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電卓なしで、電気工事士の計算問題は本当に解けるのか。
答え
解けます。第二種電気工事士の計算問題は、学科の50問のうち8問前後 。使う式は8つ で、電卓が使えない代わりに √3=1.73 などが問題に書いてあり、掛け算と割り算だけ で答えまで届く作りになっています。
第二種電気工事士の計算問題は、電気が初めての人がいちばん不安に思う所です。連載の1本目で試験の全体を調べたときも、そこが気になりました。そこで、電気技術者試験センターが公表している令和8年度上期と令和7年度下期の問題用紙から計算問題を11問選び、全部解き直して、公表の解答と照らしました。結果は11問とも一致。
この記事では、その11問を「公式8つ」に分けて、1行ずつ解きます。途中の式は飛ばしません。電気の言葉が出てきたら、その場で身近なものに言い換えます。
計算問題は8問前後。出る型はほぼ決まっている
令和8年度上期の学科では、数字を計算する問題は一般問題の問1〜問12のうち8問でした。合成抵抗・発熱量・三相・電圧降下・単相3線式・許容電流・幹線の太さ、と毎回よく似た型が並びます。
問 型 使う公式 答え(公表)
問1 合成抵抗 直列・並列の足し方 イ
問3 電熱器の発熱量 公式2 発熱量 ハ
問5 三相の電圧と断線 公式5 三相の√3 ロ
問6 電線の電圧降下 公式3 電圧降下 ロ
問7 単相3線式の電圧 公式4 単相3線式 ニ
問8 管に入れた電線の許容電流 公式6 許容電流 ロ
問9 幹線の太さを決める電流 公式7 幹線 イ
問12 コードで使える器具の大きさ 許容電流と P=V×I ロ
電気技術者試験センター「令和8年度第二種電気工事士上期学科試験」の問題用紙と解答から。型の名前は筆者がつけた。
ここで覚えておきたいのは、計算が苦手でも合格はできる、ということです。合格は30問正解。8問を全部落としても、残りの42問から30問取れれば届きます。それでも計算を勧めるのは、型が決まっていて、一度わかれば毎回同じ手順で点になるからです。
この記事で解くのは、問題用紙の文と数字だけで解ける問題です。図を読み取って解く合成抵抗(問1)は、この記事の最後の「次に読むべき記事」で、例題つきの記事を紹介しています。
公式1 オームの法則と電力:V=I×R、P=V×I
電圧 V は電流 I と抵抗 R の掛け算(V=I×R)、電力 P は電圧と電流の掛け算(P=V×I)です。この2つを組み合わせると、P=I²×R、P=V²÷R も作れます。
水道でたとえます。電圧は水を押す力(蛇口の水圧)、電流は流れる水の量、抵抗はホースの細さ。同じ水圧なら、ホースが細いほど水は少ししか流れません。電気も同じで、同じ電圧なら抵抗が大きいほど電流は小さくなります。
電圧が同じなら、抵抗が2倍になると電流は半分
電源 100V 10Ω 20Ω A 10A 5A I = 100 ÷ 10 = 10A(速く流れる) I = 100 ÷ 20 = 5A(流れが半分)
電圧100V のまま、抵抗を10Ω から20Ω に替えると、電流は10A から5A に半分になります。I=V÷R の割り算そのものです。
公式1
V = I × R / P = V × I = I² × R = V² ÷ R
令和7年度下期 問2(要旨)
抵抗 R[Ω]に電圧 V[V]を加えると電流 I[A]が流れ、電力 P[W]が消費される。R を表す式として誤っているものは。イ PI/V ロ P/I² ハ V²/P ニ V/I
1行目 R = V ÷ I オームの法則 V=I×R を、R について並べかえた形。ニは正しい
2行目 P = I² × R → R = P ÷ I² 電力の式から R を出す。ロは正しい
3行目 P = V² ÷ R → R = V² ÷ P これも並べかえ。ハは正しい
4行目 P × I ÷ V = (V × I) × I ÷ V = I² イに P=V×I を入れると、V が消えて I² が残る。抵抗にならない
答え:イ(公表の解答もイ)
式を丸ごと覚えるより、V=I×R と P=V×I の2本だけを覚え、あとは入れかえて作るほうが忘れにくいです。
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公式2 発熱量:1kW·h = 3,600kJ
電熱器が出す熱の量は、電力×時間で求めます。答えを kJ(キロジュール)で聞かれたら、1kW·h=3,600kJ で換算します。1時間は3,600秒なので、この数字になります。
