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- Y-ΔとかΔ-Yとか、組み合わせが多くて混乱する
- 結線で二次電圧がどう変わるのか計算できない
- V結線の57.7%と86.6%がどこから出るのかわからない
- 三相変圧器の4つの結線とV結線の特徴
- 結線で二次電圧が変わる計算と、30°の位相差
- V結線の出力と利用率の導き方
- 結線と巻数比を入れるだけの計算ツール
三相変圧器の結線は、一次側と二次側をそれぞれY(スター)かΔ(デルタ)につなぐ組み合わせで、Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δの4つと、Δ-Δから1台を外したV結線があります。Y-ΔとΔ-Yは一次と二次の電圧に30°の位相差ができ、Y-Yは第3調波でひずみやすく、Δ-Δは中性点がとれません。V結線の出力は単器容量Pの√3倍で、Δ-Δ(3P)の約57.7%、利用率は約86.6%です。

三相変圧器の結線とは?まずY・Δを30秒でおさらい
- 1 変圧器の基本原理|電磁誘導から巻数比まで
- 2 変圧器の基本式|巻数比aから一発計算
- 3 変圧器の用語辞典|漏れリアクタンス・励磁電流・鉄損
- 4 等価回路を完全攻略|一次換算・%Z
- 5 無負荷試験・短絡試験で何がわかる?
- 6 損失と効率|鉄損・銅損・最大効率条件
- 7 三相変圧器の結線|Y結線とΔ結線の違い
- 8 並行運転の条件|4つのルール
- 9 変圧器の完全攻略マップ|総まとめ
三相変圧器は、3つの単相のコイル(または3台の単相変圧器)を、一次側と二次側でそれぞれY(スター)かΔ(デルタ)につないで使います。この組み合わせを「結線」と呼びます。
| 結線 | 形 | 電圧 | 電流 | 中性点 |
|---|---|---|---|---|
| Y(スター) | 3つのコイルの片側を1点に集める | 線間電圧=√3×相電圧 | 線電流=相電流 | ある(接地できる) |
| Δ(デルタ) | 3つのコイルを三角形につなぐ | 線間電圧=相電圧 | 線電流=√3×相電流 | ない |
√3がつくのは「Yは電圧、Δは電流」です。Y結線とΔ結線そのものの違いや、√3がどこから来るのかは、別の記事でくわしく説明しています。この記事では、変圧器でこの2つをどう組み合わせるかに絞ります。
Y結線・Δ結線のメリット・デメリット

4つの結線の特徴|Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-Δ
| 結線(一次-二次) | よいところ | 注意するところ | 使われ方の例 |
|---|---|---|---|
| Y-Y | 両側で中性点を接地できる。コイルにかかる電圧が線間の1/√3で、絶縁が楽 | 励磁電流の第3調波の通り道がなく、電圧がひずむ。Δの三次巻線をつけて使う(Y-Y-Δ) | 高い電圧どうしの変電所(三次巻線つき) |
| Y-Δ | 一次側の中性点を接地できる。第3調波はΔの中を流れてひずまない | 一次と二次の電圧に30°の位相差ができる | 高い電圧から下げる変電所 |
| Δ-Y | 二次側の中性点を接地できる。第3調波はΔの中を流れる | 一次と二次の電圧に30°の位相差ができる | 発電機の電圧を上げる(昇圧)。Yの中性点で接地 |
| Δ-Δ | 第3調波でひずまない。1台がこわれてもV結線で運転を続けられる | 中性点がとれず、そのままでは接地できない | 低めの電圧の工場の配電など |
第3調波とΔ
変圧器の鉄心は磁束と電流の関係がまっすぐではないので、きれいな正弦波の電圧を出すには、励磁電流に第3調波(3倍の周波数の成分)がふくまれる必要があります。第3調波は3相とも同じ向きにそろうので、Δの中ではぐるぐる回って流れられますが、中性点を接地していないYでは通り道がありません。そのためY-Yだけは電圧がひずみやすく、Δの三次巻線を足して通り道をつくります。
中性点を接地する方式の違い

