機械科目の解説

同期発電機の並行運転の条件|5条件と無効横流・同期化力を図解

同期発電機の並行運転。5つの条件と横流・同期化力

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こんな経験はありませんか?
  • 「並行運転の5つの条件を述べよ」──5つ全部出てこない
  • 条件は暗記したが「なぜその条件が必要か」を聞かれると答えられない
  • 「横流」と「同期化力」の違いがごちゃごちゃになる
  • 「有効横流」と「無効横流」が出てきて頭がパンクした
○ この記事でわかること
  • 並行運転の5つの条件を「結婚式のスピーチ」のたとえで丸ごと記憶
  • 各条件を「守らないと何が起きるか」Before/Afterで完全理解
  • 横流(有効横流・無効横流)を1枚の図で整理
  • 同期化力を第3回の P-δ曲線と結びつけて理解
  • 試験頻出の正誤・穴埋め問題パターン集

発電所には発電機が1台だけ、ということはまずありません。複数の発電機を同じ電力系統(母線)に接続して、一緒に電力を供給する──これが「並行運転(並列運転)」です。

ところが、同期発電機を母線に接続するには「5つの条件」を守る必要があります。条件を1つでも破ると、発電機に大電流(横流)が流れて最悪壊れます。

R04年度上期の試験でも出題された超頻出テーマです。でも安心してください。5つの条件はすべて「2台の発電機の "差" をゼロにする」という1つの原則に集約されます。原則さえ理解すれば、丸暗記は不要になります。

結論|まず30秒でわかる答え

同期発電機の並行運転の条件は、母線(相手の発電機)と起電力の大きさ・周波数・位相・波形が等しく、相回転の向きが同じであることの5つです。起電力の大きさが違うと無効横流、位相が違うと有効横流(同期化電流)が流れます。並行運転に入ったあとは、界磁電流で無効電力の分担を、原動機の入力で有効電力の分担を調整します。

同期機マスターへの道|全7ステップの全体像

同期機の学習は、以下の7ステップで進めるのが最速です。順番を絶対に飛ばさないでください。前のステップを理解していないと、次でつまずきます。

SERIES|同期機マスターシリーズ
全7ステップ
  1. 1
    同期機の構造と原理|なぜ同期速度で回るのか
    回転界磁形・回転電機子形の違いと、同期発電機が動く仕組みを理解する
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  2. 2
    等価回路とベクトル図|E₀の求め方
    複雑な発電機を電気回路に翻訳する技術。ベクトル図の描き方が運命の分かれ道
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  3. 3
    出力と負荷角δ|P=(VE₀/Xs)sinδの正体
    同期発電機の最重要公式。「角度で出力が決まる」不思議な仕組みを完全理解
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  4. 4
    同期発電機の特性|短絡比・%Z・飽和曲線
    発電機の「性能の良さ」を表す指標。電験頻出のテーマ
    記事を読む →
  5. 5
    並行運転|5つの条件と同期化力
    複数の発電機を電力系統に接続するルール。実務でも超重要
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  6. 6
    同期電動機とV曲線|力率改善の主役
    「電動機なのに力率を改善する?」発電機とは違うもう一つの顔
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  7. 7
    計算パターン総まとめ|過去問対策の集大成
    短絡比・出力・ベクトル図の頻出パターンを途中式で完全網羅
    記事を読む →

並行運転とは?──なぜ発電機を複数つなぐのか

並行運転の定義
複数の同期発電機を同一の母線(バス)に接続し、同時に電力を供給する運転方法。「並列運転」とも呼ぶ。

並行運転のメリット──なぜ1台で済ませないのか

メリット 具体的な理由
① 供給信頼性の向上 1台が故障しても他の発電機で供給を継続できる
② 効率的な運用 需要に応じて稼働台数を増減 → 各発電機を高効率帯で運転
③ メンテナンスが容易 1台を停止してもシステム全体は稼働を継続できる
④ 電力系統の安定化 複数台の同期化力が合計されるため、系統全体の安定性が増す

