c̄ 不適合(一定面積)
u管理図 ū + 3√(ū/n) ū ū − 3√(ū/n) 不適合(面積変動)
💡 暗記のコツ
  • 計量値:係数(A₂、D₃、D₄)を使う → 係数表が必要
  • 計数値:3σの公式(±3√〜)を使う → ルート計算が必要
  • LCLが負になったら「0」とする(不良率や欠点数はマイナスにならない)

【計量値①】X̄管理図のUCL・LCLの求め方

X̄(エックスバー)管理図は、サンプルの「平均値」を管理するための図です。QC検定で最も出題頻度が高い管理図なので、確実にマスターしましょう。

X̄管理図の公式

📐 X̄管理図の公式
UCL = X̿ + A₂R̄
CL = X̿
LCL = X̿ − A₂R̄

記号の意味

記号 読み方 意味
X̿ エックスダブルバー 全サンプル平均値の平均(総平均)
アールバー 範囲(最大−最小)の平均
A₂ エーツー 係数(サンプルサイズnで決まる)

【例題】X̄管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

ある工程で、サンプルサイズn=5で25群のデータを取った結果、以下の値が得られた。X̄管理図のUCL、CL、LCLを求めよ。

  • 総平均 X̿ = 50.0
  • 範囲の平均 R̄ = 4.0
  • 係数 A₂ = 0.577(n=5のとき)

解答

Step 1:CLを求める

CL = X̿ = 50.0

Step 2:UCLを求める

UCL = X̿ + A₂R̄

  = 50.0 + 0.577 × 4.0

  = 50.0 + 2.308 = 52.308

Step 3:LCLを求める

LCL = X̿ − A₂R̄

  = 50.0 − 0.577 × 4.0

  = 50.0 − 2.308 = 47.692

💡 計算のポイント

X̄管理図では、A₂R̄の部分を先に計算しておくと、UCLとLCLの計算がラクになります。「X̿ ± A₂R̄」と覚えましょう。

【計量値②】R管理図のUCL・LCLの求め方

R管理図は、サンプルの「範囲(バラつき)」を管理するための図です。X̄管理図とセットで使い、「平均値」と「バラつき」の両方を監視します。

R管理図の公式

📐 R管理図の公式
UCL = D₄R̄
CL =
LCL = D₃R̄

係数D₃・D₄の値(よく使う範囲)

n(サンプルサイズ) D₃ D₄
2 3.267
3 2.575
4 2.282
5 2.115
6 2.004
7 0.076 1.924
⚠️ 重要ポイント

n≦6のときはD₃が「−」(存在しない)ため、LCLは計算しません(LCLなし、または0とする)。これはR管理図特有の性質で、試験でもよく問われます。

【例題】R管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

先ほどと同じデータ(n=5、R̄=4.0)を使って、R管理図のUCL、CL、LCLを求めよ。

解答

n=5なので、係数表より D₃=−(なし)、D₄=2.115

UCL = D₄R̄ = 2.115 × 4.0 = 8.46

CL = R̄ = 4.0

LCL = D₃R̄ = なし(または0)

【計量値③】X-Rs管理図(個々のデータ用)

X-Rs管理図は、サンプルサイズn=1(1個ずつ測定)の場合に使う管理図です。化学プラントなど、連続的に1点ずつデータを取る工程で使われます。

X-Rs管理図の公式

📐 X管理図(個々の値)
UCL = X̄ + 2.66Rs̄
CL =
LCL = X̄ − 2.66Rs̄
📐 Rs管理図(移動範囲)
UCL = 3.27Rs̄
CL = Rs̄
LCL = 0

記号の意味

記号 読み方 意味
エックスバー 個々のデータの平均値
Rs̄ アールエスバー 移動範囲(隣り合うデータの差)の平均
2.66 X管理図用の係数(= 3/d₂、n=2のとき)
3.27 Rs管理図用の係数(= D₄、n=2のとき)
💡 移動範囲(Rs)とは?

