※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
防爆の場所の配線は金属管工事かケーブル工事、電気さくは(30V 以上の電源から受けるなら)15mA・0.1秒以下の漏電遮断器、低圧の移動電線は 0.75mm² 以上が基本の数字です(電技解釈)。防爆は防爆の節、電気さくの6つの条件は電気さくの節から読めます。

防爆とは?電気の火花が「点火源」になるのを防ぐ
スイッチを入れたり切ったりすると、接点で小さな火花(アーク)が出ます。電動機や照明器具も、使っているうちに表面が熱くなります。ふつうの部屋なら問題ありませんが、空気中に燃えやすいガスや細かい粉じんが漂っている場所では、この火花や熱が爆発のきっかけ(点火源)になります。
そこで、電技省令は次の場所の電気設備について、通常の使い方で点火源にならないように施設することを求めています。
| 省令 | 場所 | 求めること |
|---|---|---|
| 第68条 | 粉じんの多い場所 | 粉じんで絶縁性能や導電性能が劣化して、感電や火災が起きないように |
| 第69条 一 | 可燃性のガス又は引火性物質の蒸気が存在し、爆発するおそれがある場所 | 電気設備が点火源となる爆発・火災のおそれがないように |
| 第69条 二 | 粉じんが存在し、爆発するおそれがある場所 | 同上 |
| 第69条 三 | 火薬類が存在する場所 | 同上 |
| 第69条 四 | セルロイド・マッチ・石油類などの燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する場所 | 同上 |

場所ごとに使える配線工事(電技解釈第175条〜第178条)
電技解釈は、場所の危険の大きさに合わせて、使える配線工事を決めています。爆発の危険が大きい場所ほど、使える工事が少なくなります。
| 場所(条文) | 使える屋内配線の工事 | 移動電線 |
|---|---|---|
| 爆燃性粉じん(マグネシウム・アルミニウムなど)・火薬類の粉末(第175条第一号) | 金属管工事、ケーブル工事 | 3種・4種のキャブタイヤケーブルなど |
| 可燃性ガス・引火性物質の蒸気(第176条) | 金属管工事、ケーブル工事 | 3種・4種のキャブタイヤケーブルなど(接続点なし) |
| 可燃性粉じん(小麦粉・でん粉など)(第175条第二号) | 合成樹脂管工事、金属管工事、ケーブル工事 | 1種キャブタイヤケーブル以外 |
| 危険物を製造・貯蔵する場所(第177条) | 合成樹脂管工事、金属管工事、ケーブル工事 | 1種キャブタイヤケーブル以外 |
| 火薬庫(第178条) | 照明器具とその電気設備だけ。金属管工事かケーブル工事、対地電圧150V以下、機器は全閉型 | - |

金属管工事とケーブル工事のこまかい決まり
金属管工事
- 金属管は、薄鋼電線管か、それと同等以上の強さのものを使う
- 管どうし、管とボックス・電気機械器具は、5山以上ねじ合わせて堅ろうに接続する
- 電動機につなぐ部分で曲げられる配線が要るところは、防爆型のフレキシブルフィッチングを使う
- 爆燃性粉じんの場所では、パッキンなどで粉じんが中に入らないようにする
ケーブル工事
- 電線は、キャブタイヤケーブル以外のケーブルを使う
- がい装(鉄線などの外装)のあるケーブルやMIケーブル以外は、管などの防護装置に収める
- 電気機械器具に引き込むときは、引込口で電線が傷つかないようにする
金属管・合成樹脂管・ケーブル工事など、低圧屋内配線の工事の種類がわかります
電験三種の過去問で確かめる
防爆の電気設備は、省令の空欄穴埋めと、解釈の工事例の正誤で出題されています。
| 年度・問題 | 形式 | ポイント |
|---|---|---|
| 令和3年度 問7 | 空欄 | 省令第68条「感電又は火災」、第69条「引火性物質の蒸気」「製造し、又は貯蔵する」 |
| 平成27年度 問8 | 不適切なものを選ぶ | 可燃性ガスの場所の屋内配線で、不適切は「ケーブル工事でキャブタイヤケーブルを使用した」。薄鋼電線管・5山以上のねじ接続・MIケーブル・引込口の保護は適切 |
省令(電技)と解釈(電技解釈)の役割の違いがわかります
防爆の電気設備でよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 可燃性ガスの場所で合成樹脂管工事を使う | 可燃性ガス・爆燃性粉じんの場所は金属管かケーブルだけ |
| 屋内配線にキャブタイヤケーブルを使う | ケーブル工事はキャブタイヤケーブル以外。キャブタイヤは移動電線で使う |
| 管の接続は3山以上 | 5山以上ねじ合わせる |
| 粉じんの多い場所に特別高圧の設備を置ける | 特別高圧の電気設備は粉じんの多い場所に施設しない |
| 省令第68条は「短絡又は火災」 | 「感電又は火災」 |

