QC手法

グラフの種類と使い分け一覧|棒・折れ線・円・帯など10種類を目的別に図解

グラフの種類と使い分けを表すアイキャッチ。棒・折れ線・円・散布図・ヒストグラム・レーダーのアイコン

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 報告書のグラフを、棒と折れ線のどちらにすればいいか迷う
  • 円グラフと帯グラフの違いを説明できない
  • 「このグラフは見にくい」と言われたが、どこが悪いのかわからない
この記事でわかること
  • グラフの種類10個の特徴と使いどころ(一覧表)
  • 「何を伝えたいか」からグラフを選ぶ方法と選び方ツール
  • 見やすいグラフにする7つのルール
  • グラフでよくある間違い
結論|まず30秒でわかる答え

グラフの種類は「何を伝えたいか」で選びます。大きさの比較なら棒グラフ、時間の推移なら折れ線グラフ、全体の内訳なら円グラフ(いくつかの内訳を比べるなら帯グラフ)、2つの量の関係なら散布図、ばらつきの形ならヒストグラムや箱ひげ図、全体のバランスならレーダーチャートが基本です。

グラフの種類と使い分けを表すアイキャッチ。棒・折れ線・円・散布図・ヒストグラム・レーダーのアイコン
グラフの種類と使い分け

グラフの種類一覧|10種類を目的別に整理

グラフの種類を目的別にまとめた表。比較は棒グラフと積み上げ棒グラフ、推移は折れ線グラフ、内訳は円グラフと帯グラフ、関係は散布図、ばらつきはヒストグラムと箱ひげ図、重点はパレート図、バランスはレーダーチャート
グラフ10種類を目的別に整理

グラフは、数字の並びを「ひと目でわかる形」に変える道具です。まず全体を一覧で見てください。

伝えたいことグラフ品質管理での例
比較(どれが多い?)① 棒グラフ工程別・ライン別の不良件数
② 積み上げ棒グラフライン別の不良件数を、不良の種類ごとに積む
推移(いつ変わった?)③ 折れ線グラフ月別の不良率の推移
内訳(何が何%?)④ 円グラフ今月の不良の内訳
⑤ 帯グラフ(100%積み上げ)月ごとの不良の内訳のうつり変わり
関係(関係ある?)⑥ 散布図金型の温度と製品の寸法
ばらつき(どう散らばる?)⑦ ヒストグラム部品の寸法の分布と規格の位置
⑧ 箱ひげ図3台の設備の寸法のばらつきを並べて比べる
重点(どれから手を打つ?)⑨ パレート図不良項目を多い順に並べ、上位を見つける
バランス(どこが弱い?)⑩ レーダーチャート仕入先の品質・納期・価格などの評価

数字だけでは伝わらない

「A工程の不良率は1月2.1%、2月1.8%、3月2.5%、4月3.2%、5月2.9%、6月1.5%でした」と読み上げても、どこが問題かはすぐにはわかりません。同じ数字を折れ線グラフにすると、4月の山(3.2%)がひと目で見えます。グラフの役目は、①全体をすばやくつかむ、②異常や変化に気づく、③人に誤解なく伝える、の3つです。

グラフの種類10個を目的で整理した図。比較は棒グラフと積み上げ棒、推移は折れ線、内訳は円と帯、関係とばらつきは散布図・ヒストグラム・箱ひげ図、重点とバランスはパレート図とレーダー
グラフ10種類を目的別に整理

比較は棒グラフ、推移は折れ線グラフ

棒グラフ|大きさを比べる

棒の長さで量を表すので、「どれがいちばん多いか」が一瞬でわかります。項目が少なければ縦棒、項目名が長いときや8個以上あるときは横棒が読みやすくなります。合計と内訳を同時に見せたいときは積み上げ棒グラフです。棒の長さで比べるので、縦軸は必ず0から始めます。

折れ線グラフ|時間の変化を追う

横軸に時間(日・週・月)をとり、点を線で結びます。右肩上がり・右肩下がり・急な変化・くり返しの波の4つを読み取ります。折れ線グラフに管理限界線(UCL・LCL)を足したものが管理図で、「いつもとちがうか」の判定までできます。

月別の生産数を棒、不良率を折れ線で重ねた「複合グラフ」もよく使います。ただし左右に2本の縦軸がある場合は、どちらの軸の値かを凡例や色で必ず示します。

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棒グラフと折れ線グラフの使い分け

内訳は円グラフと帯グラフ|違いと使い分け

どちらも「全体のうち何%か」を表しますが、1つの内訳を見せるなら円グラフ、いくつかの内訳を比べるなら帯グラフです。

項目円グラフ帯グラフ(100%積み上げ)
得意なことある時点の内訳を直感的に見せる内訳どうしを並べて比べる
例今月の不良の内訳1月〜6月の不良の内訳の変化
項目数の目安5〜6個まで(残りは「その他」)同じ順番・同じ色でそろえる
苦手なこと2つ並べても差がわかりにくい件数そのもの(合計の大きさ)は見えない

円グラフは、大きい順に時計の12時から右回りに並べ、角度ではなく数値ラベルでも読めるようにします。内訳の合計がちがうグループを比べるときは、帯グラフではなく積み上げ棒グラフにすると、量の差も見えます。

円グラフと帯グラフの違いの図。今月の不良の内訳は円グラフ、1月から3月の内訳の変化は帯グラフで比べる
円グラフと帯グラフの違い

関係・ばらつき・重点・バランスを見るグラフ

散布図|2つの量の関係

横軸と縦軸に別々の量をとり、1つのデータを1つの点で打ちます。点が右上がりに並べば正の相関、右下がりなら負の相関です。ただし、関係があっても原因と結果とは限りません。

