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- 地絡遮断装置を省略できる場合が覚えられない
- 避雷器をどこに施設するのか、500kWの条件があいまい
- 過負荷保護や波及事故など、保護の決まりがばらばらに見える
- 地絡遮断装置が必要な電路と、省略できる場合(第36条)
- 避雷器を施設する4つの場所とA種接地(第37条)
- 電動機の過負荷保護装置と省略できる4つの場合(第153条)
- 波及事故の報告対象と、保護協調・地絡方向継電器で防ぐしくみ
- 地絡遮断装置が要るかの判定ツール
金属製外箱を持つ使用電圧60Vを超える低圧の機械器具の電路には、地絡遮断装置を施設します(電技解釈第36条。乾燥した場所・2重絶縁・接地抵抗3Ω以下などは省略可)。避雷器は発電所・変電所の引込口と引出口や、高圧架空電線路から受電する500kW以上の需要場所の引込口などに施設し(第37条)、屋内の電動機には過負荷保護装置を付けます(第153条。0.2kW以下などは省略可)。需要家の事故で配電線を止める波及事故は、保護協調と地絡方向継電器で防ぎます。

項目名を押すと、その節へ移ります。
| 項目 | 覚える数字 | 根拠 |
|---|---|---|
| 地絡遮断装置の施設 | 60V超の金属製外箱、3Ω以下などで省略 | 電技解釈 第36条 |
| 避雷器の施設場所 | 500kW以上の需要場所の引込口 | 電技解釈 第37条・省令第49条 |
| 電動機の過負荷保護装置 | 15A(配線用遮断器20A)以下・0.2kW以下で省略 | 電技解釈 第153条ほか |
| 波及事故とは | 3,000V以上の自家用電気工作物 | 電気関係報告規則 第3条 |
地絡遮断装置とは?
洗濯機の外箱に電気が漏れていると、触った人の体を通って大地へ電流が流れ、感電します。地絡(電路と大地がつながること)が起きたら、すぐに電路を自動的に切るのが地絡遮断装置です。低圧では漏電遮断器、高圧では地絡継電器と遮断器の組み合わせが代表です。
省令第15条は、地絡が生じた場合に電線や電気機械器具の損傷、感電又は火災のおそれがないよう「地絡遮断器の施設その他の適切な措置」を求めています。電技解釈第36条が、施設する場所を具体的に決めています。
漏電遮断器と配線用遮断器の違い

60Vを超える金属製外箱の機械器具(第36条第1項)
金属製外箱を持ち、使用電圧が60Vを超える低圧の機械器具に接続する電路には、地絡遮断装置を施設します。金属の外箱は人が触れやすく、漏電すると外箱全体が危険になるからです。
省略できる8つの場合
| 場合 | 理由のイメージ | |
|---|---|---|
| 一 | 機械器具に簡易接触防護措置を施す | 人が触れにくい |
| 二 | 発電所・変電所など、乾燥した場所、対地電圧150V以下で水気のある場所以外 | 感電しにくい場所 |
| 三 | 2重絶縁構造、ゴムや合成樹脂など絶縁物で被覆、誘導電動機の2次側電路に接続 など | 外箱に電気が出にくい |
| 四 | C種又はD種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下 | 外箱の電圧が上がりにくい |
| 五 | 電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧300V以下)を施設し、機械器具側を非接地 | 地絡しても電流が流れる道がない |
| 六 | 機械器具内に漏電遮断器を取り付け、電源引出部が損傷を受けるおそれがない | 機器の中で遮断できる |
| 七 | 太陽電池モジュールに接続する直流電路(非接地・交流側に絶縁変圧器・対地電圧450V以下) | 直流の非接地電路 |
| 八 | 電路が管灯回路 | 放電灯の回路 |
六号の「漏電遮断器」を「過電流遮断器」に変えた選択肢が、平成28年度に誤りとして出ました。過電流遮断器は地絡を検出できません。
漏電とは何か

