回路設計

回路図記号の一覧|初心者がまず覚える30個の早見表と新旧JISの違い

抵抗・電解コンデンサ・セラミックコンデンサ・ダイオード・光る赤いLED・トランジスタ・押しボタン・8ピンのIC・水晶振動子・コイルを並べた写真に、初心者がまず覚える 回路図記号の一覧 30個の早見表 新JISと旧JISの違いも の文字

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 回路図記号の一覧を見ても、数が多すぎてどれから覚えればいいかわからない
  • 記号を見ても、実物がどんな部品なのか思い浮かばない
  • 教科書と会社の図面で、抵抗の形が違って戸惑った
この記事でわかること
  • 初心者がまず覚える回路図記号30個の早見表(印刷できる1枚の図)
  • 記号・実物・役割・よくある読み間違いのセット
  • 三角や矢印の「向き」の読み方と、見間違えやすいペア
  • 新JIS(JIS C 0617)と旧JISの形の違い
結論|まず30秒でわかる答え

回路図記号の一覧で、初心者がまず覚えるのは30個です。
配線(線・点・交差・端子)、電源とGND、抵抗・コンデンサ・コイル、ダイオード・LED・トランジスタ、スイッチ・リレー・オペアンプなど。
今の規格(新JIS、JIS C 0617)では抵抗を長方形で描きます。古い図面のギザギザ(旧JIS)も同じ抵抗です。

この記事に出てくる言葉

わからない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。本文でも、初めて出たところで言い換えます。

回路図記号部品を回路図に描くときの決まった形。図記号とも呼ぶ
JIS C 0617電気用図記号の日本の規格(新JIS)。国際規格 IEC 60617 をもとにしている
旧JISJIS C 0617 より前の古い形。古い図面や教科書で今も見かける
アノード・カソードダイオードの2本の足。電流はアノードからカソードへ流れる
エミッタトランジスタの3本の足の1つ。記号では矢印のついた足
極性+と−の向きがあること。逆につなぐと壊れる部品がある
GND(グランド)電圧の基準になる 0V の線。電流が帰ってくる道

回路図記号の一覧は、作図ソフトの説明書などに何百個も載っています。でも、はじめに全部を覚える必要はありません。入門の回路図に出てくる記号は、ほとんどがこの記事の30個です。

この記事では、30個を5つのグループに分けて、記号と実物の絵と役割を並べます。最後に、印刷して手元に置ける早見表も用意しました。

抵抗・電解コンデンサ・セラミックコンデンサ・ダイオード・光る赤いLED・トランジスタ・押しボタン・8ピンのIC・水晶振動子・コイルを並べた写真に、初心者がまず覚える 回路図記号の一覧 30個の早見表 新JISと旧JISの違いも の文字

回路図記号とは?部品の「顔」を決まった形で描いたもの

回路図記号とは、部品を回路図に描くときの決まった形です。記号を見たら「実物」と「役割」をセットで思い出せると、回路図が読めるようになります。

たとえば抵抗の記号は、細長い長方形です。実物は、色の帯が入った小さな筒の部品です。役割は、電流を流れにくくして、流れる量を決めることです。

記号実物役割
抵抗(長方形)色の帯が入った小さな筒電流の量を決める
LED(三角+外向きの矢印)足が2本の、光る小さな部品電流を流すと光る(向きがある)
GND(下向きの横線3本)基板の広い銅の面など電圧の基準 0V。電流の帰り道
たとえると

回路図記号は、地図の記号と同じです。地図の「〒」を見て郵便局の建物を思い浮かべるように、回路図の長方形を見たら抵抗の実物を思い浮かべます。

つまり、記号は「形」だけで覚えるより、「実物の絵」と「何をする部品か」をセットで覚えるほうが早く身につきます。

抵抗・LED・GNDの3つについて、回路図記号から実物の絵、役割へ矢印でつないだ図。抵抗は電流の量を決める、LEDは電流を流すと光り向きがある、GNDは電圧の基準0Vで電流の帰り道

