※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
- 架空電線(6m)と引込線(5m)の高さが混ざる
- 2.30kN・2.6mm・15m・2mmの組み合わせを忘れる
- 高圧引込線の3.5mの条件がつかめない
- 低圧架空引込線の電線の太さ(第116条)
- 116-1表の高さと、架空電線の高さとの比べ方
- 高圧架空引込線の電線と3.5mの条件(第117条)
- 過去問の穴埋めと判定ツール
低圧架空引込線の電線は、ケーブル以外なら引張強さ2.30kN以上又は直径2.6mm以上の硬銅線で、径間15m以下なら1.38kN以上又は2mm以上でかまいません。高さは道路を横断するとき路面上5m(やむを得ないとき3m)、鉄道は5.5m、その他は地表上4m(やむを得ないとき2.5m)です(電技解釈第116条)。高圧架空引込線は、道路・鉄道・横断歩道橋以外なら、ケーブル以外は下方に危険の表示をして地表上3.5mまで下げられます(第117条)。

架空引込線とは?
電柱から家の壁へ、空中を渡っている数本の電線が架空引込線です。電技解釈第1条では「架空電線路の支持物から他の支持物を経ずに需要場所の取付け点に至る架空電線」と定義しています。
電柱どうしを結ぶ架空電線より短く、家の取付け点では低い位置に下りてきます。だから、架空電線とは別に、少し低めの高さや細めの電線を認める決まりがあります。
連接引込線とは

低圧架空引込線の電線(第116条)
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 電線の種類 | 絶縁電線又はケーブル |
| 太さ(ケーブル以外) | 引張強さ2.30kN以上 又は 直径2.6mm以上の硬銅線 |
| 径間15m以下のとき | 引張強さ1.38kN以上 又は 直径2mm以上の硬銅線でよい |
| 屋外用ビニル絶縁電線(OW) | 人が通る場所から手を伸ばしても触れない範囲に施設 |
| それ以外の絶縁電線 | 人が通る場所から容易に触れない範囲に施設 |
径間(電柱から取付け点までの距離)が短いほど、電線にかかる張力が小さいので、細い電線でもよいという考え方です。

低圧架空引込線の高さ(116-1表)
| 場所 | 低圧架空引込線 | (参考)低圧架空電線(第68条) |
|---|---|---|
| 道路を横断(歩行専用部分を除く) | 路面上5m(やむを得ず交通に支障ないとき3m) | 路面上6m |
| 鉄道・軌道を横断 | レール面上5.5m | レール面上5.5m |
| 横断歩道橋の上 | 横断歩道橋の路面上3m | 3m |
| 上記以外 | 地表上4m(やむを得ず交通に支障ないとき2.5m) | 地表上5m(道路以外の場所は4m) |
引込線は、道路横断で架空電線より1m低い5mでよく、さらにやむを得ないときは3mまで下げられます。鉄道の5.5mと横断歩道橋の3mは架空電線と同じです。
架空電線の高さと離隔距離
連接引込線の制限
引込線から分岐して、電柱を通らずに隣の家へ引き込む低圧連接引込線は、分岐点から100mを超える地域にわたらない、幅5mを超える道路を横断しない、屋内を通過しない、の3つの制限があります(第116条第4項)。

高圧架空引込線(第117条)
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 電線 | イ 引張強さ8.01kN以上又は直径5mm以上の硬銅線の、高圧絶縁電線・特別高圧絶縁電線/ロ 引下げ用高圧絶縁電線/ハ ケーブル |
| 絶縁電線の工事 | がいし引き工事 |
| ケーブルの工事 | 第67条(架空ケーブル)に準じる |
| 高さ(原則) | 高圧架空電線と同じ(第68条:道路6m・鉄道5.5m・横断歩道橋3.5m・その他5m) |
| 高さ(例外) | 道路・鉄道・横断歩道橋の横断以外で、ケーブル以外は電線の下方に危険である旨の表示をすれば、地表上3.5m以上 |
高圧の引込線は、工場やビルの受電設備に引き込む電線です。構内の通路の上などで5mの高さを確保しにくいとき、危険の表示をすれば3.5mまで下げられます。
支線の張力と素線の条数

電験三種の過去問で確かめる
| 年度 | 問われたこと | 答え |
|---|---|---|
| 平成23年度 問7 | 低圧架空引込線の太さと高さ | 2.30kN・15m・5m・3m・5.5m |
| 令和7年度上期 問6 | 低圧架空引込線の太さ | 2.6mm・15m・2.0mm |
| 平成28年度 問7 | 高圧架空引込線の電線と高さ | 5mm・引下げ用・3.5m・下方 |
| 令和6年度上期 問6 | 同じ穴埋め | 5mm・引下げ用・3.5m・下方 |
どれも条文の数字をそのまま問う穴埋めです。令和7年度上期 問6は平成16年度 問9と同じ問題で、くり返し出ています。
架空引込線の判定ツール
電圧と場所を選ぶと、必要な高さと電線の太さを出します。
試験対策用の早見です。工作物や植物との離隔、屋側部分の施設は条文を確かめてください。
架空引込線のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 低圧引込線の道路横断は6m | 引込線は5m(6mは架空電線) |
| 径間20mでも2mmの硬銅線でよい | 2mmでよいのは径間15m以下 |
| 鉄道横断もやむを得なければ下げられる | 鉄道は5.5mで緩和なし |
| 高圧引込線はどこでも3.5m | 道路・鉄道・横断歩道橋の横断以外だけ |
| 危険の表示は電線の上方 | 電線の下方に表示 |
| 高圧の絶縁電線は2.6mm | 高圧は5mm(8.01kN) |

よくある質問
- 低圧引込線は2.30kN・2.6mm(径間15m以下は1.38kN・2mm)
- 道路横断は路面上5m(やむを得ないとき3m)
- 鉄道5.5m・横断歩道橋3m・その他4m(2.5m)
- 高圧引込線は5mm・引下げ用・ケーブル
- 高圧は横断以外で下方に表示すれば3.5m

「架空引込線」を、電技と電技解釈の条文で確かめたいときに向いています。電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)と、その解釈(電技解釈)の条文をまとめた本です(2026年版)。
「架空引込線」を試験の得点につなげるなら、法規科目の教科書で前後の決まりとあわせて押さえておくと安心です。TAC出版『みんなが欲しかった!』シリーズの、電験三種「法規」の教科書と問題集です(第3版)。フルカラーの教科書に重要な過去問が付いています。
メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
「どこから手をつければいいかわからない」「計算問題で手が止まる」と感じたら、講義と問題演習がセットになった通信講座を使う方法もあります。SATの電験三種講座(第三種電気主任技術者講座)は、フルカラーのテキストと講義動画で学べて、メールなどで質問もできます。料金や内容は公式サイトで確かめてください。
次に読むべき記事
架空引込線がわかったら、引込線と電線路の用語のちがいや、架空電線の高さもあわせて押さえましょう。
テーマ別に、もっと深く学ぶ
気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。