ここからは、防爆の電気設備とあわせて出る決まりを、1つずつ節にまとめます。どの節も、条文の数字・図・過去問の順に読めます。
水中照明・電気浴器・遊戯用電車|絶縁変圧器150V・30V、電気浴器10V、直流60V・交流40V
水や人の近くでは「低い電圧」と「絶縁変圧器」で守る
ぬれた体は電気が流れやすく、ふだんなら問題にならない電圧でも危険になります。そこで、水の中や浴槽、人が乗る遊具では、使う電圧を低くし、さらに絶縁変圧器(1次側と2次側が電気的につながっていない変圧器)で、ふつうの電路から切り離します。
| 施設 | 電技解釈 | 使う電圧の上限 | 変圧器 |
|---|---|---|---|
| 水中照明灯(プールなど) | 第187条 | 2次側150V以下 | 絶縁変圧器(1次側300V以下) |
| 電気浴器 | 第198条 | 電源装置の2次側10V以下 | 電気用品安全法の適用を受ける電源装置 |
| 遊戯用電車(遊園地の乗り物) | 第189条 | 直流60V以下・交流40V以下 | 絶縁変圧器(1次側300V以下) |

水中照明灯の決まり(第187条)
| 部分 | 決まり |
|---|---|
| 絶縁変圧器 | 1次側の使用電圧300V以下、2次側の使用電圧150V以下。交流5,000Vで1分間の絶縁耐力試験に耐える |
| 混触防止板 | 2次側の使用電圧が30V以下のとき、1次巻線と2次巻線の間に金属製の混触防止板を設け、A種接地工事 |
| 2次側の電路 | 非接地。開閉器と過電流遮断器を各極に施設。30Vを超えるときは地絡遮断装置 |
| 配線 | 金属管工事 |
| 移動電線 | 断面積2mm²以上の多心キャブタイヤケーブル(接続点を設けない) |
| 容器などの金属部分 | C種接地工事 |

電気浴器(第198条)と遊戯用電車(第189条)
電気浴器
| 部分 | 決まり |
|---|---|
| 電源 | 電気用品安全法の適用を受ける電気浴器用電源装置(2次側の使用電圧10V以下) |
| 接地 | 電源装置の金属製外箱と、電線を収める金属管にD種接地工事 |
| 置き場所 | 浴室以外の乾燥した場所で、取扱者以外が容易に触れない箇所 |
| 浴槽内の電極 | 電極間の距離1m以上、人が容易に触れないように |
| 絶縁抵抗 | 0.1MΩ以上 |
遊戯用電車
| 部分 | 決まり |
|---|---|
| 電車に供給する電路 | 直流60V以下、交流40V以下 |
| 変成する変圧器 | 絶縁変圧器で、1次側の使用電圧300V以下 |
| 電車内の昇圧用変圧器 | 絶縁変圧器で、2次側150V以下 |
| 接触電線 | サードレール式 |
| 漏えい電流 | レールの延長1kmにつき100mA以下 |
電験三種の過去問で確かめる
| 年度・問題 | 問われたこと | 答え |
|---|---|---|
| 令和4年度上期 問7 | 水中照明の絶縁変圧器の(ア)電圧、混触防止板の(イ)種接地、2次側の(ウ)、配線の(エ)工事 | 使用・A・非接地式電路・金属管 |
| 令和2年度 問8 | 遊戯用電車の変圧器の1次側、電気浴器の2次側、電気自動車の出力 | 300V・10V・10kW |
電気さくの施設|6つの条件と30V・15mA・0.1秒
電気さくとは?裸電線に電気を流す、例外的な設備
電気の設備は、ふつう人が電線にふれても感電しないように、電線を絶縁物で覆ったり、人の手の届かない高さに置いたりします。電気さくはその逆で、わざと裸電線(覆いのない電線)を人や動物がふれる高さに張り、ふれると電気ショックを受けるようにした設備です。
そのため、電技省令第74条は「電気さくは施設してはならない」を原則にしています。ただし、田畑や牧場で、イノシシやシカなどの野獣の侵入や、家畜の脱出を防ぐために、絶縁性がないことを考えて感電や火災のおそれがないように施設するときに限って、例外として認めています。

