理論科目の解説

【永久保存版】電験三種「理論」公式一覧|試験直前に見返す最強チートシート【全分野網羅】

😣 こんな経験はありませんか?
  • 試験前日、「あの公式なんだっけ…」とノートを何冊もめくって時間だけが過ぎていく
  • 直流回路の公式は覚えたのに、交流回路の公式と混ざって頭がパニックになる
  • 参考書の索引から公式を探すのが面倒で、「全部まとまってる1ページ」が欲しいと思ったことがある
  • 過去問を解いていて「この公式、どの分野のどこに載ってたっけ?」と手が止まる
✅ この記事でわかること
  • 電験三種「理論」の全公式を6分野・100以上の公式に整理した一覧表
  • すべての公式に「一言で言うと何?」の直感的説明を添付
  • 各分野の詳細解説記事へのリンク付きで、わからない公式はすぐに深掘り可能
  • 試験直前にブックマーク1つで全公式を見返せるチートシート

電験三種の「理論」科目は、直流回路・交流回路・静電気・電磁気・電子理論・電気計測と、カバーすべき範囲が非常に広い科目です。個別に勉強しているときは理解できていたのに、いざ試験前日になると「あれ、この公式どっちだっけ?」と記憶が混線する——これは誰もが経験することです。

この記事は、理論科目で登場する公式を1ページにすべて集約した「公式チートシート」です。各公式には「一言で言うと何をする式なのか」を添えているので、丸暗記ではなく意味ごと思い出せる構成にしています。試験当日の朝、通勤中、会場の待合室——このページを開くだけで最終確認が完了します。

💡 この記事の使い方
この記事は「ハブ記事」として設計しています。公式の意味がわからないときは、各セクションに貼ってある詳細記事リンクをクリックすれば、図解付きの丁寧な解説に飛べます。ブックマークしておけば、勉強期間中ずっと「公式辞書」として使えます

目次

📋 この記事の全体マップ|6分野の構成

電験三種「理論」の出題範囲は大きく6つの分野に分かれます。この記事では、以下の順番で全公式を整理しています。試験での配点比率も併せて記載しているので、どの分野に時間を割くべきかの判断材料にもしてください。

No. 分野 主な内容 出題頻度 ロードマップ
1 ⚡ 直流回路 オームの法則、キルヒホッフ、テブナン、ブリッジ回路 ★★★★★ 詳細→
2 🔌 交流回路 インピーダンス、共振、力率、三相交流、電力 ★★★★★ 詳細→
3 ⚛️ 静電気 クーロンの法則、電界、コンデンサ、静電エネルギー ★★★★☆
4 🧲 電磁気 磁界、電磁力、電磁誘導、インダクタンス ★★★★☆
5 💻 電子理論 半導体、ダイオード、トランジスタ、オペアンプ、過渡現象 ★★★☆☆
6 📏 電気計測 計器、倍率器・分流器、ブリッジ測定、電力測定 ★★★☆☆ 詳細→
💡 配点のポイント
理論科目は全20問(A問題14問+B問題6問)で100点満点。直流回路と交流回路だけで全体の約50〜60%を占めます。この2分野の公式を完璧にすることが合格への最短ルートです。配点戦略の詳細は以下の記事を参考にしてください。

⚡ 第1章:直流回路の公式

直流回路は理論科目の「土台」です。ここで覚える公式は、交流回路・電子理論・電気計測のすべてに応用されます。逆にここが不安定だと、他の分野でも失点します。まずは最も基本的なオームの法則から、キルヒホッフ、分圧・分流まで一気に確認しましょう。

1-1. オームの法則・電力・電力量・ジュール熱

公式 一言で言うと? 単位 詳細解説
V = IR 電圧=電流×抵抗。すべての回路計算の大元。 V [V]、I [A]、R [Ω] 解説→
I = V / R 電圧が同じなら、抵抗が大きいほど電流は小さい。 I [A] 解説→
R = V / I 抵抗=電圧÷電流。回路の「流れにくさ」を数値化。 R [Ω] 解説→
P = VI = I²R = V²/R 電力=「1秒あたりに消費するエネルギー」。3形態を使い分ける。 P [W] 解説→
W = Pt = VIt 電力量=電力×時間。「電気代の元になる量」。 W [J] または [Wh] 解説→
Q = I²Rt [J] ジュール熱=電流の二乗×抵抗×時間。抵抗で発生する熱量。 Q [J] 解説→
1 [cal] = 4.186 [J] ジュールとカロリーの換算。水の温度上昇問題で必須。 解説→
🔧 現場の声
「P = VI、P = I²R、P = V²/R の3つは"何が一定か"で使い分ける」が鉄則です。直列回路は電流が一定だから P = I²R、並列回路は電圧が一定だから P = V²/R が便利。これが頭に入っていると、過去問の計算スピードが段違いに上がります。

