回路設計

赤外線リモコンの受信回路|受光モジュールの配線と信号の読み方

ブレッドボードに立つ黒い受光モジュールと青い電解コンデンサ・抵抗、奥のリモコンの写真に、赤外線リモコンの受信回路と信号・38kHzの文字

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赤外線リモコンの受信回路は、受光モジュールの3本足(OUT・GND・VS)をつなぎ、VS に 100Ω と 47µF を入れるだけです。配線は受光モジュールの回路の節、NEC フォーマットの 0 と 1 の読み方は見分け方の節、回路の値は早見表にあります。

結論|まず30秒でわかる答え

VS は 100Ω を通して 5V へ、VS と GND の間に 47µF、OUT はマイコンの入力ピンへ直接つなぎます。
受光モジュールは 38kHz で点滅する光だけを拾い、受けているあいだ OUT を L にします。NEC フォーマットでは、L になる間隔が 1.125ms なら 0、2.25ms なら 1 です。

この記事に出てくる言葉

わからない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。本文でも、初めて出たところで言い換えます。

赤外線目に見えない光。リモコンは 940nm ほどの赤外線を使う
受光モジュール受光素子・増幅・フィルタが1つになった、3本足の受信部品
38kHz(キロヘルツ)1秒に 38000 回。リモコンの光はこの速さで点滅する
変調信号を、点滅(搬送波)のある・なしに乗せて送ること
バースト(合図)38kHz の点滅がひとかたまり続く部分
H・L電圧が高い(約5V)・低い(約0V)状態
NEC フォーマットリモコンの信号の決まりの1つ。合図の間隔で 0 と 1 を表す
ロジアナロジックアナライザ。H・L の変化を時間の順に記録する測定器

テレビやエアコンのリモコンは、目に見えない赤外線で命令を送っています。受信回路を作ると、手元のリモコンでマイコンの LED やモーターを動かせるようになります。

この記事では、実在する受光モジュールのデータシートの数字を使って、回路・信号のしくみ・読み方・送る側の計算を、順番に説明します。

ブレッドボードに立つ黒い受光モジュールと青い電解コンデンサ・抵抗、奥のリモコンの写真に、赤外線リモコンの受信回路と信号・38kHzの文字

赤外線リモコンが届くまで:送る→光→受ける→読む

リモコンはボタンの番号を赤外線の点滅に変えて送り、受光モジュールがそれを H・L の信号に戻し、マイコンが H・L の長さを測って番号に戻します。

やることこの記事の節
リモコン(送る側)番号を「合図の間隔」に変え、38kHz で点滅させて送る送る側の回路
赤外線(940nm)目に見えない光が空中を進む38kHz の変調
受光モジュール38kHz の点滅だけを拾って H・L にする3本足・回路
マイコンL になる間隔を測って 0・1 に戻すNEC フォーマット

受光モジュールは、光を電気に変える受光素子(フォトダイオード)・小さな電流を大きくする増幅・38kHz だけを通すフィルタ・H と L に整える回路が、3本足の1つの部品に入ったものです。

つまり、むずかしい所は受光モジュールの中に入っています。外の回路は、電源と出力をつなぐだけです。

リモコン・赤外線・受光モジュール・マイコンの4つの箱と矢印の流れ図

38kHzの変調:光を点滅させて「合図」を送る

リモコンの赤外線は、1秒に 38000 回(周期 26.3µs)点滅しています。この点滅がひとかたまり続く部分を合図(バースト)と呼び、NEC フォーマットでは 1つの合図が 22 回の点滅で約0.58ms です。

なぜ点滅させるのでしょうか。部屋の照明や日光にも赤外線がふくまれていて、ただ光らせるだけでは、リモコンの光とまぎれてしまいます。決まった速さ(38kHz)で点滅させ、受ける側がその速さの変化だけを拾えば、まわりの光と区別できます。

たとえると

にぎやかな部屋で、決まったリズムの手拍子だけを聞き分けるようなものです。ずっと鳴っている音(照明)は無視し、38kHz のリズムがあるかどうかだけを聞きます。

1. 点滅の速さ

26.3µs ごとに 8.77µs だけ点灯(点灯は 1/3 の時間)。これが 38kHz です。

2. 合図

この点滅を 22 回くり返すと、約0.58ms の合図になります。

3. 休み

点滅しない時間が休みです。合図と休みの長さの組み合わせで情報を送ります。

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つまり、38kHz は「光の点滅の速さ」。情報そのものは、合図と休みの並びに乗っています。

