法規科目の解説

発電所・変電所の施設のまとめ|さく5m・昇塔防止1.8m・常時監視しない発電所

高圧の機械器具の施設を表すアイキャッチ。さくで囲まれた変圧器と危険の表示

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お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • さくの高さと距離の和の5m・6mがどの条文の話かわからなくなる
  • 足場金具の1.8mや、常時監視をしない発電所の出力の上限が覚えられない
  • サイバーセキュリティの条文が試験に出るのか知りたい
この記事でわかること
  • 高圧の機械器具を施設する5つの方法とアークの離隔1m・2m(第21条〜第23条)
  • 発電所・変電所の立入防止と、支持物の昇塔防止(第38条・第53条)
  • 常時監視をしない発電所の3方式と出力の上限(第47条の2)
  • 電気設備のサイバーセキュリティ(省令第15条の2・解釈第37条の2)
  • 高圧・特別高圧の機械器具の判定ツール
結論|まず30秒でわかる答え

高圧の機械器具を発電所・変電所など以外に置くときは、さくの高さと充電部分までの距離の和を5m以上にする、柱の上なら地表上4.5m(市街地外4m)以上にする、などの方法で施設します(電技解釈第21条)。発電所・変電所はさくと施錠で立入りを防ぎ(特別高圧は35kV以下5m・160kV以下6m。第38条)、電柱・鉄塔の足場金具は地表上1.8m以上にします(第53条)。技術員が常にいない発電所は随時巡回など3方式で施設し(第47条の2)、事業用電気工作物の電子計算機はサイバーセキュリティを確保します(省令第15条の2)。

高圧の機械器具の施設を表すアイキャッチ。さくで囲まれた変圧器と危険の表示
この記事で整理する決まり(早見表)

項目名を押すと、その節へ移ります。

項目覚える数字根拠
高圧・特別高圧の機械器具の施設さく+距離5m、地表上4.5m(市街地外4m)、アーク1m・2m電技解釈 第21条〜第23条
発電所・変電所の立入防止と支持物の昇塔防止35kV以下5m・160kV以下6m、足場金具1.8m電技解釈 第38条・第53条
常時監視をしない発電所随時巡回:水力2,000kW未満・内燃力1,000kW未満・ガスタービン10,000kW未満電技解釈 第47条の2・省令第46条
電気設備のサイバーセキュリティ事業用電気工作物(小規模事業用を除く)省令第15条の2・解釈第37条の2

高圧の機械器具の決まりの全体像(省令第9条)

変圧器や開閉器などの高圧の機械器具は、触れれば命にかかわります。電気設備技術基準(省令)第9条は、次の2つを決めています。

省令第9条の決まり具体的な方法
第1項高圧・特別高圧の電気機械器具は、取扱者以外の者が容易に触れるおそれがないように施設する電技解釈 第21条(高圧)・第22条(特別高圧)
第2項動作時にアークを生じる開閉器・遮断器・避雷器などは、可燃性の物から離す(耐火性の物で隔離すればよい)電技解釈 第23条

発電所・蓄電所・変電所・開閉所やこれらに準ずる場所は、別に立入りの防止の決まりがあるので、第21条・第22条の対象外です。

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省令第9条の2つの決まりの図。第1項は高圧・特別高圧の機械器具を取扱者以外が触れないように施設(解釈第21条・第22条)、第2項はアークを生じる器具を可燃性の物から離す(解釈第23条)

高圧の機械器具を施設する5つの方法(第21条)

次のどれか1つを満たせば施設できます。ここでの機械器具には、附属する高圧電線(ケーブル以外)も含みます。

方法ポイント
一屋内で、取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所鍵のかかる電気室など
二周囲にさく・へい等を設け、さくの高さと充電部分までの距離の和を5m以上にし、危険である旨の表示をする工場等の構内では5mと表示は不要。さくは必要
三附属する高圧電線にケーブル又は引下げ用高圧絶縁電線を使い、地表上4.5m(市街地外4m)以上の高さに施設柱上変圧器など
四コンクリート製の箱又はD種接地工事を施した金属製の箱に収め、充電部分が露出しないキュービクルなど
五充電部分が露出しない機械器具に、簡易接触防護措置を施す(又は温度上昇・故障時の電位差で危険がないように施設)露出している機械器具には使えない

