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配線図の記号一覧は、家の図面によく出る42個にしぼりました。
答え
電気図面(屋内の配線図)の記号は、JIS C 0303「構内電気設備の配線用図記号」で決まっています。コンセントは壁の側を黒く塗った円、スイッチ(点滅器)は黒丸、分電盤は長方形の半分を黒く塗った形、照明は円。器具の右下の小さな文字(傍記)で、3路・接地極付などの種類を表します。
回路図記号の一覧を書いたあと、検索の数字を見ると「配線図」「コンセント 記号」「分電盤 記号」で探している人がかなりいました。規格がちがうのです。電子回路の回路図と、建物の配線図は、使う規格が別。この記事では、建物の配線図(電気図面)の記号を、コンセント・スイッチ・分電盤・照明・配線の線の種類に分けて、早見表と図でまとめます。
配線図の記号とは:JIS C 0303で決まる
配線図の記号とは、建物の平面図の上に、照明・スイッチ・コンセント・分電盤の位置と、電線の通し方を描くための図記号です。決めているのは JIS C 0303「構内電気設備の配線用図記号」。公共の建物の工事の標準図や、第二種電気工事士の試験も、この規格の記号を使います。
回路図記号(JIS C 0617)は、部品どうしがどうつながっているかを描くための記号でした。配線図記号(JIS C 0303)は、建物のどこに何があるかを描くための記号です。同じスイッチでも、回路図では接点の絵、配線図では黒丸1つ。目的がちがいます。
| 回路図の記号 | 配線図の記号 |
| 規格 | JIS C 0617(電気用図記号) | JIS C 0303(構内電気設備の配線用図記号) |
| 描くもの | 部品どうしのつながり方 | 建物のどこに、何の器具があるか |
| 使う図 | 電子回路の回路図・展開接続図 | 建物の平面図に描く配線図(電気図面) |
| スイッチの描き方 | 接点が開いた線 | 黒丸(点滅器) |
配線図の記号は、器具を真上から見たような単純な形が多いです。見る所は3つ。1つずつ覚えるより「黒く塗る所」「中の線」「横の文字」を見るほうが早く読めます。
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配線図の記号一覧:42個の早見表
家や小さな建物の配線図でよく見る記号を、配線の線4個・照明9個・スイッチ9個・コンセント6個・盤と機器11個・箱3個の42個にまとめた早見表です。色はグループで、右下の小さな文字が傍記です。
国交省の工事の標準図だけでも、記号は数百あります。全部は要りません。どこまで入れるかで迷いましたが、住宅の配線図と、第二種電気工事士の試験の配線図に実際に出てくる記号にしぼりました。
形は、電気技術者試験センターが公表している過去5回の試験の配線図と、国土交通省の「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)」の図示記号を、PDF から拡大して1つずつ写して描いています。規格そのものの本文は、規格の販売元のプレビューが止まっていて、今回は確かめられていません。ここは正直に書いておきます。
POINT|早見表の読み方
まず色でグループを見て、次に形、最後に右下の文字(傍記)を見ます。傍記がない記号は「いちばん普通の品」です。たとえばスイッチの黒丸だけなら、1か所で入り切りする片切のスイッチ。
配線の記号:実線・破線・一点鎖線の違い
配線の記号は、線の種類で電線を通す場所を表します。実線は天井隠ぺい配線(天井の裏)、長い破線は床隠ぺい配線(床の下)、短い破線(点線)は露出配線(壁や天井の表)、一点鎖線は地中配線です。
| 線 | 名前 | 電線を通す場所 |
| 実線(切れ目なし) | 天井隠ぺい配線 | 天井の裏。家の配線でいちばん多い |
| 長い破線 | 床隠ぺい配線 | 床の下 |
