4人家族の電気代は、1人暮らしの4倍ではなく約1.9倍。月13,928円です。
電気代の平均の表は、探せばすぐに見つかります。困るのはその先です。自分の家の請求が平均より高いのか安いのかは、表だけでは決まりません。電気代は季節で大きく動き、2025年の家計調査では、いちばん高い3月といちばん低い6月で1.5倍の差。
筆者がこの記事を書いたのは、平均を「人数」と「支払う月」の2つでそろえて比べる物差しが欲しかったからです。数字は総務省の家計調査と、電力会社が発表した料金の単価だけ。計算はブラウザの中で動きます。入れた数字はどこにも送りません。


電気代の平均(世帯人数別・2025年)
電気代の平均は、1人7,337円・2人12,144円・3人13,915円・4人13,928円・5人15,665円・6人以上17,322円(1か月。総務省 家計調査 2025年)。人数が増えても、電気代は人数ほどは増えません。
出典:総務省 家計調査(家計収支編)2025年。1人は単身世帯の表1、2人以上は二人以上の世帯の表3-1(世帯人員別)。年は月の値を12倍した目安。オール電化の家は、電気代+ガス代の列と比べてください。
1人から2人になると4,807円増えますが、3人と4人はほぼ同じ。差は13円です。冷蔵庫・照明・テレビのように、人数が増えても台数が増えにくい家電が多いためと考えられます。東京都の家庭の省エネハンドブックによると、都内の家庭の電気の使い道はエアコン19%・冷蔵庫15%・照明15%・テレビ8%の順でした。
一人暮らしの平均(月7,337円)は、二人以上の世帯とは別の表の値です。幅の広い平均です。単身世帯には、昼は家にいない勤め人も、家で過ごす時間の長い高齢の人も入っています。家にいる時間の長い人ほど、平均より上に出やすいと見てください。
月別の電気代の平均(何月に高い?)
電気代は2〜3月に高く、年平均の約1.25倍。6〜7月は約0.8倍で、いちばん安い月です(二人以上の世帯・2025年・支払った月)。比べるときは、人数の平均にこの月の倍率をかけます。
倍率=二人以上の世帯の月別の電気代(2025年)÷年平均。月は払った月です。12月の値は、おもに11月に使った電気。1人暮らしにも同じ倍率を使っています(単身世帯の月別の表は公表がないため)。
冬が高いのは、暖房に加えて、照明をつける時間が延びることなどが重なるためと考えられます。夏の山(9月の支払い)は、冬の山ほど高くなりません。
もう1つ、2025年の2〜4月の支払い分には国の補助(2025年1〜3月使用分)が入っていて、その分だけ低めに出ています。補助のない月に同じ使い方をすると、倍率より少し高く出る、と見てください。

電気代の診断ツール(平均との比較・内訳・下げ方)
請求額か使用量(kWh)のどちらかと、人数・支払う月を入れると、①同じ人数・同じ月の平均と比べて高め・ふつう・低め ②基本料金・電力量料金・燃料費調整額・再エネ賦課金の内訳 ③見直すと下がりそうな順の上位3つ(円/月)を出します。
「くわしく入れる」を開くと、エリア・契約アンペア・オール電化・家電の数を入れられます。入れない項目は、関東・30A・エアコン1台の家として計算します。
高め・ふつう・低めの線
平均の目安の±20%の内を「ふつう」にしました。筆者が迷ったのはここです。家計調査の平均は、北海道から沖縄まで、戸建てと集合住宅、ガスを使う家と使わない家を混ぜた値。10%の差で「高い」と言い切れるほど細かい物差しではありません。
「高め」と出たら、原因は使った量(kWh)か、単価か、のどちらか。次の節の内訳で、どちらが大きいかを見てください。
このツールで言えないこと
筆者がこのツールで言えないこともあります。料金の単価を入れたのは、関東(東京電力EP)と中部(中部電力ミライズ)の従量電灯Bだけ。関西・九州などのエリアと、新電力・時間帯別のプランは単価が違います。「その他のエリア」を選ぶと関東の単価で計算した目安になり、請求額と使用量を両方入れると、差が出たことだけは分かります。
冬(2027年1〜3月使用分)に国の補助が出るかは、この記事を書いた時点では決まっていません。補助が決まったら、ツールの「国の補助」の行に入れます。

電気代の内訳と計算方法(請求書の5つの項目)
電気代=基本料金+電力量料金(使用量×3段階の単価)+燃料費調整額(使用量×燃料費調整単価)+再エネ賦課金(使用量×4.18円)−国の補助、で計算します。使わなくてもかかるのは基本料金だけです。
単価は税込・1kWhあたり(基本料金は1か月)。東京電力EP は 2026年11月1日からの単価(26x3203)、中部電力ミライズは 2026年11月1日実施の単価表。燃料費調整単価は各社の 2026年10月29日の発表。中部は関東と単価の分け方が違いますが、平均モデル(30A・260kWh)の合計は関東9,738円・中部9,920円と近い額です。
計算を1つやってみます。関東・30A・230kWh(12月分の単価)の場合です。
この計算の式が正しいかは、筆者が電力会社の発表の平均モデル(30A・260kWh)で確かめました。結果は一致。東京電力EP の12月分は9,738円、中部電力ミライズは9,920円(口座振替の割引55円を引いた額)。どちらも、ツールの計算と1円単位で一致しています。
11月から上がる理由を、補助の終わり・託送料金・燃料費調整に分けて1kWhで計算