0.58msの合図と休みのグラフと、26.3µsごとに8.77µs点灯する38kHzの拡大グラフ

受光モジュールの中:38kHzだけを拾ってH・Lにする

受光モジュールは、38kHz の点滅を受けているあいだ OUT を L(約0V)、受けていないあいだ H(約5V)にします。受けると L になる「逆」の出力です。

中の回路やること
受光素子(フォトダイオード)赤外線を小さな電流に変える
増幅小さな電流を大きくする
38kHz のフィルタ38kHz 以外の変化(照明・日光)を捨てる
検波・整形点滅の有無を H・L のきれいな形にする

TSOP382 のデータシートのブロック図では、OUT は中で約30kΩ の抵抗で電源に引き上げられています(プルアップ)。だから、外にプルアップを足さなくても、マイコンの入力ピンに直接つなげます。

受けていないとき OUT が H なので、マイコンからは「ふだん H、合図のときだけ L」に見えます。入力ピンが浮かない(電圧が決まっている)ことが大事です。

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つまり、受光モジュールは「38kHz を受けたら L」の部品。出力が逆なことだけ覚えておきます。

受光素子・増幅・38kHzのフィルタ・検波整形・OUTのブロック図と注意のカード

受光モジュールの3本足:OUT・GND・VS

TSOP38238(Vishay)も OSRB38C9AA(OptoSupply)も、レンズを手前にして左から 1 OUT・2 GND・3 VS(VCC)です。ただし、品種によって並びが違うことがあるので、必ずデータシートで確かめます。

TSOP38238OSRB38C9AA
1番 / 2番 / 3番OUT / GND / VSOUTPUT / GROUND / VCC
電源の電圧2.0〜5.5V2.7〜5.5V
流れる電流0.25〜0.45mA(3.3V)0.9mA(typ)・1.5mA(max)
受ける周波数38kHz37.9kHz(中心)
出力L で受信(Active low)L で受信(Active Low)

OSRB38C9AA は秋月電子などで手に入りやすい品種で、TSOP38238 は海外の通販でよく見かける品種です。どちらも 5V のマイコンでも 3.3V のマイコンでも使えます(OSRB38C9AA は 2.7V 以上)。

注意

別の品種では、GND と VS の位置が入れかわっているものがあります。電源を逆に入れると壊れることがあるので、買った品のデータシートの図で並びを確かめてから差します。

つまり、例の2品は「左から OUT・GND・VS」。違う品種は、差す前にデータシートを見ます。

レンズを手前にした受光モジュールの絵で左から1 OUT・2 GND・3 VS、TSOP38238とOSRB38C9AAの比較表

受光モジュールの回路:電源に100Ωと47µFを入れる

VS を 100Ω を通して 5V につなぎ、VS と GND の間に 47µF(電解コンデンサ)を入れます。OUT はマイコンの D2 へ直接、GND は GND へつなぎます。

1. VS(3番)

100Ω を通して 5V へ。抵抗はモジュールのそばに置きます。

2. 47µF

VS と GND の間に、なるべく足のそばで。電解コンデンサは+(長い足)を VS 側へ。

3. GND(2番)

マイコンの GND と同じ所へ。

4. OUT(1番)

マイコンの入力ピン(例:D2)へ直接。外のプルアップは要りません。

OSRB38C9AA のデータシートは「電源が汚い(雑音がある)ときは、100Ω(47〜100Ω)と約47µF(47〜100µF)の電解コンデンサを入れる」と書いています。TSOP382 も、電源に強いリプルやスパイクがあるときに抵抗 R1 とコンデンサ C1 を入れるよう勧めています(値は書かれていません)。

受光モジュールの中の増幅は、わずかな光の変化を大きくしているので、電源の雑音にも弱いです。雑音が OUT に出ると、押していないのに L が出る誤動作になります。

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つまり、受信回路の部品は「受光モジュール+100Ω+47µF」の3つです。

受光モジュールのVSを100Ωで5Vへ、VSとGNDの間に47µF、OUTをD2へつなぐ回路図

100Ωと47µFの計算:雑音は約1/1100、電圧の下がりは0.15V以下

100Ω と 47µF の時定数は 4.7ms で、約34Hz より速い雑音を減らします。38kHz の雑音は約1/1100 に、1kHz でも約1/30 になります。100Ω での電圧の下がりは最大 0.15V です。