300V超の低圧電路と高圧の電路(第3項・第4項)
高圧・特別高圧と変圧器で結合される300V超の低圧電路
工場の400V級の電路のように、高圧・特別高圧の電路と変圧器で結合される使用電圧300Vを超える低圧の電路には、地絡遮断装置を施設します。発電所・変電所などの電路と、大地から絶縁することが技術上困難な電気炉・電気ボイラー・電解槽の専用電路は除きます。
高圧・特別高圧の電路(36-1表)
| 施設する箇所 | 地絡遮断装置で守る電路 |
|---|---|
| 発電所・蓄電所・変電所などの引出口 | そこから引出される電路 |
| 他の者から供給を受ける受電点 | 受電点の負荷側の電路 |
| 配電用変圧器(単巻変圧器を除く)の施設箇所 | 配電用変圧器の負荷側の電路 |
高圧で受電する工場やビルでは、受電点に地絡継電器(GR)と遮断器を置き、構内で地絡が起きたら構内だけを切り離します。
地絡保護協調(高圧受電設備)
需要家の地絡遮断装置は、電力会社の配電用変電所の地絡保護装置と動作協調をとり、動作時限を電力会社と協議して整定します。構内のケーブルが長く、地絡遮断装置より負荷側の対地静電容量が大きいときは、外部の地絡で誤って動作しないよう地絡方向継電装置(DGR)を使うのが望ましいとされています(平成18年度 問9)。
警報でよい場合(第5項)
非常用照明装置・非常用昇降機・誘導灯・鉄道用信号装置など、止まると公共の安全に支障がある機械器具の電路は、地絡を技術員駐在所に警報する装置を施設すれば、遮断装置を施設しなくてかまいません。
保護継電器とは

電験三種の過去問で確かめる
| 年度 | 問われたこと | ポイント |
|---|---|---|
| 平成28年度 問11(a) | 60V超の機械器具で、地絡遮断装置を省略できる場合の誤り | 機械器具内に過電流遮断器 → 誤り(正しくは漏電遮断器) |
| 平成28年度 問11(b) | 高圧・特別高圧の地絡遮断装置の施設箇所(36-1表) | 受電点・配電用変圧器は負荷側の電路 |
| 平成18年度 問9 | 高圧受電設備の地絡保護協調の穴埋め | 自動的・動作協調・動作時限・負荷側 |
平成28年度 問11(a)の各選択肢
C種・D種接地工事の接地抵抗値が3Ω以下 → 正しい
絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧300V以下)を施設し、機械器具側を非接地 → 正しい
機械器具内に過電流遮断器を取り付け → 誤り
簡易接触防護措置を施す → 正しい
乾燥した場所に施設 → 正しい
地絡遮断装置が必要かの判定ツール
低圧の機械器具の条件を選ぶと、第36条第1項で地絡遮断装置が必要か、どの号で省略できるかを出します。
試験対策用の早見です。対地電圧150V超の住宅の屋内電路(第143条)など、別の条文で決まる電路もあります。
地絡遮断装置のよくある間違い
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 使用電圧100V以上が対象 | 60Vを超えるもの |
| 機器内に過電流遮断器があれば省略 | 漏電遮断器なら省略できる |
| 接地抵抗10Ω以下なら省略 | 3Ω以下 |
| 絶縁変圧器の機器側を接地する | 機器側は非接地(線間300V以下) |
| 受電点の電源側の電路を守る | 受電点の負荷側の電路 |
| 非常用照明も必ず遮断 | 警報する装置でよい |

ここからは、地絡遮断装置の施設とあわせて出る決まりを、1つずつ節にまとめます。どの節も、条文の数字・図・過去問の順に読めます。
避雷器の施設場所|引込口・引出口、500kW以上の需要場所とA種接地
避雷器は、高圧・特別高圧の電路のうち、発電所・変電所などの架空電線の引込口と引出口、架空電線路に接続する特別高圧の配電用変圧器の高圧側・特別高圧側、高圧架空電線路から受電する500kW以上の需要場所の引込口、特別高圧架空電線路から受電する需要場所の引込口に施設します(電技解釈第37条)。避雷器にはA種接地工事を施します。
避雷器とは?なぜ施設場所が決まっているのか
雷が電線の近くに落ちると、電線に非常に高い電圧(雷サージ)が入ってきます。避雷器は、ふだんは電気を流さず、異常に高い電圧が来たときだけ電流を大地へ逃がして、変圧器などの機器を守る装置です。
雷サージは架空の電線から入ってきます。だから避雷器は、架空電線と大事な設備がつながる「入口」と「出口」に置く、という考え方で場所が決まっています。

