法規科目の解説

電気用品安全法を完全解説|PSE菱形と丸の違い・特定電気用品の判定【電験三種】

家電製品の裏側についている「PSE」マーク、気づいていましたか?実はあのマークには菱形と丸の2種類があり、これが電験三種の法規で頻出する超重要ポイントなんです。難しい暗記に見えて、覚えるべきは"危険度の違い"だけ。

😩 こんな悩みはありませんか?

  • 「特定電気用品」と「それ以外」の区別がつかない
  • 菱形と丸、どっちが厳しい規制なのか覚えられない
  • 116品目・341品目という数字を覚える意味がわからない
  • 製造・輸入・販売、誰に何の義務があるのか整理できない

💡 この記事を読めばわかること

  • 電気用品安全法(電安法)の目的と全体像
  • 菱形PSE(特定電気用品)と丸PSE(それ以外)の見分け方
  • 116品目と341品目の代表例と判定基準
  • 製造・輸入・販売の3者に課せられる義務
  • 過去問パターン2問(H27・H20)の解答ポイント
📍 あなたは今ここを学習中
電験三種・法規 完全ロードマップ Chapter 1:電気事業法とその他の法規 第11回:電気用品安全法

⚡ 結論:「危険な家電は菱形、普通の家電は丸」

電気用品安全法の問題は、究極的にはこの1枚の表に集約されます。

項目 特定電気用品
(菱形PSE)
特定以外の電気用品
(丸PSE)
マーク ◇ PSE ○ PSE
危険度 高い 普通
品目数 116品目 341品目
第三者検査 必要(登録検査機関) 自主検査でOK
代表例 電線・コード、ヒューズ、配線器具、コンセント、変圧器 テレビ、冷蔵庫、エアコン、LED電球、扇風機

覚え方のコツ:菱形(特定)=感電・火災のリスクが直接ある"配線系"」「丸(特定以外)=普通の家電」と覚えます。電線やコンセントなど人が触れる頻度が高い部品は危険度が高いため、菱形になります。

📖 電気用品安全法とは?目的と全体像

電気用品安全法(略して「電安法」)は、家電製品や電線などの「電気用品の安全性」を確保するための法律です。1961年(昭和36年)に制定された「電気用品取締法」が前身で、2001年に現在の名称に変わりました。

電気用品安全法 第1条の目的:「電気用品の製造、販売等を規制するとともに、電気用品の安全性の確保につき民間事業者の自主的な活動を促進することにより、電気用品による危険及び障害の発生を防止する」

🎯 法律のキーワード3つ

キーワード 意味
電気用品 一般用電気工作物の部分・接続・使用される機器、または携帯発電機・蓄電池
規制対象 製造・輸入・販売の3者
目的 電気用品による危険及び障害の発生を防止

🆚 電気保安4法での位置づけ

これまで学んだ電気保安4法の中で、電気用品安全法はどこに位置するでしょうか?整理しましょう。

法律 規制対象
電気事業法 電気事業の運営・電気工作物の保安
電気工事士法 電気工事の作業を行う"人"
電気工事業法 電気工事を請け負う"事業者"
電気用品安全法 電気用品の"モノ"そのもの
💡 シラスの体験談
海外から個人輸入した充電器を職場で使おうとしたら、設備管理の先輩から「PSEマークないと使えないよ」と止められたことがあります。電安法は実際の業務で本当に運用されているリアルな法律なんですよね。

🔷 PSEマーク2種類:菱形と丸の違い

「PSE」はProduct + Safety + Electrical Appliance & Materialsの略です。電気用品の安全基準に適合していることを示すマークで、2種類あります。

◇ 菱形PSE:特定電気用品(116品目)

特定電気用品の定義:「構造または使用方法その他の使用状況からみて、特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品」

= 直接電源に繋がる・配線に使う部品など、感電・火災のリスクが特に高いもの

📋 代表的な特定電気用品(菱形PSE)

