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- 「マイコン」とは何のことか、パソコンやCPUとどう違うのかわからない
- 炊飯器の「マイコン搭載」は何がすごいのか知りたい
- マイコンで何ができて、どう動かすのかイメージしたい
- マイコンの意味と、頭脳・記憶・手足の3つの中身
- 受け取る→考える→動かす、の働き方
- ADC・PWM・通信などの機能(計算ツールつき)
- CPU・パソコンとの違いと、身の回りの使われ方
マイコンとは、マイクロコントローラーの略で、家電や自動車などの機器の中に組みこまれた小さなコンピューターのことです。CPU(考える)・メモリ(覚える)・入出力(感じる・動かす)を1つのチップにまとめていて、書きこまれたプログラムのとおりに、センサーやボタンの情報を受け取り、判断して、モーターやランプを動かします。

マイコンとは?機器の中の「小さな頭脳」

マイコンは、機器にとっての小さな脳です。人が目で見て、頭で考えて、手を動かすように、マイコンもセンサーで感じ、考え、機器の各部を動かします。
見た目は、足(ピン)がたくさん出た黒くて四角いチップで、大きさは数mm〜十数mmほどです。「マイクロ」はとても小さい、「コントローラー」は動きをあやつるもの、という意味です。
スイッチを入れたら回るだけの昔の扇風機には、マイコンはいりません。でも炊飯器は、温度を測り(測る)、火を強めるか弱めるか決め(考える)、残り時間を数え(数える)、炊けたらブザーで知らせる(知らせる)、を自分でこなします。この判断をするのがマイコンで、「マイコン搭載」とは、機器が状況に合わせて自分で細かく動ける、という意味です。

マイコンの中身と働き方|受け取る→考える→動かす
| 中身 | 人間でいうと | 役割 |
|---|---|---|
| CPU | 頭脳 | プログラムを読んで、計算や判断をする |
| メモリ | 記憶 | プログラムをしまう場所(フラッシュ)と、計算の途中を置く場所(RAM) |
| 入出力(I/O)と周辺機能 | 目・耳・手足 | センサーやボタンの情報を受け取り、モーターやランプを動かす |
パソコンではこれらが別々の大きな部品ですが、マイコンは1つの小さなチップにまとめています。だから小さく、安く、電気も少なくてすみ、機器の中に入れやすいのです。
例:エアコンを25℃に設定したとき
- 受け取る:リモコンの「25℃」と、室温センサーの「いま30℃」を入出力で受け取る
- 考える:プログラムに従い「5℃下げるには強く冷やす」と判断する
- 動かす:コンプレッサーを強く回すよう指令を出す
部屋が冷えてきたらまた室温を読み、冷やしすぎないよう弱めます。この「受け取る→考える→動かす」を、1秒間に何回も休まずくり返しています。
フィードバック制御など自動制御のしくみ

マイコンにできること|主な周辺機能
マイコンには、外の世界とやりとりするための機能(周辺機能)が入っています。どの機能がいくつあるかで、マイコンを選びます。
| 機能 | やること | 使う例 |
|---|---|---|
| GPIO(汎用入出力) | ピンをオン・オフで読む・出す | ボタンを読む、LEDを点ける |
| ADC(A/D変換) | アナログの電圧を数字に変える | 温度センサー、電池の電圧を測る |
| タイマー・PWM | 時間を数える。オンの時間の割合を変えたパルスを出す | LEDの明るさ、モーターの速さ |
| 通信(UART・SPI・I2C) | ほかのICやパソコンとデータをやりとりする | 液晶表示、センサーIC、パソコンとの通信 |
| ウォッチドッグタイマー | プログラムが止まったら自動でリセットする | 暴走したまま止まらないようにする |
ADCとPWMの計算ツール
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。実際のADCには誤差があり、PWMの設定方法はマイコンごとにちがいます。
はじめの例では、3.3Vの12ビットADCは1目盛り約0.81mVで、読み取り値2048は約1.65Vです。64MHzのクロックを3,200カウントで1周期にすると、20kHzのPWMになり、オンの割合を3,200段階で変えられます。
A/D変換の標本化・量子化・符号化

マイコンとCPU・パソコンの違い
CPUはマイコンの中の「考える部分」だけ。マイコンはCPUにメモリと入出力を加えて1つにまとめたもの。パソコンは何でもこなす大きな万能のコンピューターです。
| 比べる点 | マイコン | パソコン |
|---|---|---|
| 仕事 | 決まった1つの仕事を専門にこなす | いろいろな仕事をこなす |
| 大きさ・電気 | とても小さく、電気も少ない | 大きく、電気もたくさん使う |
| 値段 | 数十円〜数百円のものも | 数万円〜 |
| 使い方 | 機器の中に組みこまれて働く | 人が画面を見ながら操作する |
お弁当箱にたとえると、マイコンは「お弁当箱そのもの」、CPUは「その中のメインのおかず」です。マイコンには8ビット・16ビット・32ビットなどの種類があり、ビット数が大きいほど一度に扱える数が大きく、むずかしい計算が得意です。簡単な家電には8ビット、モーターの細かい制御や通信の多い機器には32ビットがよく使われます。
2進数・10進数・16進数の変換

マイコンが使われる所と、動かすための4つの条件
| 製品 | マイコンの仕事 |
|---|---|
| 炊飯器 | 温度と時間を管理しておいしく炊く |
| エアコン | 室温を見ながら冷暖房の強さを変える |
| 洗濯機 | 水量・回転・時間をコースに合わせて変える |
| 自動車 | エンジン・ブレーキ・エアバッグなど。1台に数十〜百個以上入ることも |
マイコンを動かすための4つの条件
- 電源:決まった電圧(3.3Vや5Vなど)を安定して与える。電源ICとパスコンが必要
- クロック:動く速さを決める時計。内蔵の発振器か、外付けの水晶
- リセット:電源を入れたとき、最初から正しく動き始めるための仕組み
- プログラム:パソコンで書いて、マイコンのメモリに書きこむ
マイコンのピンから出せる電流は数mA〜数十mAほどなので、モーターや大きなLEDは直接動かせません。トランジスタやMOSFET、ゲートドライバICを間に入れて動かします。
なぜマイコン直結ではダメ?ゲートドライバIC

マイコンでつまずきやすいポイント
| よくある思いこみ | 実際は |
|---|---|
| マイコン=昔の小型パソコン | 昔はそう呼んだ時代もあるが、いまは機器に組みこむマイクロコントローラーのこと |
| マイコンが自分で賢く考える | 書きこまれたプログラムのとおりに動くだけ。賢さはプログラムしだい |
| マイコンだけで機器が動く | センサー・電源・駆動回路など、まわりの部品と組み合わせて動く |
| ピンにモーターを直接つなげる | ピンは小さな電流しか出せない。トランジスタなどを間に入れる |

よくある質問
- マイコンは、機器に組みこまれた小さなコンピューター
- 中身はCPU(頭脳)・メモリ(記憶)・入出力(目耳手足)を1チップに
- 受け取る→考える→動かす、を高速でくり返す
- ADC・PWM・タイマー・通信などの機能で外とやりとりする
- CPUはマイコンの一部。パソコンは万能の大きなコンピューター
- 電源・クロック・リセット・プログラムの4つで動く

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メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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