さくの高さと距離の和

公式
さくの高さ + さくから充電部分までの距離 ≧ 5 m

たとえば、さくの高さが2mなら、さくから充電部分まで3m以上離します。さくが高いほど、充電部分を近くに置けます。

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高圧の機械器具を施設する5つの方法の図。屋内で取扱者以外が入れない場所、さくの高さと距離の和5m以上と危険の表示、地表上4.5m以上(市街地外4m)、コンクリート箱かD種接地の金属箱、充電部分が露出しない機器に簡易接触防護措置

特別高圧の機械器具(第22条)とアークを生じる器具(第23条)

特別高圧:22-1表

使用電圧さくの高さと距離の和(又は地表上の高さ)
35,000V以下5m
35,000V超 160,000V以下6m
160,000V超(6 + c)m c = (使用電圧 − 160,000V) ÷ 10,000V(小数点以下切り上げ)× 0.12

特別高圧では、工場等の構内でもさくの5mや表示は省略できません。構内で箱に収めるときは、絶縁された箱又はA種接地工事を施した金属製の箱です(高圧のD種と区別)。

アークを生じる器具:可燃性のものから1m・2m

開閉器等の使用電圧可燃性のものとの離隔距離
高圧1m以上
特別高圧 35,000V以下2m以上(アークの方向と長さを制限すれば1m)
特別高圧 35,000V超2m以上

離隔をとる代わりに、アークを生じる部分を耐火性のもので囲んで、木製の壁や天井などの可燃性のものから隔離してもかまいません。

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遮断器の種類と特徴

特別高圧の機械器具とアークを生じる器具の図。特別高圧のさくの高さと距離の和は35kV以下5m、160kV以下6m、それを超えると(6+c)m。アークを生じる器具と可燃性のものの離隔は高圧1m以上、特別高圧2m以上

電験三種の過去問で確かめる

年度問われたことポイント
平成21年度 問6高圧の機械器具の施設で誤りを選ぶ工場構内でさくを設けず「高圧用機械器具である旨」の表示 → 誤り
令和5年度下期 問4同じ形式同じ記述が誤り。さくは構内でも必要、表示は「危険である旨」
令和6年度上期 問4同じ形式構内で「高圧用の機械器具である旨」の表示 → 誤り
平成28年度 問3施設の例で不適切なものを選ぶ充電部分が露出する機械器具に簡易接触防護措置 → 不適切。ケーブルで地表上5mは適切
平成25年度 問5第23条の穴埋め可燃性のもの・1m・2m
令和7年度上期 問4同じ穴埋め可燃性のもの・1m・2m
令和4年度下期 問3省令第9条の穴埋め取扱者・アーク・可燃性・耐火性

第21条の正誤問題は、ほぼ毎回「工場等の構内」の記述がひっかけです。構内で省略できるのは5mと表示だけ、と覚えておきましょう。

高圧・特別高圧の機械器具の判定ツール

さく・へいで囲む方法(第21条第二号・第22条第二号)を判定します。アークを生じる器具の離隔距離も出します。

発電所・蓄電所・変電所・開閉所やこれらに準ずる場所は対象外です。試験対策用の早見なので、実際の施設は条文を確かめてください。

高圧の機械器具のよくある間違い

よくある間違い正しい考え方
工場の構内ならさくも不要構内で省略できるのは5mと表示だけ。さくは必要
表示は「高圧用機械器具である旨」「危険である旨」
露出した機械器具でも簡易接触防護措置でよい簡易接触防護措置は充電部分が露出しない機械器具
柱の上なら地表上5m高圧は4.5m(市街地外4m)。特別高圧は5m以上
高圧の箱はA種接地の金属箱高圧はD種接地の金属箱。A種は特別高圧(構内)
アークの離隔は高圧2m高圧1m、特別高圧2m
高圧の機械器具のよくある間違いの図。工場の構内でもさくは必要、表示は危険である旨、簡易接触防護措置は充電部分が露出しない機器だけ、アークの離隔は高圧1m