1-2. 合成抵抗

公式 一言で言うと? 適用条件 詳細解説
R = R₁ + R₂ + R₃… 直列接続=足し算。「道が長くなるほど通りにくい」。 直列接続 解説→
1/R = 1/R₁ + 1/R₂… 並列接続=逆数の足し算。「道が増えるほど通りやすい」。 並列接続 解説→
R = R₁R₂ / (R₁+R₂) 「和分の積」。2本の並列のときだけ使えるショートカット。 2本の並列 解説→

1-3. 抵抗率・導電率・温度変化

公式 一言で言うと? 詳細解説
R = ρ × (L / S) 抵抗=抵抗率×(長さ÷断面積)。電線が長いほど、細いほど抵抗が大きい。 解説→
σ = 1 / ρ 導電率=抵抗率の逆数。「電気の通しやすさ」を表す。 解説→
R_t = R₀(1 + αt) 温度が上がると金属の抵抗は増える。αは温度係数。 解説→

1-4. 分圧・分流の法則

公式 一言で言うと? 詳細解説
V₁ = V × R₁/(R₁+R₂) 分圧=直列回路で、抵抗が大きい方に電圧が多く分配される。 解説→
I₁ = I × R₂/(R₁+R₂) 分流=並列回路で、抵抗が小さい方に電流が多く流れる。分子が「相手」の抵抗値であることに注意。 解説→
⚠️ 試験でよくある間違い
分流の法則で、分子に「自分の抵抗」を入れてしまうミスが最も多いです。分圧は「自分の抵抗」が分子、分流は「相手の抵抗」が分子——「分圧は自分、分流は相手」と覚えてください。

1-5. キルヒホッフの法則

法則 公式 一言で言うと? 詳細解説
第1法則
(電流則)
ΣI = 0 「接続点に入る電流の合計 = 出る電流の合計」。水の分岐と同じ。 解説→
第2法則
(電圧則)
ΣV = 0 「閉じた一周の電圧の合計 = 0」。起電力の合計=電圧降下の合計。 解説→

1-6. テブナンの定理・ノートンの定理・重ね合わせの理

定理 核心公式 一言で言うと? 詳細解説
テブナンの定理 I = V₀ / (R₀ + R_L) 複雑な回路を「1つの電圧源V₀と1つの抵抗R₀」に置き換えて解く。 解説→
ノートンの定理 I_N = V₀ / R₀ 複雑な回路を「1つの電流源I_Nと1つの抵抗R₀」に置き換える。テブナンの双対。 解説→
重ね合わせの理 I = I₁ + I₂ + … 電源が複数ある場合、1つずつ計算して足し合わせる。他の電源は短絡(電圧源)or開放(電流源)にする。

1-7. ブリッジ回路・Y-Δ変換

公式 一言で言うと? 詳細解説
R₁R₃ = R₂R₄
(平衡条件)
ホイートストンブリッジの平衡条件。対角の積が等しいとき、検流計の電流=0。未知抵抗を精密測定するのに使う。 解説→
Δ→Y:R_a = R₁R₂ / (R₁+R₂+R₃) デルタ結線をスター結線に変換。分母は3つの抵抗の和、分子は隣り合う2つの積。 解説→
Y→Δ:R₁ = R_aR_b + R_bR_c + R_cR_a / R_c スター結線をデルタ結線に変換。分子は3つの「ペアの積」の和、分母は対辺の抵抗。 解説→
💡 直流回路のまとめ
直流回路の公式は「オームの法則」→「合成抵抗」→「分圧・分流」→「キルヒホッフ」→「テブナン」→「ブリッジ」の順に積み上がっています。迷ったときはこの順番で復習すると、どこで理解が途切れているかがわかります。
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🔌 第2章:交流回路の公式

