電気工事士法の問題、「資格の種類が多すぎてどれが何をできるか覚えられない」と頭を抱えていませんか?実は、覚えるべきポイントは"作業範囲のマトリックス1枚"だけ。これさえ頭に入れば、過去問パターンはほぼ全部解けるようになります。
😩 こんな悩みはありませんか?
- 第一種・第二種・特種・認定の違いがごちゃごちゃで覚えられない
- 「自家用」と「一般用」電気工作物の境界が曖昧
- 「ネオン工事」「非常用予備発電装置工事」って結局なに?
- 電気事業法の自家用と、電気工事士法の自家用は同じ?違う?
💡 この記事を読めばわかること
- 電気工事士法の目的と、規制対象となる「電気工作物」の範囲
- 4つの資格区分の作業範囲を1枚のマトリックス表で整理
- 「自家用」の定義が事業法と工事士法で異なる理由
- 過去問パターン3問(R6下・H29・H26)の解答ポイント
目次
⚡ 結論:4つの資格を1枚のマトリックス表で覚える
電気工事士法の試験問題は、究極的にこの「資格 × 電気工作物」のマトリックスを覚えれば9割解けます。
| 資格 | 一般用 電気工作物 |
自家用(500kW未満) 簡易電気工事 |
自家用(500kW未満) 特殊電気工事 |
自家用(500kW未満) その他 |
|---|---|---|---|---|
| 第一種電気工事士 | ○ | ○ | × | ○ |
| 第二種電気工事士 | ○ | × | × | × |
| 認定電気工事従事者 | × | ○ | × | × |
| 特種電気工事資格者 | × | × | ○ | × |
覚え方のコツ:「第一種は特殊以外なんでもできる」「第二種は家庭用のみ」「認定は簡易だけ」「特種は特殊だけ」。この4文だけ唱えれば、表全体が頭に再現できます。
📖 電気工事士法の目的:そもそも何を守る法律?
電気工事士法は1960年(昭和35年)に制定された、電気工事の安全を守るための法律です。第1条の目的を一言でいうと、こうです。
「電気工事をする人の"資格"と"義務"を決めて、欠陥工事による感電・火災・停電を防ごう」
📋 第1条の条文構造
電気工事士法 第1条には、たった2つの要素しかありません。
| 条文の構成 | 中身 |
|---|---|
| 手段 | 電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定める |
| 目的 | 電気工事の欠陥による災害の発生を防止すること |
電気工事士法の目的は「災害の発生を防止」です。「電気の使用者の利益保護」と書いてあったら間違い(それは電気事業法)。「公共の福祉の増進」も間違い。"災害防止"の一点突破です。
🏭 なぜ"資格制"にする必要があるのか?
電気工事は、ひとつ間違えれば命に関わります。配線の接続が緩んでいれば発熱して火災になりますし、接地工事が不十分なら漏電で感電死亡事故が起きます。
そこで法律は「電気工事は誰でも自由にできるわけではない」と定めました。一定のレベル以上の知識と技能を持つ人にだけ、工事を認める仕組みです。これが資格制度の根本思想です。
私が工場の設備担当として配属された時、先輩から「コンセント1つ増設するのも、無資格でやったら法律違反だぞ」と言われて驚きました。電気工事士法は、工場の現場でも実際に運用されているリアルなルールなんです。

🔌 規制対象:電気工事士法における"電気工作物"の分類
資格区分の話に入る前に、絶対に押さえておくべきポイントがあります。それは「電気工事士法が規制する電気工作物の範囲」です。ここを曖昧にしたまま進むと、必ずどこかで詰まります。
📊 電気事業法と電気工事士法の"自家用"の違い
多くの受験者がつまずくのが、「電気事業法の自家用」と「電気工事士法の自家用」は範囲が違うという点です。図で整理しましょう。
| 区分 | 電気事業法での扱い | 電気工事士法での扱い |
|---|---|---|
| 一般用電気工作物 | 一般用 | 一般用 |
| 小規模事業用電気工作物 | 小規模事業用 (事業用の一種) |
一般用 (工事士法では一般用に含む) |
| 自家用(500kW未満) | 自家用 | 規制対象(自家用) |
| 自家用(500kW以上) | 自家用 | 規制対象外 |
⚠️ 最重要ポイント:500kW以上の自家用は、電気工事士法の規制対象外
つまり、大規模工場(500kW以上の受電設備)の電気工事は、電気主任技術者の監督下なら無資格者でも工事可能です。これは電験三種で頻出する超重要ポイント。
なぜ500kW以上は規制対象外なのか?それは、大規模設備には電気主任技術者の選任が義務付けられているからです。プロが監督しているなら、わざわざ工事士法で二重に規制する必要はない、という考え方ですね。

