🔥 実話:新人時代、私はオシロで基板を1枚焼きました
入社1年目、AC100Vを扱う基板の測定中。
プローブのワニ口クリップを「測りやすそうな金属部分」に挟んだ瞬間——
「バチッ!」 という大きな音と火花。
基板から白煙、焦げ臭い匂い。隣にいた先輩が一瞬で顔を青くしました。
幸い、人にケガはなし。でも 数十万円する評価基板が一瞬で廃棄 となりました。
あのとき先輩に言われた言葉が今でも忘れられません。
「オシロのワニ口は、コンセントのアースと繋がってるって知らんかったんか?」
——この記事は、当時の私のような初心者が 絶対に同じ失敗をしないため に書きました。
オシロを使うなら、これだけは知っておいてください。
目次
結論:絶対に覚えてほしい3つのルール
🚨 これを破ると、基板が焼けます 🚨
① オシロのワニ口(GND)は、コンセントのアースと直結している
② だから、ワニ口は『回路のGND(0V)』にしか繋いではいけない
③ プラスマイナスを測りたい時は『差動プローブ』を使う
これだけです。たった3つ。でも、知らずに使うと 基板・部品・オシロ・最悪あなた自身 が危険にさらされます。
なぜそんなことになるのか、ひとつずつ解説していきます。
驚きの事実:オシロのワニ口は「コンセントのアース」と繋がっている
これ、知っていましたか?
プローブの先端から伸びている 黒いワニ口クリップ。あれはオシロの本体内部で——
ワニ口クリップ
↓ つながっている
オシロ本体の金属シャーシ
↓ つながっている
オシロの電源ケーブルのアース端子
↓ つながっている
コンセントのアース(=建物のアース=大地)
つまり、オシロのワニ口を回路のどこかに繋いだ瞬間、その場所が強制的に「コンセントのアース」と同じ電位(=0V)になります。
💡 これが事故の原因です
ワニ口を間違った場所に繋ぐと、「そこの電圧を強引に0Vにしようとする」電流がドバッと流れ、配線・部品が焼損します。

初心者が必ずやる事故パターン3つ
私が新人時代にやった失敗、そして後輩を指導していて何度も見てきた失敗パターンです。「あ、これ自分やりそう…」 と思ったらビンゴです。
事故パターン①:「ハイサイドの電圧」を直接測ろうとする
電源回路で、こんな波形を見たくなる場面があります:
🎯 状況:100Vの電源回路で、上側のスイッチ部分(=100V側)の波形を見たい
🎯 やってしまうこと:プローブの先端を「100V側」に、ワニ口を「+5V側(下のスイッチ)」に繋ぐ
🎯 結果:バチッ!
なぜでしょうか?ワニ口は内部でコンセントのアース(=0V)と繋がっているのを思い出してください。
あなたは「ワニ口を+5Vに繋いだ」つもりでも、オシロから見たら 「+5Vを強引に0Vにしようとする」 状態になります。回路には予想外の電流がドバーッと流れ、配線が焼けます。
事故パターン②:「測りやすい金属」にワニ口を挟む
これも超あるある。「ワニ口を挟む場所がないな…あ、この金属の固定ネジに挟もう」とやってしまうパターン。
そのネジが 0V(GND)ではない 場合、即アウトです。たとえそのネジがどこにも繋がっていないように見えても、回路の中で別の電位に繋がっていれば事故になります。
⚠️ 注意
「ここに挟めそうだから」ではなく、「ここが回路の0VであるとAテスタで確認したから」挟む。これが鉄則です。
事故パターン③:「2チャンネル使うときに別々のGND」に繋ぐ
オシロには複数のチャンネルがあります。CH1とCH2を同時に使うとき、それぞれにワニ口が付いています。
ここで初心者がやりがちなのが、CH1のワニ口を回路のA点に、CH2のワニ口を回路のB点に 繋いでしまうこと。
実は、CH1のワニ口とCH2のワニ口は、オシロの内部で繋がっています(両方ともコンセントのアースに繋がっているから)。
つまり、CH1のワニ口(A点)とCH2のワニ口(B点)を別々に繋ぐと、「A点とB点をオシロ内部で短絡(ショート)」したのと同じになります。AとBの電位が違ったら…焼けます。