回路図記号の早見表:初心者がまず覚える30個

初心者がまず覚える回路図記号は、配線・電源とGND・受動部品・半導体・スイッチなどの5グループ、30個です。記号の形は図にまとめました。

番号名前役割(ひとこと)
1導線電気の通り道
2接続点点の所で線がつながる
3交差点がなければつながらない
4端子外とつなぐ口
5電池直流の電気を出す。長い板が+
6交流電源コンセントなど
7電源記号同じ名前どうしがつながる
8GND(接地)0V・電流の帰り道
9フレームGND金属のケースにつなぐ
10抵抗電流の量を決める
11可変抵抗抵抗の値を変えられる
12ボリューム3端子。電圧を分けて取り出す
13ヒューズ大きな電流で切れて回路を守る
14コンデンサ電気をためる
15電解コンデンサ容量が大きい。+−の向きがある
16コイル電流の変化を嫌う
17トランス交流の電圧を変える
18ダイオード一方向だけ電流を流す
19LED電流を流すと光る
20ツェナーダイオード一定の電圧を保つ
21NPN トランジスタ小さな電流で大きな電流を ON/OFF
22PNP トランジスタNPN と向きが逆
23Nch MOSFET電圧で ON/OFF するスイッチ
24Pch MOSFET電源側のスイッチによく使う
25押しボタン押している間だけ ON
26スイッチON/OFF の状態を保つ
27リレーコイルの力で接点を動かす
28オペアンプ2つの入力の差を増幅する IC
29水晶振動子マイコンに正確なリズムを与える
30モーター電気で回る
POINT|印刷して手元に置く

早見表は、印刷して机に置いておくのがおすすめです。回路図を読みながら、出てきた記号に印をつけていくと、よく使う記号から自然に覚えられます。この章の早見表の図は、そのまま印刷して使えるように1枚にまとめています。

抵抗・可変抵抗・ヒューズは、今の規格(新JIS)の長方形で描きました。古い形(旧JIS)は、後の章で並べて比べます。

つまり、この30個がわかれば、入門の回路図に出てくる記号はほとんど読めます。次の章から、グループごとに実物と読み間違いを見ていきます。

回路図記号30個の早見表。導線・接続点・交差・端子・電池・交流電源・電源記号・GND・フレームGND・抵抗・可変抵抗・ボリューム・ヒューズ・コンデンサ・電解コンデンサ・コイル・トランス・ダイオード・LED・ツェナー・NPNトランジスタ・PNPトランジスタ・Nch MOSFET・Pch MOSFET・押しボタン・スイッチ・リレー・オペアンプ・水晶振動子・モーター

配線の記号:線・接続点・交差・端子

配線の記号は4つです。いちばん大事なのは「点(●)があればつながる、点のない十字はつながらない」というルールです。

記号見た目意味
導線まっすぐな線電気の通り道。線の長さや曲がり方に意味はない
接続点T字の分かれ目に黒い点点の所で線がつながっている
交差点のない十字上を通り過ぎるだけで、つながっていない
端子線の先に白い丸外の電線やコネクタとつなぐ口
注意|ここで混乱しやすいのですが

回路図の線の長さは、実物の電線の長さとは関係ありません。長く描いてあっても短く描いてあっても、同じ「1本の線」です。

つまり、配線の記号で見るのは「どこと、どこが、つながっているか」だけです。

配線の記号4つのカード。導線は電気の通り道、接続点は点の所でつながる、交差は点がなければつながらない、端子は外とつなぐ口。それぞれ実物の電線や端子台の絵と注意つき

電源とGNDの記号:電池・交流電源・電源記号・GND

電源の記号は電気が出てくる所、GND の記号は電気が帰ってくる所です。電源記号と GND 記号は、同じ形・同じ名前どうしが全部つながっています。

記号見た目読むときのポイント
電池長い板と短い板長い板が+、短い板が−
交流電源円の中に波コンセントなど、向きが入れ替わる電源
電源記号上向きの T 字に「VCC」「+5V」などの名前同じ名前どうしは線がなくてもつながる
GND(接地)下向きに短くなる横線3本離れた所に描いてあっても全部同じ 0V の線
フレームGNDくしの歯のような斜めの線機器の金属のケースにつなぐ

