現場の品質管理

【完全図解】工程内不良が出たらどうする?7つの手法の使う順番

😣 こんな経験はありませんか?
  • 工程内不良が増えたが、まず何から調べればいいのかわからない
  • パレート図、管理図、なぜなぜ分析、FMEA…道具は知っているのに使う順番がわからない
  • 不良が出るたびに場当たり対応になり、同じ問題を何度も繰り返している
✅ この記事でわかること
  • 工程内不良が出たときに使う「7つの手法」の順番
  • 各手法をどの場面で使うべきか
  • 原因分析から再発防止までを1本でつなぐ実務フロー

不良が出た瞬間、現場はバタつきますよね。

係長は「まず原因を調べて」と言い、上司は「再発防止まで考えて」と言い、客先案件なら品質保証は「8Dの準備を」と言います。でも、初心者のうちは“どの手法を、どの順番で使えばいいのか”が一番わかりにくいはずです。

結論を先に言います。工程内不良の分析は、いきなりなぜなぜ分析から入ってはいけません。 まずは「どの不良が多いか」を絞り、その後で「工程は安定しているか」「能力は足りているか」「真因は何か」を順番に確認するのが王道です。

まず全体像|工程内不良はこの7手法をこの順番で使います

初心者の方は、まずこの流れだけ頭に入れてください。これだけで「次に何をやるべきか」が見えます。

重点化
要因洗い出し
安定性確認
工程能力
能力評価
なぜなぜ
真因特定
再発防止
客先・横展開
📌 一言でまとめると
「多い不良を絞る → 原因候補を広げる → 工程状態を確認する → 真因を絞る → 仕組みに反映する」

手法① パレート図|最初に「どの不良から潰すか」を決める

工程内不良が増えたとき、最初にやるべきは「全部を同時に分析する」ことではありません。

まずは、不良件数や損失金額を並べて、どの不良が本当に痛いのかを見える化します。ここで使うのがパレート図です。

たとえば「キズ」「寸法外れ」「組付け不良」「異品混入」があるなら、件数が最も多い上位1〜2項目に集中します。ここで重点を決めないと、分析が散って終わります。

見る項目 目的
不良件数 どの不良が多いかを知る
損失金額 どの不良が重いかを知る
累積比率 重点対象を絞る
💡 ポイント
不良分析の失敗で多いのは、「重要でない不良を一生懸命分析してしまう」ことです。まずは重点化です。

手法② 特性要因図|4Mで原因候補を広く洗い出す

まだ真因は決めません。まずは漏れなく出す段階です

重点不良が決まったら、次は「なぜ起きた可能性があるか」を広く出します。

ここでいきなり「作業者の確認不足」と決めつけると失敗します。まずはMan・Machine・Material・Methodで要因候補を洗い出してください。

たとえば寸法不良なら、人の測定ミスだけでなく、設備摩耗、材料硬度のばらつき、加工条件変更、治具ズレなど、複数の枝を出す必要があります。

👤

Man

教育不足、交代要員、手順飛ばし

⚙️

Machine

摩耗、ガタ、メンテ後ズレ、治具不良

🧱

Material

ロット差、仕入先差、硬度差、異物

📋

Method

条件変更、手順改訂、検査方法変更

⚠️ 注意
この段階では「どれが真因か」はまだ決めません。大事なのは、思い込みで枝を切らないことです。

手法③ 管理図|「そもそも工程が荒れていないか」を確認する

不良が出たとき、かなりの確率で見落とされるのが管理図です。

でも実務ではここが重要です。なぜなら、工程が不安定なまま能力や原因を語っても意味がないからです。

まずは管理図で、特別原因が入っていないかを確認してください。点が管理限界を超えていないか、片側連続やトレンドが出ていないか、設備メンテ後・材料ロット切替後・シフト変更後に乱れていないかを見ます。

📌 順番の原則
管理図で安定確認 → 安定していれば工程能力を見る → 安定していなければ特別原因を先に除去
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管理図の異常判定ルール8選 →

管理図で何を異常と判断するかを最短で確認できます。

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SPC管理図の8つのルール →

SPC視点で管理図とCpkの役割の違いを整理できます。

手法④ 工程能力指数|安定してから「規格を満たす実力」を見る

管理図で工程が安定していると確認できたら、次は工程能力指数です。

ここで見るのは、「この工程は規格を安定して満たせるか」です。つまり管理図が“安定性”、Cpkが“実力”です。

たとえば不良率が高くても、原因が特別原因なのか、工程そのものの実力不足なのかで打ち手は変わります。Cpkが1.00未満なら工程改善が急務ですし、1.33以上ならまずは特殊原因や流し方を疑うべきです。

Cpkの目安 読み方
1.67以上 かなり余裕あり。維持管理中心
1.33以上 一般的な合格ライン
1.00以上 要注意。工程改善を検討
1.00未満 能力不足。緊急対応レベル
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工程能力指数Cp・Cpkとは? →

