- 「v = Vm sin ωt」の sin って何? そこから分からない…
- 高校の授業で三角関数が出てきた瞬間、頭が真っ白になった
- sin、cos、tan…3つもあってどれがどれか覚えられない
- 電験三種の参考書を開いたらsinθが当たり前のように出てきて絶望した
- sin・cos・tanは「直角三角形の辺の比」だった(たったそれだけ!)
- 3つの覚え方は「筆記体sの法則」で一発暗記
- 「なぜ電気で sin が必要なのか?」を観覧車の例えで完全理解
- 電験三種で絶対に覚えるべき値は3つだけ(30°・45°・60°)
こんにちは、シラスです。
電験三種の勉強を始めた瞬間、いきなり「v = Vm sin ωt」という式が登場して「sin って何だっけ…?」とフリーズした経験、ありませんか?
安心してください。あなただけじゃありません。
実は、三角関数は「直角三角形の辺の長さの比率」を表しているだけなんです。中学校の数学がわかれば、誰でも理解できます。
この記事では、数学が苦手な方でも「あ、そういうことだったのか!」と腑に落ちるように、すべての概念を日常の例え話と図解で説明していきます。
この記事を読み終わる頃には、「v = Vmsinωtの式」を見ても、もうフリーズしなくなっているはずです。

目次
📐 そもそも三角関数って何?|「直角三角形の辺の比」です
三角関数と聞くと難しそうですが、正体はとてもシンプルです。
直角三角形の「角度」と「辺の長さの比率」の関係を表したもの
これだけです。三角関数とは、「角度がわかれば、辺の比率がわかる」という便利な道具なんです。
🏠 身近な例で考える:坂道の「傾き」
例えば、あなたが坂道を歩いているとしましょう。
坂道を真横から見ると、直角三角形ができますよね?
このとき、坂道の「角度(傾き)」がわかれば、「水平方向にどれだけ進んだか」「高さがどれだけ上がったか」の比率が自動的に決まります。
この「角度 → 辺の比率」の変換をやってくれるのが、sin・cos・tanの3つの関数なんです。
📏 直角三角形の「3つの辺」に名前をつける
三角関数を理解するには、まず直角三角形の辺に名前をつける必要があります。注目する角度を「θ(シータ)」とすると、3つの辺はこう呼びます。
| 辺の名前 | 英語 | どこにある? | 坂道の例え |
|---|---|---|---|
| 斜辺(しゃへん) | Hypotenuse | 直角の向かい側にある一番長い辺 | 坂道そのもの(歩く距離) |
| 対辺(たいへん) | Opposite | 角度θの向かい側にある辺 | 高さ(どれだけ上がったか) |
| 隣辺(りんぺん) | Adjacent | 角度θの隣にある辺 | 水平距離(どれだけ横に進んだか) |
「対辺」と「隣辺」は、どの角度に注目するかで変わります。常に「角度θの向かい側が対辺、θの隣が隣辺」と覚えてください。斜辺だけは、いつも一番長い辺(直角の向かい側)で固定です。

🎯 sin・cos・tanの定義|「筆記体sの法則」で一発暗記
3つの辺の名前がわかったところで、いよいよ sin・cos・tan の定義です。
📐 3つの定義を一気に覚える
「3つも覚えられない!」と思いましたか? 大丈夫です。最強の語呂合わせがあります。
✍️ 「筆記体sの法則」で一生忘れない
筆記体の「s」を書いてみてください。下から上へ、カーブを描きますよね?
この「s」の書き順が、sin → cos → tan の分子・分母の順番と完全に一致するんです。
s → c → t の順に
「対・斜」→「隣・斜」→「対・隣」
🎵 語呂合わせ:「サイン は たいしゃ、コサイン は りんしゃ、タンジェント は たいりん」
(退社 → 隣車 → 大リン)
もっとシンプルに覚えたい方は、こちらの語呂合わせもおすすめです。
「サインは、おーばーえいち」「コサインは、えーばーえいち」「タンジェントは、おーばーえー」
O = Opposite(対辺)、A = Adjacent(隣辺)、H = Hypotenuse(斜辺)
英語の頭文字を使った覚え方で、海外の学生はほぼ全員この方法で覚えています。
SOH-CAH-TOA(ソーカートア)と呼ばれ、世界中で使われている最強の覚え方です。
🧮 実際に計算してみよう|坂道で練習
ここで、具体的な数字を入れて計算してみましょう。
坂道を10m歩いたら、高さが6m上がり、水平方向に8m進んでいたとします。斜辺=10、対辺=6、隣辺=8 の直角三角形ですね。
sinθ = 対辺 ÷ 斜辺 = 6 ÷ 10 = 0.6
cosθ = 隣辺 ÷ 斜辺 = 8 ÷ 10 = 0.8
tanθ = 対辺 ÷ 隣辺 = 6 ÷ 8 = 0.75
たったこれだけです。辺の長さを割り算しただけ。三角関数の計算に特別な技術は一切いりません。
sinθもcosθも、「ある辺÷一番長い辺(斜辺)」なので、答えは絶対に1を超えません。計算結果が1を超えたら、どこか間違えているサインです。tanθだけは、1を超えることがあります。