移動範囲とは、隣り合う2つのデータの差の絶対値のこと。

例:データが 10, 12, 9, 11 の場合
 Rs₁ = |12−10| = 2
 Rs₂ = |9−12| = 3
 Rs₃ = |11−9| = 2
 Rs̄ = (2+3+2)/3 = 2.33

【計数値①】p管理図のUCL・LCLの求め方

ここからは計数値の管理図です。計数値とは「不良品の個数」や「欠点の数」など、数えて得られるデータのこと。

p管理図は、不適合品率(不良率)を管理するための図です。「100個検査して3個不良 → 不良率3%」のように、率(割合)で管理します。

p管理図の公式

📐 p管理図の公式
UCL = p̄ + 3√{p̄(1−p̄)/n}
CL =
LCL = p̄ − 3√{p̄(1−p̄)/n}

※ LCLが負になる場合は LCL = 0 とする

記号の意味

記号 読み方 意味
ピーバー 平均不適合品率(= 総不適合品数 / 総検査数)
n エヌ 1回あたりのサンプルサイズ(検査数)

【例題】p管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

毎日100個ずつ検査を行い、20日間のデータを集計したところ、不適合品の合計は60個だった。p管理図のUCL、CL、LCLを求めよ。

解答

Step 1:p̄(平均不適合品率)を求める

p̄ = 60 / (100 × 20) = 60 / 2000 = 0.03(3%)

Step 2:√{p̄(1−p̄)/n}を計算する

= √{0.03 × 0.97 / 100}

= √{0.0291 / 100}

= √0.000291

= 0.01706

Step 3:UCL・CL・LCLを求める

UCL = 0.03 + 3 × 0.01706 = 0.03 + 0.0512 = 0.0812(8.12%)

CL = 0.03(3%)

LCL = 0.03 − 0.0512 = −0.0212 → 0(負なので0)

⚠️ 計数値管理図の共通ルール

不良率や欠点数はマイナスにならないため、計算結果が負になった場合はLCL = 0とします。これは計数値管理図(p、np、c、u)すべてに共通するルールです。

【計数値②】np管理図のUCL・LCLの求め方

np管理図は、不適合品数(不良品の個数)を管理するための図です。p管理図が「率」で管理するのに対し、np管理図は「個数」で管理します。

💡 p管理図とnp管理図の使い分け
  • p管理図:サンプルサイズnが変動する場合(例:日によって検査数が違う)
  • np管理図:サンプルサイズnが一定の場合(例:毎日100個検査)

np管理図の公式

📐 np管理図の公式
UCL = np̄ + 3√{np̄(1−p̄)}
CL = np̄
LCL = np̄ − 3√{np̄(1−p̄)}

※ LCLが負になる場合は LCL = 0 とする

【例題】np管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

先ほどと同じデータ(n=100、p̄=0.03)を使って、np管理図のUCL、CL、LCLを求めよ。

解答

Step 1:np̄(平均不適合品数)を求める

np̄ = 100 × 0.03 = 3(個)

Step 2:√{np̄(1−p̄)}を計算する

= √{3 × 0.97}

= √2.91

= 1.706

Step 3:UCL・CL・LCLを求める

UCL = 3 + 3 × 1.706 = 3 + 5.12 = 8.12(個)

CL = 3(個)

LCL = 3 − 5.12 = −2.12 → 0(個)

💡 p管理図とnp管理図の計算の違い

公式をよく見ると、np管理図の値はp管理図の値をn倍したものになっています。

  • p管理図のCL = 0.03 → np管理図のCL = 0.03 × 100 = 3
  • p管理図のUCL = 0.0812 → np管理図のUCL = 0.0812 × 100 ≈ 8.12

【計数値③】c管理図のUCL・LCLの求め方

c管理図は、不適合数(欠点数)を管理するための図です。「不適合品」ではなく「不適合(欠点)」であることに注意してください。

📝 「不適合品」と「不適合」の違い
  • 不適合品:欠点が1つでもある製品のこと(良品 or 不良品)
  • 不適合(欠点):製品1つあたりの欠点の数(傷の数、気泡の数など)

例:1枚の布に傷が3箇所ある → 不適合品は1枚、不適合数は3

c管理図の公式

📐 c管理図の公式
UCL = c̄ + 3√c̄
CL =
LCL = c̄ − 3√c̄

※ LCLが負になる場合は LCL = 0 とする

💡 c管理図の公式が簡単な理由

c管理図はポアソン分布に基づいています。ポアソン分布では「平均=分散」という性質があるため、分散の平方根(標準偏差)は√c̄となり、公式がシンプルになります。

【例題】c管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

一定面積の布を20枚検査したところ、欠点数の合計は80個だった。c管理図のUCL、CL、LCLを求めよ。

解答

Step 1:c̄(平均欠点数)を求める

c̄ = 80 / 20 = 4(個/枚)