交流回路は理論科目で最も出題ウェイトが高く、かつ「直流と何が違うのか」で混乱しやすい分野です。ここでのカギはインピーダンスZという概念を正しく理解すること。直流でのR(抵抗)が、交流ではZ(インピーダンス)に拡張されるだけ、と捉えればパニックになりません。

2-1. 交流の基本量(正弦波・周波数・周期)

公式 一言で言うと? 詳細解説
v = Vm sin(ωt + θ) 瞬時値の式。Vm=最大値、ω=角周波数、θ=初期位相。交流の「正体」はこの式。 解説→
f = 1 / T 周波数 = 1÷周期。1秒間に何回振動するかを示す。日本は50Hzまたは60Hz。 解説→
ω = 2πf 角周波数 = 2π×周波数。「1秒間に何ラジアン回転するか」。単位は [rad/s]。 解説→

2-2. 実効値・最大値・平均値

公式 一言で言うと? 詳細解説
V = Vm / √2 ≈ 0.707Vm 実効値=最大値÷√2。「コンセントの100V」はこの実効値のこと。直流に換算した等価の値。 解説→
V_avg = 2Vm / π ≈ 0.637Vm 平均値=半波の平均。整流型計器の指示値に使われる。 解説→
波形率 = V / V_avg ≈ 1.11 実効値÷平均値。正弦波の場合は約1.11。計器の補正に使う。 解説→
波高率 = Vm / V ≈ 1.414 最大値÷実効値 = √2。正弦波の場合のみ成り立つ。 解説→

2-3. リアクタンスとインピーダンス

公式 一言で言うと? 詳細解説
X_L = ωL = 2πfL 誘導性リアクタンス。コイルの「交流に対する抵抗」。周波数が高いほど大きい。 解説→
X_C = 1/(ωC) = 1/(2πfC) 容量性リアクタンス。コンデンサの「交流に対する抵抗」。周波数が高いほど小さい。 解説→
Z = √(R² + (X_L - X_C)²) RLC直列回路のインピーダンス。直角三角形の斜辺=Z、底辺=R、高さ=(X_L - X_C)。 解説→
Z = R + j(X_L - X_C) 複素数表示。jは虚数単位(電気では i の代わりに j を使う)。計算はこちらが便利。 解説→
I = V / Z 交流のオームの法則。直流のI=V/Rと同じ形。RがZに変わっただけ。 解説→
Y = 1 / Z = G + jB アドミタンス=インピーダンスの逆数。並列回路の計算で威力を発揮。G=コンダクタンス、B=サセプタンス。 解説→
📐 覚え方のコツ
X_Lとのfの関係が逆になりがちですが、こう覚えてください。
コイル(L)=「変化を嫌う」→ 周波数が高い(変化が速い)と抵抗が増える → X_L = 2πfL
コンデンサ(C)=「変化が好き」→ 周波数が高い(変化が速い)と抵抗が減る → X_C = 1/(2πfC)

2-4. 力率と交流電力

公式 一言で言うと? 詳細解説
cosθ = R / Z 力率=抵抗÷インピーダンス。「供給した電力のうち、実際に仕事をする割合」。1に近いほど効率が良い。 解説→
cosθ = P / S 力率=有効電力÷皮相電力。電力の観点からの力率の定義。 解説→
P = VIcosθ [W] 有効電力=実際に仕事をする電力。電気代に影響するのはこれだけ。 解説→
Q = VIsinθ [var] 無効電力=コイルやコンデンサが「蓄えて返す」を繰り返す電力。仕事はしないが送電線を流れる。 解説→
S = VI [VA] 皮相電力=電圧×電流。「見かけ上の電力」。変圧器の容量はこれで表示。 解説→
S² = P² + Q² 電力三角形。三平方の定理がそのまま成立する。 解説→
P = I²R = V²/R 有効電力の別表現。交流でも「抵抗で消費される電力」は直流と同じ形。 解説→

