理論科目の解説

Y-Δ変換(スター・デルタ変換)の公式と覚え方|ブリッジ回路の合成抵抗を例題で図解|計算ツール付き

Y-Δ変換を表すアイキャッチ。三角形につながった3つの抵抗と、星形につながった3つの抵抗を置きかえる

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • ブリッジ回路が、直列にも並列にも分けられない
  • Y-Δ変換の公式が6つもあって覚えられない
  • Δ→YとY→Δ、どちらを使えばいいかわからない
この記事でわかること
  • Y-Δ変換の意味と、外から見て同じになる理由
  • 公式と覚え方(Δ→Y・Y→Δ・同じ値のとき)
  • 不平衡ブリッジの合成抵抗の例題
  • Δ→Y・Y→Δ・ブリッジの計算ツール
結論|まず30秒でわかる答え

Y-Δ変換とは、Y形(星形)とΔ形(三角形)につながった3つの抵抗を、外の3つの端子から見た抵抗が変わらないように置きかえる方法です。Δ→Y は「その端子につながる2つの積 ÷ 3つの和」、Y→Δ は「2つずつの積の和 ÷ 向かい側の抵抗」で求めます。3つが同じ値なら RY=RΔ÷3 です。直列・並列に分けられないブリッジ回路も、変換すれば合成抵抗を計算できます。

Y-Δ変換を表すアイキャッチ。三角形につながった3つの抵抗と、星形につながった3つの抵抗を置きかえる
Y-Δ変換:三角形と星形の抵抗を置きかえる

Y-Δ変換とは?直並列に分けられない回路をほどく

5つの抵抗がひし形につながったブリッジ回路は、どこを見ても直列にも並列にもなっていません。そこで、3つの抵抗が三角形(Δ)につながった部分を、同じはたらきの星形(Y)に置きかえます。すると残りが直列と並列の組み合わせになり、合成抵抗が計算できます。

Y形(スター)Δ形(デルタ)
つながり方3つの抵抗が中心の1点に集まる3つの抵抗が端子どうしを三角形につなぐ
中心の点あるない
外の端子a・b・cの3つa・b・cの3つ
抵抗の名前Ra・Rb・Rc(端子の名前)Rab・Rbc・Rca(両端の端子の名前)

変換しても、a・b・cの3つの端子から見た抵抗はまったく同じです。中の配置だけを、計算しやすい形に変えるテクニックです。

Y形とΔ形の図。Y形はRa・Rb・Rcが中心の1点に集まり、Δ形はRab・Rbc・Rcaが端子a・b・cを三角形につなぐ。外の3端子から見た抵抗は同じ
Y形とΔ形:外の3端子から見た抵抗は同じ

Y-Δ変換の公式と覚え方

Δ→Y:その端子につながる2つの積 ÷ 3つの和

Δ → Y

Ra=Rab×Rca÷(Rab+Rbc+Rca)
Rb=Rab×Rbc÷(Rab+Rbc+Rca)
Rc=Rbc×Rca÷(Rab+Rbc+Rca)

分母はいつも3つの和で共通です。分子は、求めたい端子(たとえばa)につながっている2本(RabとRca)の積です。Y側の抵抗は、もとのΔの抵抗より必ず小さくなります。

Y→Δ:2つずつの積の和 ÷ 向かい側の抵抗

Y → Δ

Rab=(RaRb+RbRc+RcRa)÷Rc
Rbc=(RaRb+RbRc+RcRa)÷Ra
Rca=(RaRb+RbRc+RcRa)÷Rb

分子はいつも「2つずつの積の和」で共通です。分母は、求めたい辺(たとえばab)の向かい側にあるYの抵抗(Rc)です。

3つが同じ値なら3倍・3分の1

変換3つが同じ値のとき
Δ→YRY=RΔ÷3
Y→ΔRΔ=3×RY
Y-Δ変換の公式の図。Δ→Yはその端子につながる2本の積を3つの和で割る。Y→Δは2つずつの積の和を向かい側のY抵抗で割る。同じ値ならΔ→Yは3分の1、Y→Δは3倍
Y-Δ変換の公式:同じ値なら1/3倍と3倍

例題1:Δ→Y変換と検算

Rab=6Ω、Rbc=12Ω、Rca=4Ω のΔを、Yに変換する。

求めるもの計算答え
3つの和6+12+422Ω
Ra6×4÷22約1.09Ω
Rb6×12÷22約3.27Ω
Rc12×4÷22約2.18Ω

外から見て同じか、a-b間で確かめる

計算a-b間の抵抗
ΔのままRab と (Rbc+Rca) の並列:6×16÷2296/22≒4.36Ω
YにしたあとRa+Rb(Rcには電流が流れない):24/22+72/2296/22≒4.36Ω

どの2つの端子の間で測っても同じ値になるように決めたのが、Y-Δ変換の公式です。

例題2:不平衡ブリッジの合成抵抗

端子aが上、端子bが下のひし形のブリッジ。R1=3Ω(a-左)、R2=6Ω(a-右)、R3=6Ω(左-b)、R4=3Ω(右-b)、まん中の橋 R5=5Ω(左-右)。a-b間の合成抵抗は?