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ヒストグラムと箱ひげ図|ばらつきの形

ヒストグラムは、寸法などの連続した値を区間に分け、区間ごとの個数を柱で表します。棒グラフに似ていますが、横軸が数値の区間なので柱の間をあけません。山の形や規格からのはみ出しが見えます。箱ひげ図は、最小・第1四分位・中央値・第3四分位・最大を箱とひげで表し、いくつかのグループのばらつきを横に並べて比べるのに向いています。

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パレート図|どれから手を打つか

不良項目を多い順に並べた棒グラフに、累積の割合の折れ線を重ねたものです。上位2〜3項目で全体の大半を占めることが多く、対策の優先順位を決めるのに使います。QC7つ道具の1つです。

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レーダーチャート|全体のバランス

いくつかの評価項目を放射状の軸にとり、点を結んだ多角形の形でバランスを見ます。仕入先の評価や、改善前後のくらべに向いています。項目の並べ方で形の印象が変わるので、比べるもの同士は同じ並び・同じ目盛りにします。

散布図・ヒストグラム・箱ひげ図・パレート図・レーダーチャートの図。2つの量の関係、ばらつきの形、ばらつきの比較、対策の優先順位、全体のバランスを見る
散布図・ヒストグラム・箱ひげ図・パレート図・レーダーチャート

グラフの選び方ツール

伝えたいことと、項目(カテゴリ)の数を選んでください。合うグラフと、Excelでの作り方を出します。

選ぶと、その場で表示が変わります。Excelのメニュー名は版によって少しちがいます。入力した内容はどこにも送信されません。

グラフの選び方のフローチャート。何を伝えたいかで選ぶ。大きさの比較は棒グラフ、時間の変化は折れ線グラフ、内訳は円・帯グラフ、2つの関係は散布図、ばらつきはヒストグラム
グラフの選び方のフローチャート

見やすいグラフにする7つのルール

ルールポイント
① タイトルをつける「期間・対象・指標」を入れる(例:1〜6月 A工程 不良率の推移)
② 軸ラベルと単位%かppmか、件数か個数かを必ず書く
③ 棒グラフの縦軸は0から途中から始めると小さな差が大きく見える。折れ線で範囲を絞るなら省略を明示
④ 色は3色程度メイン色・強調の色・グレー。白黒印刷でも区別できる形や線種も使う
⑤ 3Dにしない奥行きで大きさが正しく読めなくなる。特に3D円グラフ
⑥ 数値ラベルを出す形で傾向、数字で正確な値を伝える
⑦ 凡例は線の近くに線のはしに直接名前を書くと、視線の行き来が減る

グラフでよくある間違い

よくある間違い正しい選び方
月ごとの推移を円グラフで並べる推移は折れ線、内訳の変化は帯グラフ
項目が10個以上の円グラフ多い順の横棒グラフか、上位+「その他」の円
ヒストグラムを棒グラフで代用連続した値の区間なので柱の間をあけない
合計がちがうグループを帯グラフで比べる量の差も見せるなら積み上げ棒グラフ
2軸グラフで、どちらの軸かわからない軸と線の色をそろえ、軸ラベルを書く
グラフのよくある間違いの図。推移は円グラフでなく折れ線、項目が多いなら横棒、3Dにしない、棒グラフの縦軸は0から
グラフのよくある間違い

QC7つ道具の中のグラフ

グラフはQC7つ道具の1つで、ほかの道具とも深くつながっています。パレート図は棒グラフと折れ線グラフの組み合わせ、ヒストグラムは柱の間をあけない棒グラフの仲間、管理図は折れ線グラフに管理限界線を足したものです。チェックシートで集めたデータを、グラフで目に見える形にする、という流れで使います。

QC7つ道具グラフとの関係
パレート図棒グラフ+累積の折れ線
ヒストグラム区間ごとの個数の柱
散布図2つの量の点のグラフ
管理図折れ線+管理限界線
チェックシート・特性要因図・層別データを集める・原因を整理する・分けて比べる道具(グラフの前後で使う)

よくある質問

Q. グラフの種類はどう選ぶ?

A. 伝えたいことで選びます。比較は棒、推移は折れ線、内訳は円か帯、関係は散布図、ばらつきはヒストグラムです。

Q. 棒グラフと折れ線グラフの違いは?

A. 棒グラフは項目どうしの大きさの比較、折れ線グラフは時間とともにどう変わったかを見せるのに向いています。

Q. 円グラフと帯グラフの違いは?

A. 円グラフは1つの内訳を見せ、帯グラフはいくつかの内訳を並べて比べます。内訳の変化を見るなら帯グラフです。

Q. ヒストグラムと棒グラフの違いは?

A. ヒストグラムは連続した値を区間に分けた個数で、柱の間をあけません。棒グラフは別々の項目の量を比べます。

Q. 3Dグラフを使ってはいけないの?

A. 奥行きで大きさが正しく読めなくなるので、報告書では平面のグラフを使うのが基本です。特に3D円グラフは避けます。

まとめ
  • グラフは「何を伝えたいか」で選ぶ
  • 比較=棒、推移=折れ線、内訳=円・帯、関係=散布図
  • ばらつき=ヒストグラム・箱ひげ図、重点=パレート図、バランス=レーダー
  • タイトル・単位・0からの軸・3Dにしない、が基本のルール
  • 品質管理ではQC7つ道具とセットで使う
グラフの種類のまとめの図。比較は棒、推移は折れ線、内訳は円と帯、関係は散布図、ばらつきはヒストグラム
グラフの種類と使い分けのまとめ
この記事の理解を深める本と道具
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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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