2-5. 共振回路

種類 共振周波数 共振時の特徴 詳細解説
直列共振 f₀ = 1 / (2π√(LC)) X_L = X_C → Z = R(最小)→ I = 最大。電流が爆発的に増える。力率 = 1。 解説→
並列共振 f₀ = 1 / (2π√(LC)) Z = 最大(理想的には∞)→ I = 最小。回路内部でL⇔Cの間をエネルギーが往復。 解説→
Q値(先鋭度) Q = ω₀L/R = 1/(ω₀CR) 共振の「鋭さ」を示す。Q値が大きいほど、特定の周波数だけを選別できる。 解説→
⚠️ 混同注意
直列共振は「Z最小・I最大」、並列共振は「Z最大・I最小」。これは必ず逆になります。共振周波数の公式 f₀ = 1/(2π√LC) はどちらも同じですが、起きる現象が真逆であることを忘れないでください。

2-6. 三相交流

三相交流は、工場やビルなどの「大きな電力を効率よく送る」ために使われる方式です。ここでの最大のポイントは「線間と相の関係」。Y結線とΔ結線で電圧・電流の関係が異なるので、表で整理して確認しましょう。

結線 電圧の関係 電流の関係 詳細解説
Y結線
(スター)
V_線間 = √3 × V_相 I_線 = I_相 解説→
Δ結線
(デルタ)
V_線間 = V_相 I_線 = √3 × I_相 解説→
📐 覚え方のコツ
「√3が掛かるのは"合流する側"」と覚えてください。
Y結線=電圧が「合流」して線間に出る → 電圧に√3が掛かる
Δ結線=電流が「合流」して線に出る → 電流に√3が掛かる

2-7. 三相電力

公式 一言で言うと? 詳細解説
P = √3 × V_L × I_L × cosθ 三相電力の大公式。V_LとI_Lは「線間電圧」「線電流」。Y/Δどちらでも使える万能形。 解説→
P = 3 × V_p × I_p × cosθ 相電圧・相電流で表した三相電力。「1相分の電力×3」。 解説→
P = 3I²R = 3V_p²/R 三相電力を抵抗値で表した形。負荷が抵抗のみの場合(cosθ=1)に簡略化。 解説→
🔧 現場の声
三相電力の問題で最も多いミスは「線間電圧と相電圧を取り違える」ことです。問題文の「200V」がどちらなのかを必ず確認してください。Y結線の場合、線間200Vなら相電圧は 200/√3 ≈ 115.5V です。

⚛️ 第3章:静電気の公式

静電気の分野は「クーロンの法則」→「電界・電位」→「コンデンサ」→「静電エネルギー」という流れで構成されています。電磁気と混同しやすいですが、静電気は「動かない電荷」が主役、電磁気は「動く電荷(電流)」が主役——この違いを意識すると整理しやすくなります。

3-1. クーロンの法則・電界・電位

公式 一言で言うと? 詳細解説
F = Q₁Q₂ / (4πε₀r²) クーロンの法則。2つの電荷間に働く力。距離の2乗に反比例する(万有引力と同じ形)。 解説→
E = F / Q = Q / (4πε₀r²) 電界の強さ=「単位電荷あたりの力」。点電荷が作る電界は距離の2乗に反比例。 解説→
E = V / d 平行平板間の電界。電圧÷距離。これが最もシンプルかつ頻出。 解説→
V = Q / (4πε₀r) 点電荷が作る電位。電界と違い、距離の1乗に反比例(1/rの関係)。 解説→
E = -dV/dr 電界は電位の傾き(勾配)のマイナス。電位が急に変わる場所ほど電界が強い。 解説→

3-2. ガウスの法則

公式 一言で言うと? 詳細解説
∮E·dS = Q / ε₀ ガウスの法則。閉曲面を貫く電気力線の本数=中の電荷÷誘電率。対称性の高い問題で電界を一発で求められる。 解説→
電気力線の本数 = Q / ε₀ 電荷Q [C] から出る電気力線の総本数。ε₀ = 8.854×10⁻¹² [F/m]。 解説→

3-3. コンデンサの公式

公式 一言で言うと? 詳細解説
Q = CV コンデンサの基本式。蓄える電荷=容量×電圧。 解説→
C = ε₀εᵣS / d 平行平板コンデンサの容量。面積が大きいほど・距離が近いほど容量が大きい。εᵣ=比誘電率。 解説→
直列:1/C = 1/C₁ + 1/C₂ コンデンサの直列=逆数の和。抵抗と逆なので注意。 解説→
並列:C = C₁ + C₂ コンデンサの並列=足し算。抵抗とは逆のパターン。 解説→
⚠️ 最頻出の混同ポイント
コンデンサと抵抗の合成は直列・並列が逆です。
・抵抗:直列=足し算、並列=逆数の和
・コンデンサ:直列=逆数の和、並列=足し算
「コンデンサは並列で面積が増える → 容量が増える → 足し算」とイメージすれば間違えません。