GND の記号は、図面によって三角形で描くこともあります。信号用の GND を、横線3本の GND と分けて描く図面もあります。図面の端にある説明(凡例)を確かめてください。

GNDとは?0Vの線ではなく電流の帰り道|GNDバウンスと分ける理由を図解
あわせて読みたい
GNDとは?0Vの線ではなく電流の帰り道|GNDバウンスと分ける理由を図解

GND が「0V の線」というより「電流の帰り道」である理由がわかる

つまり、電源とGNDの記号は「電気の出入り口」です。回路図を読むときは、まずこの記号を探すと全体がつかめます。

電源とGNDの記号6つのカード。電池は長い板が+、交流電源は円に波、電源記号VCCは同じ名前どうしつながる、GNDは横線3本で0V、フレームGNDは金属のケースへ、信号GNDは三角

抵抗のなかま:抵抗・可変抵抗・ボリューム・ヒューズ

抵抗のなかまは、長方形の記号が基本です。斜めの矢印がつくと値を変えられる抵抗、横から矢印が刺さると3本足のボリュームです。

記号見た目実物役割
抵抗細長い長方形(旧JIS はギザギザ)色の帯が入った筒電流の量を決める
可変抵抗長方形に斜めの矢印ドライバーで回す小さな四角い部品値を変えて調整する
ボリューム長方形に横から矢印つまみのついた丸い部品(足3本)電圧を分けて取り出す
ヒューズ長方形の中に線ガラス管に細い金属線大きな電流で切れて回路を守る
注意|抵抗とヒューズを見間違えない

ヒューズは、抵抗と同じ長方形の中に線が1本通っています。中の線を見落とすと抵抗だと思ってしまいます。

電気抵抗とは?抵抗値・Ω(オーム)の意味と大きさの決まり方を図解
あわせて読みたい
電気抵抗とは?抵抗値・Ω(オーム)の意味と大きさの決まり方を図解

抵抗が「電気の流れにくさ」と呼ばれる理由を、道の狭さで確かめられる

つまり、長方形を見たらまず抵抗のなかま。中の線と矢印で、ヒューズ・可変抵抗・ボリュームを見分けます。

抵抗のなかまの記号4つのカード。抵抗は長方形、可変抵抗は斜めの矢印、ボリュームは横から矢印の3端子、ヒューズは長方形の中に線。実物の抵抗・半固定抵抗・つまみの付いたボリューム・ガラス管ヒューズの絵

コンデンサとコイル:電気や磁気をためる部品

コンデンサは同じ長さの板が2枚、コイルは山が並んだ形です。電解コンデンサには「+」の印があり、向きを逆にしてはいけません。

記号見た目実物読むときのポイント
コンデンサ同じ長さの板が2枚黄色い円盤や小さな四角電池(長さの違う板)と見間違えない
電解コンデンサ板の片方に「+」筒形。帯(−の印)がある+の向きを逆にしない
コイル半円の山が並ぶ銅の線を巻いた部品山の数に意味はない
トランスコイル2つの間に縦線鉄心に線を巻いた部品縦線は鉄心。左右は別々の回路
コンデンサとは?仕組みと種類、電池(バッテリー)との3つの違いを図解
あわせて読みたい
コンデンサとは?仕組みと種類、電池(バッテリー)との3つの違いを図解

コンデンサが電気をためる仕組みと、電池との違いがわかる

つまり、板2枚はコンデンサ、山の連続はコイル。「+」の印があったら向きのある部品だと覚えます。

コンデンサとコイルの記号4つのカード。コンデンサは同じ長さの板2枚、電解コンデンサは+の印つきで実物は帯の側が−・長い足が+、コイルは半円の山、トランスはコイル2つの間に鉄心の縦線

