電気の基礎

直列と並列の違い|電池はどっちが長持ち?電圧・電流・合成抵抗を図解(計算ツール付き)

直列と並列の違いを表すアイキャッチ。電池2本を一列につないだ直列の回路と、横に並べてつないだ並列の回路

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 直列つなぎと並列つなぎ、結局なにがちがうの?
  • 電池を長持ちさせたいなら、どっちのつなぎ方?
  • 並列の合成抵抗の計算がよくわからない
この記事でわかること
  • 直列と並列の違い(電圧・電流・切れたとき)
  • 豆電球と電池2本で、明るさと持ちがどう変わるか
  • 合成抵抗の計算(足し算と和分の積)
  • 合成抵抗と電池の持ちの計算ツール
結論|まず30秒でわかる答え

直列は電池や抵抗を一列につなぐ「一本道」で、電池なら電圧が足し算になり、抵抗なら合成抵抗も足し算(R1+R2)になります。並列は横に並べてつなぐ「分かれ道」で、電圧は変わらず、電池なら長持ちし、合成抵抗は一番小さい抵抗より小さく(R1×R2÷(R1+R2))なります。同じ豆電球なら、直列は明るいぶん早く電池が減り、並列は1本と同じ明るさで約2倍長持ちします。

直列と並列の違いを表すアイキャッチ。電池2本を一列につないだ直列の回路と、横に並べてつないだ並列の回路
直列回路と並列回路

直列と並列の違い|一本道と分かれ道

直列は、電池や抵抗を一列につなぐ「一本道」です。並列は、横に並べてそれぞれを同じ2点につなぐ「分かれ道」です。電気の通り道が1本か、何本かに分かれるかで、電圧と電流のふるまいが変わります。

項目直列(一本道)並列(分かれ道)
電池をつなぐと電圧が足し算(1.5V×2本=3V)電圧は変わらない(1.5Vのまま)
抵抗をつなぐと合成抵抗は足し算で大きくなる合成抵抗は一番小さい抵抗より小さくなる
電流どこでも同じ道ごとに分かれ、合計が全体の電流
電圧(抵抗や電球)抵抗の大きさに比例して分かれるどれも同じ電圧がかかる
1つ切れると全部止まるほかは動き続ける

電圧は「電気を押す力」、電流は「流れる電気の量」です。この2つのちがいがあやふやなら、先に電圧と電流の記事を読むとすっきりします。

直列と並列の違いの図。直列は一本道で電流はどこでも同じ、1つ切れると全部止まる。並列は分かれ道で電圧はどれも同じ、1つ切れてもほかは動く
直列と並列の違い:電流と電圧の分かれ方

電池はどっちが長持ち?豆電球でくらべる

同じ豆電球に、1.5Vの電池を「1本」「2本を直列」「2本を並列」でつないでみます。豆電球の抵抗は変わらないものとして、理想的に考えます。

つなぎ方豆電球にかかる電圧流れる電流明るさ(電力)電池の持ち
電池1本1.5VI1倍1倍
2本を直列3V2I約4倍約1/2
2本を並列1.5VI(1本あたりI/2)1倍約2倍

直列にすると電圧が2倍になり、電流も2倍になります。電力は電圧×電流なので約4倍で、豆電球はぐっと明るくなります。そのかわり、どの電池からも2倍の電流が出ていくので、電池は1本のときの約半分の時間でなくなります。

並列にすると、電圧は1.5Vのままで明るさは1本と同じです。ただ、2本の電池が電流を半分ずつ受け持つので、約2倍長持ちします。つまり「直列はパワー(明るさ)、並列は持ち」です。

実際の電池は、たくさん電流を出すほど取り出せる量が少し減り、豆電球の抵抗も温度で変わるので、数字は目安です。電池がなぜ電気を出せるのかは、電池の仕組みの記事で説明しています。

注意|電池の並列は、同じ電池どうしで

残りの量がちがう電池や、種類のちがう電池を並列につなぐと、電圧の高い電池から低い電池へ電流が流れこみ、発熱や液もれの原因になります。乾電池を使う機器は、ほとんどが直列で使う作りです。電池を入れかえるときは、全部を同じ種類の新しい電池にします。

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乾電池が電気を出せる仕組み

電池と豆電球の図。電池1本は1.5Vで明るさ1倍、2本を直列にすると3Vで明るさ約4倍だが持ちは約半分、2本を並列にすると1.5Vで明るさは同じで約2倍長持ち
電池の直列・並列で変わる明るさと持ち時間

身近にある直列と並列

場所つなぎ方理由
家のコンセント並列どの家電にも同じ100Vがかかり、1台を切ってもほかは動く
リモコン・懐中電灯の電池直列1.5Vを2〜3本足して、必要な3Vや4.5Vにする
昔の飾り電球直列が多かった1個切れると全部消えるので、切れた1個を探すのが大変だった
電気自動車のバッテリー直列と並列の組み合わせ直列で電圧を上げ、並列で容量(持ち)をふやす

