※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています。
- 甲種・乙種・丙種の違いがわからない
- 乙種でなぜ外径に12mm足すのかつかめない
- 高温季・低温季でどれを使うのか迷う
- 風圧荷重の種類(第58条)
- 電線980Pa・木柱780Paなどの圧力の表
- 乙種の外径+12mmと、甲種=乙種となる外径12mm
- 外径と径間から計算するツール
風圧荷重とは、架空電線路の電線や支持物に風が当たって加わる荷重で、電技解釈第58条で甲種・乙種・丙種などが決められています。甲種は電線なら980Paを垂直投影面積に掛け、乙種は電線のまわりに厚さ6mmの氷雪が付いた状態で甲種の0.5倍、丙種は甲種の0.5倍で計算します。高温季は甲種、低温季は地方によって甲種・乙種・丙種を使い分けます。

風圧荷重とは?甲種・乙種・丙種の違い
電線や電柱には、強い風がいつも横から押してきます。架空電線路は、その力に耐えられる強さで作らなければなりません。強さを検討するときに使う風の力が風圧荷重です。
| 種類 | 計算の基礎 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 甲種風圧荷重 | 構成材の垂直投影面に加わる圧力(58-1表) | 高温季(台風の季節など) |
| 乙種風圧荷重 | 電線のまわりに厚さ6mm・比重0.9の氷雪が付いた状態で、甲種の0.5倍 | 氷雪の多い地方の低温季 |
| 丙種風圧荷重 | 甲種の0.5倍 | 氷雪の多い地方以外の低温季 |
| 着雪時風圧荷重 | 比重0.6の雪が同心円状に付いた状態で、甲種の0.3倍 | 異常着雪時の計算 |
架空電線の高さと離隔距離

垂直投影面に加わる圧力(58-1表)
| 風を受けるもの | 圧力(甲種) |
|---|---|
| 木柱 | 780 Pa |
| 鉄筋コンクリート柱(丸形) | 780 Pa |
| 鉄筋コンクリート柱(その他) | 1,180 Pa |
| 鉄柱(丸形) | 780 Pa |
| 鉄塔(鋼管で構成、単柱を除く) | 1,670 Pa |
| 鉄塔(その他、腕金類を含む) | 2,840 Pa |
| 電線(多導体を構成する電線) | 880 Pa |
| 電線(その他) | 980 Pa |
| がいし装置(特別高圧電線路用) | 1,370 Pa |
試験でよく使うのは、電線の980Paと丸い柱の780Paです。風圧荷重は、圧力[Pa=N/m²]× 垂直投影面積[m²]で求めます。
風圧荷重 [N] = 圧力 [Pa] × 垂直投影面積 [m²]

電線の風圧荷重の計算|乙種は外径に12mmを足す
電線の垂直投影面積は、外径 d[m]× 長さ(径間)L[m]です。乙種では、電線のまわりに厚さ6mmの氷雪が付くので、外径は両側で6mm×2=12mm太くなります。
| 種類 | 計算式(電線) |
|---|---|
| 甲種 | 980 × d × L |
| 乙種 | 490 × (d + 0.012) × L(980の0.5倍=490、外径に0.012m足す) |
| 丙種 | 490 × d × L |
甲種と乙種が等しくなる外径は12mm
980 × d = 490 × (d + 0.012) を解くと、2d = d + 0.012 より d = 0.012m = 12mm です。外径が12mmより細い電線では、氷雪の分が効いて乙種のほうが大きくなり、12mmより太いと甲種のほうが大きくなります。
電線のたるみの計算

どの風圧荷重を使う?季節と地方(58-2表)と例題
| 季節 | 地方 | 適用する風圧荷重 |
|---|---|---|
| 高温季 | すべての地方 | 甲種 |
| 低温季 | 氷雪の多い地方のうち、海岸地など低温季に最大風圧を生じる地方 | 甲種と乙種の大きいほう |
| 低温季 | 上記以外の氷雪の多い地方 | 乙種 |
| 低温季 | 氷雪の多い地方以外 | 丙種 |
人家が多く連なっている場所の低圧・高圧架空電線路の支持物と電線などは、甲種・乙種に代えて丙種を適用できます(建物が風をさえぎるため)。
例題:外径10mmの電線、径間50m
甲種:980 × 0.010 × 50 = 490 N
乙種:490 × (0.010 + 0.012) × 50 = 490 × 0.022 × 50 = 539 N
丙種:490 × 0.010 × 50 = 245 N
氷雪の多い地方(海岸地以外)の低温季なら乙種の539N、氷雪の多い地方以外の低温季なら丙種の245N
外径10mmは12mmより細いので、乙種(539N)が甲種(490N)より大きくなっています。
架空送電線の構造

風圧荷重の計算ツール
電線の外径と径間を入れてください。甲種・乙種・丙種の風圧荷重と、季節・地方で適用する値を出します。支持物は、種類と垂直投影面積から甲種を計算します。
入れた数字は画面の中で計算するだけで、どこにも送信されません。人家が多く連なっている場所では、低圧・高圧の支持物と電線などに丙種を適用できます。
電験三種での出題と、よくある間違い
法規のB問題で、風圧荷重の計算がくり返し出ています(平成22年度 問13、平成26年度 問11、平成30年度 問11、令和5年度上期 問13)。
| よくある間違い | 正しい考え方 |
|---|---|
| 乙種は外径に6mm足す | 氷雪6mmが両側に付くので12mm足す |
| 乙種は甲種と同じ圧力 | 乙種・丙種は甲種の0.5倍(電線なら490Pa) |
| 低温季はいつも乙種 | 氷雪の多い地方以外の低温季は丙種 |
| 外径の単位をmmのまま掛ける | mをそろえる(10mm=0.010m) |
| 細い電線ほど甲種が大きい | 外径12mm未満なら乙種のほうが大きい |
支線で強度を分担させる木柱・鉄筋コンクリート柱・鉄柱にも、支線を使わない状態で風圧荷重の1/2以上に耐える強さが求められ(電技解釈第59条)、支線の張力と素線の条数を求める計算は次の記事で過去問を使って解説しています。
力のモーメントで支線の張力を求め、素線の条数を決める計算を過去問で練習できます。

よくある質問
- 風圧荷重は甲種・乙種・丙種(電技解釈第58条)
- 甲種:電線980Pa・丸い柱780Pa×垂直投影面積
- 乙種:氷雪6mmで外径+12mm、甲種の0.5倍
- 丙種:甲種の0.5倍。高温季は甲種
- 外径12mm未満なら乙種のほうが大きい

「風圧荷重」を、電技と電技解釈の条文で確かめたいときに向いています。電気設備に関する技術基準を定める省令(電技)と、その解釈(電技解釈)の条文をまとめた本です(2026年版)。
「風圧荷重」を試験の得点につなげるなら、法規科目の教科書で前後の決まりとあわせて押さえておくと安心です。TAC出版『みんなが欲しかった!』シリーズの、電験三種「法規」の教科書と問題集です(第3版)。フルカラーの教科書に重要な過去問が付いています。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。
「どこから手をつければいいかわからない」「計算問題で手が止まる」と感じたら、講義と問題演習がセットになった通信講座を使う方法もあります。アガルートアカデミーには電験三種の講座があります。料金や内容は公式サイトで確かめてください。
次に読むべき記事
風圧荷重がわかったら、電技と電技解釈の関係を押さえて、条文の探し方に慣れておきましょう。
テーマ別に、もっと深く学ぶ
気になるところから読んでも大丈夫です。どの記事も、はじめて学ぶ人向けにやさしく書いています。