理論科目の解説

力率とは?cosθの意味と求め方・改善のしくみを図解|計算ツール付き

力率とは何かを表すアイキャッチ。ビールジョッキの8割がビール(有効電力)で、上に泡(無効電力)、力率cosθ=P÷S

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 力率って何? cosθと言われても三角関数が苦手
  • 有効電力・無効電力・皮相電力の関係がごちゃごちゃになる
  • 力率改善が、なぜ必要なのかピンとこない
この記事でわかること
  • 力率の意味を「ビールの泡」でイメージできる
  • 電力三角形と cosθ=P÷S の関係
  • 単相・三相での力率の求め方(計算ツールつき)
  • 力率が悪いと困る理由と、進相コンデンサで改善するしくみ
結論|まず30秒でわかる答え

力率とは、電源から送った電力(皮相電力S)のうち、実際に仕事をする電力(有効電力P)の割合のことで、記号ではcosθと書きます。cosθ=P÷Sで求め、θは電圧と電流の波のずれ(位相差)です。モーターのようなコイルがあると電流が遅れて力率が下がります。力率が悪いと同じ仕事に大きな電流が要り、電線の損失や設備の負担が増えるので、進相コンデンサをつないで改善します。

力率の読み方・単位・ふつうの値
項目内容
読み方りきりつ(英語は power factor、略してPF)
単位なし(電力どうしの比)。0〜1の数か、%で表す
抵抗だけの機器電気ストーブ・白熱電球など。力率はほぼ1
モーター負荷で変わり、軽い負荷ほど下がる。実際の値は銘板やカタログで確かめる
電気料金高圧で受電する工場などでは、力率85%を基準に基本料金が割引・割増になる契約が一般的
力率とは何かを表すアイキャッチ。ビールジョッキの8割がビール(有効電力)で、上に泡(無効電力)、力率cosθ=P÷S
力率cosθ=P÷Sをビールジョッキで表す

力率とは?「ビールの泡」でイメージする

力率は、ジョッキ全体(皮相電力)のうち、飲めるビール(有効電力)が何割かを表す数字です。

ビールでいうと電気では単位意味
飲めるビール(液体)有効電力 PW(ワット)熱・光・回転などの仕事になる電力
泡無効電力 Qvar(バール)電源と機器のあいだを行き来するだけで仕事をしない電力
ジョッキ全体皮相電力 SVA(ボルトアンペア)電圧×電流。電源や電線が運ばなければならない量

力率0.8なら、ジョッキの容量の8割ぶんだけが仕事をする(ビールになる)状態です。ただし泡(無効電力)の量は、残りの2割ではありません。電気では、仕事をする分と行き来するだけの分が直角に足される(下の電力三角形)ので、1,000VA・800W なら無効電力は600var、ジョッキの6割にあたります(800²+600²=1,000²)。泡(無効電力)は飲めませんが、ジョッキの容量はふさぎます。電気でも、無効電力は仕事をしないのに電線を流れる電流を増やします。

POINT

力率は0から1のあいだの数で、1に近いほど無駄が少なく、1は「泡ゼロ」の状態です。%で「力率80%」のように表すこともあります。

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飲めるビールが有効電力、泡が無効電力

並列回路の力率の計算は、インピーダンスの逆数「アドミタンス」を使うとぐっと楽になります。

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なぜ「cosθ」なのか?電力三角形で理解する

有効電力P・無効電力Q・皮相電力Sは直角三角形(電力三角形)をつくり、底辺Pと斜辺Sの比がちょうどcosθになるからです。

公式

力率 cosθ = P ÷ S
S² = P² + Q²(三平方の定理)
直列回路なら cosθ = R ÷ Z

底辺が有効電力P、高さが無効電力Q、斜辺が皮相電力Sです。三角関数のcosは「底辺÷斜辺」なので、P÷Sがそのままcosθになります。3つのうち2つがわかれば、残りの1つは三平方の定理で求められます。

