理論科目の解説

ダイオードの特性│整流作用と順方向電圧降下

📌 この記事で学べること

  • ダイオードは「道路の一方通行」と同じ仕組みです
  • 0.7Vの小さな坂を越えると電気が流れ始めます
  • 交流(AC)を直流(DC)に変換できる不思議な部品です
  • LED(発光ダイオード)も実はダイオードの仲間です
  • スマホの充電器の中でもダイオードが活躍しています

💡 電験三種で出題される基礎知識を、日常のたとえで完全理解!

こんにちは!電験三種の勉強を始めたばかりで、「ダイオードって何?」「どうやって交流を直流に変えるの?」と困っていませんか?

安心してください!この記事では、中学生でもイメージできる「日常のたとえ」を使って、ダイオードの仕組みを1から丁寧に解説します。

ダイオードは「電気の一方通行」を作る部品です。道路の一方通行と全く同じ仕組みなので、誰でも簡単に理解できますよ!

💡 こんな方におすすめ
✅ 電気回路をこれから勉強する初心者の方
✅ ダイオードが何なのか全くわからない方
✅ 専門用語が多くて挫折しそうな方
✅ 電験三種の理論科目で基礎を固めたい方

関連記事: 電験三種とは?どんな資格か初心者にもわかりやすく徹底解説電験三種 勉強計画|1年で合格する学習ロードマップも合わせてご覧ください。

🚗 ダイオードとは?|道路の一方通行と同じ仕組み

🚦 一方通行の道路をイメージしてください

ダイオードを理解する一番簡単な方法は、「道路の一方通行」を想像することです。

一方通行の道路では:

  • ✅ 矢印の方向には車がスムーズに進める
  • ❌ 逆方向には絶対に進めない(侵入禁止!)

ダイオードも全く同じです!

🔑 ダイオードの基本
順方向: 電気が流れる(進める!) 🟢
逆方向: 電気が流れない(進入禁止!) 🔴
→ この性質を「整流作用」と呼びます

つまり、ダイオードは「電気の一方通行を作る部品」なんです。これだけ覚えればOKです!

🔌 ダイオードはどこで使われている?

ダイオードは、私たちの身の回りのあらゆる電子機器に使われています!

製品 ダイオードの役割
スマホの充電器 コンセントの交流(AC)を直流(DC)に変換
LED電球・照明 電気を流すと光る(これもダイオードの一種!)
パソコン内部 電圧を安定させる・逆流防止
太陽光発電 発電した電気を一方向に流す

このように、ダイオードは現代社会に欠かせない部品なんです!

📍 ダイオードの2つの端子

ダイオードには2つの足(端子)があります:

名前 記号 覚え方
アノード A 電気の入口(+側につなぐ)
カソード K 電気の出口(-側につなぐ)

💡 簡単な覚え方
アノード(A) → 「あ」は最初 → 入口
カソード(K) → 「か」は後 → 出口
• 電気はアノード→カソードの向きに流れます!

まずはこのイメージをしっかり頭に入れましょう!

🏔️ 0.7Vの小さな坂|順方向電圧降下とは?

🚶 「小さな坂」を越える必要があります

ダイオードには、ちょっとだけ不思議な性質があります。それが「順方向電圧降下(Vf)」です。

これを理解するために、「道路に小さな坂(スピードバンプ)がある」とイメージしてください。

🏔️ 坂(スピードバンプ)のイメージ
• 道路に高さ0.7mの小さな坂があると想像してください
• 車がこの坂を越えるには、少しだけエネルギーが必要です
• でも坂を越えれば、その後はスムーズに進めます
→ ダイオードも全く同じです!

⚡ 0.7Vの壁を越えると電流が流れ始める

ダイオードに電圧をかけていくと:

かけた電圧 電流の状態 たとえ
0〜0.6V ❌ 電流はほぼ流れない 坂を登る力が足りない
0.7V(境目!) ⚠️ 電流が流れ始める 坂の頂上に到達!
0.7V以上 ✅ 電流がたくさん流れる 坂を越えてスイスイ進む

💡 超重要ポイント!
• この「0.7V」という数字は、シリコン製ダイオードの標準値です
• 電験三種の試験では、Vf = 0.7Vと覚えておけばOK!
• これを「順方向電圧降下」と呼びます

🤔 なぜ0.7Vも下がるの?

