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コンデンサの104の読み方は、回路を読み始めた人が最初につまずく所のひとつです。部品には「104」、回路図には「100n」、部品表には「0.1u」と、同じ値なのに書き方がばらばらだからです。
この記事では、部品の印字・回路図・部品表の3つの場所に出てくる短い書き方を、順番に読めるようにします。最後に、取り違えやすい3つの失敗と、部品表の書き方をまとめます。

部品の値は3つの場所に「短い書き方」で書かれる
部品の値は、部品の印字・回路図・部品表(BOM)の3つの場所に、それぞれ短い書き方で書かれます。書き方は違っても、読み方のルールは共通です。
部品は小さく、回路図や部品表には部品が何百個も並びます。そのため、どの場所でも値を短く書く工夫がされています。
| 場所 | 書き方の例 | この記事で読む所 |
|---|---|---|
| 部品の印字 | 104・103・100µF 25V | 3桁表示・許容差の文字・帯 |
| 回路図 | 4k7・4R7・100n | 文字が小数点になる書き方 |
| 部品表(BOM) | 0.1µF 25V X7R 1608 | サイズの呼び方・書き方の決まり |
最初に、いちばんよく見るコンデンサの「104」から読みます。
つまり、印字・回路図・部品表の3つが読めれば、部品の値で迷うことはほとんどなくなります。

コンデンサの104の読み方:10に0を4つ付けてpF
コンデンサの104は、10 に0を4つ付けた100,000pF です。1000で2回割ると0.1µF になります。
3桁表示は、次のルールで読みます。
100,000pF を1000で割ると100nF(ナノファラド)、もう一度1000で割ると0.1µF(マイクロファラド)です。どれも同じ値です。
つまり、104 は「10と0が4つ、単位は pF」。0.1µF は回路でいちばんよく使う値のひとつです。

pF・nF・µFの換算:1000倍ずつ大きくなる
pF・nF・µF は1000倍ずつ大きくなります。0.1µF=100nF=100,000pF で、部品表の「0.1u」、回路図の「100n」、印字の「104」はどれも同じ値です。
単位の頭の文字(接頭語)は、p(ピコ)、n(ナノ)、µ(マイクロ)の順に1000倍ずつ大きくなります。
| pF で書くと | nF で書くと | µF で書くと | 3桁の表示 |
|---|---|---|---|
| 100,000pF | 100nF | 0.1µF | 104 |
| 10,000pF | 10nF | 0.01µF | 103 |
| 1,000pF | 1nF | 0.001µF | 102 |
部品表や回路図では、µ の代わりにアルファベットの u を使うことがよくあります。「0.1u」は0.1µF のことです。
つまり、pF→nF→µF は「1000で割るごとに1つ上へ」。迷ったら pF に直して比べると確実です。

コンデンサの3桁表示の早見表
3つ目の数字が1増えるごとに、値は10倍になります。102 は1nF、103 は10nF、104 は0.1µF、105 は1µF、106 は10µF です。
| 表示 | pF | nF | µF |
|---|---|---|---|
| 1R0 | 1pF | ― | ― |
| 100 | 10pF | ― | ― |
| 101 | 100pF | 0.1nF | ― |
| 102 | 1,000pF | 1nF | 0.001µF |
| 103 | 10,000pF | 10nF | 0.01µF |
| 104 | 100,000pF | 100nF | 0.1µF |
| 105 | ― | 1,000nF | 1µF |
| 106 | ― | ― | 10µF |
「1R0」の R は小数点です。1R0 は1.0pF、R50 は0.50pF と読みます。小さな値のコンデンサで使われます。
「100」は100pF ではなく、10 に0を0個付けた10pF です。3つ目が0のときは、0を足しません。
つまり、3つ目の数字=「10の何乗か」。103 と105 の差は100倍です。

