機械科目の解説

【永久保存版】変圧器の完全攻略マップ|電験三種・機械科目を1記事で制覇

😰 こんな悩み、ありませんか?

  • 変圧器の範囲が広すぎて、どこから手をつけていいかわからない
  • 公式が多すぎて、何を覚えればいいのか整理できない
  • 個々の知識はあるけど、全体像がつかめない
  • 試験直前に効率よく復習したい

📌 この記事の目的

この1記事で変圧器の全体像を完全に把握できます。各トピックの要点を凝縮し、詳細は各記事へのリンクから深掘りできる構成です。試験直前の総復習にも最適!

変圧器は電験三種の機械科目で最重要テーマの一つです。

毎年必ず出題され、配点も高い。だからこそ、しっかり理解しておきたいですよね。

この記事は、変圧器シリーズ全7記事+用語辞典のエッセンスを1つに凝縮したまとめ記事です。

まずはこの記事で全体像をつかみ、気になる部分は各詳細記事で深掘りしてください!

⚡ 1-1. 変圧器の基本原理

変圧器の根幹を理解するための第一歩です。

核心ポイント

🎯 この章で押さえること

  • 電磁誘導の法則:磁束が変化すると電圧が発生する(ファラデーの法則)
  • 一次コイルと二次コイル:一次側で作った磁束を二次側がキャッチ
  • 理想変圧器の4条件:無損失・漏れ磁束ゼロ・鉄損ゼロ・励磁電流ゼロ

☕ 一言でいうと

変圧器は「磁束のバケツリレー」。一次コイルが磁束を作り、鉄心を通じて二次コイルに渡す。この受け渡しで電圧を変換しています。

ファラデーの法則(起電力)

e = −N × (dΦ/dt)

巻数N × 磁束Φの時間変化 = 誘導起電力

🔢 1-2. 変圧器の基本式【最重要】

変圧器の計算問題を解くための核心公式がここに集約されています。

巻数比 a を制する者が変圧器を制す

項目 公式 覚え方
巻数比 a = N₁ / N₂ すべての基本
電圧比 V₁ / V₂ = a 巻数と同じ比率
電流比 I₁ / I₂ = 1/a 電圧と逆!
インピーダンス比 Z₁ / Z₂ = a² 2乗になる
電力 V₁I₁ = V₂I₂ 理想変圧器は無損失

🎯 最強の覚え方

「電圧は巻数と同じ、電流は、インピーダンスは2乗

🔌 1-3. 等価回路とベクトル図

変圧器の内部を「回路図」で表現し、電圧降下を計算するための知識です。

等価回路の構成要素

記号 名称 意味
r₁, r₂ 巻線抵抗 コイルの電気抵抗 → 銅損の原因
x₁, x₂ 漏れリアクタンス 漏れ磁束による電圧降下
g₀ 鉄損コンダクタンス 鉄損電流の通り道
b₀ 励磁サセプタンス 磁化電流の通り道

百分率インピーダンス(%Z)

百分率インピーダンス

%Z = (In × Z / Vn) × 100%

%Z = √(%R² + %X²) で分解できる

📉 1-4. 変圧器の損失と効率

変圧器がどれだけのエネルギーを無駄にし、どれだけ効率よく動いているかを計算します。

2大損失を押さえる

損失 別名 原因 特徴
鉄損 Pi 無負荷損 鉄心での発熱 負荷に関係なく一定
銅損 Pc 負荷損 巻線での発熱(I²R) 電流の2乗に比例

効率と最大効率の条件

効率の公式

η = 出力 / (出力 + Pi + Pc) × 100%

最大効率の条件

鉄損 = 銅損 のとき効率最大!

🎯 覚え方

鉄と銅が仲良く同じになったら最高効率

🔬 1-5. 変圧器の試験

変圧器の特性を測定する2つの試験方法を理解しましょう。

2つの試験を比較

項目 無負荷試験 短絡試験
二次側の状態 開放(何もつながない) 短絡(導線でつなぐ)
一次側電圧 定格電圧 低い電圧(数%)
測定できるもの 鉄損 Pi、励磁電流 I₀ 銅損 Pc、%Z
等価回路の対応 励磁回路(g₀, b₀) 漏れインピーダンス(r, x)

🎯 覚え方

  • 無負荷試験 = アイドリング状態 → 「鉄」心のロス(鉄損)を測定
  • 短絡試験 = 全力運転状態 → 「銅」線のロス(銅損)を測定

🔺 1-6. 三相変圧器の結線

Y結線とΔ結線、そして4つの組み合わせパターンを理解しましょう。

Y結線 vs Δ結線

項目 ⭐ Y結線(スター) 🔺 Δ結線(デルタ)
星形(中心で合流) 三角形(輪でつながる)
線間電圧 √3 × 相電圧 = 相電圧
線電流 = 相電流 √3 × 相電流

🎯 √3はどこにつく?

Y結線 → 電圧に√3 / Δ結線 → 電流に√3

V結線(おまけ)

Δ-Δ結線の1台が故障したときの応急運転。出力は約57.7%(1/√3)に低下します。

🤝 1-7. 並行運転の条件

2台以上の変圧器を同時に運転するための4つの条件です。

4つの条件を一発で覚える

条件 イメージ 守らないと?
①極性が同じ 同じ向きに進む 短絡事故!
②巻数比が同じ 同じ電圧を出す 循環電流発生
③%Zが等しい 同じペースで走る 負荷分担が不均等
④位相が一致 同じタイミング エネルギー打ち消し

🎯 最強の覚え方

①同じ向き②同じ電圧③同じ性格④同じタイミング
「2人で息を合わせて荷物を運ぶ」イメージ!

📋 全公式チートシート

試験直前に確認したい公式をすべてまとめました。スクリーンショットして保存しておくと便利です!

🔢 基本式

巻数比a = N₁ / N₂
電圧比V₁ / V₂ = a
電流比I₁ / I₂ = 1/a
インピーダンス比Z₁ / Z₂ = a²

📉 損失と効率

全損失W = Pi + Pc = Pi + I²R
効率η = 出力 / (出力 + 損失) × 100%
最大効率条件Pi = Pc(鉄損=銅損)

🔺 三相結線

Y結線 線間電圧VL = √3 × Vp
Δ結線 線電流IL = √3 × Ip
V結線 出力比1/√3 ≒ 57.7%

🤝 並行運転

① 極性が同じ / ② 巻数比が同じ / ③ %Zが等しい / ④ 位相が一致

🎯 学習ロードマップ

変圧器を効率よく学ぶための順番はこちらです:

1
基本原理 — まずは「なぜ電圧が変わるのか」を理解
2
基本式 — 計算問題を解くための核心公式をマスター
3
等価回路 — 変圧器の内部を回路図で理解
4
損失と効率 — 鉄損・銅損・最大効率条件
5
変圧器の試験 — 無負荷試験と短絡試験で何が分かるか
6
三相結線 — Y結線・Δ結線・V結線
7
並行運転 — 4つの条件で仕上げ!

📖 分からない用語があったら → 変圧器の用語辞典

🎉 変圧器マスターへの道は整いました!

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一つひとつの知識が繋がったとき、変圧器の問題は必ず解けるようになります!

📗 次に学ぶなら

変圧器をマスターしたら、次は誘導機や同期機に挑戦しましょう!

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