避雷器を施設する4つの場所(第37条)
高圧・特別高圧の電路のうち、次の場所又はこれに近接する場所に避雷器を施設します。
| 場所 | ポイント | |
|---|---|---|
| 一 | 発電所・蓄電所・変電所などの架空電線の引込口及び引出口 | 入口と出口の両方。地中電線の引込口・引出口は対象外 |
| 二 | 架空電線路に接続する特別高圧の配電用変圧器(第26条)の高圧側及び特別高圧側 | 6kVの柱上変圧器(高圧の配電用変圧器)は対象外 |
| 三 | 高圧架空電線路から受電する、受電電力500kW以上の需要場所の引込口 | 500kW未満は不要 |
| 四 | 特別高圧架空電線路から受電する需要場所の引込口 | 受電電力に関係なく必要 |
共通するのは「架空電線路」であることです。地中電線路は雷が直接入りにくいので、ここでは対象になっていません。
省令第49条との関係
省令第49条は、雷電圧による損壊を防止できるよう、発電所・変電所の架空電線引込口・引出口、過電流遮断器などの保護対策がされた配電用変圧器の高圧側・特別高圧側、高圧・特別高圧の架空電線路から供給を受ける需要場所の引込口に「避雷器の施設その他の適切な措置」を求めています。電技解釈第37条は、それを500kWなどの具体的な条件に落としたものです。

施設しなくてよい場合とA種接地工事
施設しなくてよい場合(第37条第2項)
| 場合 | 理由 |
|---|---|
| 第1項の場所に直接接続する電線が短い場合 | 雷サージを受けにくい |
| 60,000Vを超える特別高圧電路で、同じ母線に常時接続されている架空電線路の数が、回線数7以下なら5以上、8以上なら4以上のとき | 雷サージが多くの線路に分かれて小さくなる |
同じ支持物に2回線以上の架空電線があるときは、架空電線路の数は1として数えます。
避雷器にはA種接地工事
高圧・特別高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事(接地抵抗10Ω以下)を施します。雷の大きな電流を、すばやく大地に流すためです。

電験三種の過去問で確かめる
| 年度 | 問われたこと | ポイント |
|---|---|---|
| 平成22年度 問5 | 正しいものを選ぶ | 特別高圧架空電線路から受電する需要場所の引込口 → 正しい |
| 平成27年度 問4 | 省令第49条の穴埋め | 変電所・配電用変圧器・過電流遮断器・供給・需要場所 |
| 令和3年度 問4 | 誤りを選ぶ | 変電所の架空電線の引出口には不要 → 誤り(引出口にも必要) |
平成22年度 問5の各選択肢
発電所・変電所の地中の引込口・引出口 → 誤り(架空電線が対象)
6kVの架空電線路に接続する配電用変圧器の高圧側 → 誤り(対象は第26条の特別高圧の配電用変圧器)
特別高圧架空電線路から受電する需要場所の引込口 → 正しい
特別高圧地中電線路から受電する需要場所の引込口 → 誤り
高圧架空電線路から受電する300kWの需要場所の引込口 → 誤り(500kW以上が対象)
電動機の過負荷保護装置|省略できる4つの場合と発電機・蓄電池の保護
電動機の過負荷保護装置とは、屋内に施設する電動機が、焼損するおそれのある過電流になったときに、自動的にこれを止めるか警報する装置です(電技解釈第153条)。ただし、①取扱者が常時監視できる、②構造や負荷の性質上焼損する過電流が生じない、③単相で電源側の過電流遮断器が15A(配線用遮断器なら20A)以下、④出力0.2kW以下、のどれかなら省略できます。
電動機の過負荷保護装置(電技解釈第153条)
電動機は、負荷が重すぎたり、回転が止められたりすると、巻線に大きな電流が流れ続けて熱くなり、焼けてしまいます。これを防ぐために、屋内の電動機には、過電流を自動的に阻止するか、警報する装置を設けます。代表的なものが、熱動継電器(サーマルリレー)を組み合わせた電磁開閉器です。
省略できる4つの場合
| 覚える語 | 省略できる場合 |
|---|---|
| 人 | 電動機を運転中、常時、取扱者が監視できる位置に施設する場合 |
| 構造 | 電動機の構造上又は負荷の性質上、巻線に焼損する過電流を生じるおそれがない場合 |
| 遮断器 | 単相の電動機で、電源側の過電流遮断器の定格電流が15A(配線用遮断器なら20A)以下の場合 |
| 出力 | 電動機の出力が0.2kW以下の場合 |
「人・構造・遮断器・出力」の4つ。数字は「単相15A(配線用20A)」と「0.2kW」だけです。
子どもの自転車の補助輪のようなものです。大人がそばで見ている(人)、転びにくい形(構造)、ゆっくりしか進まない(遮断器が小さい・出力が小さい)なら、補助輪(保護装置)は外してもよい、という考え方です。
15Aは「過電流遮断器」(ヒューズなど)、20Aは「配線用遮断器」(ブレーカー)の数字です。配線用遮断器のほうが大きい数字なので、取りちがえに注意しましょう。