ステップ計算答え
① 三角形を見つけるR1・R2・R5 は a・左・右 の三角形(Δ)―
② Δ→Y(和=14)a側 3×6÷14、左側 3×5÷14、右側 6×5÷1418/14、15/14、30/14Ω
③ 左ルート15/14+6約7.07Ω
④ 右ルート30/14+3約5.14Ω
⑤ 並列にして a側を足す18/14+(7.07×5.14÷12.21)81/19≒4.26Ω

途中で小数に丸めると、答えが4.27Ωのように少しずれます。分数のまま計算するか、最後に丸めましょう。R1×R4=R2×R3 が成り立つ平衡ブリッジなら、R5に電流が流れないので、変換しなくても直並列で解けます。

不平衡ブリッジの例題の図。上の三角形3Ω・6Ω・5ΩをY形の18/14Ω・15/14Ω・30/14Ωに変換すると直並列になり、合成抵抗は81/19≒4.26Ω
不平衡ブリッジの例題:Y-Δ変換で合成抵抗約4.26Ω

「スター・デルタ」が出てくる3つの場面

場面何をする記事
Y-Δ変換(この記事)回路の中の3つの抵抗を、同じはたらきの別の形に置きかえて計算する―
三相のY結線・Δ結線電源や負荷のつなぎ方。線間電圧=√3×相電圧(Y)などスター結線とデルタ結線
Y-Δ始動(スターデルタ始動)モーターを始動のときだけY結線にして、始動電流を1/3におさえる誘導電動機の始動法

名前は似ていますが、目的がちがいます。三相の負荷をY-Δ変換すると、Δの1相のインピーダンスZはYではZ÷3になり、三相回路の計算を1相ぶんで考えられるようになります。

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Y-Δ変換とブリッジ回路の計算ツール

①Δ→Y、②Y→Δ、③ブリッジ回路の合成抵抗を計算します。最初は記事の例題の数字が入っています。

① Δ → Y(Ω)
② Y → Δ(Ω)
③ ブリッジ回路(a-左 R1、a-右 R2、左-b R3、右-b R4、左-右 R5)

入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。ブリッジは節点の式を解いて計算しています。

Y-Δ変換のよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
Δ→Yの分子に向かい側の抵抗を使う分子は、その端子につながる2本の積
Y→Δの分母を3つの和にする分母は、求める辺の向かい側のY抵抗
同じ値のときΔ→Yは3倍Δ→Yは1/3、Y→Δが3倍
途中で丸めて計算する分数のまま進める(例題は81/19≒4.26Ω)
Y-Δ始動と同じもの始動は結線を切りかえて始動電流をおさえる別の話
Y-Δ変換のよくある間違いの図。Δ→Yの分子はその端子につながる2本の積、Y→Δの分母は向かい側のY抵抗、同じ値ならΔ→Yは3分の1、途中で丸めず分数のまま計算する
Y-Δ変換のよくある間違い:分子と分母の取り違え

よくある質問

Q. Y-Δ変換とは簡単にいうと?

A. 3つの抵抗の星形(Y)と三角形(Δ)のつなぎ方を、外の3端子から見た抵抗が変わらないように置きかえる方法です。

Q. Δ→Y変換の公式の覚え方は?

A. 「その端子につながる2本の積 ÷ 3本の和」です。分母はどれも同じで、分子だけが変わります。

Q. Y→Δ変換の公式の覚え方は?

A. 「2つずつの積の和 ÷ 向かい側のY抵抗」です。分子はどれも同じで、分母だけが変わります。

Q. 3つが同じ値のときは?

A. Δ→YならΔの1/3、Y→ΔならYの3倍です。三相の平衡負荷の計算でよく使います。

Q. ブリッジ回路はいつY-Δ変換が要る?

A. R1×R4とR2×R3が等しくない不平衡のときです。平衡していれば橋の抵抗に電流が流れないので、変換なしで解けます。

まとめ
  • Y-Δ変換=外から見た抵抗を変えずに形を置きかえる
  • Δ→Y:その端子の2本の積 ÷ 3本の和
  • Y→Δ:2つずつの積の和 ÷ 向かいのY
  • 同じ値なら Δ→Yは1/3、Y→Δは3倍
  • 不平衡ブリッジは三角形をYにして直並列で解く
Y-Δ変換のまとめの図。外の端子から見た抵抗は同じ、Δ→Yは2本の積÷和、Y→Δは積の和÷向かいのY、同じ値なら3分の1と3倍
Y-Δ変換のまとめ:2本の積÷和、積の和÷向かい
この記事の理解を深める本と道具
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電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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