Step 2:√c̄を計算する

√c̄ = √4 = 2

Step 3:UCL・CL・LCLを求める

UCL = 4 + 3 × 2 = 10(個)

CL = 4(個)

LCL = 4 − 3 × 2 = −2 → 0(個)

【計数値④】u管理図のUCL・LCLの求め方

u管理図は、単位あたりの不適合数を管理するための図です。c管理図との違いは、検査する面積(単位)がサンプルごとに異なる場合に使う点です。

💡 c管理図とu管理図の使い分け
  • c管理図:検査単位(面積・長さなど)が一定の場合
  • u管理図:検査単位が変動する場合

例:布の検査で「今日は10m²、明日は15m²」のように面積が異なる → u管理図

u管理図の公式

📐 u管理図の公式
UCL = ū + 3√(ū/n)
CL = ū
LCL = ū − 3√(ū/n)

※ LCLが負になる場合は LCL = 0 とする
※ nはサンプルごとに異なるため、管理限界線は階段状になることがある

記号の意味

記号 読み方 意味
ū ユーバー 平均単位欠点数(= 総欠点数 / 総検査単位数)
n エヌ 各サンプルの検査単位数(サンプルごとに異なる場合あり)

【例題】u管理図のUCL・LCLを求める

📝 例題

布の検査で、単位欠点数の平均がū=2.0(個/m²)だった。検査面積n=4m²のサンプルに対するUCL、CL、LCLを求めよ。

解答

Step 1:√(ū/n)を計算する

= √(2.0 / 4)

= √0.5

= 0.707

Step 2:UCL・CL・LCLを求める

UCL = 2.0 + 3 × 0.707 = 2.0 + 2.12 = 4.12(個/m²)

CL = 2.0(個/m²)

LCL = 2.0 − 2.12 = −0.12 → 0(個/m²)

⚠️ u管理図の注意点

u管理図では、サンプルごとに検査単位数nが異なる場合、管理限界線もサンプルごとに変わります(階段状の管理限界線になる)。計算問題では「n=○のとき」と指定されることが多いです。

管理図の係数表(A₂・D₃・D₄)完全版

計量値の管理図(X̄-R管理図)で使う係数表です。QC検定では問題文中に与えられることが多いですが、どの係数をどこで使うかは覚えておく必要があります。

管理図用係数表

n A₂ D₃ D₄ d₂
2 1.880 3.267 1.128
3 1.023 2.575 1.693
4 0.729 2.282 2.059
5 0.577 2.115 2.326
6 0.483 2.004 2.534
7 0.419 0.076 1.924 2.704
8 0.373 0.136 1.864 2.847
9 0.337 0.184 1.816 2.970
10 0.308 0.223 1.777 3.078

係数の使い分け早見表

係数 使う場面 公式での使い方
A₂ X̄管理図の管理限界 UCL/LCL = X̿ ± A₂
D₃ R管理図のLCL LCL = D₃R̄(n≦6では存在しない)
D₄ R管理図のUCL UCL = D₄
d₂ σの推定 σ̂ = R̄ / d₂(工程能力指数の計算などで使用)
💡 試験対策:n=5の係数だけは覚えておこう

QC検定ではサンプルサイズn=5の問題が頻出です。以下の値だけは覚えておくと便利です:

  • A₂ = 0.577(約0.58)
  • D₄ = 2.115(約2.1)
  • D₃ = −(存在しない → LCLなし)

【フローチャート】どの管理図を使えばいい?

管理図の選択で迷ったときは、以下のフローチャートに従って判断しましょう。

START:データの種類は?
計量値
(長さ・重さ・時間など測定値)
サンプルサイズは?
n=1
X-Rs管理図
n≧2
X̄-R管理図
計数値
(個数・欠点数など数えた値)
何を管理する?
不適合
サンプルサイズは?
一定
np管理図
変動
p管理図
不適合
検査単位は?
一定
c管理図
変動
u管理図
💡 覚え方のコツ
  • p = proportion(割合)→ 不適合品
  • np = n × p(サンプル数 × 割合)→ 不適合品
  • c = count(数える)→ 不適合(一定面積)
  • u = unit(単位あたり)→ 単位あたりの不適合数

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