発電機・特別高圧の変圧器・蓄電池の保護装置
発電所や変電所の機器にも、異常のときに自動で電路から切り離す(遮断する)保護装置が決められています。
発電機の保護装置(第42条)
| 自動的に遮断する場合 | 対象の発電機 |
|---|---|
| 過電流を生じた場合 | すべての発電機 |
| 水車の圧油装置の油圧や、電動式ガイドベーン制御装置などの電源電圧が著しく低下した場合 | 容量500kVA以上の発電機を駆動する水車 |
| 風車の圧油装置の油圧、圧縮空気装置の空気圧、電動式ブレード制御装置の電源電圧が著しく低下した場合 | 容量100kVA以上の発電機を駆動する風車 |
| スラスト軸受の温度が著しく上昇した場合 | 容量2,000kVA以上の水車発電機 |
| 発電機の内部に故障を生じた場合 | 容量10,000kVA以上の発電機 |
| スラスト軸受が著しく摩耗し、又は温度が著しく上昇した場合 | 定格出力10,000kWを超える蒸気タービン |
特別高圧の変圧器(第43条)と蓄電池(第44条)
| 機器 | 保護装置 |
|---|---|
| 特別高圧の変圧器 5,000kVA以上10,000kVA未満 | 内部故障で、自動遮断装置又は警報装置 |
| 特別高圧の変圧器 10,000kVA以上 | 内部故障で、自動遮断装置 |
| 蓄電池(非常用予備電源を除く) | 過電圧・過電流・制御装置の異常(高温のものは断熱容器の内部温度の上昇)で自動遮断 |
「水車は500kVA、風車は100kVA」は、どちらも水や空気の圧力(油圧・空気圧)や制御装置の電源が下がって、羽根の角度などを調整できなくなる場合です。調整できないと回転が上がりすぎて危ないので、発電機を切り離します。

電験三種の過去問で確かめる
| 年度・問題 | 空欄 | 正解 |
|---|---|---|
| 令和6年度下期 問9 | (ア)これを阻止し、(イ)が監視、(ウ)遮断器15A、(エ)遮断器20A、出力(オ)kW | 自動的に・取扱者・過電流・配線用・0.2 |
| 令和3年度 問5 | (ア)を生じた場合、500kVAの(イ)、油圧が著しく(ウ)、100kVAの(エ)、10,000kVAの発電機の(オ)に故障 | 過電流・水車・低下・風車・内部 |
| 平成28年度 問5 | 蓄電池に(ア)、(イ)、(ウ)装置に異常 | 過電圧・過電流・制御 |
平成30年度 問8(第153条)、平成20年度 問10(第42条)でも、同じ条文が空欄で出題されています。
令和3年度 問5では、500kVAが「水車」、100kVAが「風車」です。数字の小さい風車のほうが、より小さな発電機から保護装置が要ります。
波及事故とは|報告対象と、保護協調・地絡方向継電器で防ぐしくみ
波及事故とは、工場やビルなど自家用電気工作物の事故が、電力会社(一般送配電事業者)の配電線にまで広がり、まわりの需要家も停電させてしまう事故のことです。電気関係報告規則では、一般送配電事業者などの電気工作物と電気的に接続されている電圧3,000V以上の自家用電気工作物の破損や誤操作などで供給支障を発生させた事故は、報告の対象です。防ぐには、需要家側の遮断器が電力会社の遮断器より先に動くように保護協調をとり、地絡には地絡方向継電器を使います。
波及事故とは?1つの工場の事故が、町の停電になる
高圧(6,600V)で受電している工場やビルは、電力会社の配電線に、ほかの多くの需要家と一緒につながっています。工場の中で短絡や地絡が起き、工場の遮断器が先に切れなければ、電力会社の変電所の遮断器が切れて、同じ配電線の家や店まで停電します。これが波及事故です。
1本の水道管から何軒もの家に水を分けているときに、1軒の家の中で管が破れたとします。その家の元栓を閉めれば済むのに、元栓が閉まらないと、町の大元のバルブを閉めるしかなくなり、まわりの家まで断水します。
| 比べる点 | 構内だけの停電 | 波及事故 |
|---|---|---|
| 止まる範囲 | その工場・ビルの中だけ | 同じ配電線につながる、ほかの需要家まで |
| 切れる遮断器 | 需要家の遮断器 | 電力会社(配電用変電所)の遮断器 |
| 報告 | 事故の内容による | 供給支障を発生させた事故として報告の対象 |