| 短い破線(点線) | 露出配線 | 壁や天井の表に出して通す |
| 一点鎖線(長い線と点) | 地中配線 | 地面の下。外灯や離れの建物へ |
線の上に「VVF1.6-3C」「(E19)」のような文字が書いてあることがあります。前が電線の種類と太さ。かっこの中が、電線を通す管の種類と太さです。書いていない部分は、図面の注記(「特記のない配線は VVF1.6 とする」など)に従います。
注意|破線の長さは図面ごとに少し違う
床隠ぺいの破線と露出の点線は、図面によって線の長さが少しちがいます。迷ったら、図面の端にある凡例(記号の説明の表)で確かめます。
照明の記号:CL・DL・CH とペンダント
照明の記号は円が基本で、円の中の文字で種類を表します。CL はシーリング(天井に直接つける照明)、DL はダウンライト(天井に埋め込む照明)、CH はシャンデリヤ。円に横線1本はペンダント(つり下げる照明)です。
| 記号 | 名前 | 見分けどころ |
| ○ | 照明器具(一般) | 白い円だけ |
| ○の壁の側が黒 | 壁付の照明 | 壁に取り付ける照明。黒い側が壁 |
| ⊖ | ペンダント | 円に横線1本 |
| CL | シーリング | 天井に直接つける照明 |
| DL | ダウンライト(埋込器具) | 天井に埋め込む照明 |
| CH | シャンデリヤ | 大きなつり下げ形の照明 |
| 円に( ) | 引掛シーリング(丸) | 照明を引っかけて取り付ける、天井の差込口 |
| 四角に( ) | 引掛シーリング(角) | 同じ差込口の四角い形 |
| 細長い長方形 | 蛍光灯(細長い器具) | 長方形に丸を重ねて描く図面もある |
引掛シーリングは器具ではありません。照明を取り付けるための、天井の差込口です。試験では、外枠が円の(丸)と四角の(角)を区別して問われたことがあります。
スイッチ(点滅器)の記号と傍記の文字
スイッチは配線図では「点滅器」と呼び、記号は黒丸です。右下の文字(傍記)で種類が変わり、3は3路スイッチ、4は4路スイッチ、Lは確認表示灯内蔵、Hは位置表示灯内蔵、Aは自動点滅器を表します。
| 記号 | 名前 | どんなスイッチか |
| ● | 点滅器(片切) | 1か所で入り切りする、いちばん普通のスイッチ |
| ●3 | 3路スイッチ | 階段の上と下など、2か所で同じ照明を入り切りする |
| ●4 | 4路スイッチ | 3路2つの間に入れて、3か所以上で入り切りする |
| ●2P | 2極スイッチ | 2本の電線を同時に入り切りする |
| ●L | 確認表示灯内蔵 | 入れたときに光る(換気扇などの入れ忘れを防ぐ) |
| ●H | 位置表示灯内蔵 | 切ったときに光る(暗い所でスイッチの場所がわかる) |
| ●A | 自動点滅器 | 周りが暗くなると自動で入る(外灯など) |
| ◆ | ワイドハンドル形点滅器 | 押す面の広いスイッチ。黒丸ではなく黒い菱形 |
| 黒丸に斜めの矢印 | 調光器 | 照明の明るさを変える |
傍記の意味は、国交省「公共建築設備工事標準図(電気設備工事編)」の図示記号の表と、第二種電気工事士の試験問題の選択肢から。
確認表示灯と位置表示灯は、どちらもスイッチの中のランプです。光る時が逆。「入れたとき」か「切ったとき」か。名前だけで覚えると取り違えやすいので、L=点けたのを確認、H=場所を表示、と役目で覚えておくと区別できます。
コンセントの記号と傍記:E・ET・EL・WP
コンセントの記号は、壁の側を黒く塗った円に、壁と直角な平行線2本を描いた形です。黒い側が取り付ける壁。右の文字で種類を表し、2は2口、Eは接地極付、ETは接地端子付、ELは漏電遮断器付、WPは防雨形です。
| 傍記 | 意味 | よく見る場所 |
| (なし) | 1口のコンセント | 居室 |
| 2・3 | 2口・3口 | 居室・台所 |