初心者が必ずやる事故パターン3つ
私が新人時代にやった失敗、そして後輩を指導していて何度も見てきた失敗パターンです。「あ、これ自分やりそう…」 と思ったらビンゴです。
事故パターン①:「ハイサイドの電圧」を直接測ろうとする
電源回路で、こんな波形を見たくなる場面があります:
🎯 状況:100Vの電源回路で、上側のスイッチ部分(=100V側)の波形を見たい
🎯 やってしまうこと:プローブの先端を「100V側」に、ワニ口を「+5V側(下のスイッチ)」に繋ぐ
🎯 結果:バチッ!
なぜでしょうか?ワニ口は内部でコンセントのアース(=0V)と繋がっているのを思い出してください。
あなたは「ワニ口を+5Vに繋いだ」つもりでも、オシロから見たら 「+5Vを強引に0Vにしようとする」 状態になります。回路には予想外の電流がドバーッと流れ、配線が焼けます。
事故パターン②:「測りやすい金属」にワニ口を挟む
これも超あるある。「ワニ口を挟む場所がないな…あ、この金属の固定ネジに挟もう」とやってしまうパターン。
そのネジが 0V(GND)ではない 場合、即アウトです。たとえそのネジがどこにも繋がっていないように見えても、回路の中で別の電位に繋がっていれば事故になります。
⚠️ 注意
「ここに挟めそうだから」ではなく、「ここが回路の0VであるとAテスタで確認したから」挟む。これが鉄則です。
事故パターン③:「2チャンネル使うときに別々のGND」に繋ぐ
オシロには複数のチャンネルがあります。CH1とCH2を同時に使うとき、それぞれにワニ口が付いています。
ここで初心者がやりがちなのが、CH1のワニ口を回路のA点に、CH2のワニ口を回路のB点に 繋いでしまうこと。
実は、CH1のワニ口とCH2のワニ口は、オシロの内部で繋がっています(両方ともコンセントのアースに繋がっているから)。
つまり、CH1のワニ口(A点)とCH2のワニ口(B点)を別々に繋ぐと、「A点とB点をオシロ内部で短絡(ショート)」したのと同じになります。AとBの電位が違ったら…焼けます。
これが正解:「1点接地の原則」
じゃあ、どうすれば安全に測定できるのか。答えは 「1点接地の原則」 です。
✅ オシロのワニ口は、必ず回路の「GND(0V)」に繋ぐ
そして、複数チャンネルを使う場合も、すべてのワニ口を同じGND点 に繋ぐ。これだけ。
なぜ「1点」なのか?
複数のワニ口を回路の 異なる場所 に繋ぐと、オシロ内部で繋がっているせいで 意図しない電流ループ ができてしまいます。
1点(同じGND点)にすべて繋げば、回路には何も悪さしません。これが「1点接地」の意味です。
💡 測定前のチェックリスト
① 回路のGND(0V)はどこか、テスタで確認した?
② 全部のワニ口をそこに繋いだ?
③ プローブの先端で測りたい点に触っているか?
→ 全部YESになってから、電源を入れる!

「でも、ハイサイドの電圧を測りたい!」→ 差動プローブを使う
じゃあ、本当に「ハイサイドの電圧」や「2点間の電位差」を測りたい時はどうすればいいのか?
答えは 「差動プローブ」を使うです。
差動プローブとは?
普通のプローブと違って、2本の先端(プラス・マイナス)を持っていて、その2点間の電圧差だけを測る 専用のプローブです。
🔵 普通のプローブ:先端 vs ワニ口(=コンセントのアース)
🟢 差動プローブ:プラス先端 vs マイナス先端(オシロ本体から電気的に絶縁)
差動プローブは、オシロ本体とは 電気的に切り離されている ので、コンセントのアースの影響を受けません。だから、回路のどこでも安全にプラスマイナスを当てて測れる のです。
代表的な用途
- ハイサイドMOSFETのゲート電圧(VGS)の測定
- 高電圧側のスイッチング波形の観測
- 商用電源(AC100V)の波形観測
- インバータ回路など、GND基準ではない測定全般
✅ 鉄則
「GND基準じゃない場所を測りたい」と思った瞬間に差動プローブを取りに行く。
普通のプローブで無理やり測ろうとしない。事故の元です。