抵抗RとリアクタンスXの直列回路では、インピーダンスZも同じ形の三角形(インピーダンス三角形)になり、cosθ=R÷Zでも力率を求められます。

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インピーダンスZの三角形と求め方

電力三角形の図。底辺が有効電力P、高さが無効電力Q、斜辺が皮相電力Sで、cosθ=P÷S、S²=P²+Q²
電力三角形:cosθ=P÷S、S²=P²+Q²

θ(位相角)の正体と、遅れ力率・進み力率

θは電圧と電流の波のずれ(位相差)で、ずれがなければ力率1、ずれが大きいほど力率は下がります。

電気ストーブのような抵抗だけの負荷では、電圧と電流が同じタイミングで上がり下がりするので、θ=0°、cos0°=1です。モーターのようにコイルを含む負荷では、コイルが電流の変化をいやがるため、電流が電圧より遅れます。

種類原因電流のようすよくある場面
遅れ力率コイル(L)電圧より遅れるモーター・変圧器の多い工場。ほとんどがこちら
進み力率コンデンサ(C)電圧より進む負荷が軽いのに進相コンデンサを入れたままのとき

電験三種の問題で「遅れ」「進み」の指定がないときは、遅れ力率として考えることがほとんどです。力率の値だけでは遅れか進みかはわからないので、「力率0.8(遅れ)」のように書きます。

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電圧と電流のずれの図。抵抗ではずれがなく力率1、コイルでは電流が遅れ、コンデンサでは電流が進む
抵抗は力率1、コイルは電流が遅れ、コンデンサは進む

力率の求め方|単相・三相の公式と例題

力率は、有効電力Pを「電圧×電流」で割って求めます。三相では電圧×電流に√3をかけます。

わかっている値力率の求め方
P と Scosθ = P ÷ S
P と QS = √(P²+Q²) を出してから P ÷ S
単相の V・I・Pcosθ = P ÷ (V×I)
三相の V(線間)・I・Pcosθ = P ÷ (√3×V×I)
直列回路の R と Zcosθ = R ÷ Z

例題1|PとQから力率を求める

有効電力P=300W、無効電力Q=400varの負荷の力率は?

S=√(300²+400²)=√250000=500VA、cosθ=300÷500=0.6。3:4:5の直角三角形は電験三種でよく出ます。5:12:13、8:15:17も覚えておくと、電卓なしで解けます。

例題2|三相のモーターの力率を求める

三相200Vのモーターに50Aが流れ、有効電力が13.86kWのときの力率は?

S=√3×200×50=約17,320VA、cosθ=13,860÷17,320=約0.80。√3を忘れると0.80ではなく1.39になり、1を超えてしまいます。1を超えたら、式のどこかが間違っている合図です。

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力率の計算ツール

① 電圧・電流・有効電力から力率を求める
② 力率を改善すると、どれだけ変わる?

はじめから入っている数字は、例題2と、下の「改善の効果」の例です。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。

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P・Q・Sの計算パターンを電力三角形で

力率の求め方の図。単相はcosθ=P÷(V×I)、三相はcosθ=P÷(√3×V×I)で、200V・50A・13.86kWなら力率0.80
力率の求め方:単相と三相(√3)の式

力率が悪いと何が困る?3つの理由

同じ仕事(同じ有効電力)でも、力率が悪いほど大きな電流が必要になり、損失・設備・料金の3つで損をします。

有効電力が同じなら、電流は力率に反比例します。800Wの仕事をするのに、力率1なら800VA分の電流で済みますが、力率0.8なら1,000VA分の電流が要ります。ビールなら、泡が多いほど大きなジョッキが必要になるのと同じです。

困ること理由
① 電線の損失が増える損失は I²R で、電流の2乗に比例する。力率0.8を1.0にすると、電流は20%減り、損失は36%減る
② 設備が大きくなる変圧器や電線は皮相電力(kVA)と電流で選ぶので、力率が悪いと太い電線や大きな変圧器が要る。電圧降下も大きくなる
③ 基本料金が上がる高圧で受電する工場などの契約では、力率85%を基準に、よければ基本料金を割り引き、悪ければ割り増す制度が一般的(くわしくは契約の約款で確かめる)
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力率が悪いと困る3つの理由