並行運転の「怖さ」──条件を破ると何が起きるか

メリットが大きい反面、並行運転にはリスクがあります。2台の発電機が「合わない」状態で接続すると、発電機同士が「喧嘩」して大きな循環電流(横流)が流れます。

横流が発生すると…
• 巻線が過熱し、最悪焼損
• 大きなトルクが加わり、軸やカップリングが機械的に破損
• 電力系統全体に電圧・周波数の乱れが波及

これを防ぐために、接続前に守るべきルールが「並行運転の5つの条件」です。

同期発電機の並行運転の全体像の図。2台の発電機G1・G2が遮断器を通して母線につながり負荷に電力を送る。条件が合わないと横流が流れる
同期発電機の並行運転の全体像と横流
おすすめの本

「同期発電機の並行運転」を試験の得点につなげるなら、機械科目の教科書で前後の単元とあわせて押さえておくと安心です。TAC出版『みんなが欲しかった!』シリーズの、電験三種「機械」の教科書と問題集です。フルカラーの教科書に重要な過去問が付いています。

横流を計算する|令和8年度上期 機械 問6

起電力の大きさの差でどれだけの無効横流が流れるかは、2台の同期インピーダンスを直列にした回路で計算できます。電験三種 機械の令和8年度上期 問6がこの形でした。

問題:同じ仕様の同期発電機 A・B(定格電圧6,000V、定格容量4,500kV・A、短絡比1.25)が並行運転していて、起電力の差が400V になった。横流の大きさは?

手順1 短絡比から %Z:%Z=100÷1.25=80%

手順2 オーム値に換算:Z=(%Z÷100)×V²÷P=0.8×6,000²÷(4,500×10³)=6.4Ω

手順3 横流:I=400÷(6.4+6.4)=400÷12.8≒31.3A

起電力の大きさだけが違う(位相は同じ)ので、この31.3A は無効横流です。もし位相だけが違えば、同じ考え方で有効横流(同期化電流)になります。

並行運転中に負荷の分担を変えるには

操作変わるもの変わらないもの
A の界磁電流を増やす(励磁を強める)A の無効電力(遅れ)の分担が増え、A の力率が下がる。B は進み側へ有効電力の分担
A の原動機の入力を増やす(蒸気・水量を増やす)A の有効電力の分担が増える(A の負荷角 δ が大きくなる)(界磁を変えなければ)起電力の大きさ

「無効電力は界磁、有効電力は原動機」と覚えると、正誤問題で迷いません。界磁電流を変えても原動機からの入力は変わらないので、有効電力の分担は動かない、という筋道です。

つまり

横流=起電力の差÷(2台の同期インピーダンスの和)。大きさの差は無効横流、位相の差は有効横流。運転中の分担は界磁で無効電力、原動機で有効電力。

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よくある質問

Q. 同期発電機の並行運転の条件は?

A. 起電力の大きさ・周波数・位相・波形が母線と等しく、相回転の向きが同じことの5つです。破ると横流が流れます。

Q. 無効横流とは?

A. 並行運転する発電機の起電力の大きさが違うときに、発電機の間を循環する電流です。電圧より90°遅れ、無効電力を往復させます。

Q. 並行運転中に界磁電流を増やすとどうなる?

A. その発電機が受け持つ遅れの無効電力が増え、力率が下がります。原動機の入力は同じなので、有効電力の分担は変わりません。

参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

並行運転の5つの条件──「合唱」のたとえで丸ごと記憶

5つの条件を一気に覚えるために、「2人の歌手が同じステージで合唱する」場面をイメージしてください。

合唱のたとえ ── 2人のハーモニーを合わせる5つのルール

# 条件(技術用語) 合唱のたとえ 合わないとどうなる?
① 起電力の大きさが等しい 2人の声量が同じ 声量差 → 無効横流が流れる
② 周波数が等しい 2人のテンポが同じ テンポずれ → 同期化力のバランスが崩れ脱調
③ 位相が等しい 2人の歌い出しのタイミングが同じ タイミングずれ → 大きな有効横流が一瞬で流れる
④ 波形が等しい(正弦波) 2人の音色(声質)が同じ 声質が違う → 高調波循環電流
⑤ 相回転方向が等しい 2人が同じ向きを向いている 逆向き → 短絡に等しい大電流
暗記のコツ──「き・しゅ・い・は・そう」
5つの頭文字を並べると「起・周・位・波・相」。「きしゅいはそう(起終位波相)」と声に出して5回唱えれば、試験本番で5つ全部出てきます。
同期発電機の並行運転の5つの条件を合唱にたとえた図
並行運転の5つの条件を合唱にたとえると

