回路設計

フォトトランジスタとフォトダイオードの使い方|光をマイコンで読む

白いブレッドボードに立つ透明なフォトトランジスタと抵抗・フォトインタラプタの写真に、光をマイコンで読む・フォトトランジスタ・3.6kΩの計算の文字

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フォトトランジスタとフォトダイオードは、光が当たると電流が流れる部品で、マイコンの ADC で読むには抵抗を通して電圧に変えます(電圧=光の電流×抵抗)。抵抗の決め方は3ステップ、CdS を含めた違いは3つの違いの節へ。

結論|まず30秒でわかる答え

ADC は電流を読めないので、抵抗を通して電圧に変えます(電圧=光の電流×抵抗)。
抵抗は、測りたい最大の明るさで、いちばん感度の高い個体でも電源の 9 割に収まる値にします。TEPT5700 で 1000lux までなら 3.6kΩ です。

この記事に出てくる言葉

わからない言葉が出てきたら、ここに戻ってきてください。本文でも、初めて出たところで言い換えます。

フォトトランジスタ光が当たると電流が流れるトランジスタ。足は2本(C と E)
フォトダイオード光が当たると電流が流れるダイオード。電流は小さいが反応が速い
lux(ルクス)明るさの単位。部屋の明かりで数百lux ほど
負荷抵抗 RL光の電流を電圧に変えるために入れる抵抗
暗電流真っ暗でも少しだけ流れてしまう電流
頭打ち(飽和)電圧が電源近くで止まり、明るくなっても上がらない状態
フォトインタラプタ赤外線 LED と受光素子が1つになった、物の有無を見る部品
CTR受光側の電流 ÷ LED の電流。光がどれだけ伝わるかの割合
typ・min・maxデータシートの代表値・最小値・最大値

部屋が暗くなったら明かりをつける、回転する板の穴を数える、紙があるかを見る。こうした「光で何かを知る」回路の入口が、フォトトランジスタとフォトダイオードです。

この記事では、実在する部品のデータシートの数字を使って、回路と抵抗の決め方を、中学の理科(オームの法則)だけでわかるように説明します。

白いブレッドボードに立つ透明なフォトトランジスタと抵抗・フォトインタラプタの写真に、光をマイコンで読む・フォトトランジスタ・3.6kΩの計算の文字

この記事で作るもの:光の強さをA0の電圧にする回路

5V → フォトトランジスタ → 抵抗 3.6kΩ → GND とつなぎ、フォトトランジスタと抵抗のあいだの電圧をマイコンの A0 で読みます。部屋の明かり(約300lux)で約0.8V、1000lux で約2.7V(typ)です。

明るさ流れる電流(typ)A0 の電圧読み(5V 基準)
10lux7.5µA0.03V5
100lux75.0µA0.27V55
300lux225.0µA0.81V165
1000lux750.0µA2.70V552

例は Vishay の TEPT5700 という、人の目に近い色の光に反応するフォトトランジスタです。マイコンは電源 5V・ADC が 10ビット(0〜1023)の場合で、Arduino Uno がこの組み合わせです。

回路は部品2つだけです。むずかしいのは「抵抗を何Ωにするか」で、この記事の中心はそこです。

つまり、作るのは「フォトトランジスタ+抵抗1本」の回路。抵抗の値で、測れる明るさの範囲が決まります。

5V・フォトトランジスタ・3.6kΩ・GNDの回路図と、10・100・300・1000luxの電流・A0の電圧・読みの表

しくみ:光が当たると電流が流れ、抵抗で電圧になる

光が当たると、フォトトランジスタに光の強さに応じた電流が流れます。その電流が抵抗を通ると、抵抗の両はしに「電流×抵抗」の電圧が出ます。100lux なら 75µA × 3.6kΩ = 0.27V です。