ダイオードのなかま:三角は電流の向き

ダイオードの記号は、三角と棒の組み合わせです。三角の先(棒の側)がカソードで、電流はアノードからカソードへ流れます。

記号見分けどころ役割
ダイオード三角+まっすぐな棒一方向だけ電流を流す
LED(発光ダイオード)外向きの矢印が2本電流を流すと光る
ツェナーダイオード棒の端が折れている一定の電圧を保つ
フォトダイオード内向きの矢印が2本光を受けて電流を流す

LED とフォトダイオードは、矢印の向きだけが違います。光を「出す」のが外向き、光を「受ける」のが内向きです。

つまり、三角を見たらダイオードのなかま。棒の形と矢印の向きで、種類を見分けます。

ダイオードのなかまの記号4つのカード。ダイオードは三角と棒で実物は帯の側がカソード、LEDは外向きの矢印で長い足が+、ツェナーは棒の端が折れている、フォトダイオードは内向きの矢印

トランジスタと MOSFET:矢印の向きで種類がわかる

トランジスタは矢印のついた足がエミッタで、矢印が外向きなら NPN、内向きなら PNP です。MOSFET は矢印が内向きなら Nch、外向きなら Pch です。

記号見分けどころよく使う場所
NPN トランジスタ矢印が外向き(エミッタから外へ)マイコンで LED やリレーを ON/OFF
PNP トランジスタ矢印が内向き電源側でスイッチする回路
Nch MOSFET矢印が内向き。足は G・D・S大きな電流のスイッチ
Pch MOSFET矢印が外向き電源側のスイッチ
注意|トランジスタと MOSFET で矢印の意味が逆

トランジスタは「外向き=NPN」、MOSFET は「内向き=Nch」です。矢印の向きだけで覚えると逆になるので、「N の部品は、トランジスタは外向き・MOSFET は内向き」とセットで覚えます。

トランジスタの記号は、円で囲んで描くこともあります。円があってもなくても、同じ部品です。

トランジスタ(BJT)とは?「蛇口」で電流を自在にコントロール!
あわせて読みたい
トランジスタ(BJT)とは?「蛇口」で電流を自在にコントロール!

トランジスタが小さな電流で大きな電流を動かす仕組みを、蛇口のたとえで確かめられる

つまり、3本足の記号は矢印を見ます。矢印の向きと「トランジスタか MOSFET か」で、4種類を見分けられます。

トランジスタとMOSFETの記号4つのカード。NPNはエミッタの矢印が外向き、PNPは内向き、Nch MOSFETは矢印が内向き、Pch MOSFETは外向き。実物のTO-92とTO-220の絵

スイッチ・リレー・オペアンプ・水晶・モーター

押しボタンは押している間だけ ON、スイッチは ON/OFF の状態を保ちます。リレーはコイルと接点が別の回路になっている部品です。

記号見分けどころ役割
押しボタン接点の上に押す棒押している間だけ ON。離すと戻る
スイッチ斜めに開いたレバーON か OFF の状態を保つ
リレーコイルと接点を四角で囲む小さな電流で、別の回路の大きな電流を切り替える
オペアンプ三角形に+と−の入力2つの入力の差を増幅する IC
水晶振動子板の間に長方形マイコンに正確なリズム(クロック)を与える
モーター円の中に M電気で回る

オペアンプの「+」「−」は電源ではなく、入力の端子の名前です。オペアンプの電源の足は、回路図では省略されていることがよくあります。

つまり、形が複雑な記号ほど「何をする部品か」の手がかりが描いてあります。押す棒・レバー・M の文字に注目します。

スイッチなどの記号6つのカード。押しボタンは押す間だけON、スイッチはON/OFFを保つ、リレーはコイルで接点を動かす、オペアンプは三角に+と−の入力、水晶振動子は正確なリズム、モーターは円の中にM