ここからは、高圧・特別高圧の機械器具の施設とあわせて出る決まりを、1つずつ節にまとめます。どの節も、条文の数字・図・過去問の順に読めます。

発電所・変電所の立入防止と支持物の昇塔防止|さく5m・6m、足場金具1.8m

要点

高圧・特別高圧の機械器具を屋外に施設する発電所・変電所などは、さく・へい等を設け、出入口に立入りを禁止する旨の表示と施錠をします。特別高圧では、さくの高さと充電部分までの距離の和を、35kV以下で5m、160kV以下で6m以上にします(電技解釈第38条)。電柱や鉄塔の足場金具は地表上1.8m以上に施設します。内部に格納できる、昇塔防止装置がある、さくで囲む、山地などで人が容易に立ち入らない場合は例外です(第53条)。

立入防止と昇塔防止の全体像

変電所のフェンスや、電柱の高い位置から始まる足場は、どちらも「関係のない人を近づけない」ための決まりです。

省令決まり電技解釈
第23条第1項発電所・変電所などに、危険である旨の表示と、取扱者以外の者が容易に構内に立ち入らない措置第38条
第23条第2項地中電線路の地中箱は、取扱者以外の者が容易に立ち入らないように施設第121条(ふたを容易に開けられない)
第24条架空電線路の支持物は、取扱者以外の者が容易に昇塔できないように第53条

第21条とのちがい

高圧の機械器具を発電所等以外(街なかの電柱や工場の敷地など)に置くときは第21条、発電所等の構内全体を守るときは第38条です。どちらも「さくの高さと充電部分までの距離の和」という同じ考え方を使います。

立入防止と昇塔防止の全体像の図。発電所・変電所は危険の表示と構内に立ち入らない措置(省令23条・解釈38条)、地中箱は容易に立ち入らない(省令23条2項)、支持物は容易に昇塔できない(省令24条・解釈53条)

発電所・変電所の立入防止(第38条)

屋外に機械器具を施設する発電所等

措置
一さく、へい等を設ける
二特別高圧の機械器具等は、さく・へい等の高さと充電部分までの距離の和を38-1表以上
三出入口に立入りを禁止する旨を表示する
四出入口に施錠装置を施設して施錠する等、出入りを制限する
充電部分の使用電圧さくの高さ+充電部分までの距離(38-1表)
35,000V以下5m
35,000V超 160,000V以下6m
160,000V超(6 + c)m c = (使用電圧 − 160,000V) ÷ 10,000V(切り上げ)× 0.12

土地の状況により人が立ち入るおそれがない箇所は除きます。38-1表は、第22条(特別高圧の機械器具)の22-1表と同じ数値です。

屋内に機械器具を施設する発電所等

堅ろうな壁を設けるか、さく・へい等で38-1表以上にし、出入口の表示と施錠も同じように行います。

工場等の構内の例外

工場等の構内で、構内境界全般にさく・へい等を設けて一般公衆が立ち入らないようにし、危険である旨の表示をし、機械器具を第21条(高圧)・第22条(特別高圧)に準じて施設する場合などは、第38条第1項・第2項によらなくてかまいません。

発電所・変電所の立入防止の図。さく・へいを設け、特別高圧ではさくの高さと充電部分までの距離の和を35kV以下5m、160kV以下6m以上にし、出入口に立入禁止の表示と施錠をする

支持物の昇塔防止(第53条)

電柱や鉄塔に取扱者が昇降するための足場金具等は、地表上1.8m以上に施設します。子どもなどが手をかけて登れないようにするためです。

例外(1.8m未満でもよい場合)理由
足場金具等が内部に格納できる構造使わないときはしまえる
支持物に昇塔防止のための装置を施設登れないようにする装置がある
支持物の周囲にさく、へい等を施設そもそも近づけない
山地等で人が容易に立ち入るおそれがない場所人が来ない