フォトトランジスタは、光を受ける窓のついたトランジスタです。ふつうのトランジスタはベースに電流を流して ON にしますが、フォトトランジスタは光がベースの代わりをします。光が強いほど、コレクタ(C)からエミッタ(E)へ大きな電流が流れます。

真っ暗だと、流れる電流は暗電流だけです。TEPT5700 の暗電流は最大でも 50nA(0.00005mA)なので、抵抗の電圧は 0.2mV 以下で、ほぼ 0V です。

たとえると

フォトトランジスタは、光の強さで開き具合が変わる水道の蛇口です。抵抗は、流れた水の量を目盛りに変える「水車」のような役目で、流れが多いほど目盛り(電圧)が大きくなります。

光で電気が流れる現象そのもの(光電効果)は、別の記事で図解しています。

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つまり、光 → 電流 → 抵抗で電圧、の順に変わります。マイコンが読むのは最後の電圧です。

暗いときと明るいとき(100lux)の回路図。明るいときは5Vからフォトトランジスタ・抵抗・GNDへ電流が流れ、0.27Vになる

足の見分け方:フォトトランジスタは長い足がE

TEPT5700 は、長い足がエミッタ(E)、短い足がコレクタ(C)です。LED は長い足がプラス(アノード)なので、つなぐ向きの感覚が逆になります。

1. 長い足(E)

GND 側。抵抗 3.6kΩ をつなぎ、同じ所から A0 へ。

2. 短い足(C)

5V 側。外形図では、ふちの平らな側がこの足です。

3. データシートで確かめる

足の長さの決まりは品種で違うことがあります。買った品のデータシートの外形図で、E と C を確かめてから差します。

注意

逆に差しても壊れるとは限りませんが、光を当ててもほとんど電圧が出ません。「動かない」の原因でいちばん多いのが、この向きです。

つまり、フォトトランジスタは「長い足を GND 側」。LED と逆だと覚えます。

透明なフォトトランジスタの長い足がE・短い足がC、赤いLEDの長い足が+・短い足が−を並べた絵

負荷抵抗の決め方:3ステップ

抵抗 RL は、①測りたい最大の明るさを決め、②その明るさでの最大の電流を出し、③ RL=0.9×5V÷最大の電流 で計算して E24 の小さい側へ丸めます。1000lux なら 3.75kΩ → 3.6kΩ です。

STEP 1 測りたい最大の明るさ

部屋の明かりから窓ぎわまでなら 1000lux、と決めます。

STEP 2 その明るさでの最大の電流

データシートでは 20lux で最大 24µA。1lux あたり 1.2µA なので、1000lux で 1.2µA×1000=1.2mA。

STEP 3 抵抗を計算して丸める

RL=0.9×5V÷1.2mA=3.75kΩ → E24 で小さい側の 3.6kΩ。

負荷抵抗の式
RL = 0.9 × 電源の電圧 ÷ 最大の明るさでの最大の電流

「0.9」は、いちばん明るいときでも電源の 9 割で止めるための余裕です。電圧が電源に近づくと、フォトトランジスタの C と E のあいだに電圧が残らなくなり、それ以上は上がらなくなります(頭打ち)。

代表値(typ)の 0.75µA/lux だけで計算すると 5.6kΩ になります。ところが感度の高い個体だと、約714lux で頭打ちになり、1000lux まで測れません。だから STEP 2 では最大の電流を使います。

つまり、抵抗は「いちばん感度の高い個体」でも頭打ちしない値にします。丸めは小さい側です。

STEP1 最大1000lux、STEP2 最大の電流1.2mA、STEP3 0.9×5V÷1.2mA=3.75kΩ→3.6kΩの3枚のカード

抵抗の大きさで、測れる明るさの範囲が変わる

抵抗が大きいほど、暗い所でも大きな電圧が出ます。そのかわり、早く頭打ちになります。測りたい明るさの範囲に合わせて選びます。

抵抗 RL10lux100lux1000lux頭打ちの明るさ(typ)
1kΩ0.007V0.07V0.75V約6,400lux
3.6kΩ0.027V0.27V2.70V約1,778lux
10kΩ0.075V0.75V4.80V約640lux
47kΩ0.352V3.52V4.80V約136lux