STEP 1 時定数

100Ω × 47µF = 4.7ms。

STEP 2 カットオフ

1 ÷ (2π × 4.7ms) = 約34Hz。これより速い雑音ほど通りにくくなります。

STEP 3 電圧の下がり

100Ω × 0.9mA(typ)= 0.09V、最大 1.5mA で 0.15V。5V なら VS は約4.85V 以上で、2.7V 以上の条件を十分に満たします。

雑音が通る割合
1 ÷ √(1 + (雑音の周波数 ÷ カットオフ)²)

抵抗を大きくすると雑音はもっと減りますが、電圧の下がりも大きくなります。データシートの 47〜100Ω の範囲なら、どちらも心配いりません。電源を入れてからコンデンサが満ちるまでは、時定数の5倍で約23ms です。

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つまり、100Ω と 47µF は「雑音をしっかり減らし、電圧はほとんど下げない」組み合わせです。

雑音の周波数と通る割合のグラフ(カットオフ約34Hz、1kHzで約1/30、38kHzで約1/1100)と計算のカード

出力は「Lが受信」:OUTの波形と時間のずれ

合図(38kHz の点滅)が届くと、少し遅れて OUT が L になり、合図が終わると H にもどります。TSOP382 では、L の長さは合図の長さより ±132µs ずれ、184〜342µs 遅れて出ます。

データシートの決まり(TSOP382)式38kHz・合図 579µs のとき
L の長さ合図の長さ ± 5 ÷ 38kHz約447〜710µs
遅れ7 ÷ 38kHz 〜 13 ÷ 38kHz約184〜342µs

OSRB38C9AA のデータシートでも、600µs の合図に対して出力は 400〜800µs と書かれています。受光モジュールの出力の「長さ」は、ぴったりにはなりません。

これが、次の節で「L の長さ」ではなく「L になる時刻の間隔」で読む理由です。

つまり、OUT は合図の形をなぞりますが、長さには幅があります。読む側はそれを見込んで作ります。

届いた赤外線の合図と、少し遅れてLになる受光モジュールのOUTの波形(イメージ)

NECフォーマットの形:リーダー+32ビット

NEC フォーマットは、9ms の合図と 4.5ms の休み(リーダー)のあとに、アドレス 8bit とその反転、データ 8bit とその反転の 32bit が続きます。全部で 67.5ms で、押し続けると 108ms ごとに短い合図をくり返します。

部分中身長さ
リーダー9ms の合図 + 4.5ms の休み13.5ms
アドレス+反転機器の番号 8bit と、その 0・1 を入れかえた 8bit27ms
データ+反転ボタンの番号 8bit と、その反転 8bit27ms
押し続けリーダーと短い合図だけをくり返す108ms ごと

反転を送るのは、受けた側で「元」と「反転」をくらべ、まちがいを見つけるためです。反転があるので、32bit の中に 0 と 1 は必ず16個ずつ入り、どのボタンでも長さが同じになります(0 が 1.125ms、1 が 2.25ms なので 16×1.125+16×2.25=54ms)。

NEC 以外にも、家電製品協会(AEHA)方式やソニー方式など、合図の長さや並びが違う方式があります。手元のリモコンの方式は、ロジアナで波形を見るとわかります。

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つまり、NEC は「リーダー → 32bit」。反転のおかげで長さが一定で、まちがいも見つけられます。

リーダー13.5ms・アドレスと反転27ms・データと反転27msの帯の図と、反転を送る理由のカード

0と1の見分け方:合図と合図の「間隔」で決まる

NEC では、合図の長さはどれも約0.58ms で、次の合図までの間隔が 1.125ms なら 0、2.25ms なら 1 です。読むときは、OUT が L になった時刻の差を測り、1.69ms より短ければ 0、長ければ 1 とします。

STEP 1 L になった時刻を記録

OUT が H から L に変わる瞬間(立ち下がり)ごとに、時刻を記録します。

STEP 2 前の時刻との差を出す

差が約13.5ms ならリーダー(始まり)。そこから数え始めます。

STEP 3 差で 0 と 1 を分ける

1.125ms と 2.25ms のまん中、1.69ms より短ければ 0、長ければ 1。

L の長さだけで読むと、前の節の ±132µs のずれをまともに受けます。立ち下がりから次の立ち下がりまでの間隔なら、遅れがどちらにも同じように入るので打ち消し合い、ずれに強くなります。

