回路設計

マイコンでセンサの電圧を読む|温度・CdS・可変抵抗の3例と計算

白いブレッドボードに立つ3本足の温度センサ・CdS・青い可変抵抗の写真に、マイコンでセンサを読む・3例の回路と計算の文字

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

マイコンでセンサの電圧を読む手順は、電圧にする → ADC で読む → 式で直す、の3段です。温度センサ MCP9700 なら温度=(電圧−0.5)÷0.01 で、3つの例の換算の式は早見表、CdS の固定抵抗は選び方の節へ。

結論|まず30秒でわかる答え

温度センサ MCP9700 は、0℃ で 0.5V、1℃ ごとに 10mV 上がる電圧を出すので、温度=(電圧−0.5)÷0.01 です。
CdS と可変抵抗は抵抗が変わるだけなので、固定抵抗と分圧して電圧にします。CdS の固定抵抗は、10lux と 100lux を見分けたいなら 7.5kΩ が目安です。

この記事に出てくる言葉

わからない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。本文でも、初めて出たところで言い換えます。

センサ温度や明るさなどを、電圧や抵抗の変化にする部品
ADCマイコンの中の、電圧を 0〜1023 の数字にする回路
基準電圧ADC のものさしの長さ。読みが最大になる電圧
分圧2つの抵抗で電圧を分けること。抵抗の比で電圧が決まる
CdS(シーディーエス)明るいほど抵抗が小さくなる部品。光センサの一種
可変抵抗つまみを回すと、まん中の足の位置が動く抵抗
lux(ルクス)明るさの単位。部屋の明かりで数百lux ほど
固定抵抗 RfCdS と組み合わせる、値の変わらないふつうの抵抗

温度や明るさをマイコンで読むのは、電子工作でも仕事でも最初の一歩です。ところが、センサをつないで数字が出ても、それが何℃なのか、正しいのかがわからないことがよくあります。

この記事では、よく使われる3つのセンサを例に、回路・読みの直し方・部品の値の決め方を、データシートの数字で計算しながら説明します。

白いブレッドボードに立つ3本足の温度センサ・CdS・青い可変抵抗の写真に、マイコンでセンサを読む・3例の回路と計算の文字

マイコンでセンサの電圧を読む3つの例

この記事では、温度センサ MCP9700 を A0、CdS を A1、可変抵抗を A2 につなぎ、読んだ数字を温度・明るさ・位置に直します。

センサわかること回路読みの直し方
MCP9700温度そのまま A0温度=(電圧−0.5)÷0.01
CdS明るさ固定抵抗 7.5kΩ と分圧抵抗に直してから明るさへ
可変抵抗 10kΩつまみの位置両はしを 5V と GND位置=読み÷1023

例はマイコンの電源が 5V、ADC が 10ビット(0〜1023)の場合です。Arduino Uno(ATmega328P)がこの組み合わせです。

ADC が電圧を数字にするしくみ(1段の電圧・基準電圧・入力の抵抗)は、対になる記事で詳しく説明しています。この記事では「読んだ数字を直す」ことに集中します。

つまり、3つとも「電圧にする → ADC で読む → 式で直す」。違うのは、電圧の作り方と直し方の式です。

MCP9700をA0、CdSと7.5kΩの分圧をA1、可変抵抗10kΩをA2につなぐ3つの回路図

センサは2種類:電圧を出すか、抵抗が変わるか

MCP9700 のように自分で電圧を出すセンサは、ADC にそのままつなぎます。CdS や可変抵抗のように抵抗が変わるだけのセンサは、固定抵抗と分圧して電圧にしてから読みます。

ADC が読めるのは電圧だけです。抵抗の大きさは、そのままでは読めません。そこで、抵抗が変わるセンサと固定抵抗を直列にして電源につなぎ、そのまん中の電圧を読みます。センサの抵抗が変わると、まん中の電圧が変わります。

たとえると

2本の抵抗は、電圧を分け合うシーソーです。片方(センサ)の抵抗が小さくなると、もう片方(固定抵抗)にかかる電圧が大きくなります。

この違いは、基準電圧の選び方にも関わります。電源を分けた電圧は電源を基準に読むと電源のずれが消えますが、MCP9700 のような決まった電圧は、電源のずれがそのまま誤差になります。