力率改善のしくみ|進相コンデンサで「泡」を消す

負荷と並列にコンデンサ(進相コンデンサ)をつなぐと、コイルの遅れ電流をコンデンサの進み電流が打ち消し、無効電力Qが減って力率が上がります。

電力三角形で見ると、有効電力Pはそのままで、高さQだけが縮みます。すると斜辺Sが短くなり、電源から流れる電流が減ります。必要なコンデンサの容量は次の式で求めます。

公式

Qc = P × (tanθ₁ − tanθ₂)[kvar]

θ₁:改善前の位相角、θ₂:改善後の位相角

たとえば有効電力100kWの負荷を、力率0.7から0.95に改善する場合、tanθ₁=約1.020、tanθ₂=約0.329なので、Qc=100×(1.020−0.329)=約69kvarです。皮相電力は約143kVAから約105kVAになり、電線を流れる電流は約26%、電線の損失は約46%減ります(上の計算ツール②で確かめられます)。

注意|力率1ちょうどを狙わない

負荷が軽い夜間などにコンデンサを入れたままにすると、進み力率になり、電圧が上がることがあります。実務では0.95前後を目標にし、負荷に合わせてコンデンサを入り切りする自動力率調整装置を使うこともあります。

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進相コンデンサを並列につないで力率を改善する

電験三種 法規の力率改善の計算|過去問の3つのパターン

電験三種の法規では、力率改善の計算が B問題(計算問題)で繰り返し出題されています。出題は「コンデンサの容量」「直列リアクトル付きのコンデンサの容量」「電圧降下の変化」の3パターンで、どれも「有効電力Pはそのまま、無効電力Qだけが減る」という同じ考え方で解けます。

パターン何を求める?出題(電験三種 法規)
1. コンデンサの容量改善前と改善後の無効電力の差 Qc令和元年度 問12(b)(令和5年度下期・令和6年度上期の問12で再出題)
2. 直列リアクトル付きコンデンサの端子電圧と、コンデンサ本体の容量令和元年度 問12(a)(b)(同上)
3. 電圧降下コンデンサを入れたあとの電圧降下、必要な容量平成24年度 問12、令和6年度上期 問11(平成15年度 問12の再出題)

どのパターンでも、最初にやることは同じです。「力率が変わっても有効電力Pは変わらない」と決めて、改善前と改善後の無効電力 Q=P×tanθ を求めます。

パターン1:コンデンサの容量を求める(令和元年度 問12)

問題の条件:三相の高圧電路(線間電圧6,600V)に、有効電力300kW・遅れ力率0.6の負荷がある。力率を遅れ0.8に改善するとき、コンデンサが受け持つ無効電力は?

STEP 1

改善前の sinθ₁ を求める:sinθ₁=√(1-0.6²)=√0.64=0.8

STEP 2

改善前の無効電力:Q₁=P×sinθ₁÷cosθ₁=300×0.8÷0.6=400kvar

STEP 3

改善後の sinθ₂ を求める:sinθ₂=√(1-0.8²)=√0.36=0.6

STEP 4

改善後の無効電力:Q₂=300×0.6÷0.8=225kvar

STEP 5

コンデンサが受け持つ無効電力:Qc=Q₁-Q₂=400-225=175kvar

これは上の公式 Qc=P×(tanθ₁-tanθ₂) と同じ計算です。tanθ₁=0.8÷0.6≒1.333、tanθ₂=0.6÷0.8=0.75 なので、300×(1.333-0.75)≒175kvar になります。この記事の計算ツール②でも確かめられます。

POINT

力率0.6・0.8の組み合わせは、sinθ が 0.8・0.6 になる「3:4:5の直角三角形」です。法規の計算問題によく出てくるので、√を計算しなくても sinθ が出せるようにしておくと速く解けます。

パターン2:直列リアクトルが付いたコンデンサ(令和元年度 問12)

実際の進相コンデンサには、高調波(50Hzや60Hzの何倍もの周波数の電流)を抑えるために、直列リアクトル(コイル)を直列に入れます。同じ問題では、直列リアクトルのリアクタンス XL がコンデンサのリアクタンス XC の6%のとき、(a) コンデンサの端子電圧と、(b) コンデンサ本体に必要な容量を問われました。