👷 4つの資格区分を1つずつ詳しく見る
それでは、結論で示した4つの資格を1つずつ深掘りしていきます。それぞれの「できる工事」「免状の取り方」「狙われるポイント」を整理します。
🔹 ① 第一種電気工事士
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業範囲 | 一般用+自家用(500kW未満)の電気工事 ※ただし特殊電気工事は除く |
| 免状交付 | 試験合格+実務経験3年以上(または5年以上) |
| 定期講習 | 5年以内ごとに受講義務あり |
| 具体例 | 中規模工場・ビル・店舗のキュービクル下流の工事 |
🔹 ② 第二種電気工事士
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業範囲 | 一般用電気工作物のみ (一般家庭・小規模店舗の屋内配線、コンセント増設など) |
| 免状交付 | 試験合格のみ(実務経験不要) |
| 定期講習 | 義務なし |
| 具体例 | 住宅のコンセント増設、照明器具交換、エアコン専用回路の新設 |
🔹 ③ 認定電気工事従事者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業範囲 | 自家用電気工作物(500kW未満)のうち簡易電気工事のみ (=低圧部分の工事=600V以下) |
| 資格取得 | 第二種電気工事士+3年以上の実務経験 または、認定講習修了 |
| 試験 | 試験なし(申請・講習) |
| 具体例 | 工場の100V/200V配線、キュービクル2次側の低圧部分 |
自家用電気工作物のうち、600V以下で使用する電気設備に関する工事のことです。要するに「自家用設備の低圧側だけ」と覚えてください。高圧の幹線や受電設備の工事はできません。
🔹 ④ 特種電気工事資格者
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作業範囲 | 自家用電気工作物(500kW未満)のうち特殊電気工事のみ ①ネオン工事 ②非常用予備発電装置工事 |
| 資格取得 | 認定講習+実務経験5年以上、または所定の学歴・資格保持者 |
| 試験 | 試験なし(認定講習) |
| 具体例 | 看板のネオン管設置、病院や工場の非常用ディーゼル発電機の据付 |
⚠️ 試験で最頻出の罠:
「第一種電気工事士は特殊電気工事もできる」と書いてあったら×。第一種でも特殊電気工事(ネオン・非常用発電装置)はできません。これは試験で本当によく出ます。

📜 電気工事士の義務:免状携帯から記名義務まで
電気工事士法は資格制度だけでなく、工事士の「義務」も定めています。試験では作業範囲ばかりに目が行きがちですが、義務関連の出題もあります。
✅ 主な義務一覧
| 義務 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 電気設備技術基準遵守 | 技術基準に適合するよう作業すること | 第5条 |
| 免状の携帯 | 作業時は免状を携帯しなければならない | 第5条 |
| 定期講習 | 第一種は5年以内ごとに講習を受ける | 第4条の3 |
| 経産大臣への報告 | 求められた場合、報告書を提出する義務 | 第9条 |
「第一種電気工事士は5年以内ごとに定期講習を受ける義務がある」
「第二種電気工事士には定期講習の義務はない」
この2点の対比が頻出。第二種だけ免除されている、と覚えましょう。

📝 過去問パターン徹底分析
電気工事士法は、法規の中でも安定して出題される定番テーマです。出題形式はほぼ決まっており、対策しやすい分野でもあります。
| 出題年度 | 問題番号 | 出題テーマ |
|---|---|---|
| 平成26年度 | 問3 | 電気工事士の作業範囲(特殊電気工事の区分) |
| 平成29年度 | 問2 | 電気工事士法の目的と用語の定義 |
| 令和6年度下期 | 問2 | 資格別の作業範囲(マトリックス問題) |
🎯 出題パターンの3つの特徴
パターン①:「○○できる/できない」の正誤問題
「第二種電気工事士は自家用電気工作物の工事ができる」のような、作業範囲を入れ替えた選択肢を見破る問題が定番。マトリックス表を頭に入れていれば即答可能です。
パターン②:用語の定義を問う穴埋め
「電気工事士法において、( ア )とは○○である」という穴埋め。「一般用電気工作物」「自家用電気工作物」「特殊電気工事」の定義を正確に覚えておくことが重要。
パターン③:「500kW以上」の罠
「自家用電気工作物(500kW以上)の電気工事は、第一種電気工事士でなければ従事できない」という選択肢があれば誤り。500kW以上は工事士法の規制対象外です。

🎯 理解度テスト(過去問チャレンジ)
📋 出題:平成29年度 法規 問2(要約)
「電気工事士法」に基づき、自家用電気工作物(最大電力500kW未満)の電気工事の作業に従事することができる者として、適切なものはどれか。
- 第二種電気工事士は、自家用電気工作物の電気工事のすべてに従事することができる。
- 認定電気工事従事者は、自家用電気工作物のうち特殊電気工事に従事することができる。
- 第一種電気工事士は、自家用電気工作物の特殊電気工事を除く電気工事に従事することができる。
- 特種電気工事資格者は、自家用電気工作物のすべての電気工事に従事することができる。
- 第一種電気工事士免状の交付を受けた者は、定期講習を受ける義務はない。
▼ 解答と解説を見る
正解:3
各選択肢の解説:
① ×:第二種電気工事士は一般用電気工作物のみ従事可能。自家用は不可。
② ×:認定電気工事従事者は簡易電気工事のみ。特殊電気工事は不可。
③ ○:正解。第一種電気工事士は特殊電気工事「以外」の自家用工事に従事できる。
④ ×:特種電気工事資格者は特殊電気工事のみ。すべては不可。
⑤ ×:第一種は5年以内ごとの定期講習義務あり。
本記事の冒頭のマトリックス表と「4つの資格区分」で解説した内容そのものです。マトリックスを覚えていれば即答できる典型問題。
出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 公表問題

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📝 この記事を書いた人
シラス(@shirasusolo)
30代メーカーエンジニア。電気主任技術者・QC検定保有。「soloblog」で電験三種・統計学を中心に、現場で使える知識を発信中。
最終更新:2026年5月16日 / 本記事は2026年5月時点の法令に基づいています。最新の改正情報は e-Gov法令検索 で必ずご確認ください。
- 電気工事士法(e-Gov法令検索)
- 経済産業省「電気工事士法の逐条解説」
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- (一財)電気技術者試験センター 公表問題・特種電気工事資格者認定講習
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