回路設計

回路図の読み方|記号より先に電源・GND・信号の流れを追う4ステップ

ブレッドボードに挿した8ピンのIC・3本足のレギュレータ・押しボタン・抵抗と、明るく光る赤いLED、赤・青・緑の蛍光ペンの写真に、記号より先に流れを読む 回路図の読み方 4ステップ 電源→GND→信号→ブロック の文字

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 回路図の読み方がわからず、どこから見ればいいのか迷う
  • 記号の意味は覚えたのに、回路図全体が何をしているのかつかめない
  • 回路図とブレッドボード(実物)が頭の中で結びつかない
この記事でわかること
  • 回路図を読む4ステップ(電源 → GND → 信号 → ブロック)
  • 線が交わるところの「点」の意味と、線を省略する書き方
  • 部品番号(R1・C2…)と値(10kΩ・0.1µF)の読み方
  • 回路図とブレッドボードの対応のさせ方と、よくある読み間違い
結論|まず30秒でわかる答え

回路図の読み方のコツは、記号を覚えるより先に「流れ」を追うことです。
①電源の線(+5V・3.3V)を探す
②GND(0V)の記号を全部探す
③信号を入口から出口へたどる
④電源・マイコン・入力・出力のブロックに分ける
この記事では、部品10個の小さな回路図を、この4ステップで色を塗りながら読みます。

この記事に出てくる言葉

わからない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。本文でも、初めて出たところで言い換えます。

回路図部品を記号で描き、どの部品がどうつながるかを線で示した図
電源回路に電気を送り出すもと。+5V・3.3V のように電圧の名前で書く
GND(グランド)電圧の基準になる 0V の線。電流が帰ってくる道
LDO高い電圧を、少し低い一定の電圧に下げる IC(この記事では 5V→3.3V)
マイコン小さなコンピュータの IC。スイッチを読んで LED を点けるなどの判断をする
ピン(足)IC から出ている金属の端子。VDD・P1 のような名前がある
信号ON/OFF などの情報を伝える電圧の変化(この記事では 3.3V か 0V)
部品番号R1・C2 のように、部品の種類の文字と番号をつないだ名前
ブレッドボード穴に部品を挿すだけで回路を組める板。中で穴がつながっている

回路図の読み方でつまずく原因の多くは、記号を1つずつ覚えようとして、全体の流れを見る前に疲れてしまうことです。

この記事では、記号の暗記は後回しにします。1枚の回路図を用意して、色を塗る順番だけ決めて読んでいきます。最後には、同じ回路をブレッドボードに組むときの対応のさせ方まで確かめます。

ブレッドボードに挿した8ピンのIC・3本足のレギュレータ・押しボタン・抵抗と、明るく光る赤いLED、赤・青・緑の蛍光ペンの写真に、記号より先に流れを読む 回路図の読み方 4ステップ 電源→GND→信号→ブロック の文字

この記事で読む回路図:マイコンでLEDを点ける小さな回路

この記事で読むのは、USB の 5V を 3.3V に下げ、マイコンが押しボタンを読んで LED を点ける回路図です。部品は10個です。

はじめて見ると、記号と線がたくさんあって圧倒されるかもしれません。はじめは戸惑って当然です。いま全部わかる必要はありません。

部品番号部品この回路での役目
J1USB のコネクタ(差し口)外から 5V を受け取る
U1LDO(MCP1700、3.3V)5V を 3.3V に下げる
C1・C2・C3コンデンサ電源の電圧を安定させる
U2マイコン押しボタンを読んで、LED を点けるか決める
R1・SW1抵抗 10kΩ と押しボタン押したかどうかを電圧で伝える(入力)
R2・D1抵抗 330Ω と赤色 LED光で知らせる(出力)
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つまり、この回路は「電気を用意する」「判断する」「押されたのを受け取る」「光らせる」の4つの仕事でできています。次の章から、この1枚を順番に塗っていきます。

この記事で読む回路図。J1 USBの+5VからC1を通ってU1 LDO MCP1700(3.3V)のVINへ、VOUTの3.3VはC2・R1 10kΩ・C3 0.1µFを通ってU2マイコンのVDDへ。R1とSW1の間がマイコンのP1、P2からR2 330Ωと赤色LED D1を通ってGNDへ。下に部品番号ごとの役目