温度で抵抗が変わるサーミスタも、CdS と同じ分圧の形で読めます。

つまり、まず「このセンサは電圧を出すのか、抵抗が変わるのか」を見分けます。

電圧を出すセンサ(MCP9700)と抵抗が変わるセンサ(CdS・可変抵抗)の2枚のカード

例1 温度センサMCP9700:3本の足をつなぐだけ

MCP9700 は、VDD を 5V、GND を GND、VOUT を A0 につなぐだけで動きます。VDD と GND の間に 0.1µF を付けます。

MCP9700 は、Microchip の小さな温度センサ IC です。電源は 2.3〜5.5V で、流れる電流は 6µA(代表値)と小さく、出力(VOUT)はマイコンの ADC に直接つなげます。

1. 足を確かめる

TO-92(3本足の黒い部品)なら、平らな面を手前にして左から 1=VDD、2=VOUT、3=GND です(データシートの図)。

2. 電源と GND

VDD を 5V へ、GND を GND へ。逆に差すと、熱くなったり壊れたりすることがあります。

3. 出力を A0 へ

VOUT をマイコンの A0 へつなぎます。出力インピーダンスは 20Ω(代表値)と小さいので、ADC の「10kΩ 以下」の条件を十分に満たします。

4. 0.1µF

VDD と GND の間に、なるべく近く 0.1µF を付けます。データシートは 0.1〜1µF を勧めています。

【完全図解】デカップリングコンデンサとは?|パスコン・バイパスとの違いと「ICの近くに置く理由」

つまり、MCP9700 は「電源・GND・出力」の3本と、0.1µF の1個で使えます。

MCP9700のVDDを5V・GNDをGND・VOUTをA0、0.1µFの回路図と、TO-92を平らな面から見た左からVDD・VOUT・GNDの図

MCP9700の出力:0℃で0.5V、1℃で10mV上がる

MCP9700 の出力の電圧は、0℃ で 0.5V、1℃ 上がるごとに 10mV(0.01V)上がります。だから、温度=(電圧−0.5)÷0.01 で直せます。

MCP9700 の式(データシートの式 4-1)
出力の電圧 = 0.01V × 温度 + 0.5V
温度に直す式
温度 = (出力の電圧 − 0.5) ÷ 0.01

例えば 25℃ なら、0.01×25+0.5=0.75V です。−40℃ で 0.1V、125℃ で 1.75V になり、データシートにも出力は 100mV〜1.75V と書かれています。

0℃ で 0.5V という「ゲタ」をはかせてあるので、0℃ より低い温度でも電圧はマイナスになりません。マイコンの ADC は 0V より低い電圧を読めないので、この形が便利です。

つまり、MCP9700 は「0.5V から 1℃ ごとに 10mV」。式は引いて割るだけです。

温度と出力の電圧の直線のグラフ。0℃で0.50V、25℃で0.75V、125℃で1.75Vとデータシートの式

25℃を読む計算:5V基準と内部1.1V基準

25℃(0.75V)を 5V 基準で読むと読みは 153 で、直すと 24.7℃、1段は 0.49℃ です。内部 1.1V 基準なら読みは 698、24.98℃ で、1段は 0.11℃ と細かくなりますが、測れるのは約60℃ までです。

STEP 1 読み → 電圧

電圧=読み×基準電圧÷1024。5V 基準で 153 なら 153×5÷1024=0.7471V。

STEP 2 電圧 → 温度

温度=(電圧−0.5)÷0.01=(0.7471−0.5)÷0.01=24.7℃。

STEP 3 1段の温度を確かめる

5V 基準の1段は 5÷1024=4.88mV。10mV で 1℃ なので、1段は 0.49℃。これより細かい温度の差は読めません。

5V(電源)基準内部 1.1V 基準
25℃ の読み153698
直した温度24.7℃24.98℃
1段の温度0.49℃0.11℃
測れる上限125℃(センサの上限)約60℃(1.0V の個体なら 50℃)
誤差のもと電源のずれ(4.8V なら 25℃ が約28℃ に)内部基準の個体差 1.0〜1.2V

プログラムにすると、次の3行です(Arduino の例。5V 基準)。

int n = analogRead(A0);          // 0〜1023
float v = n * 5.0 / 1024.0;       // 読み → 電圧(5V 基準)
float t = (v - 0.5) / 0.01;       // 電圧 → 温度(MCP9700)