| E | 接地極付(アースの差込穴がある) | 洗濯機・電子レンジ |
| ET | 接地端子付(アース線をつなぐねじがある) | 台所・洗面所 |
| EET | 接地極付接地端子付 | 台所・洗面所 |
| EL | 漏電遮断器付 | 水回り・屋外 |
| WP | 防雨形 | 屋外・ベランダ |
| LK | 抜け止め形 | 抜けると困る機器 |
| T | 引掛形 | ひねって差し込む形 |
| 20A・250V | 定格(ふつうの15A・125V以外) | エアコン用など |
意味は国交省の標準図の図示記号と、第二種電気工事士の試験問題(傍記を答えさせる問い)から。
コンセントは、黒く塗る所が円の半分より小さく、白い側に平行線が2本あります。線は壁と直角。部屋の図面を回して見ても、黒い側が壁に向いていれば正しい向きです。
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分電盤・ブレーカー・機器の記号
分電盤は長方形の半分(対角線で分けた片側)を黒く塗った形、配電盤は長方形に×です。ブレーカーは四角に文字で、B が配線用遮断器、BE が漏電遮断器(過負荷保護付)。電力量計は Wh、電動機は円に M で描きます。
| 記号 | 名前 | 見分けどころ |
| 長方形の半分が黒 | 電灯分電盤 | 家の分電盤。対角線の片側を黒 |
| 長方形の上下の三角が黒 | 動力分電盤(試験の凡例) | 三相200Vの機器用の盤 |
| 長方形に× | 配電盤 | 分電盤へ電気を送る大元の盤 |
| B | 配線用遮断器 | 電線を過電流から守るブレーカー |
| BE | 漏電遮断器(過負荷保護付) | 漏電と過電流の両方で切れる |
| Wh | 電力量計 | 電気の使用量を測るメーター |
| 円に斜線 | VVF用ジョイントボックス | VVF ケーブルどうしをつなぐ所 |
| 小さな四角 | ジョイントボックス | 電線どうしをつなぐ箱(VVF用でないもの) |
| 四角に× | プルボックス | 電線管の途中で電線を引き入れる箱 |
| 円に∞ | 換気扇 | 円の中に小さな円2つ |
| RC | ルームエアコン | I が屋内ユニット、O が屋外ユニット |
| 円に M・円に H | 電動機・電熱器 | M はモーター、H はヒーター |
| 縦線に横線3本 | 接地極 | アースの電極。下ほど短い横線 |
動力の盤の塗り方では迷いました。試験の配線図の凡例は、上下の三角を黒く塗った形を「動力分電盤」と書いています。国交省の標準図では、同じ形を「実験盤」、左右の三角を黒く塗った形を「制御盤」としています。同じ形でも、図面の種類で名前がちがう。盤の記号は、必ず図面の凡例で確かめます。
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見間違えやすい配線図の記号6組
配線図で見間違えやすいのは、壁付の照明とコンセント、点滅器と押しボタン、引掛シーリングの丸と角、ジョイントボックスの2種類、電灯分電盤と動力分電盤、床隠ぺいと露出の線の6組です。違いはどれも1か所だけ。
| ペア | 見るところ |
| 壁付の照明 と コンセント | 白い側に平行線2本があればコンセント。照明は円だけ |
| 点滅器 と 押しボタン | 外に円があり中が黒丸なら押しボタン(電磁開閉器用) |
| 引掛シーリング(丸) と (角) | 外枠が円か四角か |
| ジョイントボックス と VVF用ジョイントボックス | 小さな四角か、斜線の入った円か |
| 電灯分電盤 と 動力分電盤 | 黒が対角線の片側か、上下の三角か |
| 床隠ぺい配線 と 露出配線 | 破線が長いか、短いか |
壁付の照明とコンセントは、どちらも壁の側を黒く塗るので、いちばん取り違えやすい組です。白い側に線が2本あるかどうか。ここだけ見れば区別できます。
第二種電気工事士の試験での配線図の記号