回路図の読み方は「記号」より先に「流れ」

回路図は、①電源 ②GND ③信号 ④ブロックの順に読むと、記号が全部わからなくても全体がつかめます。

回路図は、電気の「地図」です。地図を見るとき、看板の記号を全部覚えてから歩く人はいません。まず大きな道と、出発地と目的地を探します。

STEP 1:電源を探す

+5V・3.3V など、電圧の名前が書いてある線を探して塗る

STEP 2:GND を探す

GND の記号(下向きの横線3本)を全部探す

STEP 3:信号を追う

入口(スイッチ)から出口(LED)まで、矢印でたどる

STEP 4:ブロックに分ける

電源・マイコン・入力・出力の4つの箱で囲む

たとえると

回路図を読むのは、知らない町の地図を読むのと同じです。まず川(電源)と海(GND)を見つけ、次に道(信号)をたどり、最後に「駅前」「住宅街」のように地区(ブロック)に分けます。

つまり、記号は読みながら1つずつ覚えれば十分です。先に「どこから電気が来て、どこへ帰り、何が何を動かすか」をつかみます。

回路図を読む4ステップのカード。STEP1電源を探す、STEP2 GNDを探す、STEP3信号を入口から出口まで追う、STEP4電源・マイコン・入力・出力のブロックに分ける

STEP 1:電源の線を探して塗る

最初に、電圧の名前(+5V・3.3V など)が書いてある線を探します。この回路図では、U1(LDO)の左が 5V、右が 3.3V です。

J1 の USB から来た 5V は、C1 を通り過ぎて U1 の VIN(入力の足)に入ります。U1 は 5V を 3.3V に下げて、VOUT(出力の足)から出します。

3.3V の線は、右へ長く伸びています。C2・R1・C3 の上を通って、最後に U2(マイコン)の VDD(電源の足)に届きます。

線の色電圧つながっている部品
赤5VJ1・C1・U1 の VIN
オレンジ3.3VU1 の VOUT・C2・R1・C3・U2 の VDD
POINT|電圧は「部品をまたいで」変わる

1本の線の上では、どこでも電圧は同じです。電圧が変わるのは、LDO や抵抗などの部品をまたいだところだけ。だから、電圧を変える部品(この回路では U1)を見つけると、電源の線がはっきり分かれます。

MCP1700 は、入力が 2.3〜6.0V の範囲で使える LDO です。USB の 5V はこの範囲に入っています。データシートの標準の使い方では、入力と出力に 1µF のコンデンサを付けます。それが C1 と C2 です。

つまり、STEP 1 では「どこに何ボルトが来ているか」がわかります。ここまでで、回路図の上半分の役目が見えてきました。

回路図の電源の線を色で塗った図。J1からU1のVINまでとC1の上が赤の5V、U1のVOUTからC2・R1・C3の上を通ってマイコンのVDDまでがオレンジの3.3V

STEP 2:GND(グランド)の記号を全部探す

GND は、電圧の基準になる 0V の線で、電流の帰り道です。GND の記号は、どこに描いてあっても全部1本につながっています。

GND の記号は、下向きに短くなる横線3本の形です。この回路図では8か所にあります。J1 の GND、C1・C2・C3 の下、U1 と U2 の GND の足、SW1 の下、D1(LED)の下です。

8か所の記号の間に、線は描いてありません。それでも全部つながっています。回路図を見やすくするために、GND の線を省略して記号だけを描くのが決まりごとになっているからです。

注意|ここで混乱しやすいのですが

「線が描いていない=つながっていない」と読むと、回路の半分が宙に浮いて見えます。GND の記号を見たら、すべて同じ線だと思って読んでください。

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つまり、STEP 2 で「電流がどこへ帰るか」がわかります。電源(STEP 1)と GND(STEP 2)がわかれば、電気の行き帰りの道がそろいます。

回路図のGND記号8か所を青で塗った図。J1のGND、C1・C2・C3の下、U1とマイコンのGNDの足、SW1の下、LEDの下

線を省略する書き方:電源記号・GND 記号・線の名前

回路図では、同じ記号・同じ名前どうしは、線がなくてもつながっているとみなします。省略の書き方は3種類あります。

書き方見た目意味
GND 記号下向きの横線3本どこに描いても、全部同じ 0V の線
電源記号上向きの T 字や矢印に「+3V」などの名前同じ名前どうしは同じ電源の線
線の名前(ネット名)線の端に「LED_ON」などの文字同じ名前の線は、離れていてもつながる

