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- 標準偏差と標準誤差、どっちを使えばいいのか迷う
- 標準誤差の求め方SE=SD/√nが、何を意味するのかわからない
- グラフのエラーバーに、SDとSEのどちらを出すべきか知りたい
- 標準誤差とは何か、標準偏差との違い
- 求め方とnをふやすと小さくなる理由
- 95%信頼区間・比率の標準誤差・Excelの式
- データを貼るだけの計算ツール
標準誤差(SE)とは、サンプルから求めた平均値が、調べ直すたびにどれくらいぶれるかを表す数で、SE=標準偏差÷√n で求めます。標準偏差(SD)が「1つ1つのデータのばらつき」を表すのに対し、標準誤差は「平均値の確かさ」を表します。データの数nを4倍にすると、標準誤差は半分になります。

標準誤差とは?「平均値のぶれ」を表す数
ポテトチップス工場で、1袋60gの製品を考えます。1袋ずつ量ると、58gの袋も62gの袋もあります。この1袋1袋のばらつきが標準偏差(SD)です。
次に、10袋をとって平均を出すことを、毎日くり返します。今日は60.2g、明日は59.8g、あさっては60.1g。平均値もぶれますが、1袋のばらつきよりずっと小さなぶれです。この平均値のぶれが標準誤差(SE)です。
| 標準偏差(SD) | 標準誤差(SE) | |
|---|---|---|
| 表すもの | 1つ1つのデータのばらつき | サンプルの平均値のぶれ(確かさ) |
| 問い | 製品はどれくらいそろっている? | 求めた平均はどれくらい信用できる? |
| nをふやすと | 変わらない(工程の性質だから) | 小さくなる(√nに反比例) |
| 使う場面 | 工程能力、規格とのくらべ | 平均の信頼区間、検定、エラーバー |
標準偏差の求め方

標準誤差の求め方|SE=SD÷√n
標準誤差 SE = s ÷ √n (s:サンプルの標準偏差〔n−1で割ったもの〕、n:データの数)
例題
25袋を量ったら、標準偏差が2gでした。標準誤差は 2÷√25=2÷5=0.4gです。1袋ごとには±2gほどばらついても、25袋の平均値のぶれは0.4gほどしかありません。
nを4倍にすると、半分になる
| データの数 n | √n | SD=2gのときのSE |
|---|---|---|
| 4 | 2 | 1.0g |
| 16 | 4 | 0.5g |
| 64 | 8 | 0.25g |
| 256 | 16 | 0.125g |
平均をとると、大きいデータと小さいデータが打ち消し合うので、データが多いほど平均は安定します。ただし、SEを半分にするにはnを4倍、1/3にするには9倍にする必要があり、むやみにふやしても効きは小さくなっていきます。
Excelなら =STDEV.S(範囲)/SQRT(COUNT(範囲)) で求められます。STDEV.Sはn−1で割る標準偏差です。

標準誤差でわかること|95%信頼区間と比率
95%信頼区間
母集団の本当の平均がどこにありそうかは、平均 ± t × SE で表せます。tはデータの数で決まる値で、nが大きいとほぼ1.96、nが小さいほど大きくなります(n=10なら2.262)。
25袋の平均が60.1g、SE=0.4gなら、t=2.064(自由度24)で、95%信頼区間は 60.1 ± 0.83 → 59.27〜60.93g。
比率の標準誤差
不良率のような割合にも標準誤差があります。SE=√(p(1−p)÷n) です。200個中6個が不良(p=0.03)なら、SE=√(0.03×0.97÷200)≒0.012で、不良率3%は±1.2%ほどぶれうる数字だとわかります。
95%信頼区間の意味と計算

エラーバーはSDとSEのどちらを使う?
| 見せたいこと | 使うもの | 例 |
|---|---|---|
| データそのものがどれだけばらつくか | SD(標準偏差) | 製品の重さのばらつき、患者ごとの数値のちがい |
| 平均値がどれだけ確かか、群の平均をくらべる | SE(標準誤差)か95%信頼区間 | AとBの条件で平均が変わったか |
SEはnをふやすほど小さくなるので、SEのバーは小さく見えます。どちらを使ったかは、グラフの注記に必ず書きます(「平均±SD、n=10」など)。書かないと、読む人がばらつきを小さく見積もってしまいます。
また、2つの群のSEのバーが重ならないからといって、差が統計的に意味があるとは限りません(逆に、少し重なっていても有意なことがあります)。差があるかどうかは、t検定などで確かめます。
データが少ないと判定が厳しくなる理由

標準誤差の計算ツール
データを貼る(スペース・カンマ・改行で区切る)か、データの欄を空にして、標準偏差とnを入れてください。標準誤差と95%信頼区間を出します。
入力すると、その場で計算し直します。入力した数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。標準偏差はn−1で割る式(ExcelのSTDEV.S)で計算します。
標準誤差のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| SDとSEは同じもの | SDはデータのばらつき、SEは平均値のぶれ |
| nをふやせばSDも小さくなる | SDは工程の性質で変わらない。小さくなるのはSE |
| エラーバーはSEのほうが見栄えがよいからSE | 見せたいことで選び、どちらを使ったか注記する |
| SEのバーが重ならなければ有意 | 目安にすぎない。差は検定で確かめる |
| SE=SD÷n | 割るのは√n。nを4倍にしてSEは半分 |

よくある質問
- 標準誤差(SE)=サンプルの平均値のぶれ。平均値の確かさ
- 求め方はSE=SD÷√n。nを4倍にすると半分
- SDはデータのばらつきで、nをふやしても小さくならない
- 95%信頼区間は 平均±t×SE。比率はSE=√(p(1−p)÷n)
- エラーバーは見せたいことで選び、SDかSEかを注記する

この記事で扱った統計の基礎を、問題演習で確かめたいときに向いています。日本統計学会が編集した、統計検定2級の公式問題集です。CBT方式試験の出題範囲と出題形式にのっとった問題と解説を収録しています(実務教育出版)。
「標準誤差」の土台になる統計学を、教科書で体系立てて学びたいときに向いています。東京大学教養学部統計学教室が編集した、統計学の定番の教科書です。データのまとめ方から確率分布までを、実際の例と図表で解説しています。
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メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
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