機械科目の解説

トルクと出力の関係|P₂:P:Pc = 1:(1-s):s を完全マスター

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こんな悩みはありませんか?

  • P₂とかPとかPcとか、記号が多すぎて混乱する...
  • 1:(1-s):s って何?どう使うの?
  • トルクと出力の関係がイメージできない

○ この記事の結論

二次入力P₂は「お給料」、出力Pは「手取り」、銅損Pcは「税金」と考えれば一発で理解できます!

誘導機シリーズ(全8回)

2-1 原理 → 2-2 滑り → 2-3 比例推移 → 2-4 トルクと出力 → 2-5 等価回路 → 2-6 始動法 → 2-7 速度制御 → 2-8 単相誘導電動機

お給料で理解する!P₂・P・Pcの関係

まず、3つの記号の意味をお給料に例えて理解しましょう。

お給料のたとえ

P₂(二次入力)

= お給料(総支給額)

会社からもらう金額

P(出力)

= 手取り

実際に使えるお金

Pc(銅損)

= 税金

引かれてしまうロス

つまり、こういうことです。

基本の関係式

P₂ = P + Pc

お給料 = 手取り + 税金

お給料から税金を引いたら手取りになる。当たり前ですよね!

誘導電動機も同じで、二次入力から銅損(熱ロス)を引いたら出力(実際の仕事)になるのです。

黄金比!P₂:P:Pc = 1:(1-s):s

ここからが超重要!3つの量の比を覚えましょう。

魔法の比を覚えよう!

超重要公式

P₂ : P : Pc = 1 : (1-s) : s

二次入力 : 出力 : 銅損 = 1 : (1-滑り) : 滑り

この比を使えば、どれか1つがわかれば残り2つが計算できます!

具体例で理解しよう

滑り s = 0.05(5%)の場合を考えてみましょう。

s = 0.05 のとき

P₂ : P : Pc = 1 : (1-0.05) : 0.05

P₂ : P : Pc = 1 : 0.95 : 0.05

→ 二次入力の95%が出力、5%が銅損(熱ロス)になる!

お給料でイメージ!

お給料が100万円で、税率が5%だとすると...

P₂(お給料) 100万円 (100%)
P(手取り) 95万円 (95% = 1-s)
Pc(税金) 5万円 (5% = s)

滑り = 税率 と考えると覚えやすい!

なぜこの比になるの?

実は、この比は速度の比から来ています。

量 比 速度との関係
P₂(二次入力) 1 同期速度 Ns に対応
P(出力) 1-s 回転速度 N に対応
Pc(銅損) s 速度差 Ns-N に対応

変形公式をマスターしよう

比の公式から、いろんな計算式が導けます。

出力を求める公式

出力 P の公式

P = P₂(1 - s)

出力 = 二次入力 ×(1 - 滑り)

イメージ:手取り = お給料 ×(1 - 税率)

銅損を求める公式

銅損 Pc の公式

Pc = P₂ × s = P × s/(1-s)

銅損 = 二次入力 × 滑り

トルクと出力の関係

ここでもう一つ重要な公式があります。

出力とトルクの関係

P = T × ω [W]

P 出力 [W]
T トルク [N·m]
ω 角速度 [rad/s] = 2πN/60

自転車でイメージ!

出力 P = どれだけ仕事をしているか

トルク T = ペダルを踏む力

角速度 ω = ペダルの回転速度

強く踏んで(T大)、速く回す(ω大)ほど、たくさん仕事(P大)ができる!

公式まとめ

求めたいもの 公式
出力 P P = P₂(1-s) = T×ω
銅損 Pc Pc = P₂×s
二次入力 P₂ P₂ = P + Pc = P/(1-s)
トルク T T = P/ω = P₂/ωs
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計算例|実際に解いてみよう!

例題1:出力と銅損を求める

問題

三相誘導電動機の二次入力が P₂ = 10 kW、滑りが s = 0.04(4%)のとき、出力 P と二次銅損 Pc を求めよ。

解答

Step 1:比を確認

P₂ : P : Pc = 1 : (1-s) : s = 1 : 0.96 : 0.04

Step 2:出力 P を計算

P = P₂ × (1-s) = 10 × 0.96 = 9.6 kW

Step 3:銅損 Pc を計算

Pc = P₂ × s = 10 × 0.04 = 0.4 kW(400 W)

検算:P + Pc = 9.6 + 0.4 = 10 kW = P₂

例題2:二次入力とトルクを求める

問題

4極、50Hzの三相誘導電動機が、滑り s = 0.05 で運転し、出力が P = 5.7 kW である。二次入力 P₂ とトルク T を求めよ。

解答

Step 1:二次入力 P₂ を計算

P = P₂(1-s) より

P₂ = P / (1-s) = 5.7 / 0.95 = 6 kW

Step 2:回転速度 N を計算

Ns = 120f/p = 120×50/4 = 1500 min⁻¹

N = Ns(1-s) = 1500×0.95 = 1425 min⁻¹

Step 3:角速度 ω を計算

ω = 2πN/60 = 2π×1425/60 = 149.2 rad/s

Step 4:トルク T を計算

T = P/ω = 5700/149.2 = 38.2 N·m

エネルギーの流れを理解しよう

最後に、誘導電動機の中でエネルギーがどう流れるかを見てみましょう。

エネルギーフロー図

P₁

一次入力

→

一次銅損
鉄損

→

P₂

二次入力

→

Pc
二次銅損

→

P

機械出力

電気エネルギーが段階的に機械エネルギーに変換される

ポイント:今回の記事で扱ったのは、P₂(二次入力)から先の部分です!

覚え方のコツ

語呂合わせ:「給料から税金引いたら手取り」

P₂(二次入力) = 給料(100%)
Pc(銅損) = 税金(s%)
P(出力) = 手取り((1-s)%)

まとめ

これだけ覚えて帰ろう!

基本の関係 P₂ = P + Pc
黄金比 P₂ : P : Pc = 1 : (1-s) : s
出力の公式 P = P₂(1-s) = T×ω
イメージ 給料 = 手取り + 税金
この記事の理解を深める本と道具
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シラス
電験三種 / QC検定1級 / パワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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