1kΩ では 1000lux でも 0.75V しか出ず、暗い所の変化はほとんど読めません。47kΩ では 10lux でも 0.35V 出ますが、136lux で頭打ちになり、部屋の明かりの違いが見分けられません。

表とグラフは、TEPT5700 の代表値で「電流は明るさに比例する」として計算したイメージです。データシートのグラフ(明るさと電流)は、両対数でほぼまっすぐなので、比例として目安にできます。

つまり、暗い所を見たいなら大きく、明るい所まで測りたいなら小さく。部屋の明かり〜1000lux なら 3.6kΩ です。

1kΩ・3.6kΩ・10kΩ・47kΩの明るさとA0の電圧のグラフ。47kΩは136lux、10kΩは640luxで4.8Vに頭打ち

計算例:3.6kΩのとき、読みから明るさに直す

A0 の読みから、電圧=読み×5÷1024、明るさ=電圧÷(3.6kΩ×0.75µA) で直せます。読み 400 なら 1.95V で、約723lux(typ)です。

STEP 1 読み → 電圧

400×5÷1024=1.953V。

STEP 2 電圧 → 電流

1.953V÷3.6kΩ=543µA。

STEP 3 電流 → 明るさ

543µA÷0.75µA/lux=約723lux(typ の係数)。

5V 基準の ADC の1段は 4.9mV で、3.6kΩ では約1.8lux に当たります。10lux 前後の暗い所を細かく見たいなら、抵抗を大きくするか、内部 1.1V の基準電圧で読みます。

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読みが毎回少しずつゆれるときは、何回か読んで平均します。Arduino なら次のように書けます(例)。

long sum = 0;
for (int i = 0; i < 16; i++) sum += analogRead(A0);   // 16回読んで
float v = sum / 16.0 * 5.0 / 1024.0;                    // 平均 → 電圧
float lux = v / (3600.0 * 0.75e-6);                      // 電圧 → 明るさ(typ の係数)

つまり、読み → 電圧 → 電流 → 明るさの3つの割り算です。ただし、最後の係数は個体で変わります(次の節)。

10・100・300・1000luxの電流・計算・A0の電圧・読みの表と、読み400から約723luxへ直す式

同じ型番でも感度は4.6倍ちがう:ランクと合わせ込み

TEPT5700 は感度でランク A・B・C に分けて出荷され、20lux の電流は 5.2〜24µA と 4.6 倍の幅があります。同じ読み 400 でも、明るさは約452〜2087lux とちがって見えます。

ランク20lux の電流読み 400 のときの明るさ(目安)
A(低い)5.2〜9.9µA多めに出る
B8.2〜15.4µAその間
C(高い)12.7〜24µA少なめに出る

データシートによると、1つの袋には1つのランクだけが入りますが、どのランクかは指定できません。量産では、ランクが混ざる前提で設計します。

明るさの値(lux)が必要なときは、照度計と同じ場所に置いて読み、「lux=係数×電圧」の係数を1台ずつ決めます(合わせ込み)。「暗い・明るい」を判定するだけなら、しきい値に余裕をとれば合わせ込みなしでも使えます。

しきい値の近くで ON・OFF がバタつくときは、上げるときと下げるときでしきい値を変える(ヒステリシス)と落ち着きます。

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つまり、抵抗は最大の個体で決め、明るさの値は照度計で合わせ込む。判定だけなら余裕をとれば十分です。

TEPT5700のランクA・B・Cの20luxでの電流(5.2〜9.9・8.2〜15.4・12.7〜24µA)の横棒グラフ

フォトダイオードの使い方:逆向きにつないで抵抗で電圧に

フォトダイオードは、カソード(K)を 5V、アノード(A)を抵抗で GND につなぎ(逆向き)、アノードの電圧を読みます。BPW34 は 1000lux で 75µA と、フォトトランジスタの約1/10 なので、抵抗は 47kΩ と大きめになります。