カテゴリ 具体例
電線類 ゴム絶縁電線、ケーブル(22mm²以下)、コード
ヒューズ 温度ヒューズ、包装ヒューズ
配線器具 タンブラースイッチ、コンセント、差込みプラグ
変圧器類 小形単相変圧器、安定器
電熱器具 電気温水器、電気ポンプ、観賞魚用ヒーター

○ 丸PSE:特定電気用品以外の電気用品(341品目)

特定電気用品以外の定義:特定電気用品以外で、電気用品安全法の規制対象となる電気用品

= 一般的な家電製品など、危険度は相対的に低めだが規制対象のもの

📋 代表的な特定電気用品以外(丸PSE)

カテゴリ 具体例
大型家電 テレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機
照明器具 LED電球、蛍光灯器具、白熱灯器具
小型家電 扇風機、電気掃除機、電気こたつ
バッテリー類 リチウムイオン蓄電池、モバイルバッテリー
📌 暗記のコツ:境界線で迷ったら…
電線・コード・コンセント・プラグ」のように、"電源に直結する配線部品"菱形(特定)。「テレビ・冷蔵庫・エアコン」のような"完成品の家電"丸(特定以外)。この区別だけで合格点が取れます。

🏭 製造・輸入・販売の3者規制

電気用品安全法は、電気用品が日本の市場に出回るまでの3つの段階それぞれを規制しています。

📋 3者の義務一覧

立場 義務 期限
製造事業者 経済産業大臣への事業届出、技術基準適合、検査、PSEマーク表示 事業開始から30日以内
輸入事業者 製造事業者と同じ義務(輸入も国内製造と同等扱い) 事業開始から30日以内
販売事業者 PSE表示のない電気用品の販売禁止 常時

🔍 特定電気用品の追加義務:第三者検査

特定電気用品(菱形PSE)の製造・輸入事業者には、登録検査機関による「適合性検査」を受ける義務があります。これは丸PSEにはない、菱形PSEだけの厳しい義務です。

⚠️ ここを押さえれば即答できる頻出ポイント
「特定電気用品=第三者(登録検査機関)の検査が必要」
「特定以外=自主検査でOK」
試験では「特定以外も第三者検査が必要」という選択肢が罠として出ます。

📊 検査結果の保管期間

電気用品の区分 検査記録の保管期間
特定電気用品(菱形) 3年間
特定電気用品以外(丸) 3年間

どちらも検査記録の保管期間は3年間です。「30日以内に届出、3年間記録保管」と"30と3"のセットで覚えてしまいましょう。

🏷️ PSEマークの表示方法

PSEマークだけを貼れば良いわけではありません。電気用品安全法では、PSEマークと一緒に表示しなければならない情報が定められています。

📋 表示が必要な3つの項目

表示項目 内容
① PSEマーク 菱形(特定)または丸(特定以外)
② 届出事業者名 製造事業者または輸入事業者の名称
③ 登録検査機関名 特定電気用品のみ。検査を行った登録機関名
📌 試験で問われるポイント
「登録検査機関の名称」が表示されるのは特定電気用品(菱形)だけです。丸PSE(特定以外)は自主検査なので、検査機関名の表示はありません。

🚫 PSE表示違反のペナルティ

PSE表示がない電気用品を販売することは違法です。違反した場合、以下のペナルティがあります。

違反内容 罰則
無届出の製造・輸入 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
PSE表示のない製品販売 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
💡 シラスの体験談
数年前、フリマアプリで売られていた中古のモバイルバッテリーが「PSEマークなし」で問題になりました。販売事業者だけでなく、個人売買でも事業として継続的に行えば規制対象になり得るという認識が、ニュースで広まった事例ですね。

📝 過去問パターン徹底分析

電気用品安全法は、頻出度は中程度ですが、出題される時は確実に得点したい分野です。出題パターンは2つに絞られます。

出題年度 問題番号 出題テーマ
平成20年度 問1 電気用品安全法の目的と用語の定義
平成27年度 問2 特定電気用品とPSE表示の判定

🎯 頻出する2つの観点

観点①:特定電気用品 vs 特定以外の判定
具体的な品目名を提示して「これは特定電気用品か?」と問われるパターン。電線・コンセント・プラグなどの配線関連が特定、テレビ・冷蔵庫・LED電球などの家電製品が特定以外、と覚えれば即答できます。

