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VVFケーブルとは何で、CV・CVT・VCT とはどこが違うのでしょうか?
この記事を書いたのは、ケーブルを「VVFケーブルとは」「CVTケーブル」と記号の名前で調べる人が多いと、検索の数字でわかったからです。記号は、材料と形の頭文字を並べたもの。暗記は要りません。読み方を覚えれば、初めて見る記号もほぼ読めます。

電線・ケーブルの種類の一覧表(600V)
よく使う600V の電線・ケーブル10種類を、正式名称・JIS・導体の許容温度・主な用途で並べました。許容温度が60℃のビニル系と、75℃・90℃の耐熱系に分かれます。
| 記号 | 正式名称 | 規格 | 導体の許容温度 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| IV | 600V ビニル絶縁電線 | JIS C 3307 | 60℃ | 電線管・がいしでの屋内配線、機器の配線(シースなし) |
| HIV | 600V 二種ビニル絶縁電線 | JIS C 3317 | 75℃ | IV より熱に強い場所。許容電流も大きく取れる |
| KIV | 600V 電気機器用ビニル絶縁電線 | JIS C 3316 | 60℃ | 制御盤の中・電気機器の配線(やわらかいより線) |
| VVF | 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル平形 | JIS C 3342 | 60℃ | 住宅の照明・コンセントの屋内配線 |
| VVR | 600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形 | JIS C 3342 | 60℃ | 電力用(VVF より太い幹線など) |
| CV | 600V 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | JIS C 3605 | 90℃ | 建物の幹線・動力(単心〜4心) |
| CVT | 600V トリプレックス形 架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル | JIS C 3605 準拠 | 90℃ | 三相の幹線・動力(単心3個より) |
| VCT | 600V ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル | JIS C 3312(2〜4心) | 60℃ | 移動して使う電気機器への配線 |
| CVV | 制御用ビニル絶縁ビニルシースケーブル | JIS C 3401 | 60℃ | 制御回路の配線 |
| EM-EEF | 600V ポリエチレン絶縁耐燃性ポリエチレンシースケーブル平形 | JIS C 3605 | 75℃ | 電力用。燃えてもハロゲンガスが出ない |
規格・許容温度・用途は各メーカーのカタログ(HS&T:IV・VVF・VVR・CV・VCT・CVV・EM-EEF、SWCC・東日京三:HIV・KIV・CVT)で確かめた。CVT は SWCC のカタログで「JIS C 3605 準拠」。
表は、メーカーのカタログで JIS 番号と許容温度を1行ずつ確かめて作りました。HIV と KIV は HS&T の資料が見つかりませんでした。そこで SWCC と東日京三の表で確かめています。
「導体の許容温度」は、電流を流して導体が熱くなっても絶縁体が傷まない上限の温度です。この温度が高いほど、同じ太さで多くの電流を流せます。差は30℃。90℃の CV は、60℃の VVF より同じ太さで多く流せます。
許容温度の違いは許容電流の数字に表れます。IV・VVF・CV・CVT の太さ別の早見表はこちら

ケーブルの記号の読み方:材料と形の頭文字
ケーブルの記号は「絶縁体の材料 → シースの材料 → 形」の順に頭文字を並べたものです。V はビニル、C は架橋ポリエチレン、F は平形(Flat)、R は丸形(Round)、T は3本より(トリプレックス)を表します。
| 文字 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| V | ビニル(塩化ビニル) | VVF の1つ目=絶縁体がビニル、2つ目=シースがビニル |
| C | 架橋ポリエチレン(熱に強いポリエチレン) | CV=架橋ポリエチレン絶縁+ビニルシース |
| F/R | 平形(Flat)/丸形(Round) | VVF は平たい、VVR は丸い |
| D/T/Q | 単心を2本/3本/4本より合わせた形 | CVD・CVT・CVQ |
| CT | キャブタイヤ(動かして使う丈夫な被覆) | VCT=ビニル絶縁ビニルキャブタイヤ |
| E | ポリエチレン | EM-EEF=ポリエチレン絶縁・耐燃性ポリエチレンシース・平形 |
文字と意味の対応は、各カタログの正式名称と、パナソニックの用語集の「VVF=Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable」から対応づけた。HIV の H・KIV の K は、二種(耐熱)・電気機器用の区別の記号として覚えるとよい。
たとえば CVT を読んでみます。C は絶縁体が架橋ポリエチレン、V はシースがビニル、T は3本より。並べると「架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースの3本より」。正式名称とぴったり合います。

VVF と VVR、IV の違い:形とシースの有無
VVF と VVR は同じ JIS C 3342 のケーブルで、違いは形(平形と丸形)です。IV はシース(外側の保護の被覆)のない絶縁電線なので、電線管などに入れて保護して使います。
VVF は2〜3本の電線を平たく並べてビニルで包んだもので、住宅の壁や天井裏をはわせる配線に向きます。主な太さは 1.6mm・2.0mm・2.6mm の単線です(パナソニックの用語集)。どれも直径です。
VVR は同じ材料の丸形で、用途はカタログで「電力用」。どちらも導体の許容温度は60℃です。
IV は、銅線をビニルで1層包んだだけの「電線」です。シースがありません。だから、そのまま壁にはわせず、電線管・がいしなどで守って使います。電技解釈の金属管工事の条文(第159条)も、管に入れる電線は「絶縁電線」。
ケーブルの「絶縁体」は電気を通さない材料。導体・絶縁体・半導体の違いがわかります