第二種電気工事士の学科試験は、50問のうち問31〜50の20問が配線図の問題です。過去5回では、引掛シーリングの角、床隠ぺい配線、確認表示灯を内蔵する点滅器、傍記の LK・T など、記号の名前や傍記を答える問いが毎回出ています。
筆者は電験三種と回路設計の側の人間で、第二種電気工事士の受験はしていません。工事の現場で配線図を描いた経験もないので、ここでは試験センターが公表している問題と解答から、記号の名前を問われた問いだけを抜き出しました。
| 回 | 問 | 問われたこと | 答え |
| 令和8年度下期 | 問31 | ①の器具の種類 | 引掛シーリング(角) |
| 令和8年度下期 | 問40 | ⑩の配線方法 | 床隠ぺい配線 |
| 令和8年度上期 | 問33 | ③の器具の種類 | 確認表示灯を内蔵する点滅器 |
| 令和8年度上期 | 問35 | ペンダントの図記号 | 円に横線の記号 |
| 令和8年度上期 | 問38 | 抜け止め形の防雨形コンセントの傍記 | LK |
| 令和7年度下期 | 問32 | ②の器具の種類 | 接地端子付コンセント |
| 令和7年度下期 | 問36 | ⑥の図記号の名称 | VVF用ジョイントボックス |
| 令和7年度下期 | 問38 | ⑧の図記号の名称 | ワイドハンドル形点滅器 |
| 令和7年度上期 | 問40 | 引掛形コンセントの傍記 | T |
| 令和6年度下期 | 問35 | ⑤の器具の名称 | 自動点滅器 |
電気技術者試験センター「第二種電気工事士 学科試験」の問題と解答(令和6年度下期〜令和8年度下期の5回)から抜き出した。問いは要旨。
形を選ぶ問いは少数です。10問のうち、記号の形そのものを選ばせる問いはペンダントの1問で、ほかは「この記号は何か」「傍記は何か」を答える形でした。早見表の名前と傍記を言えるようにしておくと、この種類の問いに答えられます。
POINT|記号のあとは、電線の本数
配線図の問題には、記号の名前のほかに「⑦の部分の最少電線本数は」のように、記号から複線図を考えて電線の本数を答える問いも毎回あります。スイッチの傍記(3・4)とジョイントボックスの位置が読めることが、その前提になります。
まとめ:黒く塗る所・中の線・横の文字を見る
まとめ
- 電気図面(屋内の配線図)の記号は JIS C 0303「構内電気設備の配線用図記号」。回路図の JIS C 0617 とは別の規格
- 配線の線は、実線=天井隠ぺい、長い破線=床隠ぺい、短い破線=露出、一点鎖線=地中
- コンセントは壁の側が黒い円に平行線2本、スイッチは黒丸、分電盤は長方形の半分が黒、照明は円(CL・DL・CH)
- 右下の傍記で種類が変わる:3・4(3路・4路)、L・H(表示灯)、E・ET・EL・WP(コンセント)
- 盤の記号は図面によって名前がちがうことがある。迷ったら図面の凡例を見る
記号は42個ありますが、見るところは「黒く塗る所」「中の線」「横の文字」の3つです。早見表を手元に置いて、実際の図面の記号に1つずつ印を付けていくと覚えられます。
次の一歩:記号で器具の位置が読めたら、その間を結ぶ電線の種類を確かめると、図面の線の上の「VVF1.6-3C」の意味まで読めるようになります → VVFケーブルとは?CV・CVT・VCTとの違いと記号の読み方
参考にした資料
(2026年10月に確認)
法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。
S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年
メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
テーマ別に、もっと深く学ぶ
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