たとえば、電池・抵抗・LED の回路は、線で全部つないでも、電源記号と GND 記号で書いても、同じ回路です。部品が増えると、線で全部つなぐと交差だらけになるので、記号で省略するのがふつうです。

つまり、離れた場所にある同じ記号・同じ名前は「見えない線」でつながっています。読むときは、同じ名前を指でたどって確かめます。

電池3Vと抵抗100ΩとLEDを線で全部つないだ回路図と、+3Vの電源記号とGND記号で省略した回路図が等しいことを示す図。下にGND記号・電源記号・線の名前の意味

STEP 3:信号を入口から出口へたどる

信号は、スイッチやセンサー(入口)から、マイコンを通って、LED やモーター(出口)へ流れます。この回路では、SW1 → P1 → マイコン → P2 → R2 → D1 です。

入口:押しボタン SW1 と R1

R1(10kΩ)は、P1 の線を 3.3V につないでいます。ボタンを押していないとき、P1 は 3.3V です。押すと SW1 が P1 の線を GND につなぐので、P1 は 0V になります。

このとき R1 に流れる電流は 3.3V ÷ 10kΩ = 0.33mA です。小さな電流で「押した・押していない」を電圧の違いとして伝えます。

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出口:R2 と D1(LED)

マイコンが P2 から 3.3V を出すと、R2 → D1 → GND の道に電流が流れて LED が光ります。赤色 LED の電圧を 2.0V(目安)とすると、R2 にかかる電圧は 3.3 − 2.0 = 1.3V。電流は 1.3V ÷ 330Ω ≒ 3.9mA です。

POINT|回路図は「左から右」に流れることが多い

多くの回路図は、入力を左、出力を右、電源を上、GND を下に描きます。迷ったら、左上から右下へ目を動かすと流れに沿って読めます。ただし決まりではないので、最後は線でたどって確かめます。

つまり、STEP 3 で「何が何を動かすか」がわかります。この回路は「ボタンを押すと、マイコンの判断で LED が点く」回路です。

回路図の信号の流れを矢印で示した図。緑はR1とSW1の間からマイコンのP1への入力で、押すとP1が3.3Vから0Vになる。紫はP2からR2 330Ωを通ってLEDへの出力

STEP 4:4つのブロックに分ける

最後に、回路図を「電源・マイコン(頭脳)・入力・出力」の4つの箱に分けます。どんなに大きな回路図も、この分け方で読めます。

ブロック部品仕事
① 電源J1・U1・C1・C25V を受け取り、3.3V を作る
② マイコンU2・C3入力を読んで、出力を決める
③ 入力R1・SW1人の操作(押した・押していない)を伝える
④ 出力R2・D1光で知らせる

C3(0.1µF)は、マイコンのすぐそばで電源の電圧を支えるコンデンサです。マイコンの仕事を助けるので、②に入れました。パスコン(バイパスコンデンサ)と呼びます。

大きな回路図では、ブロックごとにページを分けて描くこともあります。ページをまたぐ線は、STEP 2 で見た「線の名前」でつながっています。

つまり、ブロックに分けると「どこを読めば何がわかるか」が決まります。気になるブロックだけを詳しく読めばよくなります。

回路図を4つの点線の箱で囲んだ図。①電源はJ1・U1・C1・C2、③入力はR1・SW1、②マイコンはU2・C3、④出力はR2・LED

線が交わるところの読み方:「点」があればつながっている

線が交わるところに黒い点(●)があれば、つながっています。点がない十字は、つながっていません。

書き方つながりひとこと
T 字+点つながっているいちばん多い書き方
十字・点なしつながっていない立体交差と同じ。上を通り過ぎるだけ
十字+点つながっている点が小さいと見落とすので、描く側は避ける
線が半円でまたぐつながっていない古い図面で見かける
たとえると