電技解釈第192条の6つの条件
第192条は、次の6つの号に適合する電気さくだけを施設してよいとしています。
| 号 | 覚える語 | 内容 |
|---|---|---|
| 第一号 | 目的 | 田畑・牧場など、これに類する場所で、野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するためのもの |
| 第二号 | 表示 | 人が見やすいように、適当な間隔で危険である旨の表示をする |
| 第三号 | 電源 | 電気用品安全法の適用を受ける電気さく用電源装置、または出力電流が制限される電気さく用電源装置で、電気用品安全法の適用を受ける直流電源装置や、蓄電池・太陽電池などの直流の電源から電気を受けるもの |
| 第四号 | 漏電遮断器 | 電源装置が使用電圧30V以上の電源から電気を受け、人が容易に立ち入る場所に施設するときは、電流動作型で定格感度電流15mA以下・動作時間0.1秒以下の漏電遮断器を施設する |
| 第五号 | 開閉器 | 電気さくに電気を送る電路には、容易に開閉できる箇所に専用の開閉器を施設する |
| 第六号 | 電波 | 衝撃電流を繰り返し出す電源装置は、無線設備の機能に継続的かつ重大な障害を与えるおそれのある場所に施設しない |

漏電遮断器が要るのは、どんなとき?
第四号の漏電遮断器は、すべての電気さくに要るわけではありません。「電源の電圧」と「人が立ち入るかどうか」の2つで決まります。
| 電気さく用電源装置の電気の受け方 | 人が容易に立ち入る場所 | 漏電遮断器(15mA・0.1秒) |
|---|---|---|
| コンセント(交流100V)から受ける | 立ち入る | 要る(30V以上の電源) |
| コンセント(交流100V)から受ける | 立ち入らない | 第四号の対象外 |
| 12Vの蓄電池から受ける | 立ち入る | 第四号の対象外(30V未満) |
| 太陽電池(30V未満のもの)から受ける | 立ち入る | 第四号の対象外(30V未満) |
直流電源装置を介して電気を受ける場合は、電気さく用電源装置ではなく、直流電源装置が30V以上の電源から受けるかどうかで判断します(第四号のかっこ書き)。
電験三種の過去問で確かめる
電気さくは、令和5年度下期 問8と平成28年度 問9で、ほぼ同じ空欄穴埋めの問題が出題されています。省令第74条と解釈第192条の両方から空欄がつくられています。
| 空欄 | 正解 | まちがいの選択肢 |
|---|---|---|
| (ア)省令第74条:〇〇のおそれがないように施設する | 感電又は火災 | 損壊 |
| (イ)第二号:適当な間隔で〇〇である旨の表示 | 危険 | 電気さく |
| (ウ)第四号:使用電圧〇〇V以上の電源 | 30 | 100 |
| (エ)第四号:定格感度電流〇〇mA以下 | 15 | 10 |
配線器具の施設|充電部分の露出・張力・防護装置と非包装ヒューズ
配線器具とは?配線の途中で「つなぐ・切る」器具
| 種類 | 身近な例 | 役割 |
|---|---|---|
| 開閉器 | 分電盤の中のスイッチ類 | 回路をまとめて入れたり切ったりする |
| 点滅器 | 壁の照明スイッチ | 照明などを点けたり消したりする |
| 接続器 | コンセント・プラグ・差込み接続器 | 機器をつないだり外したりする |
| その他 | ヒューズを収めた器具など | 過電流から回路を守る |
配線器具は、人がさわる場所にあることが多く、毎日抜き差しや開け閉めをします。そのため、さわっても感電しない・引っぱられても外れない・壊れにくい、という決まりが必要になります。

第150条の4つの決まり(露出・湿気・張力・損傷)
| 号 | 決まり | 例 |
|---|---|---|
| 第一号 | 充電部分が露出しないように施設する(取扱者以外の者が出入りできないように措置した場所は除く) | コンセントやスイッチはカバー付き |
| 第二号 | 湿気の多い場所・水気のある場所では、防湿装置を施す | 浴室の近くや屋外は防水形・防滴形 |
| 第三号 | ねじ止めなどで堅ろうに、電気的に完全に接続し、接続点に張力が加わらないようにする | コードを引っぱっても端子に力がかからない |
| 第四号 | 屋外の開閉器・接続器・点滅器などは、損傷を受けるおそれがあれば、堅ろうな防護装置を施す | 屋外コンセントの保護カバー |