電力(W)は「速さ」、電力量(W·h)は「進んだ距離」にたとえられます。時速60km で2時間走れば120km。300W の電熱器を2時間使えば 600W·h です。J(ジュール)は熱の量の単位で、1W の電力を1秒使うと1J。1時間は3,600秒なので、1W·h は3,600J、1kW·h は3,600kJ になります。
令和8年度上期 問3(要旨)
消費電力が300W の電熱器を、2時間使用したときの発熱量[kJ]は。イ 600 ロ 1,080 ハ 2,160 ニ 3,600
1行目 300W = 0.3kW W を kW に直す。1,000で割る
2行目 0.3kW × 2h = 0.6kW·h 電力×時間=電力量
3行目 0.6 × 3,600 = 2,160kJ 1kW·h=3,600kJ で熱の量に換算
答え:ハ 2,160kJ
令和7年度下期 問3(要旨)
電熱器で60kg の水の温度を20K 上げるのに必要な電力量[kW·h]は。水の比熱は4.2kJ/(kg·K)、熱効率は100%。イ 1.0 ロ 1.2 ハ 1.4 ニ 1.6
1行目 60 × 4.2 × 20 = 5,040kJ 水の重さ×比熱×上げる温度=要る熱。比熱は「1kg を1K 温めるのに要る熱」
2行目 5,040 ÷ 3,600 = 1.4kW·h 今度は逆向き。kJ を kW·h に直すので3,600で割る
答え:ハ 1.4kW·h
K(ケルビン)は温度の差の単位で、20K 上げるは「20℃上げる」と同じ意味です。
公式3 電圧降下:単相2線式は e=2×I×r
電線にもわずかな抵抗があるので、電流が流れると電線の上で電圧が少し下がります。これを電圧降下と呼び、単相2線式では「行き」と「帰り」の2本ぶんなので e=2×I×r です。
長いホースの先で水の勢いが弱くなるのと同じです。ホースの壁との摩擦で、少しずつ水圧が失われます。電線も長いほど、電流が大きいほど、電圧が多く下がります。
電線にも小さな抵抗がある。行きと帰りで、電圧が少しずつ下がる
電源
101.92V
負荷
抵抗負荷
1,600W
行きの線 12m:0.06Ω
帰りの線 12m:0.06Ω
電流 16A
負荷の両端 100V
① 行きの線:16A × 0.06Ω = 0.96V 下がる
② 帰りの線:16A × 0.06Ω = 0.96V 下がる
③ 合わせて 1.92V。電源は 100 + 1.92 = 101.92V
電源から負荷へ行く線と、負荷から戻る線の両方で電圧が下がります。1本ぶんだけで計算すると、答えが半分になってしまいます。
令和8年度上期 問6(要旨)
こう長12m の配線で、消費電力1,600W の抵抗負荷に電力を送ったところ、負荷の両端の電圧は100V だった。配線の電圧降下[V]は。電線の抵抗は1,000m あたり5.0Ω。イ 1 ロ 2 ハ 3 ニ 4
1行目 I = 1,600 ÷ 100 = 16A 電流は P=V×I から I=P÷V。負荷の電圧100V を使う
2行目 r = 12 × 5.0 ÷ 1,000 = 0.06Ω 電線1本(12m)の抵抗。1,000m で5.0Ω なので、12m ぶんに比例させる
3行目 e = 2 × 16 × 0.06 = 1.92V 行きと帰りの2本ぶん。こう長は「片道の長さ」
4行目 1.92 ≒ 2V 選択肢から最も近い値を選ぶ
答え:ロ 2V
「こう長」は、電源から負荷までの片道の距離のことです。電線の長さは往復で2倍になる、という所が、この型でいちばん落としやすい点です。
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公式4 単相3線式:上下がそろうと、中性線の電流は0
単相3線式は、電源の真ん中に中性線を出して、100V を上下2つと200V を取り出す配線です。上と下の負荷の大きさがそろうと、中性線では上下の電流が打ち消し合い、中性線の電流は0になります。
家の分電盤に入ってくる線は、多くがこの単相3線式です。電圧側の線が2本、まん中に中性線が1本。たとえるなら、2つの家族が1本の廊下を共用していて、片方が右へ、もう片方が左へ同じ人数で歩くと、廊下の真ん中では人の流れが差し引き0になる、という形です。
単相3線式:上と下の負荷がそろうと、まん中の線(中性線)の電流は0になる
105V
105V
0.1Ω
電圧側の線
0.1Ω
中性線
0.1Ω
電圧側の線
S
3.3Ω
3.3Ω
中性線にも 30A
中性線は 0A
V=99V
V≒102V
S 開:電流は上の線と中性線の2本を通り、2本ぶん電圧が下がる