CpとCpkの違い、なぜ実務ではCpkを見るのかが整理できます。

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1.67・1.33・1.00・0.67を現場でどう読むかがわかります。

手法⑤ なぜなぜ分析|「人のせい」で止めずに真因を掘る

ここで初めて、なぜなぜ分析の出番です。

パレート図で重点不良を決め、特性要因図で候補を広げ、管理図やCpkで工程状態を見た後なら、かなり精度高く真因に近づけます。

逆に、この前段を飛ばしてなぜなぜ分析から始めると、「確認不足だった」「教育が足りなかった」で終わりがちです。これでは再発します。

悪い例

なぜ? → 作業者がミスした → 注意する

良い例

なぜ? → 向き違いでも入る治具構造 → ポカヨケなし

🔧 現場の声
真因は「人の注意力」ではなく、「そのミスが起きても不良になってしまう仕組み」の側にあります。そこまで降りてください。
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なぜなぜ分析が「人のせい」で終わる理由と対策 →

真因を“注意不足”で終わらせないための考え方がまとまっています。

手法⑥ FMEA|今回の学びを「次の不良防止」に変える

不良分析でありがちなのが、「原因はわかった。でも仕組みには残っていない」という状態です。

そこで使うのがFMEAです。今回つかんだ故障モード、原因、対策をFMEAへ戻すことで、再発防止を文書と仕組みに変えます。

たとえば締め忘れが真因なら、「教育実施」で終わらせず、ポカヨケ導入、トルク監視、標準書更新、点検表追加まで反映します。これで次回、同じリスクを見落としにくくなります。

今回の分析結果 FMEAへ反映する内容
故障モード 何が起きるかを明文化
原因 4M観点で整理
現行管理 今の検出・予防が十分か確認
推奨処置 ポカヨケ、標準改訂、条件固定など
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【完全図解】FMEAの作り方 →

分析結果をどうFMEAへ落とし込むかを、具体例で確認できます。

手法⑦ 8D報告書|客先クレームや重大案件ならここまでつなげる

工程内不良が社内だけで止まるなら、ここまでの6手法でも十分なことがあります。

ただし、客先へ流出した、複数部門にまたがる、再発すると重大、という案件なら8D報告書まで必要です。

8Dは、問題定義・応急処置・真因特定・恒久対策・再発防止を、チームで体系的に進める枠組みです。つまり、ここまで説明した各手法を1本の報告ストーリーにまとめる器だと考えるとわかりやすいです。

🧯

D3 応急処置

選別、出荷停止、封じ込め

🔍

D4〜D5

真因特定、恒久対策、仕組み化

🔁

D7 再発防止

FMEA更新、標準改訂、横展開

📘 関連記事
【完全図解】8D報告書の書き方 →

客先クレーム時に、どの分析結果をどう8Dへ落とすか整理できます。

実務フロー|工程内不良が出たらこう動けば迷いません

STEP 1

不良件数・損失を集計し、パレート図で重点不良を決める

STEP 2

特性要因図で4Mの原因候補を洗い出す

STEP 3

管理図で特別原因がないか確認する

STEP 4

安定していればCpkで工程能力を確認する

STEP 5

なぜなぜ分析で真因を特定する

STEP 6

FMEA・標準書・点検表に対策を反映する

STEP 7

客先案件なら8D報告書へまとめて再発防止を完了する

💡 ポイント
この順番を覚えておけば、会議で「次に何する?」と聞かれても迷いません。品質管理の会話が一気に整理されます。

よくある失敗|不良分析が空回りする3パターン

いきなりなぜなぜ分析

重点不良が決まっていないので、結論が散る

管理図を見ない

工程が不安定なままCpkや改善案を語ってしまう

対策を仕組みにしない

FMEAや標準へ戻さず、同じ不良がまた出る

不良分析は、原因当てゲームではありません。

「何が多いか」「工程は安定か」「能力は足りるか」「真因は何か」「仕組みに反映したか」。この順で見れば、分析の質はかなり上がります。

逆に言うと、この順番を飛ばすほど、対策は弱くなります。

まとめ|工程内不良分析は「道具の数」ではなく「使う順番」で決まります

最後にまとめます。

工程内不良が出たときは、まずパレート図で重点化し、特性要因図で原因候補を広げ、管理図で安定性を見て、工程能力指数で実力を測り、その後になぜなぜ分析で真因を掘ります。

そして、対策はFMEAや標準へ戻し、必要なら8D報告書で客先対応までつなげます。

つまり、不良分析の本質は「どの道具を知っているか」ではありません。どの順番で使えば、再発防止まで最短でつながるかを理解しているかです。

📚 次に読むべき記事

📘 SPC管理図の8つのルール →

「管理図で安定確認してからCpkへ」の意味がより深くわかります。

📘 【完全図解】FMEAの作り方 →

分析結果をどう再発防止へ変えるかが理解できます。

📘 【完全図解】8D報告書の書き方 →

客先案件に発展したとき、分析結果をどう報告にまとめるか整理できます。

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