点のない十字は、道路の立体交差です。上の道と下の道は交わって見えますが、車は乗り換えられません。点のある交差は、ふつうの交差点です。

自分で回路図を描くときは、つながる所はT字に分けて点を打ちます。十字に点を打つ書き方は、印刷がかすれたときに読み間違えるもとになります。

つまり、交わる線を見たら、まず点を探します。点がなければ、別々の線です。

線の交わりの4つの書き方。T字に点はつながっている、十字で点なしはつながっていない、十字に点はつながっている、半円でまたぐ線はつながっていない

部品番号(R1・C2…)と値(10kΩ・0.1µF)の読み方

部品番号は「部品の種類を表す文字+何個目か」です。R は抵抗、C はコンデンサ、U は IC。値は部品番号のそばに書いてあります。

頭の文字部品例
R抵抗R1 10kΩ
CコンデンサC3 0.1µF
Dダイオード・LEDD1 赤色LED
U・ICIC(集積回路)U1 MCP1700
SW・SスイッチSW1
J・CNコネクタJ1 USB
QトランジスタQ1 2N3904

値の書き方で戸惑いやすい2つ

1つ目は「4k7」のような書き方です。小数点の代わりに単位の文字を入れていて、4k7 は 4.7kΩ です。小数点は印刷でかすれやすいので、この書き方がよく使われます。

2つ目はコンデンサの「104」です。最初の2けた「10」に、10を4回掛けます。10×10⁴=100,000pF=0.1µF です。

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つまり、部品番号は「回路図と実物を結ぶ名札」です。実物の基板にも、同じ R1・C3 が印刷してあることが多いです。

部品番号の頭の文字の表。Rは抵抗で4k7は4.7kΩ、Cはコンデンサで104は10×10⁴pFで0.1µF、Dはダイオード・LED、UやICは集積回路、SWはスイッチ、JやCNはコネクタ、Qはトランジスタ

回路図の「箱の形」と、実物の足の並びは別もの

回路図の IC の箱は、読みやすい向きに描いてあるだけです。実物の足の並びとは関係ありません。足の並びは、データシートの図で確かめます。

この回路図の U1 は、左に VIN(入力)、右に VOUT(出力)、下に GND を描いています。左から右へ電気が流れて読みやすいからです。

ところが、実物の MCP1700(TO-92 という3本足の形)は、文字の面を手前・足を下にすると、左から 1番 GND・2番 VIN・3番 VOUT です。入力は真ん中の足です。データシートの1ページ目の図で確かめられます。

注意|同じ形でも並びは品種ごとに違う

3本足のレギュレータやトランジスタは、見た目が同じでも足の並びが品種ごとに違います。前に使った部品の並びで挿すと、入力と出力を逆につなぐことがあります。必ず、使う品種のデータシートの図を見てください。

つまり、回路図は「何と何がつながるか」、データシートの図は「どの足がどこにあるか」。2つを合わせて初めて実物が組めます。

左は回路図のU1の箱で、左がVIN・右がVOUT・下がGND。右は実物のMCP1700(TO-92)で、文字の面を手前・足を下にして左から1番GND・2番VIN・3番VOUT。品種で並びが違うという注意

回路図とブレッドボードの対応:1本の線=つながった穴の列

ブレッドボードでは、縦に並んだ5つの穴が中でつながっています。回路図の1本の線を、この「つながった穴の列」1つに置きかえて組みます。

ブレッドボードの穴のつながり方は2種類です。中央の溝をはさんで、上の a〜e と下の f〜j の5つの穴が、それぞれ縦につながっています。上下の端にある電源用の列(レール)は、横一列がつながっています。

この図では、上下のレールを「3.3V」と「GND」に使い、右端で同じ色どうしをつないでいます。配線の一例を、部品番号ごとに並べます(列の番号は一例です)。

U1(LDO)

g 行の 5・6・7 列に、文字の面を手前にして挿す(左から GND・VIN・VOUT)。J1 の 5V を 6 列へ、7 列を下の 3.3V レールへ、5 列を下の GND レールへ

C1・C2

C1 は 5 列と 6 列、C2 は 5 列と 7 列をつなぐ(GND と入力・GND と出力)

U2(マイコン)

8ピンの IC を溝をまたいで 12〜15 列に挿す。足の並びは一例(8番 VDD・7番 P1・3番 P2・4番 GND)

C3・R1・SW1

VDD の 12 列を上の 3.3V レールへ。C3 は 12 列と 10 列、10 列は上の GND レールへ。R1 は 13 列(P1)と 17 列、17 列は 3.3V レールへ。SW1 は 13 列と 10 列