各条件の詳細──「守らないと何が起きるか」Before/After

条件①:起電力の大きさが等しい

条件を守ったとき

2台の E₀ が等しい
→ 電圧差ゼロ
→ 横流なし

破ったとき

E₀ に差がある
→ 電圧差が生まれる
→ 無効横流が循環
→ 巻線の過熱

なぜ「無効」横流なのか? 電圧差による横流は、同期リアクタンス Xs を通して流れます。Xs はリアクタンス(コイル成分)なので、流れる電流は電圧に対して90°遅れます。つまり有効電力ではなく無効電力を往復させるだけの電流(=無効横流)です。

試験ポイント
「起電力の大きさが違うと無効横流が流れる」──この因果関係がそのまま正誤問題の答えになります。「有効横流が流れる」は誤り。

条件②:周波数が等しい

条件を守ったとき

2台の周波数が同じ
→ 回転速度が同期
→ 安定した並行運転

破ったとき

周波数に差がある
→ 回転速度がズレ続ける
→ 負荷角δが変動し続ける
→ 乱調・脱調

周波数が等しい=同期速度 Ns = 120f/P が等しい、ということです。周波数がズレると2台の回転子の位相差(負荷角δ)が常に変動し、出力が揺れ続けて(乱調)最終的に同期が外れます(脱調)。

並行運転の条件①起電力②周波数③位相を守ったときと破ったときの図。起電力が違うと無効横流、位相が違うと大電流が流れる
条件①起電力②周波数③位相を破ったときに起きること

条件③:位相が等しい【最も危険な条件】

条件を守ったとき

位相が一致
→ 投入瞬間の電圧差ゼロ
→ 横流なし。スムーズに投入

破ったとき

位相が180°ずれている
→ 投入瞬間に2E₀の電圧差
→ 短絡に近い大電流が一瞬で流れる
→ 機器の致命的破損

これが5つの中で最も危険な条件です。位相が180°ずれた状態で投入すると、2台の起電力が「足し算」になり、2E₀ ÷ 2Xs という巨大な電流が流れます。

位相180°ずれの衝撃

仮に E₀ = 6,600V、Xs = 5Ω の発電機2台が位相180°ずれで投入されると:

横流 = 2E₀ / (Xs1 + Xs2) = 2 × 6,600 / (5 + 5) = 1,320 A

定格電流が数百A程度の発電機に、瞬時に1,320Aが流れます。これは事故です。

実務では「同期検定器(シンクロスコープ)」を使って、投入のタイミングを慎重に合わせます。

条件④:波形が等しい(正弦波)

条件を守ったとき

きれいな正弦波同士
→ 波形差ゼロ
→ 高調波成分なし

破ったとき

一方に歪みがある
→ 高調波成分に差
→ 高調波循環電流が流れる
→ 巻線の局所過熱

実際の発電機は設計段階でほぼ正弦波に近い波形になるため、この条件は通常は自動的に満たされます。試験では「波形が等しいこと」とだけ書ければOKです。

条件⑤:相回転方向が等しい

条件を守ったとき

R-S-T の順番が同じ
→ 各相の位相関係が一致
→ 正常に並行運転

破ったとき

R-S-T と R-T-S が逆
→ 2つの相で位相が120°ずれ
→ 短絡相当の大電流
→ 絶対にやってはいけない

三相交流は R→S→T の順番(相回転方向)で回っています。2台の発電機の相回転が逆だと、接続した瞬間に2つの相で位相が大きくずれるため、条件③以上に危険です。施工時に結線を確認すれば防げるため、試験では「相回転方向を合わせること」と知っていればOKです。