これは、ダイオードの内部で「電子が壁を越えるためにエネルギーを使う」からです。

たとえるなら、遊園地の入場料のようなものです:

  • 🎢 遊園地に入るには、入場料(0.7V)を払う必要がある
  • 💰 入場料を払えば、中で自由に遊べる(電流が流れる)
  • 🚫 入場料が足りないと、入れない(電流が流れない)

つまり、ダイオードを通ると必ず0.7Vの電圧が失われるということです。これが「電圧降下」の意味です。

⚠️ 注意!
• ダイオードは常に0.7Vの電圧を消費します
• 例: 5Vの電圧をかけても、ダイオードを通った後は4.3Vになります
• この損失は回路設計で必ず考慮する必要があります

関連記事: 電験三種の勉強時間はどのくらい?|科目別の目安と効率的な学習法も合わせてご覧ください。

📊 グラフで見るダイオードの性質

📈 V-I特性曲線って何?

V-I特性曲線とは、「電圧(V)と電流(I)の関係を表したグラフ」です。

難しく聞こえますが、実は超シンプルです!

🔑 グラフの読み方
• 横軸: かけた電圧(V)
• 縦軸: 流れた電流(I)
• このグラフを見れば、どれくらいの電圧で電流が流れるかが一目でわかります!

🟥🟧🟩 3つのゾーンに分かれます

ダイオードのV-I特性曲線は、3つのゾーンに分けて考えるとわかりやすいです:

ゾーン 電圧範囲 電流の状態 イメージ
🟥 赤ゾーン 0〜0.7V ❌ ほぼゼロ 坂の手前で立ち往生
🟧 オレンジゾーン 0.7V付近 ⚠️ 流れ始める 坂を越える瞬間!
🟩 緑ゾーン 0.7V以上 ✅ どんどん増える 坂を越えて快走!

💡 覚え方のコツ
0.7Vが境目!これだけ覚えればOKです
• 0.7V未満 → 電流ほぼゼロ(赤信号🔴)
• 0.7V以上 → 電流たくさん(青信号🟢)

🔄 逆方向はどうなる?

ダイオードを逆向きにつなぐと、どうなるでしょうか?

答えは簡単!ほとんど電流が流れません

🚫 逆方向の特性
• 逆向きに電圧をかけても、電流はほぼゼロのまま
• まるで「通行止め」の看板があるイメージ
• これがダイオードの「一方通行」の正体です!

この性質があるおかげで、交流(AC)を直流(DC)に変換できるんです!

💎 3種類のダイオード|それぞれ違う役割があります

🔧 ダイオードには種類があります

実は、ダイオードにはいくつかの種類があります。それぞれ得意な仕事が違うんです!

ここでは、よく使われる3つのタイプを紹介します。

🚗 ①普通のダイオード|交流→直流変換が得意

🔌 普通のダイオードの特徴
• 正式名称: 整流ダイオード
• 得意な仕事: 交流(AC)を直流(DC)に変換
• 使われる場所: スマホの充電器、パソコンの電源
• 順方向電圧降下: 0.7V

これが一番基本的なダイオードです。「ダイオード」と言ったら、これを指すと思ってOKです!

🌊 ②ツェナーダイオード|電圧を一定に保つ

⚡ ツェナーダイオードの特徴
• 得意な仕事: 電圧を一定に保つ(ダム・水門のイメージ)
• 使われる場所: 安定化電源、基準電圧
• 特徴: 普通のダイオードと逆向きにつなぐ!
• 例: 5Vツェナーダイオード → 常に5Vを出力

たとえるなら、ダムの水門と同じです:

  • 🌊 水(電圧)がどんなに増えても、水門が一定の水位(電圧)を保つ
  • 💧 余分な水(電圧)は流して捨てる
  • 📏 常に一定の高さ(電圧)をキープ

精密な電子機器には、安定した電圧が必要です。そんな時にツェナーダイオードが活躍します!

💡 ③発光ダイオード(LED)|電気が流れると光る

💡 LED(Light Emitting Diode)の特徴
• 得意な仕事: 電気が流れると光る!
• 使われる場所: LED電球、信号機、テレビの画面
• 順方向電圧降下: 色によって違う(赤:1.8V、緑:2.2V、青:3.2V)
• 注意: 抵抗を必ずつける必要があります

LEDは、私たちの身の回りで大活躍しています:

  • 💡 家の照明(LED電球)
  • 🚦 信号機の赤・青・黄色
  • 📺 テレビやスマホの画面
  • 🎄 イルミネーション

⚠️ LEDの注意点
• LEDは電流を流しすぎると壊れます
• だから、抵抗を直列につなぐ必要があります
• 抵抗の計算式: R = (電源電圧 - LED電圧) ÷ 電流

📊 3種類の比較まとめ

種類 得意な仕事 身近な例
普通のダイオード AC→DC変換(整流) 充電器、電源アダプター
ツェナーダイオード 電圧を一定に保つ 安定化電源、基準電圧
LED(発光ダイオード) 電気で光る 照明、信号機、ディスプレイ

どのダイオードも「一方通行」という基本は同じですが、それぞれ得意分野が違うんですね!

