理論科目の解説

ブリッジ回路の種類と平衡条件|ホイートストンから交流ブリッジまで測るものを図解|計算ツール付き

ブリッジ回路の種類を表すアイキャッチ。ひし形につないだ4つの素子と、まん中の検出器が0を指している

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • ホイートストン以外のブリッジが出ると固まる
  • どのブリッジが何を測るのか、ごちゃごちゃになる
  • 交流ブリッジの平衡条件がどう使われるのか知りたい
この記事でわかること
  • すべてのブリッジに共通する平衡条件
  • 直流ブリッジ2種類と交流ブリッジ4種類
  • 名前と測るものの一覧と覚え方
  • 平衡条件から未知の値を出す計算ツール
結論|まず30秒でわかる答え

ブリッジ回路は、4つのインピーダンスをひし形につなぎ、対角線の検出器に電流が流れなくなる平衡を利用して、未知の値を正確に測る回路です。平衡条件はどの種類でも向かい合う辺の積が等しい(Z₁Z₄=Z₂Z₃)ことです。抵抗はホイートストン(低抵抗はケルビンダブル)、インダクタンスはマクスウェル・ヘイ、周波数はウィーン、静電容量とtanδはシェーリングで測ります。

ブリッジ回路の種類を表すアイキャッチ。ひし形につないだ4つの素子と、まん中の検出器が0を指している
ブリッジ回路は検出器が0を指すと平衡

ブリッジ回路とは?すべてに共通する平衡条件

ブリッジ回路は、4つのインピーダンスをひし形につなぎ、向かい合う角のあいだに検出器を入れた回路です。検出器に電流が流れない状態を平衡といい、そのとき次の関係が成り立ちます。

ブリッジの平衡条件(共通)

Z₁ × Z₄ = Z₂ × Z₃(向かい合う辺の積が等しい)

平衡では検出器に電流が流れないので、電源の電圧が変わっても平衡は崩れません。そのため、電圧計や電流計で直接測るより正確に未知の値を求められます。

分類電源検出器測るものブリッジ
直流ブリッジ直流(電池)検流計抵抗Rホイートストン・ケルビンダブル
交流ブリッジ交流(発振器)交流検出器(受話器など)L・C・tanδ・周波数マクスウェル・ヘイ・ウィーン・シェーリング
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ホイートストンブリッジの計算

ブリッジ回路の平衡条件の図。ひし形の4辺Z₁・Z₂・Z₃・Z₄で、向かい合う辺の積Z₁×Z₄とZ₂×Z₃が等しいとき、まん中の検出器の電流が0になる
平衡条件:向かい合う辺の積が等しい

直流ブリッジ|ホイートストンとケルビンダブル

ホイートストンブリッジ:ふつうの抵抗を測る

4つの抵抗で、R₁R₄=R₂R₃ のとき平衡します。未知の抵抗は Rx=R₂R₃÷R₁ です。1Ω程度より大きい抵抗の測定に向いています。

ケルビンダブルブリッジ:とても小さい抵抗を測る

0.01Ωの抵抗を測るとき、導線や接触の抵抗が0.005Ωあると、測った値は0.015Ωになり、50%も誤差が出ます。ケルビンダブルブリッジは、電流を流す端子と電圧を測る端子を分ける4端子法と、比率腕を2組そなえた二重構造で、この接触抵抗の影響をなくします。比率をそろえる(P/Q=p/q)と、Rx=(P/Q)×Rs(Rsは標準抵抗)で求まります。

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交流ブリッジ|L・C・周波数・tanδを測る

コイルやコンデンサは、直流ではただの線か切れた線にしか見えないので、値を測るには交流が要ります。交流ブリッジの平衡条件 Z₁Z₄=Z₂Z₃ は複素数の式なので、実部と虚部の2つの条件が出てきます。そのため、1回の平衡でLとその損失抵抗Rのように、2つの値を同時に求められます。

ブリッジ測るもの平衡の式(代表的な形)ポイント
マクスウェルインダクタンスLと損失RLx=R₂R₃C₁、Rx=R₂R₃÷R₁安定な標準コンデンサでLを測る。Qの低いコイル向き。周波数に関係しない
ヘイインダクタンスL(マクスウェルの変形)Qの高いコイル向き
ウィーン周波数ff=1÷(2π√(R₁R₂C₁C₂))平衡が周波数で決まるので周波数を測れる。発振回路にも使う
シェーリング静電容量CとtanδCx=C₂R₄÷R₃、tanδ=ωC₄R₄高電圧での絶縁材料・ケーブルの試験