内部 1.1V にするときは、analogReference(INTERNAL) を呼び、式の 5.0 を 1.1 に変えます。内部基準は1台ずつ 1.0〜1.2V の差があるので、正確に測るなら、テスターで測った電圧と比べて合わせ込みます。

つまり、室温くらいを細かく測るなら内部 1.1V、高い温度まで測るなら 5V 基準。どちらも基準電圧の値が温度の誤差に効きます。

5V基準で読み153・24.7℃・1段0.49℃、内部1.1V基準で読み698・24.98℃・1段0.11℃・上限約60℃の比較

誤差を比べる:細かく読んでも正しさはセンサで決まる

ADC の1段(0.49℃ や 0.11℃)より、MCP9700 自身の誤差(0〜70℃ で最大 ±4℃)のほうがずっと大きいです。精度が要るなら MCP9700A(±2℃)を選ぶか、25℃ で合わせ込みます。

誤差のもと大きさ出典・条件
ADC の1段(5V 基準)0.49℃5÷1024÷0.01
ADC の1段(1.1V 基準)0.11℃1.1÷1024÷0.01
MCP9700 の精度±4℃(最大)0〜+70℃、データシートの表
MCP9700A の精度±2℃(最大)0〜+70℃、同じ表
25℃ で合わせ込んだとき±0.5℃(代表値)0〜+70℃、データシート 4.1節

温度計と比べて 2〜3℃ ずれていても、MCP9700 なら精度の範囲内のことがあります。読みを細かくするより、まずセンサの精度の欄を見ます。

合わせ込みは、正確な温度計と同じ場所に置いて読み、その差をプログラムで引くことです。データシートは、25℃ で合わせ込むと 0〜70℃ で ±0.5℃(代表値)になると書いています。

つまり、ADC の細かさとセンサの正しさは別もの。正しさはデータシートの「精度」の行で決まります。

ADCの1段0.49℃・0.11℃、MCP9700Aの±2℃、MCP9700の±4℃、25℃で合わせ込み±0.5℃の横棒グラフ

例2 明るさCdS:固定抵抗と分圧して電圧にする

CdS を 5V 側、固定抵抗 Rf(7.5kΩ)を GND 側につなぎ、まん中を A1 で読みます。明るいと CdS の抵抗が小さくなり、A1 の電圧が上がります。

CdS は、明るいほど抵抗が小さくなる部品です。例えば GL5528 という品種は、データシートで 10lux のとき 10〜20kΩ、暗いと 1MΩ くらいです。

A1 の電圧
V = 5V × Rf ÷ (CdS の抵抗 + Rf)

CdS の抵抗が小さくなる(明るい)と、分母が小さくなるので V は大きくなります。CdS と Rf を上下逆にすると、明るいほど電圧が下がる回路になります。どちらでも読めますが、この記事は「明るい=大きい数字」になる向きにしました。

分圧の考え方と、2本の抵抗の決め方は、分圧回路の記事にまとめています。

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注意

CdS はカドミウムを含みます。カドミウムは EU の RoHS 指令で使用が制限される物質なので、売る製品に組み込む設計では、フォトトランジスタや照度センサ IC が選ばれることが多いです。試作や学習には手軽に使えます。

つまり、CdS は「固定抵抗との分圧」で電圧にして読みます。

5VからCdS、7.5kΩでGND、まん中をA1につなぐ回路図と、V=5V×Rf÷(R_CdS+Rf)の式

明るさとCdSの抵抗・A1の電圧

明るさが10倍になると、GL5528 の抵抗は約1/4 になります(γ=0.6)。Rf=7.5kΩ なら、1lux で 0.56V、10lux で 1.67V、100lux で 3.33V、1000lux で 4.44V です(イメージ)。

γ(ガンマ)は、明るさが10倍になったときに抵抗がどれだけ下がるかを表す数字です。データシートでは、10lux と 100lux の抵抗の比の対数として決められています。γ=0.6 なら、10倍明るくなると抵抗は 10^0.6≒4 分の1 です。

明るさCdS の抵抗(15kΩ の品)A1 の電圧読み
1lux59.72kΩ0.56V114
10lux15.00kΩ1.67V341
100lux3.77kΩ3.33V681
1000lux0.95kΩ4.44V909