R2・D1

R2 は 14 列(P2)と 18 列。LED の長い足(+)を 18 列、短い足(−)を 19 列に挿し、19 列を下の GND レールへ

POINT|色の帯で考える

回路図の線を1本選んで色を塗ったら、ブレッドボードでも同じ色の列を1つ決めます。「この列は P1 の線」と決めてから部品を挿すと、つなぎ間違いが減ります。

つまり、回路図の「線」はブレッドボードの「列」、回路図の「部品番号」は実物の部品。この2つの置きかえができれば、回路図から組み立てられます。

ブレッドボードの配線図。上下に3.3VとGNDのレール。U1は5・6・7列(GND・VIN・VOUT)、C1とC2、8ピンのマイコンU2は溝をまたいで12〜15列(8番VDD・7番P1・3番P2・4番GNDは一例)、C3・SW1・R1は上半分、R2と赤色LED D1は下半分。LEDの長い足は18列、短い足は19列

回路図と実物を照らし合わせる3つの手順

組み終わったら、①部品番号で探す ②足の名前を確かめる ③線を1本ずつ塗る、の順に回路図と照らし合わせます。

① 部品番号で探す

回路図の R1・C3 を、実物の部品(基板なら印刷された番号)と1つずつ結ぶ

② 足の名前を確かめる

IC・LED・トランジスタなど向きのある部品は、データシートの図で足の位置を見る

③ 線を1本ずつ塗る

回路図の線を1本選び、端から端まで、実物でつながる穴や足を確かめたら蛍光ペンで塗る

塗り残した線が「まだ確かめていない線」です。全部の線が塗れたら、照らし合わせは終わりです。印刷した回路図とペンがあればできます。

テスターを持っていれば、導通(つながっているか)のモードで、線の両端に当てて確かめることもできます。

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つまり、照らし合わせは「1本ずつ・塗りながら」が確実です。頭の中だけで確かめると、1本の見落としが起きやすくなります。

5VとGNDの線まで蛍光ペンで塗った回路図の例と、①部品番号で探す、②足の名前をデータシートで確かめる、③線を1本ずつ塗る、の3つの手順のカード

練習問題:この回路図を4ステップで読んでみよう

トランジスタで LED を点ける回路図を、4ステップで読んでみましょう。記号が全部わからなくても答えられます。

トランジスタ(Q1)は、小さな電流で大きな電流を ON/OFF する部品です。いまは「マイコンの信号で LED を点けたり消したりするスイッチ」とだけ思ってください。

Q1

電源の線はどれ?何ボルト?

Q2

GND はどこ?

Q3

信号の入口と出口は?

Q4

ブロックに分けると?

つまり、どの回路図も同じ4つの質問で読めます。答えは次の節で確かめます。

練習問題の回路図。+5VからR2 150Ωと赤色LED D1を通ってトランジスタQ1 2N3904のコレクタへ、エミッタはGND、ベースにはマイコンのP2(3.3V)からR1 2.4kΩ。右に、電源・GND・信号の入口と出口・ブロックを問う4つの質問

練習問題の答え

質問答え
Q1 電源+5V(R2 の上)。マイコンの 3.3V は電源ではなく「信号」として入ってくる
Q2 GNDQ1 の下(エミッタという足)の1か所
Q3 信号入口はマイコンの P2 → R1 → Q1。出口は D1(LED)
Q4 ブロック入力(R1)・スイッチ(Q1)・出力(R2・D1)の3つ

マイコンが P2 から 3.3V を出すと、Q1 が ON になり、+5V → R2 → D1 → Q1 → GND の道に電流が流れて LED が光ります。マイコンの足から直接 LED を点けるより大きな電流を流せる、よく使う形です。

POINT|電源が2つある回路の読み方

+5V と 3.3V のように電源が2つある回路では、「どちらの電源の電流が、どの道を通るか」を色で分けると読みやすくなります。この回路では、LED の電流は 5V から、Q1 を動かす小さな電流はマイコンの 3.3V から来ています。

つまり、4ステップで読めば、はじめて見るトランジスタの回路でも「何が何を動かすか」がわかります。

練習問題の答えを色で塗った回路図。赤が+5V、青がQ1の下のGND、緑がマイコンのP2からR1を通ってQ1のベースへの信号、紫の矢印が+5VからR2とLEDを通る電流。右に答え4つ