つまり、0 と 1 は「L→L の間隔」で読みます。しきい値は 1.69ms です。

0は間隔1.125ms・休み0.55ms、1は間隔2.25ms・休み1.67msの合図の図

オシロ・ロジアナで見たOUTの波形(イメージ)

OUT をロジアナやオシロスコープで見ると、まず約9ms の長い L(リーダー)、4.5ms の H のあとに、短い L が 33個並びます。短い L のあとの H が短ければ 0、長ければ 1 です。

図は、アドレス 0x00・データ 0x45 を、下位のビットから送ったとして計算で描いたイメージです(本物の波形の写真ではありません)。アドレス 0x00 は 0 が8つなので短い間隔が8回、その反転は 1 が8つなので長い間隔が8回並びます。

最後のビットの終わりを知らせるために、32bit のあとにもう1つ合図が来ます。そのため短い L は 33個です。

オシロスコープで見るときは、トリガを「立ち下がり」にすると、リーダーの始まりで画面が止まり、見やすくなります。

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つまり、波形は「長い L → H → 短い L が33個」。間隔の長短が 0 と 1 です。

NECフォーマットのOUTの波形全体と、0と1の間隔を示した拡大の波形(イメージ)

マイコンで読む:Lになる時刻の差を測る

OUT をマイコンの割り込みのある入力ピン(例:D2)につなぎ、立ち下がりのたびに時刻の差を測って、リーダー・0・1 を分けます。実際には、IRremote などのライブラリがこの判定をしてくれます。

L→L の間隔意味判定
13.5ms 前後リーダー(始まり)数え始める
約1.1ms01.69ms より短い
約2.3ms11.69ms より長い
9ms の L のあと短い H押し続けの合図前と同じボタン
それ以外雑音・別の方式捨てて待ち直す

考え方を Arduino 風に書くと、次のようになります(立ち下がりの割り込みの中で動かす例。押し続けの合図や、ふつうでない間隔を捨てる処理は省いています)。

// OUT が L になった時刻の差で 0 と 1 を分ける(考え方の例)
unsigned long now = micros();
unsigned long dt = now - last;   // 前に L になった時刻との差
last = now;
if (dt > 12000 && dt < 15000) { n = 0; }          // 約13.5ms:リーダー
else if (dt < 1690) { /* 0 */ n++; }
else if (dt < 2800) { code |= (1UL << n); n++; }  // 1(下位のビットから)

自分で書くのは勉強になりますが、実際に使うならライブラリのほうが確実です。ライブラリを使うときも、この節の「L→L の間隔」の考え方を知っておくと、うまく受からないときに原因を探せます。

つまり、受信のプログラムは「立ち下がりの時刻の差」を3つに分けるだけ。中身はこれだけです。

L→Lの間隔と意味・判定の表(13.5msリーダー、約1.1msが0、約2.3msが1)

送る側の回路:赤外線LEDをトランジスタで流す

送る側は、赤外線 LED(例:TSAL6200)を 38kHz で点滅させます。マイコンのピンで直接なら 200Ω で約18mA、トランジスタ 2N3904 を使えば 36Ω で約93mA 流せて、遠くまで届きます。

1. ピンで直接(近くまで)

ピン → 200Ω → 赤外線 LED → GND。(5−1.35)÷200Ω=約18mA。

2. トランジスタで(遠くまで)

5V → 36Ω → 赤外線 LED → 2N3904 のコレクタ、エミッタ → GND。ピンからベースへ 430Ω。

3. 点滅させる

ピンを 38kHz で ON/OFF し、合図と休みの並びを作ります(ライブラリの送信の機能を使うのが確実)。

光の強さは電流にほぼ比例し、距離の2乗で弱まります。電流を約5倍にすると、届く距離は約2.3倍が目安です(向き・レンズ・受光モジュールの感度で変わります)。

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注意

赤外線は目に見えないので、点いているかがわかりません。スマホのカメラで見ると紫っぽく光って見えることがあります(機種によっては見えません)。

つまり、近くならピンで直接、遠くまで届かせるならトランジスタで電流を増やします。

5V・36Ω・赤外線LED TSAL6200・2N3904・ベース430Ω・D3の回路図と、ピンで直接との比較のカード

送る側の計算:36Ωとベース抵抗430Ω

LED の抵抗は (5−1.35−0.3)÷100mA=33.5Ω → 36Ω(約93mA)、ベース抵抗は 93mA÷30×3=9.3mA から (5−0.7)÷9.3mA=462Ω → 430Ω です。点滅なので、抵抗の平均の電力は約27mW と小さくなります。

