電線・ケーブルと配線

VVFケーブルとは?CV・CVT・VCTとの違いと記号の読み方|種類の一覧表

ケーブルの種類 VVF・CV・CVT・VCT のアイキャッチ。4種類のケーブルの切り口の写真

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VVFケーブルとは何で、CV・CVT・VCT とはどこが違うのでしょうか?

答え

VVF ケーブルは「600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形」で、住宅の照明やコンセントの屋内配線に使う平たいケーブルです。CV は架橋ポリエチレン絶縁のケーブルで、導体の許容温度が90℃と高く、建物の幹線や動力に使います。CVT は CV の単心を3本より合わせた形、VCT はビニルキャブタイヤケーブルで、動かす機器への配線に使います。

この記事を書いたのは、ケーブルを「VVFケーブルとは」「CVTケーブル」と記号の名前で調べる人が多いと、検索の数字でわかったからです。記号は、材料と形の頭文字を並べたもの。暗記は要りません。読み方を覚えれば、初めて見る記号もほぼ読めます。

ケーブルの種類 VVF・CV・CVT・VCT のアイキャッチ。4種類のケーブルの切り口の写真

電線・ケーブルの種類の一覧表(600V)

よく使う600V の電線・ケーブル10種類を、正式名称・JIS・導体の許容温度・主な用途で並べました。許容温度が60℃のビニル系と、75℃・90℃の耐熱系に分かれます。

記号正式名称規格導体の許容温度主な用途
IV600V ビニル絶縁電線JIS C 330760℃電線管・がいしでの屋内配線、機器の配線(シースなし)
HIV600V 二種ビニル絶縁電線JIS C 331775℃IV より熱に強い場所。許容電流も大きく取れる
KIV600V 電気機器用ビニル絶縁電線JIS C 331660℃制御盤の中・電気機器の配線(やわらかいより線)
VVF600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形JIS C 334260℃住宅の照明・コンセントの屋内配線
VVR600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形JIS C 334260℃電力用(VVF より太い幹線など)
CV600V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルJIS C 360590℃建物の幹線・動力(単心〜4心)
CVT600V トリプレックス形 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルJIS C 3605 準拠90℃三相の幹線・動力(単心3個より)
VCT600V ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルJIS C 3312(2〜4心)60℃移動して使う電気機器への配線
CVV制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブルJIS C 340160℃制御回路の配線
EM-EEF600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形JIS C 360575℃電力用。燃えてもハロゲンガスが出ない

規格・許容温度・用途は各メーカーのカタログ(HS&T:IV・VVF・VVR・CV・VCT・CVV・EM-EEF、SWCC・東日京三:HIV・KIV・CVT)で確かめた。CVT は SWCC のカタログで「JIS C 3605 準拠」。

表は、メーカーのカタログで JIS 番号と許容温度を1行ずつ確かめて作りました。HIV と KIV は HS&T の資料が見つかりませんでした。そこで SWCC と東日京三の表で確かめています。

「導体の許容温度」は、電流を流して導体が熱くなっても絶縁体が傷まない上限の温度です。この温度が高いほど、同じ太さで多くの電流を流せます。差は30℃。90℃の CV は、60℃の VVF より同じ太さで多く流せます。

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600V の電線・ケーブルの種類の一覧。60℃の IV・KIV・VVF・VVR・VCT・CVV、75℃の HIV・EM-EEF、90℃の CV・CVT

ケーブルの記号の読み方:材料と形の頭文字

ケーブルの記号は「絶縁体の材料 → シースの材料 → 形」の順に頭文字を並べたものです。V はビニル、C は架橋ポリエチレン、F は平形(Flat)、R は丸形(Round)、T は3本より(トリプレックス)を表します。

文字意味例
Vビニル(塩化ビニル)VVF の1つ目=絶縁体がビニル、2つ目=シースがビニル
C架橋ポリエチレン(熱に強いポリエチレン)CV=架橋ポリエチレン絶縁+ビニルシース
F/R平形(Flat)/丸形(Round)VVF は平たい、VVR は丸い
D/T/Q単心を2本/3本/4本より合わせた形CVD・CVT・CVQ
CTキャブタイヤ(動かして使う丈夫な被覆)VCT=ビニル絶縁ビニルキャブタイヤ
EポリエチレンEM-EEF=ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース・平形