新JIS(JIS C 0617)と旧JISの記号の違い

今の規格は JIS C 0617「電気用図記号」で、新JIS と呼ばれます。国際規格の IEC 60617 をもとにした規格です。それより前の形(旧JIS)は、古い図面や教科書で今も見かけます。

JIS C 0617 は、いくつもの部に分かれた規格の集まりです。第1部(概説)の今の版は JIS C 0617-1:2024 です。それより前は、JIS C 0301 という規格の形が使われていました。

部品新JIS(今の規格)旧JIS(古い図面)
抵抗細長い長方形ギザギザ
可変抵抗長方形に斜めの矢印ギザギザに斜めの矢印
コンデンサ細い板が2枚太い板が2枚
トランジスタ円で囲まない円で囲む
電池短い板が細い短い板が太い
スイッチ白丸は支点の1つだけ白丸が両方の端に2つ

無線従事者の国家試験(無線工学)でも、試験問題の図記号を原則として新しい形に切り替えたと、日本無線協会が新旧の対比表つきで案内しています。

POINT|両方読めればいい

仕事では、新しい図面と古い図面の両方に出会います。描くときは会社や学校の決まりに合わせ、読むときはどちらの形でも同じ部品だとわかれば十分です。

つまり、新JIS は長方形・細い板・円なし、旧JIS はギザギザ・太い板・円あり。形が違っても中身は同じ部品です。

新JISと旧JISの記号の対比表。抵抗は長方形とギザギザ、可変抵抗は長方形に斜め矢印とギザギザに斜め矢印、コンデンサは細い板と太い板、トランジスタは円なしと円あり、電池は短い板が細いと太い、スイッチは白丸1つと2つ

同じ部品でも描き方はいろいろ

同じ部品でも、規格や会社、国によって描き方が少しずつ違います。形の違いに戸惑ったら、「どこが同じか」を探します。

部品描き方の例同じだとわかる手がかり
抵抗長方形/ギザギザ2本の線の間にある1つの部品
トランジスタ円なし/円あり矢印のついた足があり、3本足
GND横線3本/三角下向きの記号で、名前が GND

海外のメーカーのデータシートや回路図では、抵抗をギザギザで描くものもよく見かけます。新JIS の長方形は国際規格(IEC)と同じ形です。

つまり、記号の形は「方言」のようなものです。方言が違っても同じ言葉だとわかるように、手がかりで見分けます。

同じ部品の描き方の違い。抵抗は長方形とギザギザ、NPNトランジスタは円なしと円あり、GNDは横線3本と三角(信号用に分ける図面もある)

記号の「向き」の読み方:三角と矢印は電流の向き

向きのある部品は、記号にも向きが描いてあります。ダイオードは三角の向き、トランジスタは矢印の向きに電流が流れます。

部品記号の向き電流の向き
ダイオード・LED三角が棒を指すアノード(三角の側)→ カソード(棒の側)
電解コンデンサ+の印の側+の側を電圧の高い側につなぐ
NPN トランジスタエミッタの矢印が外向きコレクタ → エミッタ
PNP トランジスタエミッタの矢印が内向きエミッタ → コレクタ
たとえると

三角と矢印は、道路の一方通行の標識です。矢印の向きにしか車(電流)は進めません。

つまり、三角と矢印を見たら「電流はこちら向き」と読みます。逆向きにつなぐと、動かなかったり壊れたりします。

記号の向きの読み方の4つのカード。ダイオードは左がアノード・右がカソードで電流はAからK、電解コンデンサは+の側を電圧の高い側へ、NPNは矢印が外向きで電流はCからE、PNPは内向きで電流はEからC

見間違えやすい記号のペア6組

見間違えやすい記号は、違いが1か所だけです。どこを見るかを覚えておけば、迷わず見分けられます。

ペア見るところ
コンデンサ と 電池板の長さが同じならコンデンサ、違えば電池
抵抗 と ヒューズ長方形の中に線があればヒューズ
LED と フォトダイオード矢印が外向きなら LED、内向きならフォトダイオード
ダイオード と ツェナー棒の端が折れていればツェナー
NPN と PNP矢印が外向きなら NPN、内向きなら PNP
押しボタン と スイッチ押す棒があれば押しボタン(離すと戻る)