「監視装置を施設する」は例外に入りません。見ているだけでは登るのを止められないからです。平成24年度と令和5年度下期に、この選択肢がひっかけで出ました。

支持物の昇塔防止の図。足場金具は地表上1.8m以上。例外は内部に格納できる、昇塔防止装置、周囲にさく・へい、山地などで人が容易に立ち入らない場所。監視装置は例外にならない

電験三種の過去問で確かめる

年度問われたこと答え
平成19年度 問5省令第23条の穴埋め高圧又は特別高圧・危険・構内・地中箱
平成30年度 問6第38条の穴埋め5・6・禁止・施錠
平成30年度 問7第53条の穴埋め1.8・内部に格納・容易に
平成24年度 問7第53条の例外で不適切なもの監視装置を施設 → 不適切
令和5年度下期 問6同じ形式監視装置を施設 → 不適切

平成30年度 問7の選択肢には「2.0」「取り外し」「頻繁に」が並びます。1.8m・内部に格納・容易にの3語をセットで覚えておきましょう。

常時監視をしない発電所|随時巡回・随時監視制御・遠隔常時監視制御

要点

常時監視をしない発電所とは、発電所の運転に必要な知識と技能をもつ技術員が、その発電所や同じ構内に常にいない発電所です。電技解釈第47条の2で、技術員が適当な間隔で巡回する随時巡回方式、必要に応じて出向く随時監視制御方式、制御所に常駐して遠隔で監視・制御する遠隔常時監視制御方式の3つが決められ、随時巡回方式では水力2,000kW未満・内燃力1,000kW未満・ガスタービン10,000kW未満などの出力の上限があります。

常時監視をしない発電所とは?電技省令第46条の考え方

発電所は本来、技術員がそばで見張るのが基本です。電技省令第46条は、異常が起きたときに状態に応じた制御が必要な発電所や、電気の供給に大きな支障が出ないよう異常を早く見つける必要がある発電所について、知識及び技能をもつ者が当該発電所又はこれと同一の構内で常時監視をしないものは、施設してはならない、としています。

それ以外の発電所で常時監視をしない場合は、異常が起きたときに安全かつ確実に停止できる措置を講じることを求めています。具体的な方式は、電技解釈第47条の2で決まっています。

たとえると

留守番のいない家と同じです。家族が出かけるときは、こまめに見回りに来る(随時巡回)、警報が鳴ったら駆けつける(随時監視制御)、監視カメラで別の場所からずっと見て操作もできる(遠隔常時監視制御)、のどれかで安全を守ります。

随時巡回・随時監視制御・遠隔常時監視制御の違い

方式技術員がどこにいて、何をするかキーワード
随時巡回方式技術員が、適当な間隔をおいて発電所を巡回し、運転状態の監視を行う適当な間隔をおいて・巡回
随時監視制御方式技術員が、必要に応じて発電所に出向き、運転状態の監視又は制御その他必要な措置を行う。異常のときに技術員へ警報する装置を置く必要に応じて・出向く・警報
遠隔常時監視制御方式技術員が、制御所に常時駐在し、発電所の運転状態の監視及び制御を遠隔で行う制御所・常時駐在・遠隔
覚え方

「巡回は間隔、監視制御は必要に応じて、遠隔は制御所」と、キーワードを1つずつ結びつけて覚えます。主語はどれも「運転員」ではなく技術員です。

注意|ここで間違えやすい

随時巡回方式と随時監視制御方式では、発電所に施設する変圧器の使用電圧は170,000V以下と決められています。

常時監視をしない発電所の3つの方式の図。随時巡回方式は適当な間隔をおいて巡回、随時監視制御方式は必要に応じて出向き警報装置を置く、遠隔常時監視制御方式は制御所に常時駐在して遠隔で監視と制御

発電所の種類ごとの出力の上限(随時巡回方式)

発電所の種類(第47条の2)随時巡回方式のときの出力の上限
水力(第3項)2,000kW未満
内燃力(第8項)1,000kW未満
ガスタービン(第9項)10,000kW未満
風力(第4項)出力の上限の規定なし
太陽電池(第5項)出力の上限の規定なし
地熱(第7項)随時巡回方式の規定なし(随時監視制御方式か遠隔常時監視制御方式)
工事現場などの移動用発電設備(第11項)定格出力880kW以下(低圧・ディーゼル機関など)