文字と意味の対応は、各カタログの正式名称と、パナソニックの用語集の「VVF=Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable」から対応づけた。HIV の H・KIV の K は、二種(耐熱)・電気機器用の区別の記号として覚えるとよい。

たとえば CVT を読んでみます。C は絶縁体が架橋ポリエチレン、V はシースがビニル、T は3本より。並べると「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースの3本より」。正式名称とぴったり合います。

注意|CV の C は「銅」ではない

CV の C は Copper(銅)ではなく、架橋ポリエチレン(Cross-linked polyethylene)です。導体はどのケーブルも、ふつうは銅です。

ケーブルの記号の読み方。CVT は C 架橋ポリエチレン絶縁、V ビニルシース、T 3本より。F 平形、R 丸形、CT キャブタイヤ

VVF と VVR、IV の違い:形とシースの有無

VVF と VVR は同じ JIS C 3342 のケーブルで、違いは形(平形と丸形)です。IV はシース(外側の保護の被覆)のない絶縁電線なので、電線管などに入れて保護して使います。

VVF は2〜3本の電線を平たく並べてビニルで包んだもので、住宅の壁や天井裏をはわせる配線に向きます。主な太さは 1.6mm・2.0mm・2.6mm の単線です(パナソニックの用語集)。どれも直径です。

VVR は同じ材料の丸形で、用途はカタログで「電力用」。どちらも導体の許容温度は60℃です。

IV は、銅線をビニルで1層包んだだけの「電線」です。シースがありません。だから、そのまま壁にはわせず、電線管・がいしなどで守って使います。電技解釈の金属管工事の条文(第159条)も、管に入れる電線は「絶縁電線」。

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CV と CVT の違い:3心を1本にまとめるか、3本をより合わせるか

CV(3心)は3本の線心を1つのシースで包んだケーブル、CVT は CV の単心ケーブルを3本より合わせた形です。同じ太さでは CVT の方が許容電流が大きく、22sq でメーカーの表は CVT 110A、CV 3心 100A でした。

CV(3心)CVT(トリプレックス)
形3本の線心を1つのシースで包むシースを持つ単心ケーブル3本をより合わせる
許容電流(22sq、40℃・気中)100A110A(遮へい付き CVT-S の表)
許容電流(60sq、40℃・気中)190A210A
線心の色(SWCC の例)黒・白・赤黒・白・赤

許容電流は HS&T のカタログ(JCS 0168 による、基底温度40℃・気中暗渠・1条)。

CVT の方が大きいのは、3本それぞれのシースの外側から熱が逃げるためと考えられます。22sq で約1割、60sq でも約1割の差(210÷190=1.11倍)です。小さくない差です。

CV には単心もあります。単心を3本並べて使う(3条)ときの許容電流は、22sq で130A と、さらに大きい値でした。ただし並べ方の条件(間隔など)があります。カタログに書かれた条件で読んでください。

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VCT(キャブタイヤケーブル)は、動かして使う機器への配線

VCT はビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルで、交流600V または直流750V 以下の移動用電気機器への配線に使います。導体は細い素線を多く集めた、やわらかいより線です。

HS&T のカタログの用途は「交流600Vまたは直流750V以下の移動用電気機器または配線及びこれに類する用途」。持ち運ぶ・動かす機器へつなぐためのケーブルです。

壁や天井に固定する VVF・CV と違い、VCT は動かして使うことが前提です。導体は軟銅の集合より線(細い素線を多く集めてより合わせたもの)。単線の VVF とは、曲げやすさがまるで違います。

名前の似た VCTF(ビニルキャブタイヤコード)もあります。VCT との違いの細部は、この記事のためには一次資料を確かめていないので書きません。使うときはメーカーの仕様で定格電圧と用途を確かめてください。

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場面別の使い分け:どのケーブルを選ぶか

ケーブルの種類は、配線が動くか、どこを通すか、どれだけ熱くなるかの3つで、ほぼ決まります。住宅の屋内配線は VVF、建物の幹線・動力は CV・CVT、盤の中は KIV、動く機器は VCT が基本です。