📊 電験三種で必須!30°・45°・60°の値を完全暗記
三角関数の定義はわかった。でも、実際の試験では「sinθの値はいくつ?」と聞かれます。電卓が使えない電験三種では、代表的な角度の値を暗記しておくことが必須です。
でも安心してください。覚えるのは3つの角度だけです。
🗂️ 丸暗記すべき値の一覧表
| 角度θ | sinθ | cosθ | tanθ | 覚え方 |
|---|---|---|---|---|
| 0° | 0 | 1 | 0 | 傾き0°=平ら |
| 30° | 1/2 | √3/2 | 1/√3 | sinが1/2 |
| 45° | 1/√2 | 1/√2 | 1 | sin=cos(同じ) |
| 60° | √3/2 | 1/2 | √3 | cosが1/2 |
| 90° | 1 | 0 | ∞(定義なし) | 傾き90°=壁 |
🎵 覚え方:「sinは下から、cosは上から」
上の表をよく見てください。ある法則に気づきませんか?
sinθの値(角度が大きくなると…):
0 → 1/2 → 1/√2 → √3/2 → 1 📈 だんだん増える!
cosθの値(角度が大きくなると…):
1 → √3/2 → 1/√2 → 1/2 → 0 📉 だんだん減る!
👀 つまり、sinの値を逆順に読むと、cosの値になっている!
だからsinの値さえ覚えれば、cosの値は自動的にわかるんです。実質的に覚えるのは半分の量で済みますよ。
🧮 練習問題:暗記の確認テスト
【問題】 sin60° と cos30° の値をそれぞれ答えてください。
【答え】 どちらも √3/2 ≒ 0.866
「sinの値を逆順に読むとcosになる」の法則どおり、sin60° = cos30° です。この関係は sinθ = cos(90°-θ) という公式で表されます。

🎡 なぜ電気で「sin」が必要なのか?|観覧車で完全理解
「三角関数は直角三角形の比率」まではわかった。でも、なぜ電気回路で三角関数が出てくるのか?これが一番の疑問ですよね。
答えは、「交流は、円運動の影だから」です。
🎡 観覧車の実験:sinが波を作る
夜の遊園地で、観覧車を真横から見ている場面を想像してください。
観覧車のゴンドラ(あなたが乗っている箱)が回転すると、真横から見たときの「ゴンドラの高さ」はどう変化するでしょうか?
高さ = 0(中心と同じ)
高さ = 最大(てっぺん!)
高さ = 0(中心に戻った)
高さ = 最小(一番下!)
高さ = 0(1周して元の位置)
この「高さの変化」を横軸に時間、縦軸に高さでグラフにすると…なんと、正弦波(sinの波)ができあがるんです!
「円運動を真横から見た高さの変化」 = sinの波 = 交流の正弦波
つまり、発電所の発電機は「コイルを回転」させて電気を作っています。その回転運動を数式で表すと、自然と sin が登場するのです。交流電圧の正体は、回転運動の影なんですね。
⚡ 「v = Vm sinωt」の式が読める!
ここまでの知識を使えば、電験三種で最初にぶつかる壁「v = Vm sinωt」が完全に読めるようになります。
| 記号 | 意味 | 観覧車の例え |
|---|---|---|
| v | 今この瞬間の電圧(瞬時値) | ゴンドラの「今の高さ」 |
| Vm | 電圧の最大値 | 観覧車の「半径」(てっぺんの高さ) |
| sin | 回転角度→高さに変換する関数 | 「角度がわかれば高さがわかる」変換器 |
| ω | 角周波数(回転の速さ) | 観覧車が「回る速さ」 |
| t | 時刻(秒) | 乗ってから「何秒経ったか」 |
つまり「v = Vm sinωt」は、日本語で読むとこうなります。