🔄 整流回路|交流を直流に変換する仕組み

🏠 家のコンセントは「交流(AC)」です

まず、基礎知識を確認しましょう。

種類 説明 どこで使う?
交流(AC) 電気の向きが常に入れ替わる(波のように上下) 家のコンセント(100V)
直流(DC) 電気の向きが常に一定(真っ直ぐ) 電池、スマホ、パソコン

問題は、家のコンセント(交流AC)とスマホ(直流DC)が合わないということです。

だから、充電器の中でAC→DCに変換する必要があるんです。この変換をする回路が「整流回路」です!

🥄 半波整流|「ふるい」で選別するイメージ

半波整流は、ダイオード1個だけを使った最もシンプルな方法です。

🥄 半波整流の仕組み
• 交流の「正の部分」だけを通す(緑の部分)
「負の部分」はカット(赤の部分)
• まるで「ふるい」で良いものだけ選別するイメージ
• でも、半分は捨てるので効率が悪い(50%無駄)

たとえるなら:

  • 🥄 米を研ぐときの「ふるい」と同じ
  • ✅ 良い米だけ残す(正の部分)
  • ❌ ゴミは捨てる(負の部分)
  • 😢 でも、米の半分も捨てちゃうのでもったいない!

だから、半波整流は効率が悪く、実用的ではありません

♻️ ブリッジ整流|全部使う賢い方法

ブリッジ整流は、ダイオード4個を使った賢い方法です。

♻️ ブリッジ整流の仕組み
• 交流の「正の部分」も「負の部分」も両方使う!
• 負の部分を反転させて正に変換
• ダイオード4個で巧妙に電流の向きを変える
• 効率が2倍!(半波整流の2倍)

たとえるなら:

  • ♻️ リサイクルと同じ
  • ✅ 正の部分 → そのまま使う
  • 🔄 負の部分 → ひっくり返して使う(反転)
  • 😊 全部使うので無駄なし!

📊 2つの整流方式を比較

方式 ダイオード数 効率 実用性
半波整流 1個 😢 50%無駄 ❌ ほぼ使われない
ブリッジ整流 4個 😊 ほぼ無駄なし ✅ 実用回路で最も使われる

💡 覚えるポイント
• 実際の充電器やパソコンの電源は、ブリッジ整流を使っています
• ブリッジ整流 = 効率が良い = 実用的
• 電験三種の試験では、両方とも出題されます!

🧈 最後の仕上げ|コンデンサで滑らかに

整流回路だけでは、出力は「脈流(ガタガタした直流)」のままです。

これを滑らかな直流にするために、コンデンサ(平滑コンデンサ)を追加します。

🧈 コンデンサの役割
• コンデンサは「電気のバケツ」のようなもの
• 電圧が高いとき → バケツに貯める
• 電圧が低いとき → バケツから出す
• 結果として、ほぼ平らな直流が得られます!

たとえるなら:

  • 🧈 バターをパンに塗るとき、ナイフで滑らかにするイメージ
  • 🌊 波打った海面を、平らにならすイメージ

実際の充電器では、ブリッジ整流+平滑コンデンサの組み合わせが標準です!

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📝 まとめ|ダイオードは「電気の一方通行」

お疲れさまでした!この記事では、ダイオードの基礎を日常のたとえを使って解説しました。

🎯 この記事のポイント復習

  • ダイオード = 道路の一方通行と同じ仕組み
  • 0.7Vの小さな坂を越えると電流が流れる(順方向電圧降下)
  • 0.7Vが境目!これより低いと電流ほぼゼロ
  • 3種類のダイオード: 普通・ツェナー・LED(それぞれ得意分野が違う)
  • 整流回路でAC→DC変換(ブリッジ整流が実用的)
  • コンデンサで滑らかな直流に仕上げる

💡 電験三種対策|これだけ覚えればOK!
✅ 順方向電圧降下: Vf = 0.7V(シリコンダイオード)
✅ 整流回路の種類: 半波整流・ブリッジ整流
✅ ブリッジ整流 = ダイオード4個、効率良い
✅ LED = 発光ダイオード、抵抗を必ずつける
✅ ツェナーダイオード = 逆向き接続、定電圧動作

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
ダイオードの「一方通行」がイメージできましたか?📖✨

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