STEP 1 最大の電流

1000lux で 75µA(typ)。最大値が書かれていないので 1.25 倍で見込み、94µA(目安)。

STEP 2 抵抗を計算

0.9×5V÷94µA=48.0kΩ → E24 で 47kΩ。

STEP 3 出力を確かめる

100lux で 7.5µA×47kΩ=0.35V、1000lux で 3.52V(typ)。

フォトダイオードは、ふつうのダイオードと同じ記号に光の矢印がついたものです。電流を流さない向き(逆向き)に電圧をかけて使うと、光の強さにきれいに比例した電流が流れます。

暗電流は、ダイオードのリーク電流と同じものです。BPW34 は最大 30nA で、温度が上がると増えます。

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電流が小さいので、抵抗をさらに大きくしたくなりますが、抵抗が大きいほど反応が遅くなり、ノイズも拾いやすくなります。もっと小さな光を測るときは、オペアンプで電流を電圧に変える回路(電流電圧変換)を使います。

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つまり、フォトダイオードは「逆向き+大きめの抵抗」。電流は小さいけれど、明るさにきれいに比例します。

カソードを5V、アノードを47kΩでGNDにつなぐフォトダイオードの回路図と、BPW34の数字・抵抗の計算のカード

速さを比べる:フォトダイオードが速く、CdSは遅い

反応の速さは、フォトダイオード(0.1µs ほど)、フォトトランジスタ(10µs ほど)、CdS(20〜30ms)の順です。BPW34 に 47kΩ をつなぐと、抵抗×素子の容量で約1.2µs かかります。

部品反応の時間(目安)条件・出典
BPW34(フォトダイオード)0.1µs上昇・下降 100ns、VR 10V・RL 1kΩ
BPW34 + 47kΩ約1.2〜3.3µs47kΩ×25pF(3V)〜70pF(0V)の計算
TCST2103(フォトトランジスタ)10µston 10µs・toff 8µs、RL 100Ω
GL5528(CdS)20〜30ms明るくなるとき 20ms・暗くなるとき 30ms

フォトトランジスタは、中で電流を増やすぶん、反応が遅くなります。さらに抵抗を大きくすると、もっと遅くなります。明るさを見るだけなら気にしなくてよい速さですが、光で信号を送る通信や、速く回る板の穴を数えるときに効いてきます。

抵抗と容量で時間が決まる考え方は、RC の時定数と同じです(計算は連載の RC の記事)。

つまり、明るさならどれでも足りる速さ。速い光の信号ならフォトダイオード、CdS は明暗の判定だけ。

BPW34 0.1µs、BPW34+47kΩ 1.2µs、TCST2103 10µs、CdS 20ms・30msの対数の横棒グラフ

フォトトランジスタ・フォトダイオード・CdSの違い

迷ったら、明るさを見る・ON/OFF にはフォトトランジスタ、速い信号・正確な測定にはフォトダイオード、手軽な明暗の判定には CdS です。

フォトトランジスタフォトダイオードCdS
感度(100lux)75µA(大きい)7.5µA抵抗が変わる(10lux で 10〜20kΩ)
速さ数µs〜0.1µs〜(速い)20〜30ms(遅い)
明るさとの関係ほぼ比例比例(よい)比例しない(γ0.6)
よく感じる光570nm(目に近い)900nm(赤外まで)540nm
回路抵抗1本(電流→電圧)逆向き+抵抗固定抵抗と分圧
例の品種TEPT5700BPW34GL5528

CdS は抵抗が変わる部品なので、固定抵抗と分圧して読みます。くわしくはセンサの電圧を読む記事で説明しています。CdS はカドミウムを含み、EU の RoHS 指令で使用が制限される物質なので、売る製品にはフォトトランジスタや照度センサ IC が選ばれることが多いです。