CV と CVT の違い:3心を1本にまとめるか、3本をより合わせるか
CV(3心)は3本の線心を1つのシースで包んだケーブル、CVT は CV の単心ケーブルを3本より合わせた形です。同じ太さでは CVT の方が許容電流が大きく、22sq でメーカーの表は CVT 110A、CV 3心 100A でした。
| CV(3心) | CVT(トリプレックス) | |
|---|---|---|
| 形 | 3本の線心を1つのシースで包む | シースを持つ単心ケーブル3本をより合わせる |
| 許容電流(22sq、40℃・気中) | 100A | 110A(遮へい付き CVT-S の表) |
| 許容電流(60sq、40℃・気中) | 190A | 210A |
| 線心の色(SWCC の例) | 黒・白・赤 | 黒・白・赤 |
許容電流は HS&T のカタログ(JCS 0168 による、基底温度40℃・気中暗渠・1条)。
CVT の方が大きいのは、3本それぞれのシースの外側から熱が逃げるためと考えられます。22sq で約1割、60sq でも約1割の差(210÷190=1.11倍)です。小さくない差です。
CV には単心もあります。単心を3本並べて使う(3条)ときの許容電流は、22sq で130A と、さらに大きい値でした。ただし並べ方の条件(間隔など)があります。カタログに書かれた条件で読んでください。
22sq・38sq の「sq」は断面積の呼び。海外の資料の AWG との対応表はこちら

VCT(キャブタイヤケーブル)は、動かして使う機器への配線
VCT はビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブルで、交流600V または直流750V 以下の移動用電気機器への配線に使います。導体は細い素線を多く集めた、やわらかいより線です。
HS&T のカタログの用途は「交流600Vまたは直流750V以下の移動用電気機器または配線及びこれに類する用途」。持ち運ぶ・動かす機器へつなぐためのケーブルです。
壁や天井に固定する VVF・CV と違い、VCT は動かして使うことが前提です。導体は軟銅の集合より線(細い素線を多く集めてより合わせたもの)。単線の VVF とは、曲げやすさがまるで違います。
名前の似た VCTF(ビニルキャブタイヤコード)もあります。VCT との違いの細部は、この記事のためには一次資料を確かめていないので書きません。使うときはメーカーの仕様で定格電圧と用途を確かめてください。
6600V 以上の高圧ケーブル(CV・OF)は、地中送電の記事で充電電流と許容電流を扱っています

場面別の使い分け:どのケーブルを選ぶか
ケーブルの種類は、配線が動くか、どこを通すか、どれだけ熱くなるかの3つで、ほぼ決まります。住宅の屋内配線は VVF、建物の幹線・動力は CV・CVT、盤の中は KIV、動く機器は VCT が基本です。
| 場面 | 選ぶもの | 理由 |
|---|---|---|
| 住宅の照明・コンセント | VVF(1.6mm・2.0mm) | 平たく、壁や天井裏にはわせやすい |
| 電線管の中を通す | IV(熱い所は HIV) | シースがない分細く、管に入れて守る |
| 建物の幹線・動力(三相) | CVT・CV | 90℃で許容電流が大きい。CVT は CV 3心より大きい |
| 制御盤の中の配線 | KIV | やわらかいより線で、盤の中の配線向き |
| 制御回路の多心の配線 | CVV | 制御用(JIS C 3401) |
| 動かして使う機器への配線 | VCT | 移動用(カタログの用途)。やわらかい集合より線 |
| 燃えたときのガスを減らしたい建物 | EM-EEF など EM のケーブル | 燃焼時にハロゲンガスが出ない |
筆者なら、種類を選ぶ前に「動くか」「どこを通すか」「何℃になるか」の3つを先に書き出します。理由は、この3つで候補が1〜2種類に絞れ、あとは許容電流の表で太さを決めるだけになるからです。順番が逆だと手戻りが出ます。太さから考えると、種類を変えたときに表を引き直すことになるため。
ここで混乱しやすいのですが、ケーブルの種類を決めても、工事の方法(管に入れるか・ケーブルラックか・地中か)で許容電流は変わります。順番は、種類→工事の方法→太さ。これが近道です。

ケーブルの種類でよくある間違い4つ
ケーブルの種類の間違いは、記号の読み違い、太さの単位の取り違え、許容温度を見ないこと、シースのない電線をそのまま使うことの4つが多いです。
| 間違い | 正しくは |
|---|---|
| CV の C を「銅」と読む | C は架橋ポリエチレン。導体は銅 |
| VVF 1.6 を断面積 1.6mm² と思う | 1.6mm は単線の直径。断面積は約2.0mm² |
| VVF と CV を同じ太さなら同じ電流と思う | 許容温度が60℃と90℃で違い、表の値も違う |
| IV を管に入れずに壁にはわせる | IV はシースがない絶縁電線。管などで保護する |
2つ目の単位の取り違えは、VVF の「1.6」「2.0」と、より線の「2sq」「3.5sq」が同じ数字に見えるのが原因です。呼び方が違うのです。単線は直径(mm)、より線は断面積(sq=mm²)で呼びます。

よくある質問(FAQ)