🔧 cosとtanは電気のどこで使う?|実例で紹介
sinだけ覚えればいいんじゃない?と思ったかもしれません。実は、cosとtanも電気の世界では頻繁に登場します。
⚡ cosθ → 力率の計算で毎回使う
交流回路で「cosθ」が出てきたら、それはほぼ確実に「力率」のことです。
力率とは、「供給された電力のうち、実際に仕事をした割合」のこと。交流回路では電圧と電流にタイミングのズレ(位相差θ)が生じることがあり、そのズレを cosθ で表します。
P = V × I × cosθ
P:有効電力(実際に仕事をする電力)[W]
V:電圧の実効値 [V]
I:電流の実効値 [A]
cosθ:力率(電圧と電流のズレ具合)
電験三種の電力科目・理論科目の両方で、このcosθは毎回のように出てきます。三角関数の中でも、cos は sin と同じくらい重要です。
⚡ tanθ → インピーダンスの角度で使う
tanθは「対辺÷隣辺」でしたね。電気回路では、インピーダンス(交流の抵抗)の計算で使います。
具体的には、抵抗R(横方向)とリアクタンスX(縦方向)の比率が tanθ になります。
tanθ = X ÷ R
(X:リアクタンス、R:抵抗)
直角三角形でいうと、Rが隣辺、Xが対辺、インピーダンスZが斜辺にあたります。
📋 sin・cos・tan の「電気での使いどころ」まとめ
| 関数 | 電気での主な使い道 | 出てくる場面 |
|---|---|---|
| sinθ | 交流電圧・電流の瞬時値 | v = Vmsinωt の式 |
| cosθ | 力率(電力の効率)の計算 | P = VIcosθ の式 |
| tanθ | インピーダンスの位相角 | tanθ = X/R の式 |
sin と cos は「絶対に覚えるべき」、tanは「余裕があれば」のレベルです。試験で最も頻出するのは sinωt の式 と cosθ(力率) の2つ。まずはこの2つを完璧にしてください。
🧮 総まとめ|練習問題で完全定着
最後に、この記事で学んだことを練習問題で総復習しましょう。すべて解ければ、三角関数の基礎は完璧です。
📝 練習問題(全4問)
【問1】基本定義
直角三角形で、斜辺=10、対辺=6、隣辺=8のとき、sinθ、cosθ、tanθの値を求めよ。
▶ 答えを見る
sinθ = 6/10 = 0.6
cosθ = 8/10 = 0.8
tanθ = 6/8 = 0.75
【問2】暗記確認
sin30°、cos60°、sin45° の値をそれぞれ答えよ。
▶ 答えを見る
sin30° = 1/2(= 0.5)
cos60° = 1/2(= 0.5)(sinの逆順の法則!)
sin45° = 1/√2(≒ 0.707)
【問3】瞬時値の計算
最大値 Vm = 200V の交流電圧がある。ωt = 30° のとき、瞬時値 v はいくらか?
▶ 答えを見る
v = Vm × sin(ωt)
v = 200 × sin30°
v = 200 × 0.5 = 100V
【問4】力率の計算
電圧 V = 100V、電流 I = 5A、力率角 θ = 60° のとき、有効電力 P はいくらか?
▶ 答えを見る
P = V × I × cosθ
P = 100 × 5 × cos60°
P = 500 × 0.5 = 250W
※ cos60° = 1/2 を暗記していれば一瞬で解けます!
✅ この記事のまとめ
✅ 三角関数は「直角三角形の辺の比率」を表しただけ
✅ sinθ = 対辺/斜辺、cosθ = 隣辺/斜辺、tanθ = 対辺/隣辺
✅ 覚え方は「SOH-CAH-TOA」or「筆記体sの法則」
✅ 暗記すべきは30°・45°・60°の3つだけ
✅ sinは観覧車の高さ→ 交流の波になる → だから v = Vmsinωt
✅ cosθは力率、tanθはインピーダンスの角度で使う
✅ 電験三種ではsinとcosの2つが最重要
📚 次に読むべき記事
三角関数の次は「交流の基本」へ。sinがどう使われるかを体感できます。
v = Vmsinωt の式を使いこなす方法を、計算例付きで解説しています。
電験三種の全体像と最短合格ルートを知りたい方はこちら。
三角関数は、電気の世界への「入場チケット」のようなものです。
この記事を読んで「あ、思ったより簡単だった」と感じてもらえたなら、もう電験三種の交流回路で絶望することはありません。
大丈夫。あなたのペースで、一歩ずつ進んでいきましょう。