家のコンセントが直列だったら、テレビを消すと冷蔵庫まで止まってしまいます。並列だから、家電どうしが関係なく使えます。ただし並列は電流が合計されるので、たくさんの家電を同時に使うと、電線や電源タップに大きな電流が流れます。

身近な直列と並列の図。家のコンセントは並列でどの家電にも100Vがかかる。リモコンの電池は直列で1.5V×2本=3V
身近な直列と並列(コンセントとリモコンの電池)

合成抵抗の計算|直列は足し算、並列は和分の積

直列:そのまま足す

R=R1+R2+R3+… たとえば3Ωと2Ωなら、R=3+2=5Ωです。障害物が一列にふえるので、流れにくさも足し算でふえます。

並列:逆数の和。2本なら「かけ算÷足し算」

1/R=1/R1+1/R2+… 2本だけなら R=(R1×R2)÷(R1+R2) が便利で、「和分の積」と呼びます。

例計算答え
6Ωと3Ωの並列(6×3)÷(6+3)=18÷92Ω
10Ωと10Ωの並列(10×10)÷(10+10)=100÷205Ω(同じ抵抗2本なら半分)
6Ω・3Ω・2Ωの並列1/R=1/6+1/3+1/2=11Ω

6Ωと3Ωをつないだのに、答えの2Ωは一番小さい3Ωよりさらに小さくなります。スーパーのレジを1台から2台にふやすと、行列がさばけやすくなるのと同じで、並列は電気の通り道がふえるので流れやすくなるからです。

電流と電圧の分かれ方

直列では、電流は同じで、電圧は抵抗の大きさに比例して分かれます(3Ωと2Ωに10Vなら、6Vと4V)。並列では、電圧は同じで、電流は抵抗の小さいほうに多く流れます(6Ωと3Ωに6Vなら、1Aと2A)。計算はオームの法則V=IRでできます。

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合成抵抗の図。直列は3Ω+2Ω=5Ωの足し算。並列は6Ωと3Ωで(6×3)÷(6+3)=2Ωとなり、一番小さい抵抗より小さくなる
直列と並列の合成抵抗の計算例

合成抵抗と電池の持ちの計算ツール

① 合成抵抗
② 電池の持ちをくらべる(理想値)

入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。

直列と並列のよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
並列の合成抵抗も足し算並列は逆数の和。2本なら和分の積で、小さくなる
直列にしても電池の持ちは同じ同じ電球なら電流が2倍になり、持ちは約半分
並列にすると電圧も上がる並列は電圧そのまま。持ちが長くなる
直列の各抵抗には同じ電圧がかかる直列で同じなのは電流。電圧は抵抗に比例して分かれる
古い電池と新しい電池をまぜてよい直列でも並列でも、同じ種類の新しい電池にそろえる
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複雑な回路の合成抵抗

直列と並列のよくある間違いの図。並列の合成抵抗は和分の積、直列にすると同じ電球なら持ちは約半分、並列は電圧そのまま、電池は同じ新しいものにそろえる
直列と並列のよくある間違い
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よくある質問

Q. 直列と並列の違いを簡単にいうと?

A. 直列は一列につなぐ一本道、並列は横に並べる分かれ道です。電池なら直列は電圧が足し算、並列は電圧そのままで長持ちします。

Q. 電池はどっちが長持ち?

A. 並列です。同じ豆電球なら、2本の並列は1本の約2倍長持ちします。直列は明るいかわりに約半分の時間でなくなります。

Q. 豆電球が明るいのはどっち?

A. 電池を直列にしたほうが明るくなります。電圧が2倍、電流も2倍で、電力は約4倍になるからです。

Q. 並列の合成抵抗はなぜ小さくなる?

A. 電気の通り道がふえて流れやすくなるからです。6Ωと3Ωの並列は2Ωで、一番小さい3Ωより小さくなります。

Q. 家のコンセントは直列?並列?

A. 並列です。どの家電にも同じ100Vがかかり、1台のスイッチを切っても、ほかの家電は動き続けます。

まとめ
  • 直列=一本道。電池は電圧が足し算、抵抗は R1+R2
  • 並列=分かれ道。電圧は同じ、抵抗は和分の積で小さくなる
  • 同じ豆電球なら、直列は約4倍明るく持ちは約半分、並列は明るさ同じで約2倍長持ち
  • 直列で同じなのは電流、並列で同じなのは電圧
  • 電池は同じ種類の新しいものにそろえる。並列はとくに注意
直列と並列のまとめの図。直列は電圧が足し算、並列は長持ち、直列の合成抵抗はR1+R2、並列は和分の積
直列と並列のまとめ
この記事の理解を深める本と道具
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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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