並行運転の条件④波形⑤相回転を守ったときと破ったときの図。波形が歪むと高調波、相回転が逆だと短絡
条件④波形⑤相回転を破ったときに起きること

5つの条件まとめ──「何で調整するか」まで整理

# 条件 調整方法 違反時に発生するもの 確認に使う機器
① 起電力の大きさ 界磁電流を調整 無効横流 電圧計で母線電圧と発電機電圧を比較
② 周波数 原動機(タービン)の速度を調整 乱調・脱調 周波数計
③ 位相 投入タイミングを調整 有効横流(大電流) 同期検定器(シンクロスコープ)
④ 波形 設計段階で対応(運転中の調整不要) 高調波循環電流 ──
⑤ 相回転方向 施工時に結線を確認 短絡相当の大電流 検相器
試験で書ける一言まとめ
「並行運転の条件は、母線に接続する発電機の起電力の①大きさ、②周波数、③位相、④波形が母線と等しく、⑤相回転方向が同じであること。①は界磁電流、②は原動機速度、③は同期検定器で投入タイミングを合わせて調整する。」
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同期発電機の並行運転の5つの条件の表。起電力の大きさは界磁電流で調整し違反すると無効横流、周波数は原動機の速度で調整し乱調・脱調、位相は投入タイミングを合わせ有効横流、波形は設計段階で対応し高調波循環電流、相回転方向は施工時に結線を確認し短絡相当の大電流。覚え方は「き・しゅ・い・は・そう」
並行運転の5つの条件の表と覚え方「き・しゅ・い・は・そう」

横流の整理──有効横流と無効横流の違い

並行運転中に2台の発電機の間を循環する電流を「横流(cross current)」と呼びます。横流には2種類あります。これを混同すると正誤問題で失点するので、ここで完全に整理しましょう。

2種類の横流を1枚で整理

比較項目 無効横流 有効横流
何が違うと発生? 起電力の大きさ(E₀)の差 原動機の入力(トルク)の差
調整するもの 界磁電流 If 原動機の出力(ガバナ調整)
横流の性質 E₀ に対して90°遅れ
→ 無効電力を循環させる
E₀ とほぼ同相
→ 有効電力を一方から他方に移動
影響 巻線の過熱
(有効電力の分担は変わらない)
出力分担が偏る
(片方に負荷が集中)
覚え方 「電圧差 → 無効」
ム(電圧 Magnitude)→ ム(無効)
「トルク差 → 有効」
ト(トルク)→ ユ(有効)
現場の声
実務では、並行運転中の負荷分担は「界磁電流で無効電力の分担を調整」「原動機の出力で有効電力の分担を調整」と分けて管理します。界磁をいじると電圧(無効電力)が変わり、タービンをいじると出力(有効電力)が変わる──この対応関係が試験でもそのまま出ます。
有効横流と無効横流の比較図。電圧差では無効横流、トルク差(位相差)では有効横流が流れる
電圧差では無効横流、位相差では有効横流が流れる

同期化力──なぜ発電機は「勝手に同期を保てる」のか

並行運転中に外乱(負荷の急変など)が起きると、2台の発電機の位相差(負荷角δ)が一時的にずれます。でも、条件が整っていれば自然に元の位置に戻ります。この「元に戻ろうとする力」が同期化力です。

同期化力は「P-δ曲線の傾き」

第3回で学んだ P-δ曲線を思い出してください。

同期化力 Ps

Ps =
dP
dδ
=
VE₀
Xs
cosδ

P-δ曲線の傾きが同期化力の大きさ。傾きが急なほど、元に戻ろうとする力が強い。

同期化力が大きくなる条件

Ps が大きくなる条件 理由
Xs が小さい(=短絡比 Ks が大きい) VE₀/Xs が大きくなる → 傾きが急 → 復元力が強い
δ が小さい(余裕のある運転) cosδ が大きい → 傾きが急 → 復元力が強い
E₀ が大きい VE₀/Xs が大きくなる → 傾きが急
第4回との接続
第4回で学んだ「短絡比 Ks が大きい → 安定度が高い」は、ここで理由がつながります。Ks が大きい = Xs が小さい = 同期化力が大きい = 外乱から復帰しやすい = 安定度が高い。
同期化力のイメージの図。同期化力Ps=dP/dδで、P-δ曲線の傾きが急なほど元に戻る力が強く安定する
同期化力Ps=dP/dδ:傾きが急なほど安定