104Kの「K」は許容差:J・K・Mの意味
104 の後ろに付く J・K・M は許容差の記号です。J は±5%、K は±10%、M は±20% で、104K なら0.09〜0.11µF の間に入ります。
部品の値には、製造のばらつきがあります。許容差は、本当の値が書いてある値からどこまでずれてよいかを表します。
| 文字 | 許容差 | 104 なら |
|---|---|---|
| J | ±5% | 0.095〜0.105µF |
| K | ±10% | 0.09〜0.11µF |
| M | ±20% | 0.08〜0.12µF |
村田製作所の積層セラミックコンデンサの型番でも、同じ文字で許容差を表しています。
X7R・X5R・C0G の違いと、温度で容量がどれくらい変わるかがわかる
つまり、104K は「0.1µF・±10%」。値の後ろの1文字まで読むと、部品が1つに近づきます。

同じ103でも、抵抗は10kΩ、コンデンサは0.01µF
チップ抵抗の103 は10kΩ、セラミックコンデンサの103 は0.01µF です。数字のルールは同じで、違うのは単位(Ω と pF)だけです。
チップ抵抗も、3桁の数字で値を表します。10 に0を3つ付けて10,000。抵抗の単位は Ω なので、10,000Ω=10kΩ です。
コンデンサの103 は、同じ10,000 でも単位が pF なので、10,000pF=10nF=0.01µF になります。
| 部品 | 103 の意味 | 単位 |
|---|---|---|
| チップ抵抗 | 10kΩ | Ω(オーム) |
| セラミックコンデンサ | 0.01µF(10nF) | pF(ピコファラド) |
部品を手に取って見分けるときは、形と回路図の記号を見ます。回路図で R1・R2 と番号が付いていれば抵抗、C1・C2 ならコンデンサです。
抵抗のカラーコードや4桁の表示(1131 など)は、このブログの「抵抗のカラーコード早見表」にまとめています。
R・C・L の記号と実物の形を、30個の早見表で見比べられる
つまり、103 は「どの部品か」で単位が変わる。部品表では、品名と単位まで書いて取り違えを防ぎます。

電解コンデンサの表記:値と耐圧をそのまま印字、帯がマイナス
アルミ電解コンデンサは、100µF 25V のように値と耐圧をそのまま印字しています。帯(−の印)がある側がマイナス、足の長い方がプラスです。
アルミ電解コンデンサは本体が大きいので、3桁表示を使わず、値をそのまま書くことがほとんどです。
| 印字 | 意味 | 見る所 |
|---|---|---|
| 100µF | 静電容量 | 回路図の値と同じか |
| 25V | 定格電圧(耐圧) | かかる電圧より余裕があるか |
| 105℃ | 使ってよい温度の上限 | 寿命の見積もりに使う |
| 帯(−の印) | マイナス側 | 回路図の+と向きを合わせる |
電解コンデンサには向き(極性)があります。逆向きにつなぐと、容量が減ったり、発熱して壊れたりすることがあります。
印字の「105℃」が、電解コンデンサの寿命の計算にどう使われるかがわかる
つまり、電解コンデンサは「値・耐圧・温度・帯」の4つを読む。特に帯の向きは、挿す前に必ず確かめます。

要注意:タンタルコンデンサの帯は「+」
タンタルコンデンサ(チップ)の帯は、プラス側の印です。アルミ電解の帯(マイナス)と意味が逆なので、取り違えに注意します。
タンタルコンデンサも、向きのあるコンデンサです。KEMET のデータシートでは、本体の帯(stripe)がプラスの端子を示すと書かれています。
本体には、容量を3桁表示(pF 基準)で印字した品種もあります。たとえば「106」なら10 に0を6つで10,000,000pF=10µF です。
| 部品 | 帯の意味 | 覚え方 |
|---|---|---|
| アルミ電解コンデンサ | −(マイナス) | 明るい帯に「−」の印が並ぶ |
| タンタルコンデンサ | +(プラス) | 濃い帯がプラス側 |
つまり、帯を見たら「この部品の帯は+か−か」を確かめる。アルミ電解は−、タンタルは+です。