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BPW34 は赤外線までよく感じるので、目で見た明るさとずれることがあります。人の目に近い明るさを測りたいなら、TEPT5700 のように「人の目に合わせた」と書かれた品を選びます。

つまり、感度・速さ・比例・色の4つで選びます。

感度・速さ・明るさとの関係・よく感じる光・向く使い方・例の品種を比べた表

フォトインタラプタ:LEDと受光素子が1つになった部品

フォトインタラプタは、赤外線 LED とフォトトランジスタを1つにした部品です。透過型はすき間を物が通ると光が切れ、反射型は前に物があると光がはね返ってきます。

透過型反射型
例TCST2103(すき間 3.1mm)TCRT5000(いちばん強く返る距離 2.5mm)
わかることすき間を物が通ったか前に物があるか・白か黒か
使い道回転数・原点・紙の有無黒い線をたどる・物の有無

どちらも、外の光を減らすフィルタがついていて、LED の赤外線だけに反応しやすくなっています。

LED と受光素子を向かい合わせて1つにした部品には、フォトカプラもあります。フォトカプラは、電気を光で伝えて回路どうしを絶縁するための部品で、光が外に出ないように閉じられています。

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つまり、物の有無を光で見るならフォトインタラプタ。すき間を通るなら透過型、前にあるかなら反射型です。

すき間を板が通ると光が切れる透過型と、白い紙で光がはね返る反射型の絵

透過型の回路:LEDに200Ω、受光側は10kΩでプルアップ

LED 側は 5V → 200Ω → LED → GND、受光側は 5V → 10kΩ → C、E → GND とつなぎ、C の電圧をマイコンの D2 で読みます。光が通ると L、板がさえぎると H です。

1. LED 側

5V から 200Ω を通して LED のアノードへ、カソードを GND へ。約19mA 流れます。

2. 受光側

C を 10kΩ で 5V に引き上げ(プルアップ)、E を GND へ。C の列から D2 へ線を引きます。

3. 読む

光が通ると受光側が ON になって D2 が L、さえぎると OFF になって H。digitalRead で読めます。

プルアップがないと、受光側が OFF のとき D2 の電圧が決まらず(浮いた状態)、読みがふらつきます。

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LED の抵抗の計算は、ふつうの LED と同じです。赤外線 LED は目に見えないので、点いているかはスマホのカメラで見ると確かめやすいです(機種によっては見えません)。

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つまり、LED には電流を決める抵抗、受光側にはプルアップの抵抗。2本の抵抗で動きます。

5V・200Ω・赤外線LEDと、5V・10kΩ・フォトトランジスタ・D2の回路図と、光が通る・さえぎるときの出力

透過型の計算:LEDの抵抗とプルアップの抵抗

LED の抵抗は (5−1.25)÷20mA=187.5Ω → 200Ω。受光側の電流は最小でも CTR 10% で 1.88mA なので、プルアップは 2.45kΩ 以上あれば L になり、10kΩ なら約4倍の余裕です。

STEP 1 LED の抵抗

(5V−1.25V)÷20mA=187.5Ω → 電流が増えすぎない大きい側の 200Ω(18.75mA)。抵抗の電力は 70mW で、1/4W の抵抗で足ります。

STEP 2 受光側の最小の電流

CTR(受光側の電流÷LED の電流)は最小 10%。18.75mA×10%=1.88mA。

STEP 3 プルアップの抵抗

L(0.4V 以下)にするには (5−0.4)÷1.88mA=2.45kΩ 以上。10kΩ なら必要な電流は 0.46mA で、余裕は約4倍。

VF の 1.25V は、データシートに書かれた 60mA のときの値です。20mA では VF が少し下がるので、電流は計算より少し増えますが、最大 60mA には十分届きません。

