💭 こんな悩みはありませんか?
- 等価回路って何?なんで必要なの?
- r₁、x₁、r₂、x₂...記号が多すぎて混乱する
- r₂/s って何?なんで滑りで割るの?
✅ この記事の結論
等価回路は「モーターを電気回路に翻訳したもの」です。家の間取り図のように、複雑なモーターの中身を「見える化」する道具なんです!
📚 誘導機シリーズ(全8回)
2-1 原理 → 2-2 滑り → 2-3 比例推移 → 2-4 トルクと出力 → 2-5 等価回路 → 2-6 始動法 → 2-7 速度制御 → 2-8 単相誘導電動機
目次
🏠 等価回路とは?|家の間取り図でイメージ!
「等価回路」と聞くと難しそうですが、実は家の間取り図と同じ考え方なんです。
間取り図はなぜ必要?
🏠
実物の家
複雑で全体像が見えにくい
中に入らないとわからない
📐
間取り図
シンプルに「見える化」
紙の上で全体を把握できる
誘導電動機も同じです!
🔧
実物のモーター
中身が見えない
計算しにくい
📊
等価回路
電気回路で「見える化」
計算できる!
💡 つまり等価回路とは...
「モーターの動きを、抵抗やコイルで表現した電気回路」のこと。これがあれば、オームの法則で電流や電力が計算できます!

🔧 モーターの3つの部分|等価回路の部品になる!
誘導電動機は、大きく3つの部分に分けられます。これがそのまま等価回路の部品になります!
① 一次側(固定子)|電気が入る側
🔌
一次側 = コンセント側
電源から電気を受け取る部分。固定子(ステータ)のコイルがここにあります。
等価回路では:r₁(抵抗)と x₁(リアクタンス)で表す
② 励磁回路|磁界を作る部分
🧲
励磁回路 = 磁石を作る部分
回転磁界を作るために必要な部分。鉄心で磁界を強めています。
等価回路では:g₀(コンダクタンス)と b₀(サセプタンス)で表す
③ 二次側(回転子)|実際に回る側
⚙️
二次側 = 回転する側
誘導電流が流れて、実際に回転する部分。回転子(ロータ)がここです。
等価回路では:r₂(抵抗)と x₂(リアクタンス)で表す
📋 モーターと等価回路の対応表
| モーターの部分 | 役割 | 等価回路の記号 |
|---|---|---|
| 一次側(固定子) | 電気を受け取る | r₁、x₁ |
| 励磁回路 | 磁界を作る | g₀、b₀ |
| 二次側(回転子) | 回転する | r₂、x₂ |

🎯 超重要!r₂/s の意味|滑りで割るのはなぜ?
等価回路で一番のポイントはr₂/s(アールツーオーバーエス)です。
なぜ抵抗を滑りで割るのか?これをイメージで理解しましょう!
ホースの水圧でイメージ!
🚿 ホースで水をまくイメージ
ホースの先をギュッと絞ると、水の勢いが強くなりますよね。
💧
ホースを開けっ放し
水がドバドバ出る
(抵抗小さい)
💦
ホースを絞る
水の勢いが強くなる
(抵抗大きい)
誘導電動機も同じです!
⚡ 滑りと抵抗の関係
滑り s が大きい(始動時)
s = 1 のとき → r₂/s = r₂/1 = r₂
抵抗が小さい → 電流がたくさん流れる
滑り s が小さい(通常運転)
s = 0.05 のとき → r₂/s = r₂/0.05 = 20r₂
抵抗が大きい → 電流が少なくなる
🌟 超重要ポイント 🌟
r₂/s は「見かけ上の抵抗」を表す!
滑りが小さいほど「見かけの抵抗」が大きくなり、電流が減る。だから通常運転では電流が小さいのです!
r₂/s を分解すると...
r₂/s は、実は2つの成分に分けられます。
r₂/s = r₂ + r₂(1-s)/s
| 成分 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| r₂ | 実際の抵抗 (銅損になる) |
🔥 熱として逃げる |
| r₂(1-s)/s | 機械的な負荷 (出力になる) |
⚙️ 仕事に使われる |
💡 ポイント:r₂ は熱(ロス)、r₂(1-s)/s は仕事(出力)。この分け方は、前回学んだ P₂:P:Pc = 1:(1-s):s と一致しています!

📊 等価回路の全体像|つなげて見てみよう
ここまで学んだことを、1つの回路図にまとめてみましょう。
等価回路の構成
🔌
電源
V₁
一次側
r₁(抵抗)
x₁(リアクタンス)
励磁回路
g₀(コンダクタンス)
b₀(サセプタンス)
二次側
r₂/s(見かけの抵抗)
x₂(リアクタンス)
電気は左から右へ流れて、最終的に回転エネルギーになる
各部品のおさらい
| 記号 | 名前 | 役割 | イメージ |
|---|---|---|---|
| r₁ | 一次抵抗 | 一次コイルの抵抗 | 🔥 熱になる |
| x₁ | 一次リアクタンス | 一次コイルの誘導性 | 🌀 磁界を作る |
| g₀ | 励磁コンダクタンス | 鉄損を表す | 🔥 鉄心の発熱 |
| b₀ | 励磁サセプタンス | 磁化電流を表す | 🧲 磁界を作る |
| r₂/s | 二次換算抵抗 | 銅損+機械出力 | 🔥+⚙️ |
| x₂ | 二次リアクタンス | 二次コイルの誘導性 | 🌀 漏れ磁束 |
簡略化した等価回路もある!
実際の試験では、簡略等価回路(L形等価回路)がよく使われます。
✅ L形等価回路のポイント
- 励磁回路を電源側に移動(近似)
- 計算がシンプルになる
- 試験ではこちらが主流

🧠 覚え方のコツ
🎵 語呂合わせ:「イチニ(1次2次)の間に磁石あり」
等価回路の構成:
一次側(r₁、x₁)→ 励磁回路(磁石を作る)→ 二次側(r₂/s、x₂)
🚿 r₂/s の覚え方:「ホースを絞ると勢いが増す」
滑り s が小さい → r₂/s が大きい → 電流が小さい
滑り s が大きい → r₂/s が小さい → 電流が大きい(始動時)
📝 まとめ
🏆 これだけ覚えて帰ろう!
| 等価回路とは | モーターを電気回路で表したもの |
| 3つの部分 | 一次側・励磁回路・二次側 |
| 最重要ポイント | r₂/s(滑りで割った抵抗) |
| r₂/s の意味 | r₂(銅損)+ r₂(1-s)/s(出力) |
📚 誘導機シリーズ 全記事一覧
| 2-1. 三相誘導電動機の原理 🔗 | 2-4. トルクと出力の関係 🔗 |
| 2-2. 滑り(すべり)🔗 | 2-5. 等価回路 🔗 |
| 2-3. 比例推移 🔗 | 2-6. 始動法 🔗 |
| 2-7. 速度制御法 🔗 | 2-8. 単相誘導電動機 🔗 |
変圧器の等価回路|考え方は同じ! →