随時巡回方式は、技術員がいない時間がいちばん長い方式なので、異常が起きたときの影響が大きい種類の発電所ほど、出力を小さく制限しています。水力や内燃力の発電所には、自動出力調整装置や、異常のときに発電機を自動で切り離す装置も求められます。

POINT

太陽電池発電所は、遠隔常時監視制御方式でも随時巡回方式でも、出力の上限の規定がありません。令和元年度 問7では「太陽電池発電所に遠隔常時監視制御方式を採用する場合に、出力に制限はない」は正しい選択肢でした。

随時巡回方式の出力の上限の表。水力2,000kW未満、内燃力1,000kW未満、ガスタービン10,000kW未満、風力と太陽電池は上限の規定なし

電験三種の過去問で確かめる

年度・問題形式ポイント
令和元年度 問7誤りを選ぶ誤りは「水力に随時巡回方式で3,000kW」。水力の随時巡回方式は2,000kW未満
平成27年度 問6空欄技術員・適当な間隔をおいて・運転状態・必要に応じて・制御所
平成23年度 問5空欄(省令第46条)制御・知識及び技能・これと同一の構内・停止
注意|ここで間違えやすい

平成27年度 問6の選択肢には「運転員」「計測装置」「駐在所」がまちがいとして並びます。条文の言葉は「技術員」「運転状態」「制御所」です。

電気設備のサイバーセキュリティ|電技省令第15条の2と3つのガイドライン

要点

電気設備のサイバーセキュリティとは、電気設備を動かすコンピュータ(電子計算機)が、不正なアクセスなどで乗っ取られたり止められたりしないように守ることです。電技省令第15条の2で、事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の運転を管理する電子計算機は、人への危害・物の損傷と、一般送配電事業・配電事業の電気の供給への著しい支障を防ぐよう、サイバーセキュリティを確保しなければならないとされています。具体的なやり方は、電技解釈第37条の2が示す3つのガイドラインによります。

電技省令第15条の2の条文と、守るもの

発電所や変電所、工場の受変電設備は、いまはコンピュータで監視・制御されることが多くなりました。そのコンピュータが外部から攻撃されると、遮断器を勝手に開閉されるなどして、事故や停電につながるおそれがあります。

条文の部品中身
誰が(対象)事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)の運転を管理する電子計算機
何を防ぐ電気工作物が人体に危害を及ぼし、物件に損傷を与えるおそれ
何を防ぐ(もう1つ)一般送配電事業・配電事業に係る電気の供給に著しい支障を及ぼすおそれ
何をするサイバーセキュリティ(サイバーセキュリティ基本法第2条)を確保する
たとえると

家の鍵と同じです。電気設備という家の中に、監視・制御のコンピュータという「操作盤」があります。その操作盤に外から勝手に入られないよう、鍵をかけて見張るのがサイバーセキュリティです。

電技省令第15条の2の中身の図。事業用電気工作物(小規模事業用を除く)の運転を管理する電子計算機は、人への危害・物の損傷と供給支障を防ぐようサイバーセキュリティを確保する

対象は「事業用電気工作物(小規模事業用を除く)」

改正前の条文は、電気事業(一般送配電事業・送電事業・配電事業・特定送配電事業・発電事業)の用に供する電気工作物だけが対象でした。今の条文は「事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)」になり、工場やビルの自家用電気工作物も対象に入りました。

比べる点改正前(令和4年度上期 問2の条文)今の条文(令和8年度上期 問3)
対象一般送配電・送電・配電・特定送配電・発電事業の用に供する電気工作物事業用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)
守る主体運転を管理する電子計算機運転を管理する電子計算機
防ぐ支障一般送配電事業・配電事業の電気の供給一般送配電事業・配電事業の電気の供給
注意|ここで間違えやすい

