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- Z検定・t検定・F検定・カイ二乗検定のどれを使えばいいのかわからない
- F検定をしてからt検定?ウェルチ?と順番で迷う
- 「対応あり」「対応なし」の見分け方があいまい
- データの種類から使う検定手法までを4つの質問でたどるフローチャート
- 計量値(平均・ばらつき)と計数値(比率・度数)の検定の使い分け
- 迷ったときに見返せる、検定手法の一覧表
検定手法の選び方は、①データが計量値(測ったもの)か計数値(数えたもの)か、②母分散がわかっているか、③2つのデータに対応があるか、④2つのグループの分散が等しいか、の4つの質問で決まります。計量値の平均の比較なら多くはt検定(対応ありなら対応のあるt検定、分散が違えばウェルチのt検定)、計数値の比率なら母比率のZ検定、度数のずれや関係ならカイ二乗検定を使います。
教科書は手法ごとに章が分かれているので、「どの場面でどれを使うか」を横断して整理したページは意外と少ないものです。この記事では、迷いやすい検定選びを、4つの質問だけでゴールまでたどれるフローチャートにまとめました。QC検定の勉強の見直しにも、実務でデータを比べるときのハンドブックにも使えます。
なお、資格試験の「統計検定」(日本統計学会公式認定の検定試験)のことではなく、統計の検定手法(t検定・カイ二乗検定など)の選び方の記事です。
質問1:データの種類は「計量値」か「計数値」か?
すべての分岐点はここから始まります。あなたが扱っているデータは、「測ったもの」ですか? それとも「数えたもの」ですか?
長さ、重さ、時間、温度、強度など。
→ 「平均値」や「バラつき」を比べたいならこっち。
不良数、欠点数、人数、〇×判定など。
→ 「比率(%)」や「回数」を比べたいならこっち。
ルートA:「計量値」の検定マップ(平均・バラつき)
大半のエンジニアが使うのがこちらです。「平均値」を検定する場合、さらに細かい分岐があります。
質問2:母分散(真のバラつき)を知っていますか?
- YES(知っている)
- Z検定を使います。
- ※ただし、これは「神様の視点」なので実務ではほぼ使いません。試験上の概念です。
- NO(知らない)
- データから標準偏差を計算しますか? ならばt検定の出番です。
- 実務も試験も、99%はこちらのルートに進みます。
質問3:2つのデータに「対応」はありますか?
t検定を行う際、ここが最大の落とし穴です。
同一の対象から取ったペアデータのことです。
例:Aさんの「ダイエット前」と「ダイエット後」の体重。
逆に「対応なし」は、全く別の個体同士の比較です。
例:A組(男子)の身長と、B組(女子)の身長。
- YES(対応あり)
- 「対応のあるt検定」へ。
- 個体差(ノイズ)を打ち消して、純粋な差を検定します。
- NO(対応なし)
- 「2標本のt検定」へ。
- ただし、ここで最後の関門があります。「2つのグループのバラつき(分散)は同じですか?」
質問4:等分散ですか?(対応なしの場合)
ここで、まず「F検定」という前座が登場します。
- F検定を行う。
- 有意差なし(等分散と言える)
- 「スチューデントのt検定」へ。(分散をプールする)
- 有意差あり(等分散と言えない)
- 「ウェルチのt検定」へ。(分散をプールしない)
ルートB:「計数値」の検定マップ(比率・度数)
こちらはデータが「数えられる」場合です。シンプルですが、サンプル数(n)の大きさで道が分かれます。
パターン1:比率(%)を検定したい
「不良率が5%から3%に減ったと言えるか?」など。
- サンプル数が多い(np>5)
- 「母比率の検定(Z検定)」へ。
- 二項分布を正規分布に近似させて解きます。QC検定の定番です。
- サンプル数が少ない
- 検定は難しいですが、あえてやるなら「フィッシャーの正確確率検定」などを使います。
パターン2:度数(回数)やズレを見たい
「サイコロの目は公平か?」「タバコと肺がんに関係はあるか?」など。
- 1つの変数の偏りを見る
- 「適合度の検定(カイ二乗検定)」へ。
- 理論値(期待度数)と実測値のズレを見ます。
- 2つの変数の関係を見る(クロス集計)
- 「独立性の検定(カイ二乗検定)」へ。
- 分割表(2×2表など)を使います。
まとめ:最強の選択フローチャート(保存版)
ここまでの話を一枚の表にまとめました。スマホに保存して、迷ったときにチラ見してください。
| データの種類 | 知りたいこと | 条件 | 使うべき検定手法 |
|---|---|---|---|
| 計量値 (連続量) |
バラつきの大きさ | 1つの群を判定 | カイ二乗検定 |
| バラつきの比較 | 2つの群を比較 | F検定 | |
| 平均値の比較 | 母分散が既知 | Z検定 | |
| 対応あり | 対応のあるt検定 | ||
| 対応なし・等分散 | t検定(Student) | ||
| 対応なし・非等分散 | ウェルチのt検定 | ||
| 計数値 (離散量) |
比率の比較 | サンプル大(np>5) | 母比率のZ検定 |
| 適合度 | 理論値とのズレ | カイ二乗検定 | |
| 独立性 | 2変数の関係性 | カイ二乗検定 |
統計的仮説検定は、計算式を覚えることよりも、「今、どの道を歩いているのか?」を把握することの方が何倍も重要です。
この地図さえ手元にあれば、どんな問題が出ても「ああ、あのルートね」と冷静に対処できるはずです。
検定手法の選び方の土台になる統計学を、本でじっくり学び直したいときに向いています。統計学を独学で学べるように書かれた入門書です(ダイヤモンド社、小島寛之 著)。
QC検定2級の受験を考えているなら、過去問で出題のされ方を確かめておきましょう。QC検定2級の過去問題を、解説つきで学べる問題集です(日本規格協会、2026年版)。
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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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