電験三種では、交流ブリッジの複雑な計算より、名前と測るものの組み合わせを問う正誤問題がよく出ます。

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tanδ(誘電正接)の意味

交流ブリッジ4種類の図。マクスウェルはQの低いコイルのインダクタンス、ヘイはQの高いコイルのインダクタンス、ウィーンは周波数、シェーリングは静電容量とtanδを測る
交流ブリッジ4種類:マクスウェル・ヘイ・ウィーン・シェーリング

ブリッジの一覧と覚え方

ブリッジ電源測るもの覚え方
ホイートストン直流抵抗(ふつう〜大きめ)基本形。向かい合う積が等しい
ケルビンダブル直流低抵抗4端子法・ダブル(二重)
マクスウェル交流インダクタンス(低Q)マクスウェル→コイル
ヘイ交流インダクタンス(高Q)ヘイ→高Qのコイル
ウィーン交流周波数ウィーン→周波数・発振器
シェーリング交流静電容量とtanδシェーリング→絶縁の診断
ブリッジ回路の一覧表の図。ホイートストンは直流で抵抗、ケルビンダブルは直流で低抵抗、マクスウェルは交流でQの低いL、ヘイは交流でQの高いL、ウィーンは交流で周波数、シェーリングは交流でCとtanδ
ブリッジ回路の種類と測るものの一覧表

ブリッジの平衡条件の計算ツール

ブリッジの種類を選び、既知の値を入れてください。使わない欄は空欄でかまいません。最初は記事の例の値が入っています。

入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。式は各ブリッジの代表的なつなぎ方のものです。問題の回路図と、どの辺に何があるかを確かめてから使ってください。

電験三種の正誤問題のひっかけ

よくある間違い(ひっかけ)正しい考え方
マクスウェルブリッジで静電容量を測るマクスウェルはインダクタンス。Cとtanδはシェーリング
ホイートストンは低抵抗の精密測定に向く低抵抗は接触抵抗の影響が大きい。ケルビンダブル(4端子法)
マクスウェルは高Qのコイル向きマクスウェルは低Q、ヘイが高Q向き
平衡は電源電圧で変わる検出器の電流が0なので、電源電圧に関係しない
ウィーンブリッジは抵抗を測るウィーンは平衡が周波数で決まるので周波数を測る
ブリッジ回路の正誤問題のひっかけの図。マクスウェルはインダクタンスを測る、低抵抗はケルビンダブル、Qの高いコイルはヘイ、平衡は電源電圧に関係しない
ブリッジ回路の正誤問題のひっかけ
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よくある質問

Q. ブリッジ回路の平衡条件は?

A. 向かい合う辺のインピーダンスの積が等しい(Z₁Z₄=Z₂Z₃)ことです。直流ならR₁R₄=R₂R₃です。

Q. ケルビンダブルブリッジは何を測る?

A. とても小さい抵抗です。4端子法と二重の比率腕で、導線や接触の抵抗の影響をなくします。

Q. インダクタンスを測るブリッジは?

A. マクスウェルブリッジ(Qの低いコイル)とヘイブリッジ(Qの高いコイル)です。

Q. シェーリングブリッジは何に使う?

A. コンデンサや絶縁材料の静電容量とtanδを、高電圧で測るのに使います。ケーブルや変圧器の絶縁診断です。

Q. ウィーンブリッジで周波数が測れるのはなぜ?

A. 平衡する条件に周波数が入っているからです。平衡したときの値から f=1÷(2π√(R₁R₂C₁C₂)) で求めます。

まとめ
  • 平衡条件は向かい合う辺の積が等しい(Z₁Z₄=Z₂Z₃)
  • 抵抗はホイートストン、低抵抗はケルビンダブル
  • Lはマクスウェル(低Q)・ヘイ(高Q)
  • 周波数はウィーン、Cとtanδはシェーリング
  • 交流ブリッジは実部と虚部の2つの条件で2つの値が求まる
ブリッジ回路のまとめの図。向かい合う辺の積が等しいと平衡、抵抗はホイートストン、インダクタンスはマクスウェルとヘイ、周波数はウィーン、静電容量はシェーリング
ブリッジ回路のまとめ:何を測るかで選ぶ
この記事の理解を深める本と道具
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S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーで回路設計・生産技術(品質改善)の実務

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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