過去問を解くときは、年度によって条文が違うことに注意してください。古い年度の問題の答えは、今の条文と合わないことがあります。

電技解釈第37条の2が示す3つのガイドライン

省令の「確保しなければならない」を、どうやって満たすかを示すのが電技解釈第37条の2です。システムの種類ごとに、よるべきガイドラインが決まっています。

システムよるべきもの
スマートメーターシステム日本電気技術規格委員会規格 JESC Z0003「スマートメーターシステムセキュリティガイドライン」
電力制御システム日本電気技術規格委員会規格 JESC Z0004「電力制御システムセキュリティガイドライン」
自家用電気工作物の遠隔監視システム・制御システム(発電事業用と小規模事業用を除く)経済産業省「自家用電気工作物に係るサイバーセキュリティの確保に関するガイドライン(内規)」
POINT

自家用のガイドラインは、システムを区分に分け、その区分に応じて「勧告的事項」と「推奨的事項」の2段階で対策を示しています。工場で遠隔監視を使っているなら、自社の設備がどの区分にあたるかを、経済産業省の資料で確かめるところから始めます。

電技解釈第37条の2の3つのガイドラインの図。スマートメーターはJESC Z0003、電力制御システムはJESC Z0004、自家用電気工作物の遠隔監視・制御システムは経済産業省の内規

電験三種の過去問で確かめる

年度・問題空欄答え
令和8年度上期 問3事業用電気工作物((ア)を除く)の運転を管理する(イ)…(ウ)又は配電事業に係る電気の供給小規模事業用電気工作物・電子計算機・一般送配電事業
令和4年度上期 問2(改正前の条文)一般送配電事業…又は(ア)の用に供するもの、(イ)、(ウ)又は配電事業発電事業・電子計算機・一般送配電事業
注意|ここで間違えやすい

選択肢の「制御装置」「電気使用場所」はまちがいです。守る主体は「電子計算機」、守る相手は「一般送配電事業・配電事業の電気の供給」です。

よくある質問

Q. 高圧の機械器具をさくで囲むときの決まりは?

A. さくの高さと、さくから充電部分までの距離の和を5m以上にし、危険である旨の表示をします。

Q. 工場等の構内で省略できるものは?

A. 高さと距離の和の5mと、危険である旨の表示です。さく・へい等そのものは構内でも必要です。

Q. 高圧の機械器具を柱の上に置くときの高さは?

A. 附属する電線にケーブル等を使い、地表上4.5m以上です。市街地外では4m以上でかまいません。

Q. アークを生じる器具の離隔距離は?

A. 可燃性のものから、高圧で1m以上、特別高圧で2m以上です。耐火性のもので隔離してもかまいません。

Q. 特別高圧の機械器具のさくの基準は?

A. 35kV以下5m、160kV以下6m、それを超えると(6+c)mです。構内でも省略できません。

Q. 発電所・変電所の立入防止の措置は?

A. さく・へい等を設け、出入口に立入りを禁止する旨の表示をし、施錠装置で施錠する等します。

Q. 常時監視をしない発電所とは何ですか?

A. 運転に必要な知識と技能をもつ技術員が、発電所やその構内に常にいない発電所です。電技解釈第47条の2で方式が決まっています。

Q. 電気設備のサイバーセキュリティは電技の何条?

A. 電技省令第15条の2です。具体的なやり方は電技解釈第37条の2が示すガイドラインによります。

まとめ
  • 高圧の機械器具は第21条の5つの方法のどれか
  • さくの高さ+距離 5m以上・危険の表示(構内は省略可、さくは必要)
  • 柱上は地表上4.5m(市街地外4m)
  • 箱はコンクリート製かD種接地の金属製
  • アークの離隔は高圧1m・特別高圧2m
  • 発変電所はさく・表示・施錠で立入防止。足場金具は地表上1.8m以上
  • 常時監視をしない発電所は3方式。随時巡回は水力2,000kW未満などの上限
  • 事業用電気工作物(小規模事業用を除く)の電子計算機はサイバーセキュリティを確保する
高圧の機械器具のまとめの図。さくの高さと距離の和は5m以上、工場等の構内は5mと表示が不要、柱上は地表上4.5m、アークを生じる器具は高圧1m・特別高圧2m離す
参考にした資料

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