つまり、ペアで覚えると「違いの1か所」に目が行くようになります。

見間違えやすい記号のペア6組。コンデンサと電池は板の長さ、抵抗とヒューズは中の線、LEDとフォトダイオードは矢印の向き、ダイオードとツェナーは棒の端、NPNとPNPは矢印の向き、押しボタンとスイッチは離すと戻るか

実物の「向き」の見分け方:記号と実物を結ぶ

記号に向きがある部品は、実物にも向きの目印があります。LED は長い足、電解コンデンサとダイオードは帯、IC は切り欠きが目印です。

部品実物の目印記号のどこと同じか
LED長い足=アノード(+)。ふちの平らな側=カソード(−)三角の側がアノード
電解コンデンサ帯(−の印)の側が−。長い足が++の印の反対側が−
ダイオード帯の側がカソード棒の側がカソード
IC(DIP)切り欠きを左にして、左下が1番ピン記号の足の番号と照らし合わせる
注意|例外の品種もある

多くの部品はこの目印のとおりですが、品種によって例外もあります。迷ったら、使う部品のデータシートの図で確かめてください。

ICのピン番号・ピン配置の見方|1番ピンから反時計回りで数える
あわせて読みたい
ICのピン番号・ピン配置の見方|1番ピンから反時計回りで数える

IC の1番ピンから反時計回りに数える方法を、図で確かめられる

つまり、記号の三角・+の印と、実物の長い足・帯・切り欠きを結びつければ、向きを間違えずに組み立てられます。

実物の向きの見分け方の4つのカード。LEDは長い足がアノード(+)、電解コンデンサは帯の側が−で長い足が+、ダイオードは帯の側がカソード、DIPのICは切り欠きを左にして左下が1番ピン

よくある質問(FAQ)

Q. 回路図記号は何個覚えればいい?

A. 入門の回路図なら、まず配線・電源・抵抗・コンデンサ・ダイオード・トランジスタなど30個ほどで、ほとんど読めます。

Q. 抵抗の記号が長方形とギザギザで違うのはなぜ?

A. 長方形が今の規格の新JIS(JIS C 0617)、ギザギザが旧JISの形です。形が違っても同じ抵抗を表しています。

Q. JIS C 0617とは?

A. 電気用図記号を決めた日本の規格です。国際規格IEC 60617をもとにしていて、今の回路図記号の基準になっています。

Q. LEDとダイオードの記号の違いは?

A. LEDは、ダイオードの記号に外向きの矢印が2本ついています。矢印は光を出すことを表しています。

Q. NPNとPNPの記号の見分け方は?

A. エミッタの矢印が外向きならNPN、内向きならPNPです。電流は矢印の向きに流れます。

Q. コンデンサと電池の記号の見分け方は?

A. 2枚の板の長さが同じならコンデンサ、長い板と短い板なら電池です。電池は長い板が+です。

まとめ
  • 回路図記号は、まず30個。記号・実物・役割をセットで覚える
  • 点(●)があればつながる。点のない十字はつながらない
  • GND と電源記号は、同じ形・同じ名前どうしが全部つながる
  • 三角と矢印は電流の向き。トランジスタと MOSFET は矢印の意味が逆
  • 新JIS(JIS C 0617)は長方形・細い板・円なし。旧JIS も同じ部品

覚える順番は、10個ずつ3回に分けるのがおすすめです。まず導線・接続点・交差・電池・電源記号・GND・抵抗・コンデンサ・LED・スイッチの10個。これだけで、入門の回路図の多くが読めます。残りは、回路図に出てきたときに早見表で確かめれば十分です。

回路図記号の覚える順番。まず覚える10個は導線・接続点・交差・電池・電源記号・GND・抵抗・コンデンサ・LED・スイッチ、次の10個は端子・ダイオードなど、出てきたら覚える10個は交流電源・トランスなど
参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