電気事業法第39条と電気関係報告規則の決まり
| 法令 | 決まり |
|---|---|
| 電気事業法 第39条第2項第三号 | 事業用電気工作物の損壊により、一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること(技術基準で守らせる) |
| 電気関係報告規則 第3条(表の十二) | 一般送配電事業者・配電事業者・特定送配電事業者の電気工作物と電気的に接続されている電圧3,000V以上の自家用電気工作物の破損・誤操作・操作しないことで、それらの事業者に供給支障を発生させた事故を報告する |
報告の対象になるのは、保安上の責任分界点より需要家側(自分の設備)で起きた事故です。責任分界点より電力会社側の事故は、需要家の報告の対象ではありません。
保護協調と地絡方向継電器で防ぐ
波及事故を防ぐ基本は、「事故点のすぐ上の遮断器だけを動かす」ことです。これを保護協調(ほごきょうちょう)といいます。
| 事故 | 需要家側の対策 | ポイント |
|---|---|---|
| 短絡・過負荷 | 過電流継電器(OCR)の動作時間を、変電所側より短く整定 | 同じ電流なら、需要家の遮断器Bが先に動く |
| 地絡 | 地絡継電器の動作を、変電所側より先にする | 地絡電流でも遮断器Bが先に動く |
| 地絡の方向の判別 | 地絡方向継電器(DGR) | 零相変流器より負荷側の地絡か、電源側かを見分ける |
高圧の配電線は非接地方式なので、地絡電流が小さく、需要家の外(電源側)で起きた地絡でも、構内のケーブルの静電容量を通して電流が流れることがあります。電流の大きさだけで判断すると、関係のない事故で遮断器が切れてしまう(不要動作)ので、電流の向きを見る地絡方向継電器が有効です。
距離継電器は、電流の方向を確認する機能を持つ継電器ではありません。地絡の方向の判別に使うのは地絡方向継電器です(令和5年度下期 問13(b))。

電験三種の過去問で確かめる
| 年度・問題 | 問われたこと | 答え |
|---|---|---|
| 令和5年度下期 問13・令和2年度 問11(同じ問題)(a) | 電気事業法第39条の(ア)者、報告規則の(イ)・(ウ)V以上、報告対象の事故点 | 一般送配電事業・自家用電気工作物・3,000・事故点2又は事故点3 |
| 同 (b) | 直近上位の遮断器だけ動く関係、遮断器Bの特性曲線、地絡の方向を判別する継電器 | 保護協調・動作時間の短い曲線・地絡方向継電器 |
電圧は「6,000V以上」ではなく「3,000V以上」です。6,600Vの高圧受電は、もちろん3,000V以上に入ります。
よくある質問
- 金属製外箱・60V超の低圧機械器具に地絡遮断装置
- 省略:簡易接触防護・乾燥・2重絶縁・3Ω以下など
- 絶縁変圧器は機器側300V以下・非接地
- 機器内は漏電遮断器(過電流遮断器は×)
- 高圧の受電点は負荷側の電路を守る
- 避雷器は発変電所の引込口・引出口、500kW以上の需要場所の引込口などに施設し、A種接地
- 屋内の電動機には過負荷保護装置。0.2kW以下や単相で15A(配線用遮断器20A)以下などは省略できる
- 3,000V以上の自家用電気工作物の事故で供給支障を出したら報告対象。保護協調と地絡方向継電器で防ぐ

- 経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第42条〜第44条・第153条):電動機の過負荷保護装置と省略できる場合、発電機・特別高圧の変圧器・蓄電池の保護装置
- 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者試験の問題と解答」:法規 令和6年度下期 問9・令和3年度 問5・平成28年度 問5の出題内容
- e-Gov法令検索「電気事業法」(第39条):事業用電気工作物の維持(供給に著しい支障を及ぼさないように)
- e-Gov法令検索「電気関係報告規則」(第3条):3,000V以上の自家用電気工作物による供給支障の事故報告
- 電気技術者試験センター「第三種電気主任技術者試験の問題と解答」:法規 令和5年度下期 問13・令和2年度 問11の出題内容
法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。
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