3-4. 静電エネルギー

公式 一言で言うと? 詳細解説
W = ½QV 静電エネルギーの基本形。電荷と電圧の積の半分。 解説→
W = ½CV² 電圧が一定のとき便利。Q=CVを代入した形。 解説→
W = Q² / (2C) 電荷が一定のとき便利(電源を外した後のコンデンサ)。V=Q/Cを代入した形。 解説→

🧲 第4章:電磁気の公式

電磁気は「磁界」→「電磁力」→「電磁誘導」→「インダクタンス」という流れで学びます。静電気と対比しながら覚えると整理しやすくなります。静電気ではE(電界)がメインでしたが、電磁気ではH(磁界の強さ)とB(磁束密度)の2つが主役です。

4-1. 磁界・磁束密度

公式 一言で言うと? 詳細解説
H = I / (2πr) 直線導体が作る磁界。電流からの距離rに反比例する。アンペールの法則から導出。 解説→
H = NI / l(ソレノイド) ソレノイド内部の磁界=巻数×電流÷長さ。内部は一様。 解説→
B = μH = μ₀μᵣH 磁束密度 = 透磁率 × 磁界の強さ。Hは「原因」、Bは「結果」。 解説→
Φ = BS 磁束 = 磁束密度 × 面積。「ある面を貫く磁力線の束の量」。 解説→

4-2. 電磁力(ローレンツ力)

公式 一言で言うと? 詳細解説
F = BIL [N] 電磁力=磁束密度×電流×導体の長さ。磁界中で電流を流すと力が発生する(モーターの原理)。フレミングの左手の法則で方向を判定。 解説→
F = BILsinθ 導体が磁界に対して角度θを持つ場合。θ=90°のとき最大(sinθ=1)。 解説→
f = qvB [N](荷電粒子) ローレンツ力。磁界中を運動する荷電粒子に働く力。電子ビームの偏向に利用。 解説→

4-3. 電磁誘導・インダクタンス

公式 一言で言うと? 詳細解説
e = -N(dΦ/dt) [V] ファラデーの法則。磁束の変化が起電力を生む。マイナスは「変化を妨げる向き」(レンツの法則)。 解説→
e = BLv [V] 導体が速度vで磁界中を動くときの起電力(発電機の原理)。フレミングの右手の法則で方向を判定。 解説→
e = -L(di/dt) [V] 自己誘導起電力。電流が変化すると、自分自身に電圧を誘導する。Lが大きいほど変化を嫌う。 解説→
L = μN²S / l [H] ソレノイドの自己インダクタンス。巻数の2乗に比例、長さに反比例。 解説→
W = ½LI² [J] コイルに蓄えられる磁気エネルギー。コンデンサのW=½CV²と対になる。 解説→

4-4. 磁気回路

公式 一言で言うと? 詳細解説
Φ = NI / R_m 磁気回路のオームの法則。磁束Φ=起磁力NI÷磁気抵抗R_m。電気回路のI=V/Rと全く同じ形。 解説→
R_m = l / (μS) 磁気抵抗=磁路の長さ÷(透磁率×断面積)。電気のR=ρL/Sと同じ形。 解説→
💡 静電気と電磁気の対応表
静電気と電磁気は、公式の形がほぼ「対」になっています。この対応を意識すると暗記量が半分になります。
・電界E ↔ 磁界H
・電束密度D ↔ 磁束密度B
・誘電率ε ↔ 透磁率μ
・静電容量C ↔ インダクタンスL
・W = ½CV² ↔ W = ½LI²

💻 第5章:電子理論・過渡現象の公式

電子理論は半導体・ダイオード・トランジスタ・オペアンプなど、範囲は広いですが出題数は2〜3問程度です。「深入りしすぎず、頻出ポイントを確実に押さえる」が合格戦略です。過渡現象は「時定数τ」さえ理解すれば、パターンで解けます。