結線で二次電圧が変わる|計算と30°の位相差
変圧器の巻数比aは、1相分のコイルどうしの電圧の比です。そのため、同じ巻数比でも、YかΔかで線間電圧が変わります。
| 結線 | 二次の線間電圧(一次の線間電圧V1、巻数比a) | 例:V1=6,600V、a=1 |
|---|---|---|
| Y-Y | V1÷a | 6,600V |
| Y-Δ | V1÷√3÷a | 3,810V |
| Δ-Y | V1×√3÷a | 11,430V |
| Δ-Δ | V1÷a | 6,600V |
Y-Δなら、一次の相電圧は6,600÷√3≒3,810V。巻数比1なら二次の相電圧も3,810Vで、Δなので線間電圧もそのまま3,810Vです。
Y-ΔとΔ-Yは30°ずれる
Yの線間電圧は相電圧より30°進んだ向きになるので、片側がY、もう片側がΔだと、一次と二次の線間電圧の間に30°の位相差ができます。Y-YとΔ-Δでは位相差は0°です。
これが効いてくるのが並行運転です。Y-Δの変圧器とY-Yの変圧器を並列につなぐと、二次電圧が30°ずれているので、2台の間に大きな循環電流が流れてしまいます。並行運転では、結線による位相のずれ(角変位)がそろっていることが条件の1つです。
並行運転の4つの条件

V結線|2台で三相を送る。出力57.7%・利用率86.6%
Δ-Δにつないだ3台の単相変圧器のうち1台を外しても、残りの2台で三相の電力を送れます。これがV結線(開放Δ結線)です。1台がこわれたときの応急の運転のほか、最初から2台で組んで、あとで負荷がふえたら3台目を足してΔ-Δにする使い方もあります。
| 項目 | 式 | 値 |
|---|---|---|
| V結線の出力 | √3 × P(Pは1台の容量) | 100kVAの2台なら約173kVA |
| Δ-Δにくらべた出力 | √3P ÷ 3P = 1/√3 | 約57.7% |
| 利用率(2台の容量のうち使える割合) | √3P ÷ 2P = √3/2 | 約86.6% |
2台あるのに出力が「2/3」ではなく「1/√3」になるのは、V結線では変圧器のコイルに流れる電流が、そのまま線電流になるからです。Δ-Δでは線電流が相電流の√3倍になりますが、V結線ではコイル1台の定格電流までしか線電流を流せません。そのため出力は √3 × V × I=√3P です。
配電では、単相の電灯と三相の動力を1組の変圧器でまかなう「灯動共用」のV結線(大きさのちがう2台を組み合わせる)もよく使われます。

三相変圧器の結線の計算ツール
結線・一次の線間電圧・巻数比(1相分)・1台の容量を入れてください。二次の電圧、位相差、三相容量、V結線にしたときの出力を出します。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。
例題|電験三種の出方で解く
例題1:Δ-Y結線の二次電圧
一次の線間電圧6,600V、巻数比(1相分)が30のΔ-Y結線の三相変圧器。二次の線間電圧は?
一次はΔなので相電圧も6,600V。二次の相電圧=6,600÷30=220V。二次はYなので線間電圧=220×√3≒381V。
例題2:V結線の出力
容量50kVAの単相変圧器3台をΔ-Δで使っていたが、1台がこわれたのでV結線にした。供給できる三相の容量は?
√3×50≒86.6kVA。Δ-Δの150kVAの約57.7%で、2台の容量100kVAに対する利用率は約86.6%です。
三相変圧器の結線でよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 巻数比aを線間電圧の比として使う | aは1相分のコイルの比。YかΔかで線間電圧に直す |
| V結線の出力は3台の2/3 | √3P。Δ-Δの1/√3(約57.7%) |
| V結線の利用率と出力比を取りちがえる | 出力比は57.7%(3P比)、利用率は86.6%(2P比) |
| Y-Δでも位相はそろっている | Y-ΔとΔ-Yは30°ずれる。並行運転では角変位をそろえる |
| Y-Yはそのまま使える | 第3調波でひずむので、Δの三次巻線をつける |
線間と相の変換と三相電力

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よくある質問
- 結線は一次・二次のY/Δの組み合わせ。Y-Y・Y-Δ・Δ-Y・Δ-ΔとV結線
- 巻数比は1相分。YかΔかで線間電圧に直す(Y-Δは÷√3、Δ-Yは×√3)
- Y-ΔとΔ-Yは30°の位相差。並行運転では角変位をそろえる
- Y-Yは第3調波でひずむのでΔ三次巻線、Δ-Δは中性点がない
- V結線の出力は√3P=Δ-Δの57.7%、利用率は86.6%

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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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三相変圧器の結線がわかったら、変圧器全体の地図にもどって、ほかの単元とのつながりを確かめましょう。
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気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。