STEP 1 LED の抵抗

(5V − VF 1.35V − VCE(sat) 0.3V) ÷ 100mA = 33.5Ω → 電流が 100mA を超えない大きい側の 36Ω(93mA)。

STEP 2 抵抗の電力

点灯中は 93mA² × 36Ω = 0.31W。38kHz の点灯は 1/3 なので合図の間は 0.10W、合図は 108ms の約26% なので平均 約27mW。

STEP 3 ベース抵抗

hFE は 100mA での最小 30。余裕を3倍みて 93÷30×3=9.3mA。(5−0.7)÷9.3mA=462Ω → 電流が減らない小さい側の 430Ω(ピンの電流 約10mA)。

抵抗は 1/4W で足ります。ただし、LED を点けっぱなしにして試すと 0.31W かかるので、そういう試し方をするなら 1/2W にします。TSAL6200 の連続の最大は 100mA なので、点けっぱなしでも 93mA なら範囲内です。

ベース抵抗の考え方(hFE の最小値・余裕3倍・丸める向き)は、連載のベース抵抗の記事と同じです。

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つまり、LED の抵抗は電流が増えない側、ベース抵抗は電流が減らない側に丸めます。

LEDの抵抗33.5Ω→36Ω、抵抗の電力0.31W→平均約27mW、ベース抵抗462Ω→430Ωの3枚のカード

早見表:赤外線リモコンの受信・送信回路(5V)

答えだけ欲しい人向けの表です。受信は3本足と2つの部品、送信は LED とトランジスタです。

項目値・つなぎ方メモ
受光モジュール1 OUT・2 GND・3 VS(例の2品)OUT は D2 へ直接
電源のフィルタ100Ω + 47µF(電解)38kHz の雑音 約1/1100・下がり 0.15V 以下
NEC の 0 と 1L→L が 1.125ms/2.25msしきい値 1.69ms
リーダー9ms の L + 4.5ms の H始まりの目印
赤外線 LED(ピンで直接)200Ω約18mA
赤外線 LED(2N3904)36Ω・ベース 430Ω約93mA

つまり、表の値で組めば、まず動きます。品種が違うときは、足の並びと電源の範囲だけ確かめ直します。

受光モジュール・電源のフィルタ・NECの0と1・リーダー・赤外線LEDの早見表

ブレッドボードの配線:受光モジュールをD2へ

レンズを手前にして、OUT・GND・VS を 6・7・8 列に差します。8列(VS)から 100Ω で 11列へ渡し、11列から 5V へ。47µF は+を 8列、−を 7列へ。6列(OUT)からマイコンの D2 へつなぎます。

1. 差す

レンズ(丸いふくらみ)を手前に、6列 OUT・7列 GND・8列 VS。

2. 電源

8列から 100Ω を 11列へ、11列から +5V レールへ。7列から GND レールへ。

3. 47µF

+(長い足)を 8列、−(帯の側)を 7列へ。足のそばに置きます。

4. 出力

6列からマイコンの D2 へ。マイコンの 5V と GND もレールへ。

モーターなど電気の雑音を出す部品といっしょに使うときは、受光モジュールの電源と GND の線をなるべく短くし、47µF を足のそばに置きます。

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IC の電源ピンのそばにコンデンサを置く理由(パスコン)

つまり、VS の列に「100Ω」と「47µF の+」、GND の列に「47µF の−」と GND、OUT の列から D2 です。

ブレッドボードの配線図。受光モジュールを6・7・8列に差し、8列から100Ωで5V、47µFを8列と7列、6列からD2へ

よくある失敗4つ:赤外線リモコンの受信回路

足の並びを思いこむ・周波数が合っていない・電源の雑音・日光や照明の真下に置く、の4つがよくある失敗です。

1. 足の並びを思いこむ

品種によって OUT・GND・VS の順が違います。ほかの品種の配線図をそのまま使うと、電源を逆に入れて壊すことがあります。データシートの図で確かめます。

2. 周波数が合っていない

受光モジュールには 36kHz・38kHz・40kHz などの品種があります。リモコンの周波数とずれると、届く距離が短くなります。NEC 方式なら 38kHz の品種を選びます。

