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Y-Δ変換とは?直並列に分けられない回路をほどく
5つの抵抗がひし形につながったブリッジ回路は、どこを見ても直列にも並列にもなっていません。そこで、3つの抵抗が三角形(Δ)につながった部分を、同じはたらきの星形(Y)に置きかえます。すると残りが直列と並列の組み合わせになり、合成抵抗が計算できます。
| Y形(スター) | Δ形(デルタ) | |
|---|---|---|
| つながり方 | 3つの抵抗が中心の1点に集まる | 3つの抵抗が端子どうしを三角形につなぐ |
| 中心の点 | ある | ない |
| 外の端子 | a・b・cの3つ | a・b・cの3つ |
| 抵抗の名前 | Ra・Rb・Rc(端子の名前) | Rab・Rbc・Rca(両端の端子の名前) |
変換しても、a・b・cの3つの端子から見た抵抗はまったく同じです。中の配置だけを、計算しやすい形に変えるテクニックです。

Y-Δ変換の公式と覚え方
Δ→Y:その端子につながる2つの積 ÷ 3つの和
分母はいつも3つの和で共通です。分子は、求めたい端子(たとえばa)につながっている2本(RabとRca)の積です。Y側の抵抗は、もとのΔの抵抗より必ず小さくなります。
Y→Δ:2つずつの積の和 ÷ 向かい側の抵抗
分子はいつも「2つずつの積の和」で共通です。分母は、求めたい辺(たとえばab)の向かい側にあるYの抵抗(Rc)です。
3つが同じ値なら3倍・3分の1
| 変換 | 3つが同じ値のとき |
|---|---|
| Δ→Y | RY=RΔ÷3 |
| Y→Δ | RΔ=3×RY |

例題1:Δ→Y変換と検算
Rab=6Ω、Rbc=12Ω、Rca=4Ω のΔを、Yに変換する。
| 求めるもの | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| 3つの和 | 6+12+4 | 22Ω |
| Ra | 6×4÷22 | 約1.09Ω |
| Rb | 6×12÷22 | 約3.27Ω |
| Rc | 12×4÷22 | 約2.18Ω |
外から見て同じか、a-b間で確かめる
| 計算 | a-b間の抵抗 | |
|---|---|---|
| Δのまま | Rab と (Rbc+Rca) の並列:6×16÷22 | 96/22≒4.36Ω |
| Yにしたあと | Ra+Rb(Rcには電流が流れない):24/22+72/22 | 96/22≒4.36Ω |
どの2つの端子の間で測っても同じ値になるように決めたのが、Y-Δ変換の公式です。
例題2:不平衡ブリッジの合成抵抗
端子aが上、端子bが下のひし形のブリッジ。R1=3Ω(a-左)、R2=6Ω(a-右)、R3=6Ω(左-b)、R4=3Ω(右-b)、まん中の橋 R5=5Ω(左-右)。a-b間の合成抵抗は?
| ステップ | 計算 | 答え |
|---|---|---|
| ① 三角形を見つける | R1・R2・R5 は a・左・右 の三角形(Δ) | ― |
| ② Δ→Y(和=14) | a側 3×6÷14、左側 3×5÷14、右側 6×5÷14 | 18/14、15/14、30/14Ω |
| ③ 左ルート | 15/14+6 | 約7.07Ω |
| ④ 右ルート | 30/14+3 | 約5.14Ω |
| ⑤ 並列にして a側を足す | 18/14+(7.07×5.14÷12.21) | 81/19≒4.26Ω |
途中で小数に丸めると、答えが4.27Ωのように少しずれます。分数のまま計算するか、最後に丸めましょう。R1×R4=R2×R3 が成り立つ平衡ブリッジなら、R5に電流が流れないので、変換しなくても直並列で解けます。

「スター・デルタ」が出てくる3つの場面
| 場面 | 何をする | 記事 |
|---|---|---|
| Y-Δ変換(この記事) | 回路の中の3つの抵抗を、同じはたらきの別の形に置きかえて計算する | ― |
| 三相のY結線・Δ結線 | 電源や負荷のつなぎ方。線間電圧=√3×相電圧(Y)など | スター結線とデルタ結線 |
| Y-Δ始動(スターデルタ始動) | モーターを始動のときだけY結線にして、始動電流を1/3におさえる | 誘導電動機の始動法 |
名前は似ていますが、目的がちがいます。三相の負荷をY-Δ変換すると、Δの1相のインピーダンスZはYではZ÷3になり、三相回路の計算を1相ぶんで考えられるようになります。
モーターのスターデルタ始動
三相変圧器のY・Δ結線
Y-Δ変換とブリッジ回路の計算ツール
①Δ→Y、②Y→Δ、③ブリッジ回路の合成抵抗を計算します。最初は記事の例題の数字が入っています。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。ブリッジは節点の式を解いて計算しています。
Y-Δ変換のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| Δ→Yの分子に向かい側の抵抗を使う | 分子は、その端子につながる2本の積 |
| Y→Δの分母を3つの和にする | 分母は、求める辺の向かい側のY抵抗 |
| 同じ値のときΔ→Yは3倍 | Δ→Yは1/3、Y→Δが3倍 |
| 途中で丸めて計算する | 分数のまま進める(例題は81/19≒4.26Ω) |
| Y-Δ始動と同じもの | 始動は結線を切りかえて始動電流をおさえる別の話 |

よくある質問