電気代が高い原因の見分け方(量か単価か)
電気代が高い原因は、使った量(kWh)が多いか、1kWhあたりの単価が高いかの2つに分かれます。kWh が平均並みで金額だけ高いなら単価(プラン・契約アンペア・燃料費調整)、kWh が多いなら家電と季節を見ます。
1kWhあたりの単価は2種類あります。請求額を使用量で割った「平均の単価」と、1kWh減らしたときに下がる「次の1kWhの単価」です。関東・30A・230kWh なら、平均は約37.6円。次の1kWh は35.98円です。
節約の額を見積もるときは、次の1kWh の単価を使います。基本料金は減らないからです。使用量が300kWh を超える家は、次の1kWh が40.07円に上がるので、同じ1kWh の節約でも少し多く下がります。
契約アンペアの決め方と、分電盤の3つのブレーカーの役割

電気代の下げ方(見直しの効果を月の円で比べる)
月の効果が大きい見直しは、衣類乾燥機を自然乾燥と組み合わせる(月 約1,180円)、15年以上前の冷蔵庫の買い替え(約670円)、電気カーペットの温度を中に(約560円)の順です(関東・1kWh=35.98円で計算)。
省エネ量は東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2026」の年間の値。冊子の金額は33.2円/kWhで計算されているので、ここでは関東・230kWh の「次の1kWh の単価」35.98円で計算し直しました。エアコン・照明は1台・1個あたり。買い替えの2行は、冊子の 2010年購入の機種と今の省エネ型(省エネ性能カタログ2025年版)の比較です。
見直しごとの差は大きい。小さな工夫の多くは月100〜200円です。月1,000円を超えるのは、乾燥機のように「熱を作る家電を毎日長く使う」ものだけ。ドライヤー・電気ケトル・電子レンジのような大きな W の家電も、使う時間が短いので月の円は小さく出ます。
ドライヤーの1,200W はなぜ大きい?熱を作る家電の電気の使い方
買い替えの2行は、購入費がかかります。15年以上前の冷蔵庫を買い替えて月 約670円下がっても、10万円の冷蔵庫なら、元を取るのに約12〜13年かかる計算です。壊れる前に急いで替える根拠にはなりません。故障や引っ越しで買い替えるときに、年間の消費電力量(kWh/年)の小さい機種を選ぶ材料として使ってください。

例題3つで診断してみる(1人暮らし・4人家族・オール電化)
1人暮らし・12月・230kWh は「高め」(8,659円/平均の目安6,383円)、4人家族・1月・16,000円は「ふつう」、オール電化の3人・2月・24,000円は電気代+ガス代の平均と比べて「ふつう」でした。
どの例も、この記事のために作った数字です。平均の目安=人数の平均×支払う月の倍率(オール電化は電気代+ガス代の平均×電気代+ガス代の倍率)。
1人暮らし:平均より36%高い
平均の目安は 7,337円×0.870=6,383円。230kWh は 1人暮らしとしては多めです。差は+2,276円です。見直しの1位は蛍光灯の器具2台を LED に(月 約410円)、2位は電気ポットの保温をやめる(約320円)。12月は暖房の設定温度の行も出ますが、エアコン1台なので月 約160円で4位でした。
4人家族:請求額だけでも診断できる
使用量が分からなくても、請求額16,000円から逆算すると約411kWh(411kWh で計算すると16,017円)。平均の目安は 13,928円×1.128=15,711円で、差は2%。「ふつう」です。300kWh を超えているので、次の1kWh は40.07円。見直しの1位は乾燥機(月 約1,320円)でした。
オール電化:電気代だけで比べない
オール電化の家は、ガス代の分も電気で払っています。電気代だけの平均と比べると、ほとんどの家が「高め」に出てしまう。そこでツールは、電気代+ガス代の平均(3人 19,011円×2月の倍率1.291=24,543円)と比べます。
750kWh を従量電灯で計算すると29,482円で、請求の24,000円より約5,500円高く出ます。時間帯で単価が変わるプランのためと考えられます。ここは計算の限界です。見直しの金額は、請求額÷使用量の32円で計算し直した値。
電気代の平均と比べるときのよくある間違い
よくある間違いは、季節の違う月の平均と比べる、オール電化の家が電気代だけの平均と比べる、1kWhあたりの平均の単価で節約額を見積もる、使った月と払う月を取り違える、の4つです。
最後の行は、月のずれの話です。12月に払う請求は、たいてい11月ごろに使った電気。ツールは「何月の請求か(支払う月)」で選ぶ形にしました。
よくある質問(FAQ)
次の一歩
見直しの候補が決まったら、家電1台ごとの電気代を「W×時間」で出してみてください。WとWhの違い|電力と電力量を「速さと距離」で図解で、家電のラベルの「消費電力(W)」と「年間消費電力量(kWh)」の読み方と、1か月の電気代の出し方を説明しています。