反射型(TCRT5000)も同じ考え方で、LED は 10mA なら (5−1.25)÷10mA=375Ω → 390Ω です。ただし、受光側の電流(最小 0.5mA)は鏡を 12mm に置いたときの値で、紙ではずっと小さくなります。反射型は A0 でアナログに読み、実物でしきい値を決めると調整しやすいです。

つまり、プルアップは「最小の電流でも L になる」値より大きく。10kΩ から試し、速さが足りなければ小さくします。

LEDの抵抗187.5Ω→200Ω、受光側の最小1.88mAとプルアップ2.45kΩ以上→10kΩの計算のカード

早見表:光センサの回路と抵抗(5V)

答えだけ欲しい人向けの表です。抵抗の考え方は、どれも「電流×抵抗=電圧」です。

部品例抵抗出力
フォトトランジスタTEPT5700E 側に 3.6kΩ(1000lux まで)1000lux で 2.7V(typ)
フォトダイオードBPW34アノード側に 47kΩ(1000lux まで)1000lux で 3.5V(typ)
透過型フォトインタラプタTCST2103LED 200Ω・プルアップ 10kΩ通る L/さえぎる H
反射型フォトインタラプタTCRT5000LED 390Ω・10kΩ近いほど L に近づく(A0 で読む)
抵抗の式(フォトトランジスタ・フォトダイオード)
RL = 0.9 × 電源 ÷ 測りたい最大の明るさでの最大の電流

つまり、測りたい明るさが変われば、RL も変わります。式に入れ直して決めます。

フォトトランジスタ3.6kΩ・フォトダイオード47kΩ・透過型200Ωと10kΩ・反射型390Ωと10kΩの早見表

ブレッドボードの配線:フォトトランジスタをA0へ

フォトトランジスタの短い足(C)の列を 5V へ、長い足(E)の列から 3.6kΩ を GND レールへつなぎ、同じ E の列からマイコンの A0 へ線を引きます。

1. 差す

E(長い足)を 6列、C(短い足)を 7列に差します。ブレッドボードは縦の5穴がつながっています。

2. 5V

7列(C)から +5V レールへ赤い線。

3. 抵抗と GND

6列(E)から 3.6kΩ を GND レールへ。

4. A0

6列(E)からマイコンの A0 へ。マイコンの 5V と GND もレールへつなぎます。

光センサは、まわりの照明の影響を強く受けます。窓の光や照明の真下など、置く場所で値が大きく変わるので、使う場所で確かめます。

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つまり、E の列に「抵抗」と「A0」の2本、C の列に「5V」の1本です。