回路図の4k7・4R7の読み方:文字が小数点の位置を表す
回路図や部品表の 4k7・4R7・4u7 は、単位の文字を小数点の位置に置いた書き方です。4k7=4.7kΩ、4R7=4.7Ω、4u7=4.7µF です。
回路図では、4.7kΩ を「4k7」と書くことがよくあります。k(キロ)の文字が、小数点の代わりをしています。
| 書き方 | 意味 | 読み方 |
|---|---|---|
| 4R7 | 4.7Ω | R が小数点(Ω) |
| R47 | 0.47Ω | 先頭の R は「0.」 |
| 4k7 | 4.7kΩ | k が小数点(キロ) |
| 1M0 | 1.0MΩ | M が小数点(メガ) |
| 4u7 | 4.7µF | u(µ)が小数点 |
| 100n | 100nF=0.1µF | n が単位(ナノ) |
| 4p7 | 4.7pF | p が小数点(ピコ) |
この書き方の理由は、小数点が消えても読めることです。回路図をコピーしたり小さく印刷したりすると、「4.7k」の点がかすれて「47k」に見えることがあります。4k7 なら、点がなくても4.7kΩ と読めます。
データシートの「4R7」「R47」の表示と、抵抗値の許容差の見方がわかる
回路図の部品番号と値(4k7・104)を、電源・GND・信号の順に読む手順がわかる
つまり、4k7 は「4.7kΩ」。文字の位置に点を打てば読めます。

チップのサイズ1608と0603は同じ:ミリとインチの2つの呼び方
チップのサイズ 1608 はミリの呼び方で、1.6mm×0.8mm です。同じ大きさをインチで呼ぶと 0603 になります。
ミリの呼び方は、長さと幅を0.1mm 単位で並べます。1.6mm と0.8mm で「1608」です。インチの呼び方は、0.01インチ単位で並べます。0.06インチと0.03インチで「0603」です。
| ミリの呼び方 | インチの呼び方 | 大きさ |
|---|---|---|
| 0603 | 0201 | 0.6mm×0.3mm |
| 1005 | 0402 | 1.0mm×0.5mm |
| 1608 | 0603 | 1.6mm×0.8mm |
| 2012 | 0805 | 2.0mm×1.25mm |
| 3216 | 1206 | 3.2mm×1.6mm |
ROHM のチップ抵抗のデータシートでは、両方を並べて「(1608)[0603]」のように書いています。日本のメーカーの資料はミリ、海外のメーカーや部品の通販はインチで書くことが多いので、両方を読めるようにしておきます。
チップ部品の大きさの一覧と、手作業ではんだ付けしやすいサイズがわかる
つまり、1608=インチ0603=1.6mm×0.8mm。4桁の数字を見たら、まず「ミリかインチか」を確かめます。

「0603」だけでは危ない:ミリかインチかで大きさが約7倍違う
「0603」は、ミリなら0.6mm×0.3mm、インチなら1.6mm×0.8mm です。面積は約7倍違うので、部品表には呼び方を必ず書き添えます。
困るのは、同じ4桁の数字が、ミリとインチの両方にあることです。0603 と0402 がその例です。
| 書いてある数字 | ミリだと | インチだと |
|---|---|---|
| 0603 | 0.6mm×0.3mm | 1.6mm×0.8mm(ミリの1608) |
| 0402 | 0.4mm×0.2mm | 1.0mm×0.5mm(ミリの1005) |
面積で比べると、1.6×0.8÷(0.6×0.3)≒7.1倍です。思っていた大きさと違う部品が届くと、基板の部品を載せる場所(パッド)に合わず、はんだ付けできません。
つまり、0603 と0402 は要注意。数字だけでなく「mm か inch か」をセットで書きます。