非包装ヒューズを収める箱(第150条第2項)
非包装ヒューズ(むき出しのヒューズ)は、溶けたときにアーク(火花)が出ます。そのため、不燃性のもので作った箱、または内面全てに不燃性のものを張った箱の中に施設します。
| 例外になる場合(使用電圧300V以下の低圧配線) | 中身 |
|---|---|
| 極と極の間の隔壁 | 開閉やヒューズの溶断で出るアークが、ほかの極に及ばない絶縁性の隔壁 |
| カバー | 耐アーク性の合成樹脂で、振動で外れない |
| 完成品の性能 | JIS C 8308「カバー付きナイフスイッチ」の温度上昇・短絡遮断・耐熱・カバーの強度に適合 |
| または | 電気用品安全法の適用を受ける器具に収める |
電験三種の過去問で確かめる
| 年度・問題 | 空欄 | 答え |
|---|---|---|
| 令和6年度上期 問9・令和2年度 問9(同じ問題) | (ア)ように施設、接続点に(イ)が加わらない、(ウ)おそれがある場合は防護装置 | 充電部分が露出しない・張力・損傷を受ける |
移動電線の施設|0.75mm²・キャブタイヤケーブルの種類と高圧のボルト締め
移動電線とは?固定した配線との違い
建物の壁や天井に固定した電線は「配線」です。これに対して、コンセントから電気機器までの、動かすことのある電線が「移動電線」です。移動電線は、引っぱられたり、踏まれたり、曲げられたりするので、配線とは別の決まりがあります。
| 配線(屋内配線など) | 移動電線 | |
|---|---|---|
| 例 | 壁の中のVVFケーブル、金属管の中の電線 | 掃除機のコード、移動式の溶接機・クレーンのケーブル |
| つなぎ方 | ねじ止め・圧着などで固定 | 差込み接続器(プラグとコンセント)などで、抜き差しできる |
| 使う電線 | 絶縁電線・ケーブル | コード・キャブタイヤケーブル(曲げに強い、厚い外装のケーブル) |

低圧・高圧・特別高圧の移動電線の決まり
| 低圧(第171条第1項) | 高圧(第171条第3項) | 特別高圧(第171条第4項) | |
|---|---|---|---|
| 電線 | 断面積0.75mm²以上。171-1表のコード・キャブタイヤケーブル | 高圧用の3種クロロプレンキャブタイヤケーブル又は3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル | 屋内の電気集じん応用装置など(第191条)を除き、施設しない |
| 屋内配線などとの接続 | 差込み接続器その他これに類する器具 | - | - |
| 機器との接続 | 差込み接続器その他これに類する器具(簡易接触防護措置をした端子へのコードのねじ止めは可) | ボルト締めその他の方法で堅ろうに | - |
| 電路の保護 | - | 専用の開閉器と過電流遮断器を各極に、地絡を自動で遮断する装置 | - |

171-1表:使える電線の種類
低圧の移動電線に使える電線は、使用電圧と施設場所(屋内・屋側・屋外)で決まります。熱を出す機器には、熱に強い電線を使うのが基本の考え方です。
| 電線の例 | 171-1表での扱い |
|---|---|
| ビニルコード | 乾燥した屋内で、扇風機・電気スタンドなど、電気を熱として使わない機器などに附属する移動電線に限って使える |
| 防湿コード | 使用電圧300V以下の屋内で使える(屋側は雨露にさらされない場合) |
| キャブタイヤケーブル類(ゴム・クロロプレンなど) | 種類によって、屋側・屋外や、使用電圧300Vを超える移動電線にも使える |
細かい区分は電技解釈の171-1表で確かめてください。試験では「高圧は3種クロロプレン(又は3種クロロスルホン化ポリエチレン)キャブタイヤケーブル」が最もよく問われます。
電験三種の過去問で確かめる
令和6年度下期 問8は、平成28年度 問4と同じ問題です。省令と解釈の両方から空欄がつくられています。
| 空欄 | 正解 | 出どころ |
|---|---|---|
| (ア)接続不良による感電又は〇〇のおそれ | 火災 | 省令第56条第2項 |
| (イ)高圧の移動電線に電気を供給する電路の〇〇遮断器 | 過電流 | 省令第66条第1項 |
| (ウ)高圧の移動電線と機器は〇〇その他の方法で堅ろうに接続 | ボルト締め | 解釈第171条第3項第二号 |
| (エ)特別高圧の移動電線は、電気集じん応用装置に附属するものを〇〇に施設する場合を除き施設しない | 屋内 | 解釈第171条第4項 |

