機械科目の解説

【図解で完全理解】パワーエレクトロニクスとは?|電気を「自由自在に変換」する技術

💭 こんな疑問、ありませんか?

  • パワーエレクトロニクスって何?難しそう…
  • なぜ「電力変換」が必要なの?
  • スマホの充電器やエアコンと何の関係があるの?

この記事でスッキリ解決!
「スマホの充電器」「電車」「エアコン」など身近な例で、パワーエレクトロニクスの全体像を完全マスターできます!

📌 この記事の結論(先に知っておこう!)

パワーエレクトロニクスとは、「電気の形を自由自在に変換する技術」です。交流↔直流、電圧の上げ下げ、周波数の変更など、電気を「使いたい形」に変えます。スマホの充電から電車の運転まで、現代社会はパワエレなしでは成り立ちません!

🔌 パワーエレクトロニクスって何?

パワーエレクトロニクス(略して「パワエレ」)を一言で説明すると…

電気の「形」を自由自在に変換する技術

「電気の形」とは何でしょうか?電気には様々な「形」があります。

〰️

交流(AC)

プラスとマイナスが
交互に入れ替わる電気
(家庭のコンセント)

➡️

直流(DC)

プラスとマイナスが
一定方向の電気
(電池、スマホ)

さらに、電圧の「高さ」や周波数の「速さ」も電気の形の一部です。

パワーエレクトロニクスは、これらの形を必要に応じて変換する技術なのです。

📱 身近なパワエレ①|スマホの充電器

最も身近なパワーエレクトロニクスは、スマホの充電器です。

🔌 充電器の中で何が起きている?

🏠

コンセント

交流100V
50/60Hz

🔌

充電器

AC→DC変換
電圧も変換

📱

スマホ

直流5V

充電器の中では、2つの変換が行われています。

🔄

①交流→直流

スマホは直流で動くので
交流を直流に変換

⬇️

②100V→5V

スマホには5Vで十分なので
電圧を下げる

この小さな充電器の中に、パワーエレクトロニクスの技術がギュッと詰まっているのです!

🚃 身近なパワエレ②|電車

電車もパワーエレクトロニクスの塊です。

🚃 電車の中で何が起きている?

架線

交流25kV
または直流1500V

🔧

インバータ

電圧・周波数を
自由に変換

⚙️

モーター

可変速で
滑らかに回転

電車が「ヒュイーン」という音を出して加速するとき、それはインバータが電圧と周波数を変えている音なのです!

💡 豆知識:電車の「音」はインバータの音

新幹線や電車が発車するとき「ヒュイーン」「キーン」という音が聞こえますよね?あれはモーターの音ではなく、インバータが周波数を変えている音なんです。電車マニアは車両ごとのインバータの音の違いを楽しんでいます!

❄️ 身近なパワエレ③|エアコン

最近のエアコンは「インバータエアコン」と呼ばれていますよね。

❄️ インバータエアコンのすごさ

❌ 昔のエアコン

ON/OFFの繰り返し
→ 電気をたくさん使う
→ 温度が安定しない

✅ インバータエアコン

回転数を細かく調整
→ 省エネ
→ 温度が安定

インバータを使うと、モーターの回転数を自由自在に変えられるので、必要なだけの電力で運転できます。これが省エネの秘密です!

🗺️ 4つの電力変換|パワエレの全体マップ

パワーエレクトロニクスで行う電力変換は、大きく分けて4種類あります。

🔄 4つの電力変換

① AC → DC

整流

交流を直流に変換
例:スマホ充電器

② DC → AC

インバータ

直流を交流に変換
例:太陽光発電

③ DC → DC

チョッパ

直流の電圧を変換
例:USB充電器

④ AC → AC

サイクロコンバータ

交流の周波数を変換
例:大型モーター制御

この4つの変換を覚えておけば、パワーエレクトロニクスの全体像がつかめます!

📊 4つの変換を表で整理

変換 名称 何をする? 身近な例
AC → DC 整流(せいりゅう) 交流を直流に変換 スマホ充電器、パソコン電源
DC → AC インバータ 直流を交流に変換 太陽光発電、電車、エアコン
DC → DC チョッパ 直流の電圧を変換 USB充電器、電気自動車
AC → AC サイクロコンバータ 交流の周波数を変換 製鉄所の圧延機

🔧 パワエレに欠かせない「半導体素子」

電力変換を行うためには、半導体素子が欠かせません。

半導体素子は、電気の「スイッチ」のような役割をします。高速でON/OFFを繰り返すことで、電気の形を変えることができるのです。

🔧 パワエレで使う主な半導体素子

🚪

ダイオード

電流を一方向にだけ流す「一方通行の門」

🔐

サイリスタ

信号でONにできる「鍵付きの門」

🚰

トランジスタ(BJT)

電流で調整できる「蛇口」

MOSFET

電圧で制御できる「超高速スイッチ」

🏆

IGBT

大電力+高速スイッチングの「最強素子」

これらの半導体素子については、次の記事で詳しく解説します!

🌍 パワエレが支える現代社会

パワーエレクトロニクスは、私たちの生活のあらゆる場所で活躍しています。

📱

スマホ

💻

パソコン

🚃

電車

🚗

電気自動車

❄️

エアコン

🧊

冷蔵庫

☀️

太陽光発電

🏭

工場設備

🌱 カーボンニュートラルにも貢献!

電気自動車、太陽光発電、風力発電…これらはすべてパワーエレクトロニクスなしでは成り立ちません。地球温暖化対策にも、パワエレは欠かせない技術なのです。

📚 このシリーズで学ぶこと

このパワーエレクトロニクスシリーズでは、以下の内容を順番に学んでいきます。

📖 シリーズ構成

第1章:半導体素子の基礎

ダイオード、サイリスタ、BJT、MOSFET、IGBT

第2章:整流回路(AC→DC)

単相・三相、半波・全波、平滑回路

第3章:直流電圧の計算

平均電圧の公式、計算問題の解き方

第4章:インバータ(DC→AC)

PWM制御、VVVF制御

第5章:チョッパ(DC→DC)

降圧チョッパ、昇圧チョッパ

第6章:サイクロコンバータ(AC→AC)

周波数変換

✅ まとめ|パワーエレクトロニクスのポイント

📝 この記事で学んだこと

パワーエレクトロニクスとは?

電気の「形」を自由自在に変換する技術

4つの電力変換

①整流(AC→DC)②インバータ(DC→AC)③チョッパ(DC→DC)④サイクロコンバータ(AC→AC)

身近な例

スマホ充電器、電車、エアコン、太陽光発電など

半導体素子が主役

ダイオード、サイリスタ、BJT、MOSFET、IGBTなど

🎯 試験での出題ポイント

電験三種の機械科目では、パワーエレクトロニクスから毎年2〜3問が出題されます。特に整流回路の平均電圧計算半導体素子の特徴は頻出テーマです!

タグ

-機械科目の解説
-