場面選ぶもの理由
住宅の照明・コンセントVVF(1.6mm・2.0mm)平たく、壁や天井裏にはわせやすい
電線管の中を通すIV(熱い所は HIV)シースがない分細く、管に入れて守る
建物の幹線・動力(三相)CVT・CV90℃で許容電流が大きい。CVT は CV 3心より大きい
制御盤の中の配線KIVやわらかいより線で、盤の中の配線向き
制御回路の多心の配線CVV制御用(JIS C 3401)
動かして使う機器への配線VCT移動用(カタログの用途)。やわらかい集合より線
燃えたときのガスを減らしたい建物EM-EEF など EM のケーブル燃焼時にハロゲンガスが出ない

筆者なら、種類を選ぶ前に「動くか」「どこを通すか」「何℃になるか」の3つを先に書き出します。理由は、この3つで候補が1〜2種類に絞れ、あとは許容電流の表で太さを決めるだけになるからです。順番が逆だと手戻りが出ます。太さから考えると、種類を変えたときに表を引き直すことになるため。

ここで混乱しやすいのですが、ケーブルの種類を決めても、工事の方法(管に入れるか・ケーブルラックか・地中か)で許容電流は変わります。順番は、種類→工事の方法→太さ。これが近道です。

場面別のケーブルの使い分けの表。住宅は VVF、幹線は CVT・CV、盤の中は KIV、移動用は VCT

ケーブルの種類でよくある間違い4つ

ケーブルの種類の間違いは、記号の読み違い、太さの単位の取り違え、許容温度を見ないこと、シースのない電線をそのまま使うことの4つが多いです。

間違い正しくは
CV の C を「銅」と読むC は架橋ポリエチレン。導体は銅
VVF 1.6 を断面積 1.6mm² と思う1.6mm は単線の直径。断面積は約2.0mm²
VVF と CV を同じ太さなら同じ電流と思う許容温度が60℃と90℃で違い、表の値も違う
IV を管に入れずに壁にはわせるIV はシースがない絶縁電線。管などで保護する

2つ目の単位の取り違えは、VVF の「1.6」「2.0」と、より線の「2sq」「3.5sq」が同じ数字に見えるのが原因です。呼び方が違うのです。単線は直径(mm)、より線は断面積(sq=mm²)で呼びます。

ケーブルの種類のよくある間違い4つ。CV の C、VVF 1.6mm の単位、許容温度、IV の使い方

よくある質問(FAQ)

Q. VVFケーブルとは何ですか?

A. 600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形のことで、住宅の照明やコンセントの屋内配線に使う平たいケーブルです。

Q. CVケーブルとVVFケーブルの違いは?

A. CVは絶縁体が架橋ポリエチレンで許容温度90℃、VVFはビニルで60℃です。CVは幹線・動力、VVFは住宅の配線に使います。

Q. CVTケーブルとは何ですか?

A. CVの単心ケーブルを3本より合わせたトリプレックス形で、三相の幹線や動力に使い、CV 3心より許容電流が大きいケーブルです。

Q. VCTケーブルとは何ですか?

A. ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルのことで、交流600V以下の移動用電気機器への配線に使う丈夫なケーブルです。

まとめ
  • 記号は「絶縁体→シース→形」の頭文字。V=ビニル、C=架橋ポリエチレン、F=平形、T=3本より
  • VVF:住宅の屋内配線(JIS C 3342・60℃)
  • CV・CVT:建物の幹線・動力(JIS C 3605・90℃)。CVT は CV 3心より許容電流が約1割大きい
  • VCT:移動用の機器への配線(JIS C 3312・60℃)
  • IV はシースのない絶縁電線、KIV は盤の中の配線

次の一歩として、身の回りの分電盤や機械の銘板・ケーブルの印字を見て、記号を頭文字で読んでみてください。材料と形がわかれば、許容電流の表のどの列を引けばよいかもわかります。

ケーブルの種類 VVF・CV・CVT・VCT のまとめ
参考にした資料

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法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

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S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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