メーカー型番の読み方:GRM188R71E104KA01Dを分解する
メーカー型番には、サイズ・温度特性・耐圧・容量・許容差が入っています。村田製作所の GRM188R71E104KA01D は、0.1µF・±10%・25V・X7R・1608 のセラコンです。
村田製作所の「品番の読み方」の表に当てはめると、型番は次のように分かれます。
| 型番の部分 | 意味 | この型番では |
|---|---|---|
| GRM | シリーズ | 民生・産業機器用のチップ積層セラミックコンデンサ |
| 18 | 寸法(長さ×幅) | 1.6×0.8mm(1608) |
| 8 | 厚さ | 0.8mm |
| R7 | 温度特性 | X7R |
| 1E | 定格電圧 | 25V |
| 104 | 静電容量 | 0.1µF(pF 基準の3桁) |
| K | 許容差 | ±10% |
| A01 | 個別仕様 | メーカーが決める記号 |
| D | 包装 | φ180mm の紙テープ |
定格電圧の記号は、0J=6.3V、1A=10V、1C=16V、1E=25V、1H=50V です。容量の3桁と許容差の文字は、ここまで読んできた書き方そのままです。
つまり、型番は「部品の値をすべて詰めた住所」。型番まで書けば、世界に1つの部品に決まります。

部品表(BOM)の書き方:1行で部品が1つに決まるように
部品表は、値・定格・許容差・サイズ・メーカー型番まで書き、1行で部品が1つに決まるようにします。単位を省かない・書き方を混ぜないのが決まりです。
部品表(BOM:Bill of Materials)は、購入や組み立ての元になる表です。書き方があいまいだと、違う部品が届いたり、組み立てで取り違えたりします。
| 番号 | 品名 | 値 | 定格 | 許容差・特性 | サイズ | メーカー型番 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| R1 | チップ抵抗 | 4.7kΩ | 0.1W | ±5% | 1608 | ROHM MCR03EZPJ472 |
| C1 | 積層セラコン | 0.1µF | 25V | ±10% X7R | 1608 | 村田 GRM188R71E104KA01D |
| C2 | アルミ電解 | 100µF | 25V | ±20% 105℃ | φ6.3 | ニチコン UPW1E101MED |
ROHM の型番 MCR03EZPJ472 の最後の「472」も、3桁表示(47 に0を2つで4,700Ω=4.7kΩ)です。型番の中にも、ここまでの書き方が出てきます。
つまり、部品表は「だれが読んでも同じ部品を思い浮かべる」ように書く。迷ったら型番まで書きます。

読めないとき・確かめたいとき:ラベルとテスターで確かめる
チップのセラミックコンデンサは、本体に値が印字されていないものが多いです。包装のラベルの型番で確かめ、迷ったらテスターやLCRメータで測ります。
チップのセラコンは、本体が無地のものが多いです。リールや袋のラベルに書かれた型番が、値を知る手がかりになります。袋から出した部品は、ほかの部品と混ぜないようにします。
たとえば104K のコンデンサを測って0.098µF なら、0.09〜0.11µF の範囲に入っています。電解コンデンサは、測る前に端子どうしを抵抗でつないで放電しておきます。
つまり、印字がなければ「ラベル→測る」の順。値の確かめ方を知っておくと、取り違えに早く気づけます。

よくある失敗3つ:単位・サイズ・帯の向き
表記の失敗は、103 の単位の取り違え・0603 のミリとインチの取り違え・帯の向きの思い込み、の3つが代表です。
失敗1:103 を抵抗とコンデンサで取り違える
部品表に「103」とだけ書くと、10kΩ の抵抗か0.01µF のコンデンサかがわかりません。品名と単位を必ず書きます。
失敗2:0603 をミリとインチで取り違える
ミリの0603 のつもりが、インチの0603(ミリの1608)が届くことがあります。大きさは約7倍違い、基板に載りません。呼び方かメーカー型番を書き添えます。
失敗3:帯の向きを思い込みで挿す
アルミ電解の帯はマイナス、タンタルの帯はプラスです。「帯はマイナス」と思い込むと、タンタルを逆に挿してしまいます。
どの失敗も、「単位を書く・サイズの呼び方を書く・帯の意味を部品ごとに確かめる」で防げます。部品表を書き終えたら、この3点だけ見直すのがおすすめです。
LED の抵抗を計算して、E24 の値と W数まで部品表に書ける
部品表に書く抵抗の値を、電流・電圧・時間の3つの型で決められる
つまり、表記の失敗は「書き添え」で防げる。値・単位・呼び方・型番まで書けば、取り違えは起きにくくなります。