S 閉:上下の電流が中性線で打ち消し合い、下がるのは1本ぶん
スイッチ S を閉じて下の負荷もつなぐと、中性線の電流が0になり、中性線での電圧降下も消えます。そのぶん、上の負荷の電圧 V が上がります。
令和8年度上期 問7(要旨)
単相3線式の回路で、電源電圧は105V(上下とも)、電線1線の抵抗は0.1Ω、抵抗負荷は上下とも3.3Ω。スイッチ S(下の負荷)を開いているとき V は99V だった。S を閉じると V はどう変わるか。イ 3V 下がる ロ 変化しない ハ 1V 上がる ニ 3V 上がる
1行目 S 開:I = 105 ÷ (0.1 + 3.3 + 0.1) = 30A 電流は電圧側の線→上の負荷→中性線、と2本の電線を通る
2行目 V = 30 × 3.3 = 99V 問題の99V と合う(確かめ)
3行目 S 閉:中性線の電流 = 0A 上下の負荷がそろうので打ち消し合う。電圧が下がるのは電圧側の線1本だけ
4行目 I = 105 ÷ (0.1 + 3.3) ≒ 30.9A 割り算はざっくりでよい。30A を少し超える
5行目 V = 30.9 × 3.3 ≒ 102V 105 から 0.1×30.9≒3V 下がった値、と考えても同じ
6行目 102 − 99 = 3V S を閉じる前より3V 高い
答え:ニ 3V 上がる
令和7年度下期 問7(要旨)
単相3線式(104V・104V)で、上下とも10A の抵抗負荷、電線1線の抵抗は0.2Ω。a-b 間(上の負荷)の電圧[V]は。イ 96 ロ 100 ハ 102 ニ 106
1行目 中性線の電流 = 10 − 10 = 0A 上下の電流が同じなので打ち消し合う
2行目 電圧降下 = 10 × 0.2 = 2V 電圧側の線1本ぶんだけ
3行目 V = 104 − 2 = 102V
答え:ハ 102V
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公式5 三相のY結線:線間の電圧は、1つの負荷にかかる電圧の√3倍
三相のY(スター)結線では、電線と電線の間の電圧(線間電圧)が、1つの負荷にかかる電圧(相電圧)の√3倍、つまり1.73倍になります。逆に相電圧は、線間電圧÷1.73 です。
Y 結線は、3つの負荷の片方の端を1か所に集め、残りの端に電線を1本ずつつないだ形です。上から見ると Y の字や星の形に見えるので、この名前があります。電線と電線の間には、負荷が2つ斜めに並ぶことになり、ちょうど1.73倍の電圧になります(2倍にならないのは、三相の3つの電圧が少しずつずれて届くため)。
公式5
線間電圧 = 相電圧 × √3(1.73)/ 相電圧 = 線間電圧 ÷ 1.73
令和7年度下期 問5(要旨)
Y 結線の三相負荷(1相6Ω)に三相電圧を加えたところ、各線に20A 流れた。線間電圧 E[V]は。イ 120 ロ 173 ハ 208 ニ 240
1行目 相電圧 = 20 × 6 = 120V Y 結線では、電線の電流がそのまま1つの負荷を流れる。V=I×R
2行目 E = 120 × 1.73 = 207.6V 線間は相の√3倍
3行目 207.6 ≒ 208V 最も近い値
答え:ハ 208V
令和8年度上期 問5(要旨)
三相3線式200V の回路に、抵抗 R を Y 結線でつないだ。c-o 間の抵抗が断線した。断線の前と後で、a-o 間の電圧 V[V]の組合せは。
1行目 断線前:V = 200 ÷ 1.73 ≒ 115.6 → 116V 線間200V の Y 結線なので、相電圧は200÷√3
2行目 断線後:a-o-b に R が2つ直列で200V c 側の抵抗が無くなると、a と b の間に R が2つ並ぶだけの回路になる
3行目 V = 200 ÷ 2 = 100V 同じ抵抗2つなので、電圧は半分ずつ
答え:ロ(断線前116V・断線後100V)
√3 を掛けるのか割るのか迷ったら、「線と線の間のほうが大きい」とだけ覚えておけば向きをまちがえません。
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公式6 許容電流:表の値 × 電流減少係数
許容電流は、電線が熱くなりすぎずに流し続けてよい電流の上限です。電線を1本の管に何本も入れると熱が逃げにくくなるので、表の値に「電流減少係数」を掛けて小さくします。
満員電車を思い浮かべてください。1人なら涼しくても、ぎゅうぎゅうに詰めると車内は暑くなります。電線も1本の管の中に何本も入れると、互いの熱で温度が上がるので、1本あたりに流せる電流を減らします。