観点②:PSE表示の意味と義務
「菱形と丸のどちらが特定電気用品か?」「販売事業者は何をしてはいけないか?」など、表示制度の理解を問うパターン。「菱形=特定=危険度高=第三者検査必要」のセットで覚えましょう。

🎯 理解度テスト(過去問チャレンジ)

📋 出題:平成27年度 法規 問2(要約)

次の文章は「電気用品安全法」に関する記述である。最も不適切なものはどれか。

  1. 電気用品の製造または輸入の事業を行う者は、事業開始の日から30日以内に、経済産業大臣に届け出なければならない。
  2. 特定電気用品とは、構造または使用方法その他の使用状況からみて、特に危険または障害の発生するおそれが多い電気用品である。
  3. 特定電気用品には菱形のPSEマーク、特定電気用品以外の電気用品には丸形のPSEマークを表示する。
  4. 特定電気用品以外の電気用品については、登録検査機関の適合性検査を受けなければならない。
  5. 販売事業者は、PSEマークの表示がない電気用品を販売してはならない。
▼ 解答と解説を見る

正解:4

各選択肢の判定:

① ○:正しい。事業開始から30日以内に経産大臣へ届出が必要。
② ○:正しい。特定電気用品の定義そのまま。
③ ○:正しい。菱形=特定、丸=特定以外。
×:不適切(正解)。登録検査機関の適合性検査が必要なのは特定電気用品のみ。特定以外は自主検査でOK
⑤ ○:正しい。PSE未表示品の販売は禁止。

本記事の「製造・輸入・販売の3者規制」の章結論ファーストの比較表で解説した、「特定=第三者検査、特定以外=自主検査」の対比が問われています。
「特定以外も第三者検査が必要」という選択肢は、頻出する典型的な引っ掛けパターンです。

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 公表問題

🗺️ 電験三種・法規シリーズの全体地図

あなたが今読んでいるのは第11回 / 全68回です。

Chapter 0:法規の全体像と勉強戦略(全3記事)
Chapter 1:電気事業法とその他の法規(全14記事)
Chapter 2:電気設備の技術基準(全29記事)
Chapter 3:電気施設管理・B問題対策(全15記事)
Chapter 4:演習・直前対策(全5記事)
Chapter 5:法令改正対応(全2記事)

📚 次に読むべき記事

▶ 次の記事(第12回)

電気関係報告規則の事故報告|「速報24時間・詳報30日」の覚え方

事故が起きた時の報告ルール。24時間・30日のセットを語呂で覚えましょう。

🗺️ 全体マップへ戻る

【2026年完全版】電験三種「法規」完全攻略ロードマップ

全68ステップを俯瞰して、学習の現在地と次に進むべき道を確認しましょう。

📚 Chapter 1総まとめ

電気保安4法を1記事で総整理|電気事業法・工事士法・工事業法・用品安全法

4つの法律の違いを一覧で総まとめ。混乱しがちな4法の役割をスッキリ整理。

🔗 関連の保安4法

電気工事業法を完全攻略|登録・通知・主任電気工事士の違い

電気工事の事業者を規制する法律。電安法とセットで保安4法の理解を完成させましょう。

📝 この記事を書いた人

シラス(@shirasusolo)
30代メーカーエンジニア。電気主任技術者・QC検定保有。「soloblog」で電験三種・統計学を中心に、現場で使える知識を発信中。

最終更新:2026年5月16日 / 本記事は2026年5月時点の法令に基づいています。最新の改正情報は e-Gov法令検索 で必ずご確認ください。

📚 参考文献・一次情報
  • 電気用品安全法(e-Gov法令検索)
  • 経済産業省「特定電気用品(116品目)一覧」
  • 経済産業省「特定電気用品以外の電気用品(341品目)一覧」
  • (一財)電気技術者試験センター 公表問題
  • オーム社「完全マスター電験三種受験テキスト 法規」

タグ

-法規科目の解説
-