よくある読み間違い4つ

回路図の読み間違いは、①点のない十字 ②GND 記号 ③電源の名前 ④部品の向き、の4つで起きることがほとんどです。

読み間違い1:点のない十字をつながっていると読む

点がなければ、上を通り過ぎているだけです。迷ったら、交わる所の点の有無を確かめます。

読み間違い2:離れた GND 記号を別の線だと思う

GND 記号は、どこに描いてあっても全部同じ線です。R1 の下と C1 の下に別々に描いてあっても、つながっています。

読み間違い3:名前の違う電源をつながっていると思う

+5V と +3.3V は、どちらも上向きの記号でも別の線です。同じ名前どうしだけがつながります。

読み間違い4:LED やダイオードの向きを気にしない

LED・ダイオードの記号の三角は、電流が流れる向き(アノード → カソード)を指しています。逆に挿すと光りません。実物の LED は、長い足がアノード(+)です。

つまり、迷ったら「点」「記号」「名前」「向き」の4つを確かめると、読み間違いのほとんどを防げます。

よくある読み間違い4つ。点のない十字はつながっていない、離れて描いたGND記号は全部同じ線、+5Vと+3.3Vは別の線、LEDの三角はアノードからカソードへの電流の向き

よくある質問(FAQ)

Q. 回路図の読み方のコツは?

A. 記号を覚える前に、電源の線、GNDの記号、入口から出口への信号、ブロックの順に追うことです。全体を先につかめます。

Q. 回路図で線が交わっているところはつながっている?

A. 交わる所に黒い点があればつながっています。点のない十字は、立体交差と同じでつながっていません。

Q. 回路図のGND記号はつながっている?

A. はい。GNDの記号は、離れた場所に描いてあっても全部同じ0Vの線として、つながっているとみなします。

Q. 回路図のR1やC2はどういう意味?

A. 頭の文字が部品の種類で、数字が何個目かです。Rは抵抗、Cはコンデンサ、UはIC、Dはダイオードです。

Q. 回路図の4k7や104はどう読む?

A. 4k7は小数点の代わりにkを入れた書き方で4.7kΩです。コンデンサの104は10×10⁴pFで0.1µFです。

Q. 回路図とブレッドボードはどう対応させる?

A. 回路図の1本の線を、ブレッドボードの縦につながった5つの穴の列1つに置きかえ、部品番号で部品を結びます。

まとめ
  • 回路図は、記号より先に「流れ」を読む
  • STEP 1:電源の線(+5V・3.3V)を塗る。電圧は部品をまたいで変わる
  • STEP 2:GND の記号を全部探す。離れていても全部同じ線
  • STEP 3:信号を入口から出口へたどる
  • STEP 4:電源・マイコン・入力・出力のブロックに分ける
  • 交わる線は点を見る。IC の足の並びはデータシートの図で確かめる

次の一歩として、手元にある回路図を1枚印刷し、4色のペンでこの記事と同じ順に塗ってみてください。記号の意味がわからない所は、そのときに調べれば十分です。

まとめの図。1電源の線を塗る、2 GNDの記号を全部探す、3信号を入口から出口へ、4ブロックに分ける
参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

この記事の理解を深める本と道具
おすすめの本

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電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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ここまでで、回路図を4ステップで読めるようになりました。次は、この回路図が基板になるまでの流れと、回路図に出てきた部品の役目を1つずつ確かめると、読める範囲がさらに広がります。

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回路図の部品が「直列」か「並列」かを見分ける土台になる

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バルクコンデンサとは?パスコンとの違いと容量・配置の決め方
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C1・C2 と C3、同じコンデンサでも役目が違う理由がわかる

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半導体素子の比較表|ダイオード・サイリスタ・GTO・BJT・MOSFET・IGBTの違い
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回路図に出てくる半導体の部品を、1枚の表で見比べられる

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計算力アップ・資格対策
E系列とは?E24系列の抵抗値一覧と4.7kΩ・9.1kΩが中途半端な理由
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回路図の 10kΩ や 330Ω が、なぜその値なのかがわかる

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分圧・分流の法則|公式と覚え方、分圧回路・分流器の計算を例題で図解
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抵抗が2本並んだ回路図で、間の電圧を計算できる

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電力の公式が混乱する人へ|P=VI・I²R・V²/Rの使い分け完全整理
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回路図の抵抗が何ワットに耐えればいいかを計算できる

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ツェナーダイオードの使い方|定電圧・サージ吸収の回路と抵抗値の計算例
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三角に線のついたダイオードの記号が出てきたときの使い方がわかる

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