電線(軟銅線) 許容電流(表の値)
単線 1.6mm 27A
単線 2.0mm 35A
単線 2.6mm 48A
より線 2mm² 27A
より線 3.5mm² 37A
より線 5.5mm² 49A
同じ管に入れる電線の数 電流減少係数
3本以下 0.70
4本 0.63
5〜6本 0.56
電気設備の技術基準の解釈 第146条 146-1表・146-2表(周囲温度30℃以下)と146-4表から抜き出した。
令和8年度上期 問8(要旨)
金属管工事で、断面積3.5mm² の600V ビニル絶縁電線(軟銅線)4本を1本の管に入れた。電線1本あたりの許容電流[A]は。周囲温度30℃以下、電流減少係数は0.63。イ 19 ロ 23 ハ 31 ニ 49
1行目 3.5mm² の表の値 = 37A 表から読む(この値は問題には書いていないので覚える)
2行目 37 × 0.63 = 23.31A 4本なので0.63を掛ける
3行目 23.31 ≒ 23A
答え:ロ 23A
令和7年度下期 問8(要旨)
合成樹脂管工事で、直径2.0mm の600V ビニル絶縁電線(軟銅線)4本を管に入れた。電線1本あたりの許容電流[A]は。周囲温度30℃以下。イ 17 ロ 19 ハ 22 ニ 24
1行目 2.0mm の表の値 = 35A
2行目 4本の係数 = 0.63 こちらは係数も問題に書いていない。表を覚えておく
3行目 35 × 0.63 = 22.05 ≒ 22A
答え:ハ 22A
調べていて迷ったのが、許容電流の表の値です。ケーブルのメーカーの表や内線規程の表は、解釈の表と値が違うことがあります。この記事は解釈の値を採りました。2回分の問題が、どちらも解釈の値で答えと合ったため。
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公式7 幹線の太さ:電動機が多いときだけ1.25倍
幹線(分電盤から各回路へ分かれる前の太い線)の許容電流は、つながる機械の定格電流の合計以上にします。ただし電動機の合計がほかの機械の合計より大きいときは、電動機の分を1.25倍(50A を超えれば1.1倍)にして足します。
電動機は、回り始めの一瞬に大きな電流が流れます。重い荷車を押し出すときの、最初のひと押しが重いのと同じです。電動機が多い幹線は、その分の余裕を持たせます。
条件 幹線の許容電流
電動機の合計 IM ≦ ほかの合計 IH IM + IH(そのまま足す)
IM > IH で、IM が50A 以下 IM × 1.25 + IH
IM > IH で、IM が50A を超える IM × 1.1 + IH
電気設備の技術基準の解釈 第148条第1項第二号から。需要率・力率が分かっていれば修正してよい(同第三号)。
令和8年度上期 問9(要旨)
低圧屋内幹線に、定格電流10A の三相電動機と、15A・20A の電熱器がつながっている。幹線の太さを決める根拠となる電流の最小値[A]は。需要率100%。イ 45 ロ 50 ハ 55 ニ 60
1行目 IM = 10A 電動機の合計
2行目 IH = 15 + 20 = 35A 電動機ではない機械(電熱器)の合計
3行目 IM(10)≦ IH(35) 電動機のほうが小さいので、1.25倍はしない
4行目 10 + 35 = 45A そのまま足す
答え:イ 45A
1.25倍を見るとすぐ掛けたくなりますが、先に「電動機のほうが大きいか」を比べるのが手順の1つ目です。
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幹線の1.25倍・1.1倍と、過電流遮断器の55%・35%を過去問で
公式8 分岐の過電流遮断器:3m・8m と 35%・55%
幹線から分かれた線(分岐回路)には、分岐点から3m 以内に過電流遮断器(ブレーカー)を付けます。分岐した電線が太めなら遠くに付けてよく、8m 以内なら35%以上、8m を超えるなら55%以上の許容電流が要ります。
過電流遮断器は、電線に流れすぎた電流を止める見張り番です。細い電線が見張り番のいない区間で長く続くと、そこで電流が流れすぎても誰も止められません。そのため、見張り番までの距離が長いほど、その間の電線を太く(許容電流を大きく)する決まりになっています。
分岐点から過電流遮断器までの長さ その間の電線の許容電流
3m 以下 決まりなし
3m を超え8m 以下 幹線の過電流遮断器の定格の35%以上
8m を超える 幹線の過電流遮断器の定格の55%以上
電気設備の技術基準の解釈 第149条第1項第一号から。