ブレッドボードの配線図。フォトトランジスタのEを6列・Cを7列に差し、7列から5V、6列から3.6kΩでGNDとA0へ

よくある失敗4つ:光センサの回路

E と C を逆に差す・抵抗が大きすぎて頭打ち・照明のちらつきを拾う・反射型のデータシートの数字をそのまま使う、の4つがよくある失敗です。

1. E と C を逆に差す

LED と同じつもりで長い足を 5V に差すと、光を当ててもほとんど電圧が出ません。長い足(E)を GND 側へ差し直します。

2. 抵抗が大きすぎる

明るい所で A0 が 4.8V 近くに張りつき、明るさが変わっても同じ値になります。最大の明るさでの最大の電流で、RL を決め直します。

3. 照明のちらつきを拾う

室内の照明には、電源の周波数の2倍(100Hz・120Hz)で明るさがゆれるものがあります。1回だけ読むと値がばらつくので、何回か読んで平均します。

4. 反射型の数字をそのまま信じる

TCRT5000 のデータシートの電流は、鏡を 12mm に置いたときの値です。紙や布ではずっと小さくなるので、実物で読みを測ってしきい値を決めます。

つまり、向き・抵抗・平均・実物での確認の4つを、組む前と組んだ後に見直します。

EとCを逆に差す、抵抗が大きすぎる、照明のちらつきを拾う、反射型の数字をそのまま信じる、の4枚のカード

テスターで確かめる:A0の電圧が光で動くか

最低限、①手でおおうと A0 が 0V 近くになるか、②ライトを近づけると電圧が上がるか、をテスターで確かめます。

最低限ここだけ

1. 暗いとき

黒を GND、赤を A0 に当て、フォトトランジスタを手でおおいます。0V 近くなら OK。数十mV 以上なら、すき間から光が入っているか配線を疑います。

2. 明るいとき

スマホのライトを近づけると、電圧が上がり 4.8V 近くで止まるかを見ます。上がらないなら E と C の向きを確かめます。

余裕があれば

部屋の明かりで 0.3〜1V くらいか(3.6kΩ・typ の目安)、テスターの電圧と「読み×5÷1024」が同じかを比べます。明るさの値が要るなら、照度計と並べて係数を決めます。

つまり、「暗い → 0V、明るい → 上がる」が見えれば、回路は正しく動いています。

手でおおう・部屋の明かり・スマホのライト・Cの足のA0の目安と見ることの表

よくある質問(FAQ)

Q. フォトトランジスタの抵抗は何Ωにする?

A. 0.9×電源÷最大の明るさでの最大の電流です。TEPT5700で1000luxまでなら3.6kΩです。

Q. フォトトランジスタの足はどっちがプラス?

A. TEPT5700は短い足(C)が5V側、長い足(E)がGND側です。LEDと逆なのでデータシートで確かめます。

Q. フォトトランジスタとフォトダイオードの違いは?

A. フォトトランジスタは電流が約10倍大きく、フォトダイオードは反応が速く明るさにきれいに比例します。

Q. フォトダイオードはなぜ逆向きにつなぐ?

A. 逆向きに電圧をかけると、光の強さに比例した電流がきれいに流れ、反応も速くなるからです。

Q. フォトトランジスタで明るさ(lux)を正確に測れる?

A. 感度に約4.6倍の個体差があるので、照度計で1台ずつ合わせ込めば目安として測れます。

Q. フォトインタラプタのプルアップは何Ω?

A. TCST2103でLEDが約19mAなら、2.45kΩ以上ならLになります。10kΩで約4倍の余裕です。

まとめ
  • フォトトランジスタ・フォトダイオードは、光で電流が流れる。抵抗で「電流×抵抗」の電圧にして ADC で読む
  • 抵抗は RL=0.9×電源÷最大の明るさでの最大の電流。TEPT5700 で 1000lux まで → 3.6kΩ
  • TEPT5700 は長い足が E(GND 側)。LED と逆
  • 感度は同じ型番でも 4.6 倍ちがう。明るさの値は照度計で合わせ込む
  • フォトダイオードは逆向き+大きめの抵抗(BPW34 で 47kΩ)。電流は約1/10 だが速い
  • 透過型フォトインタラプタは LED 200Ω・プルアップ 10kΩ(約4倍の余裕)

まずはフォトトランジスタと抵抗1本を組み、手でおおったりライトを当てたりして、A0 の電圧が動くのを見てみてください。

参考にした資料

法令・規格・資料は改訂されることがあります。実務で使うときは、発行元の最新版で確かめてください。

この記事の理解を深める本と道具
おすすめの道具

回路を実際に組んで、電流や電圧を確かめてみたいときに向いています。サンハヤトのブレッドボード SAD-101です。408個の穴に部品を差し込むだけで、はんだ付けをせずに回路を組めます。

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回路の電圧や導通を自分の手で確かめるなら、手元にテスターが1台あると便利です。三和電気計器のデジタルマルチメータ(テスター)CD772です。電圧や抵抗などを測れます。

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波形を自分の目で確かめるなら、手元にオシロスコープが1台あると便利です。RIGOLのデジタル・オシロスコープ DHO804です。周波数帯域70MHz・4チャンネルで、12ビットの垂直分解能をもちます。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに執筆しています。むずかしい専門用語をできるだけ使わず、はじめて学ぶ人がつまずかないように、図とたとえで説明することを大切にしています。

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