同期投入の手順──「5つの条件」を順番に合わせていく

実際に新しい発電機を母線に投入する(並列に接続する)とき、どのような手順で条件を合わせていくのかを整理します。

STEP 1

原動機を起動し、発電機を回転させる。
まだ母線には接続しない(遮断器は開放)。

STEP 2

界磁電流を調整して、発電機の電圧を母線電圧に合わせる。
→ 条件① 起電力の大きさが等しい を達成。

STEP 3

原動機の速度を調整して、発電機の周波数を母線周波数に合わせる。
→ 条件② 周波数が等しい を達成。

STEP 4

同期検定器(シンクロスコープ)で位相を監視し、位相が一致した瞬間に遮断器を投入。
→ 条件③ 位相が等しい を達成。

STEP 5

投入完了後、原動機の出力と界磁電流を調整して、負荷分担を設定する。
→ 有効電力分担(原動機で調整)+無効電力分担(界磁で調整)。

補足:条件④と⑤は事前に確保されている
④波形は設計段階で正弦波に設計済み。⑤相回転方向は施工時に結線を確認済み。
よって、運転時に合わせるのは①②③の3つです。
同期発電機の同期投入の手順フロー。原動機の起動、界磁で電圧合わせ、速度で周波数合わせ、位相一致で投入、負荷分担の設定
同期投入の手順:電圧・周波数・位相を合わせてから投入

試験の正誤・穴埋め問題パターン集

問題文 正誤 解説
「並行運転の条件の一つに、起電力の位相が等しいことがある」 ○ 正 5つの条件の③。位相がずれると有効横流が発生。
「起電力の大きさが異なると、有効横流が流れる」 × 誤 起電力の大きさの差 → 無効横流。「有効横流」ではない。
「並行運転中の有効電力の分担は、原動機の出力を調整することで変えられる」 ○ 正 有効電力 → 原動機出力。無効電力 → 界磁電流。
「同期化力は、同期リアクタンスが大きいほど大きくなる」 × 誤 Ps = (VE₀/Xs)cosδ。Xs が大きいほど Ps は小さくなる。
「並行運転の投入時に位相を確認するために、同期検定器(シンクロスコープ)を用いる」 ○ 正 シンクロスコープで位相一致のタイミングを見て投入。
「並行運転中、界磁電流を変えると有効電力の分担が変わる」 × 誤 界磁電流を変えると変わるのは無効電力の分担。有効電力を変えるのは原動機の出力。
「短絡比が大きい発電機は、同期化力が大きく安定度が高い」 ○ 正 Ks大 → Xs小 → VE₀/Xs大 → Ps大 → 安定。
「並行運転の条件は、起電力の大きさ、周波数、波形の3つである」 × 誤 5つ。「位相」と「相回転方向」が抜けている。
同期発電機の並行運転の正誤問題チェックリスト。起電力の大きさが違うと無効横流、有効電力の分担は原動機で調整、短絡比が大きいと同期化力が大きく安定
並行運転の正誤問題チェックリスト

同期機シリーズ 全7記事のロードマップ

第6回 ← 今ここ
同期発電機の並行運転|5つの条件と横流・同期化力
第7回
同期機の計算パターン完全網羅|過去問で解説

まとめ

この記事のまとめ
並行運転の5条件 起電力の大きさ・周波数・位相・波形・相回転方向が等しいこと。
暗記:「き・しゅ・い・は・そう」
調整方法 ①は界磁電流、②は原動機速度、③は投入タイミング(シンクロスコープ)。④⑤は事前確保。
横流の種類 起電力の大きさの差 → 無効横流。原動機のトルクの差 → 有効横流。
負荷分担の調整 有効電力の分担 → 原動機出力で調整。無効電力の分担 → 界磁電流で調整。
同期化力 Ps = (VE₀/Xs)cosδ。Xs が小さいほど(Ks が大きいほど)安定。

並行運転のテーマは、5つの条件を「暗記」するだけでなく、「なぜその条件が必要か」「破ると何が起きるか」をセットで答えられるかが得点の分かれ目です。本記事のBefore/After形式を頭に入れておけば、穴埋めも正誤もどちらにも対応できます。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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