表は、10lux で 15kΩ(10〜20kΩ のまん中)の品として計算したイメージです。実物の曲線は、この式からいくらかずれます。

つまり、明るさは「10倍ごとに抵抗が約1/4」。電圧は明るさの対数にほぼ比例して上がります。

明るさとCdSの抵抗のグラフ(10〜20kΩの個体差の帯)と、1・10・100・1000luxでA1が0.56・1.67・3.33・4.44Vのグラフ(イメージ)

CdSの固定抵抗の選び方:見分けたい明るさの√

固定抵抗 Rf は、見分けたい2つの明るさでの CdS の抵抗をかけて √(ルート)をとった値が目安です。10lux(15kΩ)と 100lux(3.77kΩ)なら √(15×3.77)=7.52kΩ → E24 の 7.5kΩ です。

STEP 1 見分けたい明るさを決める

例:薄暗い部屋(10lux)と、明るい部屋(100lux)を見分けたい。

STEP 2 その明るさの抵抗を出す

データシートの値から、10lux で 15kΩ、100lux で 3.77kΩ(γ0.6 で計算)。

STEP 3 √ をとって E24 に

Rf=√(15×3.77)=7.52kΩ → 7.5kΩ。

Rf10lux と 100lux の電圧の差
1kΩ0.74V
7.5kΩ1.66V
10kΩ1.63V
100kΩ0.47V

Rf を 7.5kΩ にすると、2つの明るさの電圧の差が 1.66V と最も大きくなります。1kΩ や 100kΩ では差が小さく、ADC の読みの差も小さくなります。

このとき、ADC から見た抵抗は、CdS と Rf が同じ値のとき最大の 3.75kΩ(暗いときでも 7.44kΩ)で、ADC の「10kΩ 以下」の目安に入ります。CdS の電力も最大 0.83mW で、上限の 100mW よりずっと小さいです。

つまり、Rf は「見分けたい2つの明るさの抵抗の√」。迷ったら 10kΩ 前後から試します。

固定抵抗と10luxと100luxの電圧の差のグラフ。7.5kΩで1.66Vが最大、1kΩで0.74V、100kΩで0.47V

読みから明るさに直す:計算と個体差

読みから CdS の抵抗は R=Rf×(1024÷読み−1) で出せます。基準電圧が式から消えるので、電源のずれは効きません。ただし CdS の個体差(10〜20kΩ)で、明るさは約3.2倍ずれます。

① 読み → CdS の抵抗
R = Rf × (1024 ÷ 読み − 1)
② 抵抗 → 明るさ(目安)
明るさ = 10 × (R ÷ R10)^(−1÷0.6)

例えば読みが 512 なら、R=7.5kΩ×(1024÷512−1)=7.5kΩ です。10lux で 15kΩ の品なら、明るさは約32lux になります。

ところが、同じ GL5528 でも 10lux の抵抗は 10〜20kΩ と2倍の幅があります。10kΩ の品なら約16lux、20kΩ の品なら約51lux で、約3.2倍も違います。

そのため CdS は、正確な照度を測るより「暗くなったら明かりをつける」のような判定に向いています。しきい値の近くで ON/OFF がバタつくときは、しきい値を上げるときと下げるときで変える(ヒステリシス)と落ち着きます。

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抵抗をもっと正確に測る回路の考え方として、ブリッジ回路もあります。

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つまり、CdS は「明るい・暗い」の判定向き。正確な照度が要るなら、照度計で合わせ込むか照度センサ IC を使います。

読み512でCdSの抵抗7.5kΩ・約32lux、10kΩの品で約16lux・20kΩの品で約51luxの計算のカード

例3 可変抵抗:位置=読み÷1023

可変抵抗の両はしを 5V と GND に、まん中の足を A2 につなぐと、つまみの位置に比例した電圧が出ます。位置(%)=読み÷1023×100 です。10kΩ なら、ADC から見た抵抗はまん中で最大 2.5kΩ です。

つまみの位置電圧読み読み÷1023
0%0.00V00.0%
25%1.25V25625.0%
50%2.50V51250.0%
75%3.75V76875.1%
100%5.00V1023100.0%

可変抵抗は、それ自体が分圧回路です。つまみを回すと、まん中の足(ワイパー)の位置が動き、上下の抵抗の比が変わります。電源を分けた電圧なので、5V(電源)を基準に読めば、電源のずれは効きません。

