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統計検定は、日本統計学会公式認定の統計の検定で、4級・3級・2級・準1級・1級があります。級ごとの試験時間・問題数・合格基準は4級〜1級の違い、QC検定とどちらを先に受けるかはQC検定との違いへ。

統計検定とは?日本統計学会公式認定の「統計の力」の試験
統計検定は、データを集めて、まとめて、そこから判断する力を、級ごとに確かめる試験です。日本統計学会の公式認定で、運営は一般財団法人 統計質保証推進協会が行っています。種別は大きく3つの系統に分かれます。
| 系統 | 種別 | 内容のイメージ |
|---|---|---|
| 統計学の級 | 4級・3級・2級・準1級・1級 | 統計学そのものの理解度。級が上がるほど、推定・検定・回帰などの手法と、その使い方が深くなる |
| 調査士系 | 統計調査士・専門統計調査士 | 公的統計の調査のしかたや、統計データの利活用 |
| データサイエンス系 | データサイエンス基礎・発展・エキスパート | データを扱う道具(表計算など)や、データサイエンスの考え方 |
製造業の品質の仕事で役に立つのは、主に「統計学の級」です。この記事でも、ここから先は4級〜1級を中心に説明します。

4級〜1級の違い|試験時間・問題数・合格基準・受験料
統計検定の公式サイトの各級のページ(この記事を書いた時点)をまとめると、次のとおりです。受験料は税込の一般価格で、学割価格もあります。
| 級 | 試験時間 | 問題数・形式 | 合格基準 | 受験料(一般) |
|---|---|---|---|---|
| 4級 | 60分 | 30問程度・4〜5肢選択 | 100点満点で60点以上 | 5,000円 |
| 3級 | 60分 | 30問程度・4〜5肢選択 | 100点満点で65点以上 | 6,000円 |
| 2級 | 90分 | 35問程度・4〜5肢選択 | 100点満点で60点以上 | 7,000円 |
| 準1級 | 90分 | 25〜30問・5肢選択と数値入力 | 100点満点で60点以上 | 8,000円 |
| 1級 | 統計数理90分+統計応用90分 | 論述式(5問から3問を選ぶ) | 統計数理と統計応用の両方に合格 | 各8,000円(同時受験12,000円) |
CBT方式とは?
準1級〜4級はCBT方式(Computer Based Testing:全国のテストセンターのパソコンで受ける方式)です。決まった1日に全員が受ける紙の試験と違い、会場と日時を自分で選んで予約できます。仕事の繁忙期を避けて受けられるのは、社会人にとって大きな利点です。
1級だけは紙の試験(PBT方式)で、統計数理と、分野(人文科学・社会科学・理工学・医薬生物学)を1つ選ぶ統計応用の2つの試験があります。実施は年1回で、日程は公式サイトで案内されます。
級の目安と、統計学をどの順番で学ぶかの対応がわかります

統計検定とQC検定の違い
製造業で品質の仕事をしていると、「QC検定と統計検定、どちらを受ければいいのか」で迷います。2つは、似ているようで出題の中心が違います。
| 比べるところ | QC検定(品質管理検定) | 統計検定(統計学の級) |
|---|---|---|
| 何を問う試験か | 品質管理の考え方と手法。管理図・工程能力・QC7つ道具に加えて、品質保証のしくみや改善の進め方も出る | 統計学そのもの。確率分布・推定・検定・回帰などを、理由まで含めて問う |
| 実施する団体 | 日本規格協会(QC検定センター) | 統計質保証推進協会(日本統計学会公式認定) |
| 試験の方式 | 1級・2級は筆記で年2回。3級・4級は第40回からCBT | 準1級〜4級はCBT。1級は年1回の筆記 |
| 品質の仕事での使いどころ | 帳票づくり・不良対策・監査の説明など、毎日の品質業務の土台 | 実験の計画、データの比較、回帰による予測など、データ分析を深める場面 |
重なっている部分もあります。QC検定2級でも、検定・推定・相関と回帰・管理図の計算が出ます。つまり、QC検定2級の統計の部分をしっかり学ぶと、統計検定2級の半分近くの土台ができる、と考えるとイメージしやすいです(重なりの量は筆者の見立てです)。
QC検定の級ごとの評価と、どの級を目指すかの選び方がわかります