差動プローブの詳しい選び方や使い方はこちらで解説しています: 差動プローブとは?GND共通の呪縛から解放する救世主 →
もう1つの解決策:絶縁トランスでオシロを浮かせる
差動プローブがない場合の、もう1つの解決策が 「絶縁トランス」 です。
これは、オシロを コンセントから電気的に切り離す 専用の変圧器。これを使うと、オシロのワニ口がアースに繋がっていない状態にできるので、回路のどこにでも繋げるようになります。
⚠️ 絶縁トランスの注意点
オシロをアースから浮かせるということは、オシロのシャーシ(金属の外側)に高電圧が乗る可能性がある ということ。
人体が触れると感電します。本物のプロでも事故を起こしている方法なので、初心者は 必ず差動プローブを使う ことを強くおすすめします。
事故ゼロのための測定前チェックリスト
最後に、私が新人に必ず教えている 「測定前のチェックリスト」 を紹介します。これを習慣にすれば、ほぼ事故は防げます。
📋 オシロ測定前チェックリスト
□ 回路のGND(0V)はどこか、テスタで確認した
□ 測りたい点が「GND基準」かどうか確認した
□ GND基準でない場合は、差動プローブを準備した
□ ワニ口を、確認したGND点に繋いだ
□ 複数チャンネルを使う場合、全ワニ口を同じGND点に繋いだ
□ プローブの先端で、測りたい点に触れる準備ができている
□ オシロの電源は入っているが、回路はまだ電源OFF
□ 周囲に火気・燃えやすいものはない
□ すべて確認したら、回路の電源をON
💡 これだけは絶対にやってください
回路の電源を入れる前に、必ず接続を全部確認する。
通電中にワニ口の付け替えをすると、付け替えの瞬間に事故が起きます。
グランドリードを短くする理由を知れば、もっと正しい波形が撮れるようになります: グランドリードを短くする理由|ワニ口の罠 →
プローブの種類全体を見渡したい方は: 【完全マップ】プローブの種類 →

よくある質問
Q1. 電池で動く小型回路なら大丈夫ですよね?
電池の マイナス側 をGND(0V)として測る限り、安全です。ただし、電池の プラス側 をワニ口で挟むのはNG。電池の中身が突然ショートして、最悪電池が破裂します。「電池だから安全」と油断しないでください。
Q2. オシロのアース端子を抜けば、ワニ口は自由に挟めますか?
絶対にやめてください。電源コードのアース線を切ったり、3ピン→2ピン変換アダプタで強引にアースを切る人がいますが、これは 感電事故の元 です。オシロの金属シャーシに高電圧が乗ったら、触った瞬間に人体を電気が通ります。これで死亡事故も実際に起きています。
Q3. プローブ先端だけ当てて、ワニ口は繋がないとダメですか?
波形は 変な形でちょっとは見える ことがありますが、ノイズだらけで信用できません。「ワニ口は必ずGNDに繋ぐ」が原則です。挟まずに測るのは、応急処置レベルの方法と考えてください。
Q4. なぜオシロのワニ口はアースに繋がっているのですか?切り離せば便利なのに…
安全のためです。万が一オシロ内部で漏電が起きても、アース経由で電気が逃げて、人が感電しないようになっています。不便さは安全と引き換え。だから差動プローブのような専用ツールが存在するのです。
まとめ
✅ オシロのワニ口は コンセントのアース(=0V)と直結 している
✅ ワニ口を「0V以外」に繋ぐと 基板が焼ける、最悪人にも危険
✅ 正解:全部のワニ口を回路のGND(0V)に集める(1点接地)
✅ ハイサイドや2点間の電圧を測りたいときは 差動プローブを使う
✅ オシロのアースを切るのは 絶対NG(感電事故の原因)
✅ 電源を入れる前に、必ず チェックリスト で接続確認
オシロは便利な道具ですが、使い方を一つ間違えると基板も部品も、最悪あなた自身も危険です。「ワニ口はGNDに繋ぐ」「GND基準じゃないなら差動プローブ」——この2つだけは絶対に覚えてください。私のような失敗を、もう誰にもしてほしくないからこそ書きました。
次の記事では、波形を正しく読み取るために必要な「オシロ画面の正しい見方」を解説します。