令和7年度下期 問9(要旨)
定格電流50A の過電流遮断器で守られた低圧屋内幹線から分岐し、7m の位置に過電流遮断器を付ける。a-b 間の電線の許容電流の最小値[A]は。イ 12.5 ロ 17.5 ハ 22.5 ニ 27.5
1行目 7m は「3m を超え8m 以下」 長さで、表のどの段かを決める
2行目 50 × 0.35 = 17.5A 35%以上
答え:ロ 17.5A
選択肢の27.5A は、55%(50×0.55)で計算したときの値です。長さの段を取りちがえると、ちょうど別の選択肢に当たるように作られています。
計算でよくある間違い4つ
落としやすいのは、往復の2倍を忘れる、√3 を掛ける向きを逆にする、kW·h と kJ の換算で3,600を忘れる、電流減少係数を掛け忘れる、の4つです。どれも、まちがえた値がちょうど選択肢に入っています。
間違い どうなるか 防ぎ方
電圧降下で2倍を忘れる 答えが半分(R8上期 問6 なら約1V) 「こう長は片道」と問題文に印をつける
√3 の向きを逆にする 120V の相電圧から 120÷1.73≒69V など 線と線の間のほうが大きい
kW·h → kJ で3,600を忘れる 0.6 や 600 など、桁違いの選択肢 1時間=3,600秒を毎回書く
電流減少係数を掛け忘れる 表の値そのまま(3.5mm² なら37A) 本数を数えてから表を見る
令和8年度上期の問3には600、問6には1が選択肢に入っていました。600は kJ への換算を飛ばした値、1は往復の2倍を忘れた値(0.96V)に近い数字です。選択肢の中に自分の答えがあっても安心せず、上の4つを最後に見直すと防げます。
公式8つは、この順番で積み上げる
おすすめの順番は、オームの法則と電力 → 発熱量 → 電圧降下 → 単相3線式 → 三相 → 許容電流・幹線・分岐です。前の式が次の式の部品になっているので、この順だと新しく覚えることが少なくて済みます。
順 公式 前の式とのつながり
1 オームの法則・電力 すべての土台
2 発熱量 電力×時間。単位の換算が加わるだけ
3 電圧降下 電線をオームの法則で計算する
4 単相3線式 電圧降下を、中性線の電流まで考えて使う
5 三相 √3 が加わる
6〜8 許容電流・幹線・分岐 計算は掛け算だけ。表と決まりを覚える
この順番は、問題用紙の11問を解き直して、どの式がどの式を使っているかを並べて決めた案です。筆者は電気工事士の試験を受けていないので、何時間で身につくか、本番の2時間でどう時間を配るかは書けません。
過去問題集の例
この順番は、問題用紙を解き直して決めました。同じように過去の問題を回ごとに解き直すと、8つの型がどの問番号に出るかを自分の目で確かめられます。技術評論社の『第二種電気工事士試験 学科試験 過去問題集』2027年版(704ページ、2026年12月発行予定)です。筆者は電気工事士の試験を受けておらず、この本も使っていません。問題と解答は試験センターのホームページでも公表されているので、1行ずつの解説が要るかどうかで、本を使うかを決めてください。
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まとめ:計算問題は、8つの型と1行ずつの手順で点になる
まとめ
第二種電気工事士の学科で、計算する問題は50問中8問前後(令和8年度上期は8問)
公式は8つ:オームの法則と電力/発熱量/電圧降下/単相3線式/三相の√3/許容電流×係数/幹線/分岐の3m・8m
電卓は使えないが、√3=1.73 は問題に書いてあり、掛け算と割り算で答えまで届く
まちがえた値がちょうど選択肢に入っている。往復の2倍・√3 の向き・3,600・係数の4つを見直す
次は、技能試験の入口になる「複線図」を、単線図から5つの手順で描いていきます。
参考にした資料
(2026年10月に確認)
法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。
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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年
メーカーで電気設計と品質保証に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
テーマ別に、もっと深く学ぶ
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