この記事の理解を深める本と道具
おすすめの本

電気回路の基本があいまいなときは、入門書で土台を固めておくと理解が進みます。電気回路の基本を、つまずいている人向けにやさしく解説した入門書です(オーム社)。

おすすめの道具

回路を実際に組んで、電流や電圧を確かめてみたいときに向いています。サンハヤトのブレッドボード SAD-101です。408個の穴に部品を差し込むだけで、はんだ付けをせずに回路を組めます。

マルツオンライン
¥1,050 (2026/10/18 00:21時点 | 楽天市場調べ)
おすすめの道具

回路の電圧や導通を自分の手で確かめるなら、手元にテスターが1台あると便利です。三和電気計器のデジタルマルチメータ(テスター)CD772です。電圧や抵抗などを測れます。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

次に読むべき記事

ここまでで、回路図記号30個の形と実物がつながりました。次は、記号で見た部品が実際にどう働くのかを1つずつ確かめると、回路図の「意味」まで読めるようになります。

半導体素子の比較表|ダイオード・サイリスタ・GTO・BJT・MOSFET・IGBTの違い
まずはここから
半導体素子の比較表|ダイオード・サイリスタ・GTO・BJT・MOSFET・IGBTの違い

ダイオード・トランジスタ・MOSFET など、記号で見た半導体の部品を1枚の表で見比べられます。

比べてみる →
この記事の続きはこちら

テーマ別に、もっと深く学ぶ

気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。

つまずきやすい「違い」を一気に解決
IGBTとMOSFETの違いと使い分け|損失計算と選定フローチャートで即決する
違いがわかる
IGBTとMOSFETの違いと使い分け|損失計算と選定フローチャートで即決する

MOSFET の記号の次に出てくる、もう1つのスイッチ素子との違いがわかる

違いを確かめる →
ヒューズとブレーカーの違い|どっちも電気の見張り番だった
違いがわかる
ヒューズとブレーカーの違い|どっちも電気の見張り番だった

ヒューズの記号の部品と、ブレーカーの役目の違いがわかる

違いを確かめる →
FG・SG・LG・PGNDの違い|なぜグランドを分けないと機器が壊れるのか
違いがわかる
FG・SG・LG・PGNDの違い|なぜグランドを分けないと機器が壊れるのか

GND の記号が何種類もある理由と、分けて描く意味がわかる

違いを確かめる →
バルクコンデンサとは?パスコンとの違いと容量・配置の決め方
違いがわかる
バルクコンデンサとは?パスコンとの違いと容量・配置の決め方

同じコンデンサの記号でも、置く場所で役目が違う理由がわかる

違いを確かめる →
計算力アップ・資格対策
E系列とは?E24系列の抵抗値一覧と4.7kΩ・9.1kΩが中途半端な理由
計算力アップ
E系列とは?E24系列の抵抗値一覧と4.7kΩ・9.1kΩが中途半端な理由

抵抗の記号の横に書く 10kΩ や 4.7kΩ が、なぜその値なのかがわかる

計算してみる →
分圧・分流の法則|公式と覚え方、分圧回路・分流器の計算を例題で図解
計算力アップ
分圧・分流の法則|公式と覚え方、分圧回路・分流器の計算を例題で図解

ボリュームの記号のように、電圧を分ける回路を計算できる

計算してみる →
コイルとは?インダクタの仕組みと働き・インダクタンスを図解|計算ツール付き
計算力アップ
コイルとは?インダクタの仕組みと働き・インダクタンスを図解|計算ツール付き

山の連続の記号(コイル)の働きを、計算ツールで確かめられる

計算してみる →
ツェナーダイオードの使い方|定電圧・サージ吸収の回路と抵抗値の計算例
計算力アップ
ツェナーダイオードの使い方|定電圧・サージ吸収の回路と抵抗値の計算例

棒の端が折れたツェナーダイオードの記号の使い方と計算がわかる

計算してみる →

タグ

-回路設計
-