5-1. 半導体・ダイオード・トランジスタ

公式・用語 一言で言うと? 詳細解説
n型半導体 / p型半導体 n型=電子が多い(負)。p型=正孔(ホール)が多い(正)。不純物のドーピングで作る。 解説→
I_C = h_FE × I_B トランジスタの電流増幅。コレクタ電流=電流増幅率×ベース電流。小さい信号を大きくする。 解説→
I_E = I_B + I_C エミッタ電流=ベース電流+コレクタ電流。キルヒホッフの第1法則そのもの。 解説→

5-2. オペアンプ

回路名 公式 一言で言うと? 詳細解説
反転増幅回路 V_out = -(R_f / R_in) × V_in 出力=入力×(-帰還抵抗/入力抵抗)。マイナスなので位相が反転する。 解説→
非反転増幅回路 V_out = (1 + R_f / R_in) × V_in 出力=入力×(1+帰還抵抗/入力抵抗)。位相は反転しない。倍率は必ず1以上。 解説→
📐 オペアンプの2つの仮定(理想オペアンプ)
イマジナリーショート:+端子と-端子の電位差 = 0
入力インピーダンス = ∞:入力端子に電流は流れない
この2つを使えば、どんなオペアンプ回路も解けます。

5-3. 過渡現象(RC回路・RL回路)

回路 時定数τ 充電・放電の式(代表例) 詳細解説
RC回路 τ = RC [s] 充電:v(t) = V(1 - e^(-t/τ))
放電:v(t) = V × e^(-t/τ)
解説→
RL回路 τ = L / R [s] 電流増加:i(t) = (V/R)(1 - e^(-t/τ))
電流減少:i(t) = (V/R) × e^(-t/τ)
解説→
💡 63.2%ルール
時間t=τ(1時定数)が経過すると、充電では最終値の63.2%に到達し、放電では36.8%(=100%-63.2%)まで減少します。t=5τでほぼ100%(99.3%)に到達。この「63.2%」という数字は試験で非常に頻出です。

📏 第6章:電気計測の公式

電気計測の分野は、「計器の種類と特徴」を問う知識問題と、「倍率器・分流器」の計算問題に大別されます。計算は基本的にオームの法則の応用なので、直流回路をしっかり理解していれば怖くありません。

6-1. 倍率器と分流器

用途 公式 一言で言うと? 詳細解説
倍率器
(電圧計の範囲拡大)
R_m = (m - 1) × r 電圧計に直列に抵抗を接続して測定レンジを拡大。mは倍率(=測定したい電圧÷計器の最大電圧)、rは計器の内部抵抗。 解説→
分流器
(電流計の範囲拡大)
R_s = r / (m - 1) 電流計に並列に抵抗を接続して測定レンジを拡大。mは倍率(=測定したい電流÷計器の最大電流)、rは計器の内部抵抗。 解説→
🔧 現場の声
倍率器と分流器の公式は対照的です。
倍率器(電圧計に直列)→ (m-1)を掛ける
分流器(電流計に並列)→ (m-1)で割る
「直列は掛ける、並列は割る」と覚えればOKです。

6-2. 電力測定

測定法 公式 一言で言うと? 詳細解説
二電力計法 P = W₁ + W₂ 2つの電力計の読みを足すだけで三相電力がわかる。中性線不要。 解説→
三電圧計法 P = (V₃² - V₁² - V₂²) / (2R) 電力計なしで、3つの電圧計と既知抵抗Rだけで電力を測定。 解説→
三電流計法 P = (I₃² - I₁² - I₂²) × R / 2 3つの電流計と既知抵抗Rで電力を測定。三電圧計法の双対。 解説→

6-3. 指示電気計器の種類(頻出知識問題)

計器名 動作原理 DC/AC 特徴
可動コイル形 永久磁石の磁界中でコイルに電流→トルク DC専用 高精度。目盛り等間隔。
可動鉄片形 鉄片の反発力 DC/AC 構造簡単・安価。目盛り不等間隔。
電流力計形 2つのコイル間の電磁力 DC/AC 電力計に使用。高精度。
誘導形 回転磁界による渦電流 AC専用 電力量計(積算計)に使用。
整流形 ACを整流→可動コイル形で測定 AC 平均値を測定し実効値目盛り。正弦波以外で誤差あり。
熱電形 電流による発熱→熱電対で起電力 DC/AC 高周波でも真の実効値が測れる。
静電形 極板間の静電力 DC/AC 高電圧測定。電流を消費しない。