ADC から見た抵抗は、上と下の抵抗の並列です。いちばん大きいのはまん中で、10kΩ なら 5kΩ と 5kΩ の並列で 2.5kΩ です。100kΩ の可変抵抗では 25kΩ になり、10kΩ の目安を超えるので、A2 と GND の間に 0.1µF を足します。

POINT

回した角度と抵抗が比例する(直線に変わる)品種を選びます。直線の品種は「B」、音量用の対数の品種は「A」と表記されることが多いですが、記号はメーカーで違うことがあるので、カタログで確かめます。流れる電流は 5V÷10kΩ=0.5mA です。

つまり、可変抵抗は両はしを電源、まん中を ADC。10kΩ くらいを選べば、ADC の条件も電流も気にしなくて大丈夫です。

可変抵抗10kΩの回路図と、つまみの位置とADCから見た抵抗のグラフ(10kΩで最大2.5kΩ、100kΩで25kΩ)と位置・電圧・読みの表

早見表:3つのセンサの回路と換算の式

答えだけ欲しい人向けの表です。電圧を出すセンサか、分圧で読むセンサかで、基準電圧の選び方が変わります。

センサ回路換算の式基準電圧1段・注意
MCP9700(温度)そのまま A0、VDD と GND に 0.1µF(V−0.5)÷0.011.1V か 5V0.49℃(5V)/0.11℃(1.1V)。精度 ±4℃
CdS(明るさ)Rf 7.5kΩ と分圧R=Rf×(1024÷読み−1)5V(電源)明るさは目安(個体差 約3.2倍)
可変抵抗(位置)両はしを 5V・GND読み÷1023×100%5V(電源)10kΩ でまん中 2.5kΩ。100kΩ なら 0.1µF

つまり、表の「換算の式」をプログラムに書けば、3つのセンサの値が読めます。

MCP9700・CdS・可変抵抗の回路・換算の式・基準電圧の早見表

ブレッドボードの配線:3つのセンサをA0・A1・A2へ

5V と GND はレールから配り、各センサの出力の列からマイコンの A0〜A2 へ線を引きます。マイコンの GND とセンサの GND は、同じ GND レールにつなぎます。

1. 温度センサ(4〜6列)

平らな面を手前に、左の足(VDD)の列を 5V、右の足(GND)の列を GND へ。まん中(VOUT)の列から A0 へ。VDD と GND の列の間に 0.1µF。

2. CdS(11・13列)

片方の足の列を 5V へ。もう片方の列から A1 へ線を引き、同じ列から 7.5kΩ を GND レールへ。

3. 可変抵抗(18〜22列)

両はしの列を 5V と GND へ、まん中の列から A2 へ。

4. マイコンの 5V と GND

マイコンの 5V を +5V レールへ、GND を GND レールへ。

センサまでの線が長くなると、ノイズを拾って読みがゆれます。センサの近くに 0.1µF を置き、GND の線もいっしょに引きます。

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つまり、電源とGNDはレール、出力は列から A0〜A2。GND はすべて1か所につなぎます。

ブレッドボードの配線図。温度センサを4〜6列、CdSを11・13列と7.5kΩ、可変抵抗を18〜22列に差し、A0・A1・A2と5V・GNDへの線

よくある失敗4つ:センサの電圧を読むとき

温度センサを逆に差す・CdS に固定抵抗がない・可変抵抗を2本の足だけで使う・長い配線でノイズ、の4つがよくある失敗です。

1. MCP9700 を逆向きに差す

VDD と GND が入れかわり、熱くなったり壊れたりすることがあります。平らな面の向きと、データシートの足の名前を確かめてから電源を入れます。

2. CdS に固定抵抗がない

CdS を 5V と A1 の間につなぐだけでは、ADC の入力はほとんど電流を流さないので、A1 は 5V 近くのまま動きません。固定抵抗と分圧して電圧にします。

3. 可変抵抗を2本の足だけで使う

まん中と片方のはしだけをつなぐと、電圧が決まりません。3本ともつなぎ、両はしを 5V と GND にします。

4. 長い配線でノイズ

センサを離れた場所に置くと、読みがゆれたり跳んだりします。0.1µF を足す・何回か読んで平均する・信号と GND の線をより合わせる、を試します。外に出る線は、静電気からマイコンを守る対策も入れます。