3. 電源の雑音で誤動作

モーターや DC-DC コンバータの雑音が電源に乗ると、押していないのに L が出ることがあります。100Ω と 47µF を足のそばに入れます。

4. 日光・照明の真下に置く

強い光が当たると、受光モジュールの感度が下がり、届く距離が短くなります。直射日光を避け、筒やフードで横からの光をさえぎります。

つまり、足・周波数・電源・置き場所の4つを見直せば、たいていの「受からない」は直ります。

足の並びを思いこむ、周波数が合っていない、電源の雑音で誤動作、日光・照明の真下、の4枚のカード

確かめ方:テスターで電源とOUT、ロジアナで形

最低限、①VS と GND の間が約4.9V あるか、②押していないとき OUT が約5V で、ボタンを押すと少し下がるか、をテスターで確かめます。

最低限ここだけ

1. 電源

黒を GND、赤を VS の足の根元に当てます。約4.9V(100Ω の分だけ少し下がる)なら OK。

2. OUT

押していないとき約5V。リモコンを向けてボタンを押すと、テスターの表示が少し下がります(テスターは H と L の平均を表示するため)。0V のままなら足の並びか配線を疑います。

余裕があれば

ロジックアナライザやオシロスコープがあれば、OUT の L の長さと間隔を見ます。9ms の L・4.5ms の H のあとに短い L が33個並べば NEC フォーマットです。

つまり、テスターで「電源」と「OUT が動くか」、ロジアナで「形」。この順に見れば、どこが悪いかを切り分けられます。

VSとGND・OUT・スマホのカメラの測る所と目安・見ることの表

よくある質問(FAQ)

Q. 赤外線受光モジュールの足の並びは?

A. 例の2品はレンズを手前に左から1 OUT・2 GND・3 VSです。品種で違うのでデータシートで確かめます。

Q. 受光モジュールの100Ωと47µFは必要?

A. 電源に雑音があるときにデータシートが勧めています。38kHzの雑音を約1/1100に減らし、電圧の下がりは0.15V以下です。

Q. 受光モジュールの出力にプルアップ抵抗は要る?

A. TSOP382は中に約30kΩのプルアップがあり、マイコンに直接つなげます。外に足さなくても動きます。

Q. なぜ受信するとLになるの?

A. 受光モジュールの出力がActive low(Lで受信)だからです。ふだんはH、38kHzの合図を受けている間だけLです。

Q. NECフォーマットの0と1はどう見分ける?

A. Lになる間隔が1.125msなら0、2.25msなら1です。1.69msより短いか長いかで分けます。

Q. 赤外線LEDに流す電流と抵抗は?

A. ピンで直接なら200Ωで約18mA、2N3904を使えば36Ωで約93mAです。遠くまで届かせるならトランジスタです。

まとめ
  • 受信回路は、受光モジュールの3本足+100Ω+47µF。OUT はマイコンの入力ピンへ直接
  • リモコンの光は 38kHz で点滅している。受光モジュールはその点滅だけを拾う
  • 出力は「受けているあいだ L」。L の長さは ±132µs ずれるので、L→L の間隔で読む
  • NEC は リーダー(9ms+4.5ms)+32bit で 67.5ms。間隔 1.125ms が 0、2.25ms が 1
  • 送る側は、ピンで直接なら 200Ω(約18mA)、2N3904 なら 36Ω・ベース 430Ω(約93mA)

まずは受光モジュールと 100Ω・47µF だけを組み、テスターで OUT がリモコンに反応するのを見てみてください。そこまで動けば、あとはプログラムで番号を読むだけです。

参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

この記事の理解を深める本と道具
おすすめの道具

回路を実際に組んで、電流や電圧を確かめてみたいときに向いています。サンハヤトのブレッドボード SAD-101です。408個の穴に部品を差し込むだけで、はんだ付けをせずに回路を組めます。

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波形を自分の目で確かめるなら、手元にオシロスコープが1台あると便利です。RIGOLのデジタル・オシロスコープ DHO804です。周波数帯域70MHz・4チャンネルで、12ビットの垂直分解能をもちます。

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回路の電圧や導通を自分の手で確かめるなら、手元にテスターが1台あると便利です。三和電気計器のデジタルマルチメータ(テスター)CD772です。電圧や抵抗などを測れます。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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