🔄 第7章:静電気 vs 電磁気 対比表&重要定数

試験では「静電気と電磁気のどちらの公式だったか」を混同するミスが多発します。以下の対比表を頭に入れておけば、混乱を防げます。

7-1. 静電気と電磁気の完全対比

項目 ⚛️ 静電気 🧲 電磁気
電荷 Q [C] 電流 I [A](磁荷は存在しない)
場の強さ 電界 E [V/m] 磁界 H [A/m]
束密度 電束密度 D = εE [C/m²] 磁束密度 B = μH [T]
媒質定数 誘電率 ε = ε₀εᵣ [F/m] 透磁率 μ = μ₀μᵣ [H/m]
蓄積素子 コンデンサ C [F] コイル L [H]
蓄積エネルギー W = ½CV² W = ½LI²
容量の公式 C = εS/d L = μN²S/l
回路のオームの法則 (電気回路)I = V/R (磁気回路)Φ = NI/R_m
時定数 τ = RC τ = L/R

7-2. 試験で使う重要定数

記号 名称
ε₀ 真空の誘電率 8.854 × 10⁻¹² [F/m] ≈ 1/(36π) × 10⁻⁹
μ₀ 真空の透磁率 4π × 10⁻⁷ [H/m]
e 電気素量(電子の電荷) 1.602 × 10⁻¹⁹ [C]
π 円周率 3.14159…(試験では3.14で計算)
√2 (交流の実効値計算で頻出) 1.414…
√3 (三相交流で頻出) 1.732…

✋ 付録:フレミングの法則 早見表

「左手と右手、どっちがどっち?」は、受験者が最も混同しやすいポイントのひとつです。この表を試験直前に確認しておけば安心です。

法則 対象 指の対応 覚え方
🤚 左手 電動機
(モーター)
人差し指=磁界(B)の向き
中指=電流(I)の向き
親指=力(F)の向き
「電動機(モーター)=
FBI」(親→人→中)
🖐️ 右手 発電機
(ジェネレータ)
人差し指=磁界(B)の向き
親指=運動(v)の向き
中指=起電力(e)の向き
「発電機=

📐 付録:SI接頭辞&単位変換 早見表

電験三種の計算問題では、μF(マイクロファラッド)やmH(ミリヘンリー)など、SI接頭辞の変換ミスが致命的な失点につながります。以下の表を頭に入れておきましょう。

SI接頭辞(頻出のみ抜粋)

接頭辞 記号 倍率 電験でよく使う場面
メガ M 10⁶ MΩ(絶縁抵抗)
キロ k 10³ kΩ、kV、kW、kHz
ミリ m 10⁻³ mA、mH、mm
マイクロ μ 10⁻⁶ μF(コンデンサ容量)
ナノ n 10⁻⁹ nF、ε₀の計算
ピコ p 10⁻¹² pF(小容量コンデンサ)、ε₀の値
⚠️ 計算ミスを防ぐコツ
計算の最初に、すべての値をSI基本単位(V、A、Ω、F、Hなど)に変換してから計算を始めるのが鉄則です。「10μF = 10 × 10⁻⁶ F」のように、接頭辞を10のべき乗に書き換えてから式に代入すれば、桁のミスを防げます。

📝 まとめ|この記事の使い方

ここまで、電験三種「理論」の全公式を6分野にわたって一覧化しました。最後に、この記事の効果的な使い方をおさらいします。

使い方 1

試験前日の最終チェックに使う。全分野を30分で一気に流し見して、「あ、これ忘れてた」をゼロにする。

使い方 2

過去問学習中の「公式辞書」として使う。問題を解いていて「この公式どこだっけ?」と思ったら、この記事を開いて確認→詳細記事リンクで深掘り。

使い方 3

勉強の全体像を把握するために使う。「理論科目ではこれだけの公式が出る」という全体像が見えれば、学習計画も立てやすくなる。

💡 合格者からのアドバイス
公式は「丸暗記」ではなく「意味を理解して覚える」が合格への最短ルートです。この記事の「一言で言うと?」欄を読んで意味がスッと入ってこない公式があれば、それはまだ理解が浅い証拠。詳細記事リンクで復習してから試験に臨んでください。

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