(a) コンデンサの端子電圧は電路の電圧より高くなる

コイルとコンデンサの電圧は向きが逆なので、直列にすると打ち消し合い、全体のリアクタンスは XC-XL=XC-0.06XC=0.94XC になります。電路の電圧6,600Vは、この0.94XC にかかる電圧です。コンデンサだけにかかる電圧は、リアクタンスの比で決まります。

STEP 1

コンデンサの端子電圧:Vc=6,600×XC÷(0.94XC)=6,600÷0.94

STEP 2

割り算をする:6,600÷0.94≒7,021V

(b) コンデンサ本体の容量は、受け持つ無効電力の 1÷0.94 倍

設備全体として電路に出す無効電力は、パターン1で求めた175kvarです。同じ電流 I が直列リアクトルとコンデンサの両方を流れるので、設備全体の無効電力は I²×0.94XC、コンデンサ本体の無効電力は I²×XC です。比をとると、コンデンサ本体の容量は設備全体の 1÷0.94 倍になります。

STEP 1

設備全体で必要な無効電力:Qc=175kvar(パターン1)

STEP 2

コンデンサ本体の容量:QSC=175÷0.94≒186kvar

注意|ここで間違えやすい

直列リアクトルがあると、コンデンサの端子電圧も容量も「6%ぶん大きくなる」のではなく、「0.94で割る」ぶん大きくなります。6,600×1.06=6,996V や 175×1.06≒186kvar と計算すると、(a) は選択肢の 6,995V を選んでまちがえます((b) はたまたま同じ値に近くなります)。

パターン3:電圧降下から考える(平成24年度 問12・令和6年度上期 問11)

力率を改善すると電流が減り、配電線の電圧降下も小さくなります。三相3線式の電圧降下の近似式 ε=√3×I×(R cosθ+X sinθ) の両辺に電圧 V をかけると、P=√3VIcosθ、Q=√3VIsinθ なので、次の形に変えられます。

公式
V × ε = R × P + X × Q

V:受電端の線間電圧[V]、ε:電圧降下[V]、R・X:電線1条あたりの抵抗とリアクタンス[Ω]、P:有効電力[W]、Q:無効電力[var]。電流を求めなくてよいので、計算がぐっと短くなります。

令和6年度上期 問11:電圧降下は何%になる?

問題の条件:電線1条あたり抵抗3Ω・リアクタンス5Ω、需要家の電力8,000kW・遅れ力率0.8、受電電圧20kV。(a) 変電所の送り出し電圧は? (b) 力率を0.95に改善したら、電圧降下は改善前の何%?

STEP 1

改善前の無効電力:Q=8,000×0.6÷0.8=6,000kvar

STEP 2

改善前の電圧降下:ε=(3×8,000×10³+5×6,000×10³)÷(20×10³)=(24,000,000+30,000,000)÷20,000=2,700V → 送り出し電圧は 20+2.7=22.7kV

STEP 3

改善後の無効電力:tanθ=√(1-0.95²)÷0.95≒0.3122÷0.95≒0.3287 なので、Q'=8,000×0.3287≒2,629kvar

STEP 4

改善後の電圧降下:ε'=(24,000,000+5×2,629×10³)÷20,000=(24,000,000+13,145,000)÷20,000≒1,857V

STEP 5

比率:1,857÷2,700≒0.688 → 約68.8%

平成24年度 問12:電圧を保つのに必要なコンデンサは?

問題の条件:送り出し電圧6,600Vの三相3線式の配電線(電線1条あたり抵抗0.5Ω・リアクタンス1Ω)で、2,000kW・遅れ力率0.6の工場に送る。受電電圧を6,300Vにするには、何kvarのコンデンサが要る?