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つまり、差す向き・分圧・3本の足・配線の長さの4点を、電源を入れる前に確かめます。

MCP9700を逆向きに差す、CdSに固定抵抗がない、可変抵抗を2本足で使う、長い配線でノイズ、の4枚のカード

テスターで確かめる:3つの出力の電圧

最低限、①A0(MCP9700)が室温で約0.75V前後か、②A1・A2 が明るさやつまみで動くか、をテスターで確かめます。

最低限ここだけ

1. A0 の電圧

黒を GND、赤を A0 に当てます。室温(20〜30℃)なら 0.7〜0.8V くらいです。0.1〜1.75V の外なら、配線か足の向きを疑います。

2. A1・A2 が動くか

CdS を手で覆うと A1 の電圧が下がるか、つまみを回すと A2 が 0〜5V で動くかを見ます。

余裕があれば

テスターの電圧から計算した温度と、プログラムが出した温度が同じかを比べます。違うなら、プログラムの基準電圧の値が実際と合っていません(5V ピンの電圧も測ります)。室温の温度計と比べて ±4℃ 以内なら、MCP9700 の精度の範囲です。

つまり、テスターで「センサの出力」と「基準電圧」を測れば、配線とプログラムのどちらが原因かを切り分けられます。

A0・A1・A2と5Vの測る所・目安・見ることの表

よくある質問(FAQ)

Q. MCP9700の電圧を温度に直す式は?

A. 温度=(出力の電圧−0.5)÷0.01です。0℃で0.5V、1℃ごとに10mV上がるので、0.75Vなら25℃です。

Q. 温度センサの値が温度計と2〜3℃ずれるのはなぜ?

A. MCP9700の精度は0〜70℃で最大±4℃です。25℃で合わせ込むと、代表値で±0.5℃まで良くなります。

Q. CdSにつなぐ固定抵抗は何Ω?

A. 見分けたい2つの明るさの抵抗の積の√が目安です。GL5528で10luxと100luxなら約7.5kΩです。

Q. CdSで明るさ(lux)を正確に測れる?

A. 目安までです。同じ品種でも抵抗に2倍の個体差があり、明るさで約3倍ずれます。判定向きです。

Q. 可変抵抗は何Ωを選べばいい?

A. 10kΩくらいが扱いやすいです。まん中でもADCから見た抵抗が2.5kΩで、10kΩ以下の目安に入ります。

Q. 基準電圧は5Vと内部1.1Vのどちらにする?

A. CdSと可変抵抗は5V(電源)、MCP9700で室温付近を細かく読むなら内部1.1Vです。上限は約60℃です。

まとめ
  • センサを読むのは「電圧にする → ADC で読む → 式で直す」の3段
  • MCP9700 は 温度=(電圧−0.5)÷0.01。25℃ は 5V 基準で読み 153・1段 0.49℃、1.1V 基準で読み 698・1段 0.11℃
  • 正しさはセンサの精度で決まる(MCP9700 は ±4℃、合わせ込みで ±0.5℃)
  • CdS は固定抵抗と分圧。Rf は見分けたい明るさの抵抗の√(10lux と 100lux なら 7.5kΩ)
  • CdS の読み→抵抗は R=Rf×(1024÷読み−1)。個体差が大きいので判定向き
  • 可変抵抗は両はしを 5V・GND、位置=読み÷1023。10kΩ ならまん中で 2.5kΩ

まずは3つを組んで、テスターの電圧とプログラムの値を見比べてみてください。式のどこで値が変わるのかが、手で覚えられます。

参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

この記事の理解を深める本と道具
おすすめの道具

回路を実際に組んで、電流や電圧を確かめてみたいときに向いています。サンハヤトのブレッドボード SAD-101です。408個の穴に部品を差し込むだけで、はんだ付けをせずに回路を組めます。

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おすすめの道具

回路の電圧や導通を自分の手で確かめるなら、手元にテスターが1台あると便利です。三和電気計器のデジタルマルチメータ(テスター)CD772です。電圧や抵抗などを測れます。

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波形を自分の目で確かめるなら、手元にオシロスコープが1台あると便利です。RIGOLのデジタル・オシロスコープ DHO804です。周波数帯域70MHz・4チャンネルで、12ビットの垂直分解能をもちます。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。

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