製造業の品質担当なら、どの級から受ける?
ここからは筆者の考えです。品質保証と電気設計の仕事を10年続けてきた経験から、目的ごとに次の順番をおすすめします。
| あなたの目的 | おすすめの順番 | 理由 |
|---|---|---|
| 品質の仕事に就いたばかりで、まず全体をつかみたい | QC検定3級 → QC検定2級 | 品質の仕事に必要な言葉と手法を、まとめて覚えられる |
| 不良の原因をデータで説明したい・実験の結果を判断したい | QC検定2級 → 統計検定2級 | 検定・推定・回帰を、式の意味から理解できるようになる |
| 統計の基礎から学び直したい(数学に苦手意識がある) | 統計検定3級 → 2級 | 3級で、データのまとめ方とグラフ、確率の入口を固められる |
| データ分析を専門の仕事にしたい | 統計検定2級 → 準1級 | 多変量解析など、2級より広い手法とその使い分けまで進める |

統計検定2級の出題範囲と、学ぶ順番
2級の出題範囲は、公式サイトでは「3・4級の内容に加え、1変数データ、2変数以上のデータ、推測のためのデータ収集法、確率、確率分布、標本分布、推定、仮説検定、カイ二乗検定、線形モデル」と書かれています。項目ごとに、このブログで学べる記事を並べると次のとおりです(対応は筆者の整理です)。
| 2級の出題範囲 | 中身のイメージ | このブログの記事 |
|---|---|---|
| 1変数データ | 平均・中央値・分散・標準偏差、箱ひげ図 | 平均値とは/中央値とは/標準偏差とは |
| 2変数以上のデータ | 散布図・相関係数・回帰直線 | 散布図の見方と相関係数/単回帰分析の超入門 |
| 確率・確率分布 | 二項分布・ポアソン分布・正規分布 | 二項分布とは/ポアソン分布とは/正規分布とは |
| 標本分布 | 標本平均のばらつき、t分布・カイ二乗分布 | 標準誤差とは |
| 推定 | 母平均・母比率の区間推定 | 母平均の区間推定 |
| 仮説検定 | 帰無仮説・P値・t検定 | 仮説検定とは/P値と有意水準αの違い/t検定 |
| カイ二乗検定 | 適合度の検定・独立性の検定 | カイ二乗検定の棄却域 |
| 線形モデル | 最小二乗法・回帰分析 | 最小二乗法とは/重回帰分析とは |
2級の範囲のうち、品質管理でよく使うのは、推定・検定と回帰です。工程の改善前後で平均に差があるか(t検定)、不良率が下がったと言えるか(母比率の検定)、条件と結果の関係を式にできるか(回帰分析)といった判断に、そのまま使えます。
帰無仮説・P値・有意水準を、手順5ステップの例題で確かめられます

統計検定でよくある勘違い
| よくある勘違い | 実際は |
|---|---|
| 「統計検定」は t検定やカイ二乗検定のこと | 統計検定は資格試験の名前。t検定などの「検定手法」とは別のもの。手法の選び方は検定手法の選び方の記事で |
| 全部の級が年に1回の試験 | 準1級〜4級はCBTで、会場と日時を選んで受けられる。年1回の筆記は1級だけ |
| 合格基準はどの級も60点 | 3級だけ65点以上。1級は統計数理と統計応用の両方の合格が必要 |
| QC検定2級を持っていれば統計検定2級は勉強しなくてよい | 検定・回帰などは重なるが、統計検定は確率分布や標本分布を理由まで深く問う。重ならない部分を学び足す必要がある |
| 受験料は一度調べれば変わらない | 改定されることがある。申し込む前に公式サイトで確かめる |
つまり、統計検定は「統計学の理解度を級で示す資格」で、品質の仕事では、QC検定で身につけた手法を、統計の理屈から説明できるようにする役目を持っています。

よくある質問