STEP 1

改善前の無効電力:Q=2,000×0.8÷0.6≒2,667kvar

STEP 2

許される電圧降下:ε'=6,600-6,300=300V

STEP 3

改善後の無効電力を式から逆算:X×Q'=V×ε'-R×P=6,300×300-0.5×2,000×10³=1,890,000-1,000,000=890,000 → X=1Ω なので Q'=890kvar

STEP 4

必要なコンデンサの容量:Qc=2,667-890=1,777kvar → 選択肢では1,800kvar

POINT

つまり、3つのパターンはどれも「P一定、Qだけ減らす」計算です。パターン3では V×ε=RP+XQ の V に受電端の電圧(6,300Vや20kV)を入れるのがポイントです。

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問題文は電験王(denken-ou.com)の各年度の問題ページで確かめ、数字はこの記事で計算し直しています。

三相の電力 P=√3VIcosθ の「√3」がどこから来るのかは、次の記事で導いています。

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力率でよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
力率=効率効率は「入力のうち出力になった割合」。力率は「送った電力のうち仕事をする電力の割合」で、別のもの
無効電力は熱になって消える無効電力そのものは行き来するだけ。損をするのは、それで増えた電流が電線で熱になる分
三相でもP÷(V×I)で求める三相は √3×V×I で割る。答えが1を超えたら見直す
力率は1に近づけるほどよい入れすぎると進み力率で電圧が上がる。0.95前後が目安
コンデンサは直列につなぐ力率改善の進相コンデンサは、負荷と並列につなぐ
力率のよくある間違いの図。力率と効率は別、三相は√3×V×Iで割る、目安は0.95前後、進相コンデンサは並列につなぐ
力率のよくある間違い:力率と効率は別

よくある質問

Q. 力率とは簡単にいうと?

A. 送った電力のうち、実際に仕事をする電力の割合です。cosθ=P÷Sで、1に近いほど無駄が少ないです。

Q. 力率の求め方は?

A. 有効電力を皮相電力で割ります。単相はP÷(V×I)、三相はP÷(√3×V×I)、直列回路ならR÷Zでも求められます。

Q. 力率が悪いとどうなる?

A. 同じ仕事に大きな電流が要り、電線の損失や電圧降下が増えます。設備も大きくなり、基本料金が上がることもあります。

Q. 遅れ力率と進み力率の違いは?

A. 電流が電圧より遅れるのが遅れ力率(コイルが原因)、進むのが進み力率(コンデンサが原因)です。工場はほぼ遅れです。

Q. 力率改善はどうやる?

A. 負荷と並列に進相コンデンサをつなぎ、遅れの無効電力を打ち消します。容量はQc=P(tanθ₁−tanθ₂)で求めます。

Q. 力率と効率の違いは?

A. 効率は入力のうち出力になった割合、力率は送った電力のうち仕事をする電力の割合です。別の指標です。

Q. 力率がマイナスと表示されるのは?

A. 計器によっては、進み力率と遅れ力率を区別するためや、電力の向き(発電した電気を送り返しているとき)を示すために、マイナスの符号をつけて表示します。符号の意味は計器の取扱説明書で確かめます。

Q. 力率の単位は?

A. 単位はありません。有効電力[W]を皮相電力[VA]で割った比なので、0〜1の数か、%で表します。

Q. 力率が1を超えることはある?

A. ありません。計算で1を超えたら、三相の√3の忘れや、電圧と電流の取り違えを疑います。

まとめ
  • 力率 cosθ=P÷S。ジョッキ全体のうち、飲めるビールの割合
  • P・Q・Sは直角三角形。S²=P²+Q²
  • θは電圧と電流のずれ。コイルで遅れ、コンデンサで進む
  • 単相はP÷(V×I)、三相はP÷(√3×V×I)。1を超えたら見直す
  • 力率が悪いと電流が増え、損失・設備・料金で損をする
  • 進相コンデンサを並列に入れて改善。目標は0.95前後
力率のまとめの図。cosθ=P÷S、コイルで電流が遅れる、力率が悪いと電流が増える、進相コンデンサで改善する
力率のまとめ:cosθ=P÷Sと改善のしくみ
この記事の理解を深める本と道具
おすすめの本

「力率(cosθ)」を試験の得点につなげるなら、前後の単元とあわせて教科書で押さえておくと安心です。TAC出版『みんなが欲しかった!』シリーズの、電験三種「理論」の教科書と問題集が1冊になった本です。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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